まどか「お願い…カービィ!」「ぽよ!」   作:めぐるうさぎ

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そういえば成人式を得て成人を迎えたのですが、どこかではまた何かトラブルが起きたみたいですね。私がいた所は平和な島国なので何事もありませんでしたが…


19.魔法少女達の集結

「美樹さん、落ち着いて!佐倉さんも…!こんな事…意味がないわ!」

 

「こいつは…こいつは!使い魔を逃がすんですよ!?そのせいで襲われる人たちがいるにも関わらず…!許せないっ」

 

「へぇ…じゃあアンタはグリーフシードが勝手に生えてくるものだと思っているわけだ…いったい誰に似たのか、おめでたい奴だねぇ」

 

「マミさんの事をバカにするなっ!!」

 

 

 今にも杏子に飛びかかりそうなさやかの腕をマミが掴む事により、二人の衝突はなんとか回避されていた。がこのままではどちらかが先に攻撃を仕掛け、戦いとなるのは時間の問題であろう。

 人々を守るはずの魔法少女たちが今、争おうとしている。まさに一触即発のこの状況を変えるべくカービィを抱えたまどかが杏子とマミ&さやかの間に入った。

 

 

「なんで…なんで魔法少女どうしで喧嘩しなくちゃいけないの!?こんなのおかしいよっ!」

 

(っ╹~')<ぽよっ!

 

 

 マミやさやか、杏子とも関わりがあるカービィもまどかと共に止めに入るが険悪なこの雰囲気は収まらなかった。いったいどうしてこのような事になっているのかというと…

 

 

 

 

 

………

 

 

 

 

 

 結界は魔女だけでなく人を襲う為に使い魔も作る。この結界内に魔女はいなかったのだ。マミとさやかの二人はこの結界を作り出した使い魔を倒そうとさやかの特訓を兼ねて戦闘していた。

 

 

「チッ…バカだね、アイツら…使い魔なんか倒したって何の得もありゃしないのに」

 

(っ╹~╹c)<ぽよ?

 

 

 それを見た杏子は舌打ちを一つと苛立ちを抑える為か、ROCKYを口に運ぶ。杏子の苛立ちの理由をカービィが聞いた所、魔法少女にとって使い魔は必ずしも倒さなくてはならない存在ではない。むしろグリーフシードを落とさないぶん、戦うだけ無駄な存在だ。

 しかし、使い魔は人を襲い、力をつけると魔女へと進化する。なので、邪魔にならない使い魔は見逃してその使い魔が成長した魔女と戦う…それが本来の魔法少女のあるべき姿なのだと杏子は彼に説明する。

 

 

「…それにしてもちんたらしてやがるな…マミのヤロー後任の魔法少女でも育成してんのか?」

 

(╹◡╹)<さやか!

 

「さやかか…そういやこの間の時にもいたあいつか。あの時はこっちの大将がヘマこいたからたいした挨拶も出来なかったが…」

 

 

 何か悪戯を考えついた子供のような笑顔を見せる杏子。すると、杏子のソウルジェムが赤く光を放ち、彼女の姿を変えていく!

 瞬く間に赤を基調とした魔法少女姿になったかと思うと手に炎を浮かび上がらせ、その炎で自身の身を上回る程の槍を作り上げる。

 

 

「アタシ流の挨拶を叩き込んでやるかな…どいてろ、カービィ」

 

 

 もう片方の腕でカービィを掴んだ杏子は彼をピョコンとピンク髪が飛び出している積み木の方へと投げる。突然、降ってきたカービィに驚く声が聞こえるが知ったこっちゃない。

 杏子は近くの積み木を足場に三角跳びの要領で縦横無尽に飛び回る使い魔の元へジャンプすると…その脳天を槍で貫いて見せる。そして、そのまま勢いよく地面に落下し、使い魔を絶命させた。結界は消え、辺りは夕日が差し込む裏路地の風景に戻っていく。

 

 

「あ、あんたは…!この間の…?」

 

「佐倉杏子、アンタと同じ魔法少女さ。だけど、あまりにも不甲斐ない後輩を見ちまったもんでつい手出ししちゃったよ」

 

 

 使い魔から槍を引き抜いた彼女は駆け寄ってくるさやかとマミに向き直ると蔑むようにさやかを挑発。それを聞いたさやかはしばらくの沈黙の後、真っ赤に顔を染め上げて杏子を睨みつけていた…のだが、そんな彼女の後ろから複雑な表情のマミが前に出る。

 

 

「…佐倉さん。久しぶり、ね」

 

「…ああ、相変わらずこんな甘っちょろい事を続けているんだな。倒しても何のメリットもない使い魔なんて放っておけばいいのにさ」

 

「…っ!?暁美さんやカービィと仲間になったって聞いたからあなたも変わってくれたんだって思ってた。残念よ…」

 

「はっ!アイツらとは利害の一致ってヤツだ。人はそう簡単に…「ちょっと待ってよ!」」

 

 

 杏子とマミとの会話に割って入ったのはさやかだ。その顔は先ほど同様…いや、先ほど以上に怒りに燃えていた。その理由は簡単だ。

 

 

「あんたがマミさんと昔何があったのかは聞かない…だけど、あんた!使い魔を見逃すっていうの!?」

 

「何か大元から勘違いしてるようだから説明してやるよ。食物連鎖って知ってる?学校で習ったよねぇ?弱い人間を魔女が食う。その魔女をアタシたちが食う。これが当たり前のルールでしょ?そういう強さの順番なんだから」

 

「っ!このぉ!!」

 

 

__以上がこの無意味な争いの理由である。

 まどかとカービィとマミがヒートアップする二人を止めようとする。しかし、自身の正義感から頭に血が上ったさやかと笑いながら挑発し続ける杏子を止める事はできない。やがて…

 

 

「まさかとは思うけど。やれ人助けだの正義だの…その手のおちゃらけた冗談をかますためにアイツと契約したわけじゃないよね?アンタ」

 

「だったら…なんだって言うのよ!!」

 

「美樹さん!?」「さやかちゃん!!」「ぽよ!!」

 

 

 マミの制止を強引に振り切り、さやかが杏子へ駆け出す!技術はないもののスピードだけなら並大抵の魔法少女を上回る彼女に杏子は少し驚いたがそれだけだ。

 大きく振りかぶった剣が杏子の身体を切り裂く前にさやかの腹部に重たい蹴りの一撃が入れられる。その後、槍の柄の部分で怯んださやかの身体を吹き飛ばした。

 

 

「さやかちゃん!?」

 

「ま、トーシローじゃこんなもんだろうな…ん?」

 

 

 荒々しく息を吐きながらもさやかはゆっくりと立ち上がる。その口元からは血も吐き捨てられたが、彼女の闘志は消えていないようだった。

 

 

「あんたなんかに…あたしは負けない…っ!」

 

「…うぜぇ。超うぜぇ!」

 

 

 杏子が槍を回しながらふらふらなさやかに向かって駆け出した。さやかも迎え撃つべく剣で構えをとるのだが…杏子は空中から降ってきたピンクの影の蹴りで武器を落とされ、さやかは地面から生えてきたリボンでその動きが止められる。二人を止めた人物はやはりカービィとマミである。

 

 

「いい加減にしなさい!それ以上あなた達が戦おうとするなら私とカービィが黙って見ていないわ!」

 

「もがもが!」

 

「…アンタの言うことをアタシが聞くと思うか?ようやく楽しくなってきたトコなんだ。カービィ!後でまたなんか奢ってやるからそこをどけ!」

 

(っ╹~')<…ダメ!

 

 

 杏子の行く手を塞ぐカービィ。彼女の食べ物の誘惑にもカービィは負けない。なぜなら、マミとまどかに先に餌付けされたから…だけでなく仲間が無意味な争いをするのはカービィも見ていられなかったからだ。

 

 

「チッ…なら、さっきの食べ物の借りも含めて少し痛い目を見てもらうよ!カービィ!」

 

 

 再び槍を作り出した杏子はカービィへと穂先を向けた。ぽよ!?と少し驚きつつもカービィもすぐに戦闘態勢に入る。緊迫したその間にまどかが割り込んできた。

 

 

「も、もう止めて!こんなのってないよ!魔女じゃないんだよ?どうして味方同士で戦わなくっちゃいけないの!」

 

「…まどかの言うとおり。佐倉さん、槍を収めてください」

 

 

 人通りのない裏路地に入ってくる影が一つ。カチッと機械音がしたかと思うとその影は一瞬にしてまどかの隣に現れる。

 

 

(╹◡╹)<ほむら!

 

 

 長いロングの髪を三つ編みに束ね、眼鏡をかけた魔法少女。暁美ほむらがこの場に現れたのだ。いつの間にかさやかの動きを止めていたリボンもバラバラに引き裂かれている。

 

 

「暁美さん!?どうしてここに…」

 

「キュゥべえから皆が戦ってるって聞いて駆けつけちゃいました。間に合って良かった…」

 

 

 ほむらは杏子の方へ向き直る。カービィに邪魔され、ほむらにまで乱入されてはさすがに分が悪いと見たのか杏子はそっぽを向いていた。

 その様子にホッと一息ついた後、彼女はその場でスーハーと深呼吸をする。そして…

 

 

「2週間後…ここ見滝原に【ワルプルギスの夜】が現れます。カービィ…佐倉さん…巴さん…美樹さん…そして、まどか…!私に力を貸してください!」

 

 

 隣にいるまどかを横目にワルプルギスの夜の話を切り出したほむら。カービィにはその視線はまるでまどかに契約を進めているように思えてしまうのだった。




そろそろマギレコにクーほむ実装されそうで怖い…嬉しいけど石が…チケットが…

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