まどか「お願い…カービィ!」「ぽよ!」   作:めぐるうさぎ

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ほむぅ


28.マミさん救出大作戦2!

「もう一人…あんたの誕生日パーティーにきてくれそうな奴がいるんだ。こっちに向かってるみたいだからよ…そいつがくるまで待たねえか?」

 

 

 これは杏子の賭けであった。このままお茶会が開かれてしまえばカービィが危ない…というより、お茶会とマミは言っているものの何が起こるかもわからない。

 なので、出来る限りこの現状を維持するのが最善策であると杏子は判断していた。マミの顔は杏子の位置からは見えないが果たして…?

 

 

【…あらあら、そうなの!?そんな大事な事早く言ってくれないと~椅子を用意しておかないといけないわね!】

 

 

 ティーカップ程の大きさの彼女が魔法で椅子を作り出す姿を見て、ホッと一息つく杏子。これでまだしばらくはこの状況が続くはずだ。

 

 

「す、すまねえ…アンタに喜んで欲しくてな。サプライズのつもりだったんだ」

 

( ╹~╹ )<じゅるり…

 

 

 マミによる拘束が解かれてしまえば動けるようになったカービィはおそらく目の前のお菓子を食べ尽くしてしまう。

 キュゥべえの言葉を信用するならそうなった場合、カービィは二度とこの結界から出られなくなってしまう。そうでなくても魔女の結界の中のものだ。何かしらの毒が盛られている可能性も否定できない。

 マミを元に戻し、皆でこの結界を出る。その為にカービィがお菓子を食べてこの結界の中から出られない状態になってしまうときたら元も子もない。

 

 

”なかなか口が回るじゃないか。感心するよ、杏子”

 

『はっ、てめえにそんな事を言われるなんて思ってなかったぜ』

 

( ╹~╹ )『マミのお菓子…』

 

『バカ、それはアイツを連れ戻してからだ!これで時間は稼げる…が、長くは持たねえ!このままほむらを待つか…それとも…!』

 

 

 言いよどんだ彼女には何か思う所があったようだ。何かいい方法があるのだろうか?そう思ったのはキュゥべえも同じだったようだ。

 

 

”…?何かこの状況を脱する方法があるのかい?”

 

『ああ、マミのヤローは他の魔女と違う所が二つある。一つは魔女は人間を見ると攻撃を仕掛けてくるようなヤツばかりだ。だが、マミは攻撃を仕掛けてくるどころか友好的に接してくる』

 

”なるほど、魔女は基本、人間だった頃の望みのまま動く。マミは繋がりを欲していたようだったから、この結界は入った者を攻撃するのではなく繋ぎ止めようとしているんだ”

 

( ╹~╹ )『マミは寂しがり?』

 

 

 そんな情報を持っていたのなら最初に話せと言いたくなる杏子だったが、今はこらえて続きを話し始める。円形のテーブルの中央にいたマミが上機嫌でカービィの前にやってきてお喋りを始めたのを見る杏子。

 

 

『そして、もう一つ…こうして会話ができる事だ。会話ができるという事はアタシたちの言葉がアイツに届く可能性はある。もしかしたら、アイツを元の姿に戻してやれるかもしれねえ』

 

”…まあ可能性は否定しないよ。僕の見た限りでは元の姿に戻るなんて事はないけどね。マミの弟子だった君なら起こりうるかもしれない”

 

『なら…やってみる価値はありそうだ!カービィ、ここはアタシに任せろ!』

 

(╹◡╹)『ぽよ!』

 

 

 マミはカービィとのお喋りも終わり、ルンルン♪ととびっきりの笑顔で楽しそうにテーブルの上をスキップしていた。そんな彼女に杏子は真剣な面持ちで声をかける。

 

 

「なあマミ…待ってる間、少し話しねえか?大事な話だ」

 

【いいけれど…もう、また佐倉さん!私の事をマミって…私はCandeloro!】

 

 

 小さくなっても変わらない豊満な胸を張ってプンスカと怒るCandeloro。しかし、その姿はまさしく巴マミそのものだ。杏子は首を横に振って彼女を見つめた。

 

 

「…いいや、アンタは巴マミ。アタシの師匠で仲間の巴マミなんだ」

 

【っ!?師匠?仲間?何の事かしら…】

 

「忘れちまったのなら思い出させてやる。見滝原の魔法少女、巴マミの事を!鹿目まどか、暁美ほむら、美樹さやかに先輩なんて言われて慕われてるアンタの事を!」

 

【鹿目さん…暁美さん…美樹さん…?】

 

 

 彼女たちの名前を聞かされて戸惑うマミに手応えありと見た杏子は記憶が戻る事を願って一気にたたみかけていく。

 カービィもお菓子半分こちらの様子をうかがっていた。椅子から動けはしないが会話ができるという事は吸い込む事ができる…いざという時はマミを吸い込んで行動を封じる事も可能なのだ。

 

 

「カービィの事だってそうだ。アンタ、得意のお菓子作りでアイツにたらふく食わせてやってたじゃないか!うまそうにそれを食ってたこいつの顔も思い出せないのかよ!」

 

【カービィ…?カービィは今日会ったばかり…あなたもよ!知らない!知らないわ!】

 

「アタシは…!アンタの事を忘れた事なんて一度もねえぞ。アンタだって本当は覚えてるはずだ!…アンタが魔女に変わる前にいた場所…それはアタシたちの出会いの場所」

 

 

 そう。マミが皆の前から姿を消して向かった場所。それは初めてマミと杏子が出会う事となった思い出の場所だった。

 1年ほど前、風見野の新人魔法少女だった佐倉杏子は逃げた魔女を追って見滝原にきていた。そして、その魔女と戦い、苦戦していた所を彼女に助けられた…というのが彼女との始まりだ。

 それ以降、初めて出会ったあの山はマミにとっても…また杏子にとっても忘れられない大切な場所であった。 

 

 

「マミは寂しい時や悲しい時、いつもあそこに行っていたよな?ほむらに魔法少女の運命を聞かされて…優しいマミの事だ。さやかや他の魔女になっちまった魔法少女たちの事、それといずれ自分も魔女になって町や人間をめちゃくちゃにしてしまう事に耐えられなくなって絶望しちまったんだろ?」

 

【やめ…やめて!知らないわ…そんなの!】

 

”杏子…!それ以上は…”

 

 

 続けて杏子が話そうとしたその時、キュゥべえが何かテレパシーで話しかけてきていたがここまできたら止まらない。彼女は必死に魔女となってしまった巴マミを呼びかける!

 

 

「思い出してくれ!巴マミ!…そして、また帰ろう。寂しいんならまどかだってほむらだってカービィだって…そして、あたしだっている」

 

【………】

 

「アンタはもう一人じゃないんだ。だから…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【…嘘つき…嘘つき!嘘つき…嘘つき!嘘つき!!】

 

 

 突然のマミの叫びと共に彼女の纏うオーラが禍々しくなり始める。この空間の空気もビリッと張り詰めたものとなってしまう。

 今のマミから感じられる力…それは今までの魔女とは比べものにならないほど強大なものでそれは以前、カービィとほむらが倒したお菓子の魔女をも越えていた。

 

 

「な…何を言ってるんだ!?嘘つきって…?」

 

【知ってるんだからぁ…ホントは私の事なんてなんとも思ってないくらい。カービィは私が作るお菓子が目当て…キュゥべえは自分の思惑の為…佐倉さんはそうね、私が受け持つ縄張りとかグリーフシードとかかしら?】

 

「っ!キュゥべえはともかくアタシとカービィはお前を…!」

 

【口では何とでも言えるわね。みんな私から離れてく…1年前の佐倉さんがそうだったように!】

 

「…っ!それは…」

 

【うるさいっ!!】

 

 

 マミが吼えるととても小さな身体から出たとは思えない程の衝撃波がカービィと杏子とキュゥべえを襲い、彼らは壁へと叩きつけられてしまう!

 彼女が用意したテーブルは全て吹き飛んでしまい、お菓子やティーセットも床に落ちてしまっていた。ぐちゃぐちゃとなってしまったその残骸の上に浮かぶCandeloroは黒いオーラを纏い、怒りにも悲しみにも取れる表情で虚空を見つめている。

 

 

”…どうやら作戦は失敗みたいだね。君の言葉は彼女には届かないようだ。これじゃ状況が悪化したにすぎないよ”

 

「………」

 

(╹~╹)『キョーコ!…キョーコ?』

 

 

 なにやらショックを受けている杏子に声をかけるが返事は返ってこない。そうしてカービィが彼女の元に駆け寄ろうとした時に気づく。動かなかった身体が動く事に。

 何か条件があるのだろうか…だが、考えた所で答えは出てこない。カービィは考える事をやめて反対側の壁へ吹き飛ばされた杏子を見る。どうやら彼女の身体も動くようで立ち上がって中央で浮かぶマミを悲しそうに見ていた。

 

 

【もういや!信じてたのにもう裏切られるのはもういやなの!!】

 

「…っ!?アタシのせいなのか…?マミ、アンタがそこまでなっちまったのは、アタシがアンタから離れてしまったから…」

 

【みんなが私から離れていくなら…離れていかないようにしてあげる。結界から出られなくなってしまえばみんなここにいてくれる!フフッ…アハハハハッ!!】

 

 

 マミの悲しい笑い声だけがこの煌びやかなホールの響く。杏子は様子がおかしい。キュゥべえは何を考えているのかわからない。今動けるのは自分しかいない!そう考えたカービィは彼女を…巴マミを救う為に動き出した!

 

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