という事でこれからも頑張るZOY!
祭壇の前で何を思い、祈りを捧げているのか…佐倉杏子は入り口で自身を見つめるほむらに気づいているのかいないのか、その場からジッと動く事なく、片膝をついて両手を組んでいた、のだが…
《アンコ!アンコ!》
「…だぁぁっ!うっせぇなっ!!」
カービィは一般人には聞こえないようにテレパシーの要領で声を発している。何の能力も持たない一般人であればその声は聞こえないのだが、逆を言えばそれ以外の聞こえる人にはカービィの声はダダ漏れだ。
なので魔法少女である佐倉杏子にはアンコと連呼するカービィの声は耳が痛い程に聞こえており、もう堪えきれないという様子で祈りを中断し、ズカズカとほむらがいる玄関に駆け寄ってきた。
「さっきからうるさいんだけど!しかもアンコってアタシの事ぉ?アタシは
「えっ…ええ、ごめんなさい…カービィ、ちょっと静かに…」
《アンコ!》
「
またもカービィにアンコと呼ばれて怒る杏子を見てこのままでは話が進まない見たほむらはいったん盾を具現化させて中から無邪気に名前を連呼するカービィを取り出す。
∩
c(╹◡╹)<はぁい!
「ごめんなさい…少し椅子を借りるわね。カービィ、こっちで大人しくしていてね。ほら、ガムもあげるから」
ポーズを決めて現れるカービィを教会の会堂用の長椅子に座らせ、このような時の為に持ち歩いてるガムを彼に渡す。ほむらも最近気づいた事なのだが、ガムならば噛めば噛むほど味が出る為、カービィの早食いを僅かに抑える事ができるのだ!
突然、ピンクの生き物が現れたと思いきや、ガムを噛んで大人しくする姿を見て唖然としていた杏子、しかし、すぐに我に返り炎を纏った赤い槍を手元に具現化させる。
「そいつぁ…魔女の使い魔か何かか!?それにテメェ…どうやら同業者のようだな…!」
「ええ…話が早いようで助かるわ。佐倉杏子」
「アンタはアタシの事を知ってるようだが…アタシはアンタたちの事を知らねえな。何者だ?何しにここにきやがった?」
辺りの空気がビリビリと張り詰めたものとなる。鋭い眼差しをほむらと長椅子に座りガムを噛み締めるカービィに向ける杏子。
おそらく下手な事を言ってしまえばすぐさま戦闘に入ってしまうだろう。なので、慎重に言葉を選んで話そうとするほむらだが…
(っ╹~')っ<ガム!
「「………」」
そんな中、どうやらガムの味がしなくなり、おかわりを要求するカービィがほむらの足元にやってくる。
ほむらはスカートのポケットからガムを取り出し、丁寧に包み紙をのけてあげてからカービィの口に突っ込む。すると、カービィは元の長椅子に大人しく座り、ガムを咀嚼していた。
しばらく何ともいえない雰囲気がこの場を支配したが、こほんとわざとらしく咳をしたほむらが話を続ける。
「…失礼。私は暁美ほむら、彼はカービィ。私は見ての通り魔法少女よ。あの子は…まあその…私にもよくわからない。キュゥべえが言うには宇宙人みたいよ」
「わけわかんねぇ…!まあてめえらの素性はわかった…敵じゃねえならいったいアタシに何の用だ?恨み言やグリーフシードをわけてくれなんていうのは勘弁だぜ」
白旗と言わんばかりに両手を上げて淡々と話すほむらとくちゃくちゃと音を立ててガムを幸せそうに噛み締めるカービィに杏子も戦意も削がれたのか槍を地面に突き立て、腕を組んでいる。
その様子に内心ホッと一息つき、そして用件を切り出した。
「単刀直入に言わせてもらうわ。佐倉杏子、私たちと手を組んでほしいの」
「何を言い出すかと思えば…ふざけてんのならさっさと壊した出口を直して帰んな。アタシも暇じゃないんだ」
会ったばかりで名前しかろくに知らない魔法少女から急に持ちかけられる共闘には杏子も溜め息をついていた。
しかし、ほむらの次の言葉によって杏子もその共闘について真剣に考え始める事となる。
「…最強の魔女、あなたも名前は聞いた事があるはずよ」
「ああ?そいつは確か…」
「【ワルプルギスの夜】ただ一度具現しただけでも何千…いや何万もの人間が犠牲になる…!ここでこの話をするという意味はどういう事かわかるでしょう?」
いきなりの話にちんぷんかんぷんだった杏子も気づいたようで興味深そうにほむらを見ている。
「なぜわかる?そんな情報でアタシが信用すると思うのか?」
「信じてもらえなくてもいい。でも三週間…三週間だけ手を貸してほしい。グリーフシードも衣食住も全て私が保証するわ!」
「…ふぅん…そいつは悪くない条件だね。アタシをからかってるってわけじゃなさそうか…」
杏子も真剣に考えてくれているようで両者の間に再び沈黙が流れる。その沈黙を遮ったのはやはり…
(╹◡╹)<おかわり!
味のしなくなったガムを飲み込み、おかわりを要求するカービィがほむらの足元にやってきた。ほむらがガムを取り出そうとしたその時!
「おい!カービィとか言ったっけ?そいつ…」
「ええ、そうだけど…」
(っ╹~╹c)<ぽよ?
突然名前を呼ばれた事に振り向くカービィ。杏子はパーカーのポケットをガサガサとまさぐると何かを取り出す。それはチョコレート菓子のRockyで彼女は封を切るとカービィの身長に合わせてかがみ…
「食うかい?」
カービィに向かってそのお菓子を差し出した!もちろんカービィは…
c(╹◡╹)っ<ぽよっ!!
「へっ…いい食べっぷりじゃないか。嫌いじゃないぜ、そういうの」
「杏子…?」
「【ワルプルギスの夜】の話が本当ならここ風見野も相当な被害を受けるはず。ま、違ってても雨風がしのげて飯も食えるならそれでいい!乗ってやろうじゃないか!その話にさ!」
………
そんなほむら達の事をどこからか見ている影が一つ。それは可愛らしい外見がどこか不気味に感じてしまうもう一つの宇宙生命体であるキュゥべえであった。
”【ワルプルギスの夜】を倒す為に巴マミに続き、佐倉杏子とも手を組んだようだね…暁美ほむら”
”でも、君がどう動こうが鹿目まどかの契約は止められない。たとえ星のカービィが手を貸した所で何も変わらないよ”
”その為の駒はもう揃っているのだから…さあ、どんな未来がくるのか楽しみだね”
今回はちょい短め…
マミもお菓子の魔女は乗り切り、杏子もとりあえずは手を組んでくれそう。一見うまくいっているように見えるこの状況、果たして…!