クーほむより。特に意味はないです。ええ…
(そうだ…思い出してきた…まどかを守る為に、弱い自分を捨てる為にキュゥべえと契約した)
床に落ちた
(伝えなきゃ…皆、キュゥべえに騙されてる!)
伝えなくてはならない。魔法少女について、ソウルジェムについて…そして、魔女について。ほむら達がキュゥべえに何をされたかを!
ほむらの横にいた杏子は突然、情緒不安定になったほむらを訝しむように見ていたがそんな彼女の手を引いてさやかを抱いて泣き崩れているマミとカービィの所へいく。
「お、おい!なんだよっ…ほむら!?今はそっとしておいてやろうぜ…」
「ごめんなさい!美樹さん!間に合わなくて…私はまた…!あぁぁぁぁ…」
マミは自分がもっと速く駆けつけていれば…さやかにちゃんと戦い方をレクチャーしていれば…と後悔していた。カービィはそんなマミの背中をさすって慰めている。
「巴さん…」
「………」
「聞いてください!巴さん!…美樹さんについてです!」
さやかの遺体を抱き締めて泣き崩れるマミの身体がピクリと反応した。そして、おそるおそるほむらの方に顔を向ける。
彼女の整った顔は涙やら鼻水でぐちゃぐちゃになっていた。そんな巴マミは見た事ないはず、見た事ないはずなのに頭の中にはそんな彼女の記憶がある。
その事に疑問を抱きながらもほむらは皆に魔法少女の残酷な運命を告げていく。
「カービィ、ごめんなさい。私はあなたを疑ってた…あなたの言う事は本当だったんだね…」
( っ~╹)<ぽよ?
「私は少しだけ記憶が戻りました。どうしてかはわからないけどあの魔女を見て思い出したんです」
こうしてほむらは話した。ソウルジェムは魔法少女に変身する為の道具だが、それは自分の魂を形にしたモノだという事。
ソウルジェムが完全に濁りきった時、それは死ではなく魔女へと姿を変え自我がなくなってしまう事。
キュゥべえに騙されていた事をみんなに告げると、元から知っていたカービィは特に変わらないでいたが…
「なっ!?んだとぉ…!嘘だろ?なあ…!」
「いいえ、おそらく本当の事です。そして、美樹さんもその犠牲になった…」
「…どういう…事…?美樹さんはあの魔女に殺された!間違いないわ!」
「いいえ、美樹さんの身体には外傷がないはずです。そして、彼女のソウルジェムもない。そのソウルジェムはこのグリーフシードに変貌してしまったから…」
みんなに人魚の魔女のグリーフシードを見せるほむら。それには微かにさやかのモノと思われる魔力の反応が感じ取れる。それは確かな証拠であった。
「まじかよ…あの白狸…やってくれたねぇ!」
「…あ、ああ…あぁぁぁっ!!」
怒りに震える杏子と違ってマミは頭を抑えてうずくまってしまう。変わり果ててしまったとはいえ、さやかに銃を向けて本気で攻撃をしてしまった…戦い傷つき、絶望して魔女へと変わってしまった彼女を知らなかったとはいえ…
「わ、わた…私はなんて事を…美樹さん、美樹さんがぁっ!!」
「巴さん!?(しまった!)」
「おい!どこにいくんだ!?マミ!」
c(╹~╹っ)彡彡
涙を流しながらどこかへ走り去ってしまったマミ。頭に被ったベレー帽についた彼女のソウルジェムは明るい黄色だったのが、その光の中に闇が差し込み始めていたのを見たカービィは急いで彼女を追いかける。
「おい!アタシたちも追うぞ!」
「…はい!二手に別れましょう!私は巴さんの家を探します。佐倉さんは彼女が行きそうな場所を!」
「ああ、心当たりはある!」
(巴さんに真実を教えてしまったのは失敗だった…!憎んでいた魔女が美樹さんだったという事に巴さんは耐えきれなかったんだ…私のせいだ)
………
夜の闇に覆われ、誰も寄りつかないような山の中。月明かりはその中でうずくまり、一人涙する巴マミの姿を映し出していた。
「………」
知りたくなかった。自分が戦っていたモノの正体。そして、友達だと思っていたキュゥべえが自分や他の魔法少女に何をしていたのか。
”やあ…今日は月が綺麗だね。マミ”
感情のこもっていない声でそんな口説き文句が聞こえてくる。顔を上げたマミの前には兎のように真っ白な毛並みをした赤い瞳を持つ獣がそこにいた。
当然、彼は幽霊でもゾンビでもない。人魚の魔女に殺されたキュゥべえとは別個体のキュゥべえだ。彼はたとえ死んだとしてもこうして別の個体が送られてくるのだ。
「全部、全部騙してたの?」
”騙した?なんの事だい?”
ギリッと歯を軋ませ、マミはキュゥべえに掴みかかる。しかし、キュゥべえは動揺する事もなくやれやれと言わんばかりに首を横に振っていた。
「とぼけないでよ!なんで…なんでみんなが魔女になる必要があるの?どうしてこんな事をするのよ!」
”君には最初に説明したじゃないか。いくつか説明を省いた事もあったかもしれないけどね”
「…なんて事を…!あなたのせいで…美樹さんが!美樹さんがっ!!」
キュゥべえの目的を知らない彼女からしてみれば願いを餌に何の罪もない少女たちを戦わせ、最後には化け物へ変える。これは紛れもなく悪魔の所業と言える。彼がそんな事をする理由がわからなかった。
”彼女の犠牲に意味はあった。まどかに契約させる為に…それにしてもさすがベテラン魔法少女、巴マミだ。なりたてとはいえ魔女さやかを一撃で瀕死にするなんてね”
「や、やめっ!…違う。違うの…そんなつもりじゃ…!」
”違わないよ?君はその手で美樹さやかに攻撃してたじゃないか。今みたいに怒りに身を任せてね”
ハッとなってキュゥべえを掴むその手を離す。憎しみを向けて人魚の魔女を攻撃した事を思い出したマミは地面に膝をついて謝罪の言葉を口にしていた。
「あぁぁぁぁっ…ごめんなさい…ごめんな、さい!」
”どうしたんだい?怒ったり、悲しんだり…君たちの感情というものは不思議だね。わけがわからないよ”
「…どうして…?どうしてこんなひどい事するの?私たち友達だったんじゃないの?」
”友達?僕と君がかい?それは面白い冗談だ。感情のない僕にも感情が生まれそうな程にね…”
やめて…やめて!聞きたくない。マミは耳を塞いでキュゥべえの声を遮ろうとするが無駄だった。キュゥべえの声が頭に直接響いてくる…
”僕は君を友達だと思った事はないよ。一度たりともね”
………
お菓子作りとティータイムを趣味としているマミの匂いは特徴的だった為、それを頼りに彼女の行方を追っていたカービィ。
匂いをたどり、山の中へやってきたカービィはそこで巴マミの姿を見つけた。少し遅れて杏子もこの場所へやってくる。
(っ╹~')<マミ…
「………クソが!」
【アラアラ、新しいお客様?ウフフ…嬉しい、嬉しいわ!新たな私の誕生日にようこそ!】
【さあさあ…ももいろさんとあかいろさんをお茶会へとご招待♪楽しんでいってね?】
【おめかしの魔女】その性質はご招待。理想を夢見る心優しき魔女。寂しがり屋のこの魔女は結界へ来たお客さまを決して逃がさない。