でもソシャゲはマギレコだけで手一杯…どうしよう?
小さな身体の周囲に浮かぶ無限の魔弾とも言えるであろうマスケット銃がマミの号令で一斉に放たれる!それはまるでマシンガンのように凄まじい音を上げながらダッシュで駆け寄っていくカービィと杏子を襲った。
【生きていればお話はできるんですもの…聞き分けのない二人にはちょうどいいわ!】
「チッ!目ぇ覚ませよ、マミ!」
目前まで迫る光を槍で弾きながら叫ぶ杏子。それらを全てを防ぎきる事はできず、露わとなっている肩や太ももに被弾してしまっていた。しかし、苦痛で顔を歪めながらも彼女が歩みを止める事はない!
( っ╹~c) <マミ!
カービィは自身の伸び縮みする身体を器用に使い、ぺしゃりとしゃがんだり、タイミングを合わせてジャンプしたりして光弾をうまくかわしていた。今度こそ…今度こそ自分の友達を助けられるように必死に手を伸ばし、マミの名前を呼び続ける。
【うるさい…うるさい!うるさいうるさい!!これならどう!?】
攻撃をされながらも自分を呼び続けるカービィ達の声にマミは思わず耳を塞ぐ。さらに二人を拒絶するかのように彼女の前で巨大な大砲が作り上げられる。そう、マミの十八番【ティロ・フィナーレ】だ。
(╹o╹) <キョーコ!後ろ
「っ!?わかった!」
彼の言葉を受け、歩みを止めた杏子は一向に休まる所を知らない光弾を弾きながらもカービィの後ろに下がる。魔女をも一撃で仕留める程の火力を持つ【ティロ・フィナーレ】を彼は受ける気でいるのだろう。
本来ならば避けるのが正解だが、杏子はカービィを信じている。彼がいけるというならばいけるという信頼があった。
そして、マミは声にならない声を上げて二人へ渾身の一撃を放つ!ズズズッと石造りの床を割りながら死の光が近づいてくる!カービィは少し後ろのめりになったかと思うと…お得意の吸い込みに出た!
( っ'o')彡彡彡
光は渦となってカービィの口の中へ吸い込まれていく!しかし、魔女となり強化された【ティロ・フィナーレ】にカービィも少しずつ…少しずつだが後ろに押されてしまっていた。
さらに、これを勝機と見たマミはマスケット銃の砲撃をやめてこの【ティロ・フィナーレ】に全神経を集中させる!それにより光の勢いは増し、珍しくカービィの顔にも焦りの色が浮かぶ。だが…!
( っ >o<)彡彡彡
ここで負けてしまうわけにはいかない…さやかは救う事ができなかった。マミまで失ってしまうわけにはいかない!カービィに諦めはない。あるのはマミを救うというただ一心…それだけを考え、彼は無我夢中で吸い込み続ける!
【なんで!?なんでよ…!あなた達も裏切るんでしょう!?また私を捨てるんでしょ!!大人しく倒されてよ…!】
【私の、私のそばにいて!カービィ、佐倉さん…】
マミの瞳には涙が浮かんでいた。それを見たカービィの吸い込む力はより一層強くなる!時間にしてほんの数秒…技を放つマミとそれを吸い込むカービィにはそれが長く感じられていた。
だが、そんな時間もやがて終わりを告げる。
【ウソ…でしょ…】
魔女をも一撃で滅する閃光は全てカービィのブラックホールの中へ消えていった。勝ったのは…星のカービィだ!
防がれると思っていなかったマミは目を見開いて唖然としている。その瞬間、弾けるように動き出した者がいた。その者は光を飲み込み、可愛らしくゲップするカービィを抱えて駆け出す!
「今だぁぁぁっ!!」
身体から魔力を放出させ杏子が赤いオーラを身に纏い床を蹴る。慌てて瞬時にマスケット銃を召還したマミは杏子の足目掛けて引き金を引く…もオーラに守られた彼女の歩みは止まらない。
【こ、こないで…!】
「マミ!お前はアタシの師匠だ!そして、こいつの友達だろうがぁ!!」
( っ╹o╹)<マミ!信じて!
杏子は全力で走る。マミに思いを伝える為に…あの日、拒絶してしまった彼女の手をとる為に!もうマミとの距離は目と鼻の先だ。だが…
「ぐっ!?こいつは…動きが封じられた原因はこれかっ!?」
そんな杏子の足を何かが止める。目を凝らして足を見ると微かに黄色に光る布が見えた。それはマミの能力であったリボンだ。目視するのが難しい限りなく極薄のリボンが杏子の足を止めていた。
【終わり!私の勝ち…】
「カービィ!いけっ!!」
足を封じられ身動きが取れなくなった杏子。やがてリボンは身体全体を縛るべく徐々に足から上がってくる。だから、杏子は両手が縛られてしまう前にマミに向かってカービィを思いっきり投げ出した!
( っ╹◡)<ぽ~よ~!
【投げっ…キャアッ!?】
マミは飛んでくるカービィに対応できず彼に抱きかかえられてしまった。そのまま二人は床をゴロゴロと転がっていくがカービィは決して彼女を離さない。
【離して!離しなさい!カービィ!】
(╹◡╹)フルフル
自分を包み込む柔らかで暖かいカービィにマミは不思議と心が安らいでいくのを感じた。魔女になって湧き上がっていた負の感情が少しずつだがキラキラと彼女の身体から抜け出ていたのだ。
【ああ…マシュマロみたいに柔らかい…それに暖かい】
(╹◡╹)<マミ…
そのままどれほどの時が流れただろうか…ふいにマミが口を開いた。
【私…私ね。佐倉さんがいなくなってずっと寂しかった。ようやくできた可愛い後輩達も良いところ見せなきゃって本当の意味では心を開けてなかったの】
マミの心からの言葉にカービィは静かに耳を傾ける。リボンに縛られている杏子は顔を歪めていた。自分のせいだと彼女は自分自身を責めていた…
【でも魔法少女の真実を知って…取り乱して、友達だと思っていたキュゥべえにも裏切られて…こうして魔女になっちゃった】
【バカみたいだよね…一人で勝手に傷ついて…魔女になっちゃうなんて】
そんな事はないと言わんばかりにカービィは強く彼女を抱き締める。冷たかったマミの身体もカービィの熱を帯びて暖かくなっていくのを感じた。
【こんな私でもずっと一緒にいてくれる?友達だって…あなたは言ってくれる?】
(╹◡╹)<ぽよ!
もちろん!マミにはそう聞こえた。それを聞いた彼女は不敵な笑みを浮かべて…パチンと指を鳴らす。すると、自分を抱き締めるカービィの足元が歪み、黒い渦が彼を包んだ。カービィは闇へと吸い込まれていた!
「カービィ!?マミ!!」
【一緒に…ずっと一緒に!】
マミはカービィを自分の結界の奥底へ引きずり込もうとしていた。そこは入れば二度と抜け出せないマミだけの部屋。そして、そのまま入り口を消し去ればマミすらも出る事は叶わない。彼女は永遠にカービィと共にあろうと彼を闇へ引きずり込む。しかし…
【…こんな事をしてもあなたは私を拒絶しようとしないのね…】
(╹◡╹)
狂気に満ちた自分を見てもカービィはいつもと変わらない笑顔を向けている。自分がどうなるかもわからないというのにマミの事だけを一心に案じ続けるカービィ。彼には魔女となったマミも心が洗われたような…そんな気がした。
彼女はカービィの足元の闇を消し去ると共に彼女本来の優しい笑みを浮かべて…
「ありがとう、カービィ。あなたに会えて良かった。私は幸せ者ね…」
c(╹◡╹)っ<マミ!
「正気に戻ってくれたのか?…おわっ!?」
縛られていたリボンも消滅し、倒れ込んでしまう杏子。彼女は二人の元へ向かうと…目を見張る出来事が起こっていた。
カービィに抱かれたマミの身体が徐々に薄れていっていたのだ。感じられる魔力もそれに応じて少なくなっている。最初は人間に戻るのかと思っていたがどうやら違うようだ。
カービィは驚いたような顔で彼女を見る。マミにはこの結果がわかっていたのか瞳から流れる涙を拭い、二人に笑いかけた。
「ごめんね…私に残されてる時間も少ないみたい…」
……
”…君たちが僕らの観測を越えた結果を引き起こす事。僕たちはそれを奇跡と呼んでいる。まさか、こんな現象が見られるなんて思わなかったよ。カービィ、佐倉杏子”
キラキラと空に向かって光放たれているマミを見ながらキュゥべえは推理していた。それはキュゥべえも見た事もない初めての現象であったからだ。しばらくして彼はある仮説にたどり着く。
”これには僕も見事と言う他ない。だけど、心は戻せた所で彼女の肉体はもうすでに魔女そのもの。絶望をエネルギーとし、人々を襲う負の存在だ”
”そんな彼女は絶望を捨てて、それとは正反対の希望を抱いてしまった。だから、絶望を糧にしていた魔女の身体が朽ちている…と、そういう所かな?これはとても興味深い現象だよ”
ついにはカービィの身体からすり抜けてしまうマミ。彼はそれでも彼女を必死に短い手で引き寄せようとしていた。そんな中、杏子は顔を見せないようにして俯き、肩を震わせている。
カービィも杏子も悟ってしまった。マミの心は救う事ができたが、たどり着く運命は変える事ができない事に。もう薄れゆく意識の中、彼女はそんな二人を見て…
「…私、一人が怖いって…イヤだって言ったでしょ?でも、もう大丈夫みたい」
パァァァと花が咲いたかのようにとびっきりの笑顔をマミは浮かべていた。もうそこに魔女Candeloroの姿はない。まどかやほむら、さやかの頼れる先輩で杏子の師匠。そして、カービィの友達である巴マミであった。
「たとえみんなと離れてしまっても、私には素晴らしいお友達がいるんですもの!うふふっ…」
「もう…何も怖くない!」
………
……
…
「はぁはぁ…!巴さん!」
ドアが勢いよく爆発したかと思えば息を切らしたほむらがホールの中へ入ってくる。ほむらはその中央に集まるカービィと杏子を見て駆け寄るが二人の様子がおかしい事に気づく。
「カービィに佐倉さん…巴さんは…?巴マミはどうなったの?」
「………満足そうな顔してあいつは…マミは逝ったよ」
(っ╹~')<マミ…笑ってた
その言葉とカービィが大事に握り締めるグリーフシードでほむらは何が起こったか理解した。そして、危険は去った為か、シャンデリアから降りてきて近くで猫のように足で顔をかいていたキュゥべえを睨みつける。その瞳には記憶をなくす前の彼女と同じ憎しみが宿っていた。
マミ編終わりです。キュゥべえさんそれっぽい説明ありがとうございました。