「そんな…ほむらちゃんは魔女になったって言うの!?」
“間違いないよ。暁美ほむらは…いや、此岸の魔女Homulillyと名付けておこうか。彼女はワルプルギスの夜を自身の結界に引きずり落とした。そして、敗北した”
“だけど凄まじい執念だ。再び顕現しようとしたワルプルギスの夜を強制的に太平洋のど真ん中に移動させたのだから…これじゃあさすがのワルプルギスの夜も海上を進行するだけで消えてしまう。見事と言わざるを得ないよ”
「それじゃあほむらちゃんは死んで…」
꒰ঌc(つ~ C୨୧)໒꒱∮<ほむら…!
“これで君の願いも無駄になったという事かな?残念だったね。暁美ほむらを救う事が出来なくて…”
꒰ঌc(╹o╹୨୧)໒꒱∮<ムダじゃない!!
「…うん、これから救うんだよ!カービィ!」
涙を拭ったまどかがある物を取り出した。それはほむらから受け取っていた小盾。時を止め、巻き戻す事が出来る時間操作の道具だ。それをカービィに渡す。
“…それは…暁美ほむらの盾かい?何故それがここに…君は!君達はまさか…”
「これで過去にだって戻れるはず…こんな結末にならないように歴史だって変えられる。ううん、カービィの力なら世界を書き換える事だって出来る!」
“馬鹿な!?そんな事をしたらカービィが望む世界が出来てしまう!!それがどんな結果を生むのか…世界は…この宇宙は破滅するかもしれないんだよ!?どうしてそこまで彼を信じられるんだ…わけがわからないよ”
「人の感情をなんとも思ってないあなたにはわからないかもしれないね。カービィは誰よりも優しくて誰よりも強いの!そんなカービィならきっと皆が幸せな世界を作ってくれる…そう信じてるの」
꒰ঌc(╹◡╹୨୧)໒꒱∮<まろか…ありがと!
空を見上げたカービィ。どこまでも青く澄み切ったこの空はほむらが守ったものだ。今度はこの空をさやかとマミと杏子とまどかとほむら。全員に見せる事を彼は誓う。
そして、まどかとほむらより託された希望を吸い込んで自分の力とする。彼の左腕が輝いたかと思えば時を操る小盾が装着された。カービィは振り返る。まどかとキュゥべえが彼を見つめていた。
“…止めても無駄なようだね。この時ほど自分の行いを悔いた事はない…まさか、自分の力で自分の首を絞める事になるなんてね。でもこのまま君の思いどおりにはさせないよ?絶対にね”
꒰ঌc(╹◡╹୨୧)໒꒱∮<だいじょーぶ!
「カービィ!皆を助ける前にお願いがあるの…」
まどかの願いを聞いたカービィはそれを二つ返事で頷き返す。そして…
「お願い…カービィ!」
꒰ঌc(╹◡╹୨୧)໒꒱∮<ぽよ!
まどかのエールを受け取り、彼は空へと飛び立つ。まどかのお願いを果たす為にある場所へ目指していた。その途中で片膝をついて祈りを捧げる杏子の姿が見えたので彼は手を振っていた。彼女は気づいたのか、気づいていないのか…絶えず祈りを捧げ続けていた。
─=≡Σ꒰ঌ(୨୧╹~╹)っ<みえた!
瞬く間に見滝原を抜けて海上までやって来たカービィ。彼の視線の先にいるのは激しい暴風を伴いながら進行を続けるワルプルギスの夜だ。逆位置だったその体躯は魔女となったほむらとの戦い影響か、正位置となり本来の力をフルで発揮出来る状態となっていた。本能のままに笑い続けるその声は愉しげではあったが、どこか悲しげで…彼女もまた被害者の一人である事を理解する。
まどかの願い。それは伝説となって何百年も魔女として生き続けているワルプルギスの夜を楽にしてほしいというもの。そうでなくとも彼はさやかやマミ、杏子とほむらの為にワルプルギスの夜を倒してから歴史を変えるつもりだった。ワルプルギスの夜の悲痛な笑い声を聞いてますますその意志を固める。そして…
꒰ঌc(╹◡╹୨୧)໒꒱∮<しょーぶ!
そう高らかに宣言した彼はワルプルギスの夜がこちらを見て魔力を高めるのと同時に弓を握り締めてピンクの矢をめいっぱい引き絞る。すると彼の周りにピンクの魔法陣が何重にも展開されていく。
莫大な魔力を放つカービィを前にワルプルギスの夜も本能で危険を感じ取ったのか、己の持つ全力の力でカービィに攻撃を加えようとしていた。
それは全体重をかけた暴風の如き超スピードの体当たり。しかし、ただの体当たりではない。これこそが地表すらひっくり返し、全てを無に帰してきたワルプルギスの夜最大の技であった。
だが、ワルプルギスの夜の攻撃が彼に当たる事はなかった。なぜなら…
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まさに圧巻。まどかから受け取った思いとほむらから託された想いを乗せた幾千、幾万とも言えるであろうカービィから放たれたピンクの矢がワルプルギスの夜を貫いて昇天させていた。
最後に響いた笑い声。それは心の底から笑ったような声で…彼女もまた希望を持って逝けたのかもしれない。そう思い、カービィは小盾へと手をかける。
そう、これで終わりでは無い。ここからが始まりなのだ。交わした約束を守る為に、自分自身の望みの為に!左手の小盾がカシャーンと音を立てて回転を始める。そして、カービィの周りに異空間が広がっていく。
─=≡Σ꒰ঌ(୨୧╹~╹)っ
彼はなんの躊躇いもなくその異空間の先へ飛び込んだ。進む度に彼は思い出していく。
ほむらから託された想い。魔法少女になると決めたまどかの覚悟。希望を持って消えたマミの笑顔。隣で同じ目的の為に戦った杏子の叫び。絶望へ沈んで魔女へ成り果てたさやかの最期…
そして、時を遡行して辿り着くのはあの日、夜空の輝きの下でまどかと出会う前。カービィがこの星にやって来たその時から全てを書き換える。
だが、全てを書き換えようとしたその時。不意にカービィの身体が空へと引きずり込まれた。いや、遙か空を突き破って引っ張りこまれたその場所は月。そして、そこにいたのは…
“きたね、待っていたよカービィ…”
꒰ঌc(⊙o⊙୨୧)໒꒱∮<キュゥべえ!?
カービィに背を向けて地球を眺める可愛らしい真っ白な小動物がそこにいた。その姿は紛れもなく散々少女たちを食い物にしてきたインキュベーターではあったのだが、何やら様子がおかしかった。
“ふふふ…時を越えて歴史を変えようとする、か。あと少しだったね。でも、もうそれは不可能だよ”
振り返ったキュゥべえ。それはいつもの彼そのものだ。だが、身に纏う雰囲気と放つ威圧感は歴戦の勇士であるカービィですら警戒する程。感情がなく何を考えているのか理解出来ない彼をこの時ばかりは読み取る事が出来る。
“普段はこんな事はないんだけどね。未来から君の情報が送られてきたよ。そして、今相対してわかるその力…僕らとしても個人が持つ力としては危険すぎると判断した”
ビリビリと凄まじいプレッシャーと緊張感が高まっていく。もはやカービィも話し合いでなんとかしようなどとは思わない。いや、思えない。
何がなんでもここでカービィを始末するという絶対の意思。それが彼から感じられるただ一つの目的なのだから。
“宇宙の均衡を保ち、あらゆる犠牲を尽くしてこの宇宙を存続させ続けてきた。僕らインキュベーターの総力をもってここで君を抹殺する!”
꒰ঌc(╹~╹୨୧)໒꒱∮<キュゥべえ!!
“これは宇宙を守る為の戦いだ…!さあ、いくぞ!星のカービィ!!”
その瞬間、音もなく驚く間もなく、視界を埋め尽くす程大量のキュゥべえが四方八方に現れた。超スピードなどではなく、一瞬で。それは見慣れたほむらの時間停止と同じもの。
そして、それら全てが器用に耳から生えた手のようなものでマミのマスケット銃を持っており、その銃口を驚愕するカービィへと向けていた。
“まずは小手調べといこうか”
号令と共に一斉に砲撃が放たれた。これらを完全に避ける事、防ぐ事は不可能。迫り来る弾丸がヒットする一瞬の内にそう考えたカービィは羽根をはためかせて宙へ飛ぶ。
超スピードで動く事で斜線上に入った弾丸こそ何発か被弾したものの大したダメージは受けていない。
“逃がさないよ?次はこれだ”
超スピードで宇宙空間を駆けるカービィの前に青い光と赤い光が立ち塞がる。それは杏子の槍とさやかの剣を手にしたキュゥべえで彼女らとも勝るに劣らない速さで突撃してきていた。
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⊲⊰━━━━≪ ꒰ঌ(っ~╹୨୧)っ∮<ぽよ!
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最初の攻撃をひらりと身を躱し、その後次々と降ってくるキュゥべえに対し、花の弓魔法陣を展開させて正確無比に矢をお見舞いする。幾千、幾万の矢がキュゥべえを襲うが彼もまた無尽蔵にも思える程に数で攻めてきていた。
“星のカービィ。こんな事がなければ宇宙の救世主として君は生かしておく手はずだった。問題児ではあるけれど君は数々の邪悪と戦い、そして打ち勝ってきたからね。これからも宇宙存続の為に働いてもらうつもりだった”
次々とヘッドショットを決められて撃ち落とされていくキュゥべえ。しかし、横目で月の表面を見たカービィはとんでもないものを目にする。それは撃ち落とされた死体の肉片を食べて山のように大きくなってムキムキになったキュゥべえが何匹も誕生していたからだ。
そして、そのうちの一体が宙で矢を射続けるカービィに向かって体当たりを仕掛けてくる。その速さは尋常ではなく、ワルプルギスの夜に匹敵する。
꒰ঌc(⊙o⊙୨୧)໒꒱∮<ぽ、ぽよっ!?
それを慌てて飛び退いて躱すカービィだが、射続けていた矢が止まった事により頭上から青と赤の猛襲が再開する。それだけではなく、完成したムキムキなキュゥべえが群れを成して襲いかかってきた。
“だけど、君が得てしまったその力。それはたとえ君に侵略の意思がなくともその力は利用され、宇宙に害を成す存在となる…過ぎた力はその身を滅ぼす事になるという事さ”
꒰ঌ(っ~╹୨୧)っ໒꒱
一度止めてしまった弓矢を構える時間はもらえず、四方八方から拳と剣と槍の応酬がカービィを襲う。飛んだり、躱したり、弾いたりと必要最低限な動きでそれを防ぐ彼のその身体は次第に小さくも確実なダメージが刻まれていた。
“理不尽だと思うかい?でも、それが君のした愚かな選択の結果だよ。人間なんていう下等生物の為に戦う事を選んだ君のね!”
言葉を発していた個体。彼の前にはマミの十八番、ティロ・フィナーレの砲台があった。銃口から光が収束していき、重厚な魔力が溢れだす。もみくちゃにされているカービィはその場から動けない!そして…
“さあ、これが奇跡と魔法の力だ!耐えられるかな?カービィ!!”
立ち塞がる敵を滅ぼす為に研ぎ澄まされた必殺の一撃が放たれた。その威力はマミのものと同等。即ち当たればただではすまないという事だ。だが、カービィの周りにいるキュゥべえは避けようともせずにただただカービィをその場に抑え続ける。
꒰ঌ(っ~ C୨୧)໒꒱<くぅ!!
閃光がこの宇宙を走った。キュゥべえの放ったティロ・フィナーレは直撃だった。
インキュベーターはさらにカービィが使う本来の持ち主であるまどかの弓を模倣し、念入りにピンクの矢を放ち続ける。
“さて、生きているかな?それとも宇宙の塵となってしまったかい?カー…”
そこまで言った所でヒュンと風を切る音と共に話していた個体が爆散する。放たれたのはピンクの矢でそれは彼の背後から放たれていた。
“…なるほど、時間停止か…”
近くにいた別のキュゥべえが声を上げた。ふぅ…と息を吐いたカービィは小盾を構えている。
時間停止をする際にほむらがやっていた事を思い出した彼はすんでのところで小盾のギミックを発動させて時を止めたのであった。
一緒にくっついてきたキュゥべえは停止した世界でも動いていたのだが、たかが数匹のキュゥべえでは彼を止められない。
そうしてティロ・フィナーレとピンクの矢を躱したカービィはキュゥべえの背後に立ち、矢を放ったという事だ。
“さすがは宇宙の救世主と言っておこう。だけどもうそれは通用しないよ?元は僕から生まれた能力なのだから!”
꒰ঌc(╹◡╹୨୧)໒꒱∮<ぽよっ!!
再び向かい合うカービィとインキュベーターの群れ。永遠に続くかと思われる宇宙を守る為の戦い。しかし、この戦いの決着は近い…
という事でラスボスはインキュベーター群です。カービィを信じられない彼は宇宙を滅ぼし得る存在であるカービィを抹殺しようとします。
他の作者様の作品基本読まないようにしてるけど、現状アルティメットカービィと互角以上にバトルしてるので多分どのまどマギ小説よりも最強のキュゥべえになったと思います。これまでに契約した魔法少女の能力も使えるし、筋骨隆々のムキムキキュゥべえにもなれるぞ!