「ひっく…ぐすっ…なによぉ…」
カービィにドリルやらコロネやらいろいろと好き勝手言われて怒っていた謎の魔法少女。ついにはその場に座り込んで泣き出してしまった!これにはほむらとカービィもやりすぎたと反省をしている。
この何ともいえない空気を変える為にほむらがおいおいと泣き崩れる彼女の背中を撫でつつ質問をしていく。
「ご…ごめんなさい、やりすぎてしまったわ。それでその…私たちに何か用があったんじゃないの?」
(っ'~')<コロネ…
ボソッと禁句を口にしてしまうカービィにぷっと吹き出してしまうほむら。彼女の後ろで背中を撫でるほむらの目の前にはそのコロネがあった。
なるほど…見れば見るほどコロネとかドリルとかそういうものに見えてくる…そう思いながらももう片方の手で口元を抑えて必死に笑いを堪えるほむら!幸いその様子に彼女は気づく事はなかったようで涙を拭い、そっと立ち上がる。
「…まず自己紹介させてもらうわね。私は”巴マミ”コロネでもドリルでもない。と!も!え!マ!ミ!だからね?」
「え、ええ…巴さん、ね」
c(╹◡╹)っ<マ…ミ…?コロネマミ~!
カービィが口を開いた瞬間、この場の時の流れが止まった!それは比喩などではなく、笑いを堪えきれなかったほむらは時間を静止させた為である。コロネマミという語感の良さにやられてしまったほむらは一人色を失った世界で大爆笑していた。
一分間笑い続け、気持ちを落ち着ける為に深呼吸した後に能力を解いて元の時間に戻る…
「…カービィは言葉に不慣れなの。だから許してもらえないかしら?」
「………わかったわ。それで話の続きだけど…私はこの見滝原を守る魔法少女、キュゥべえから聞いたんだけどあなた達がイレギュラーの二人ね?」
「…だとしたらどうするの?」
先ほどの空気が打って変わってビリビリと張り詰めたものになる。ほむらは彼女から距離を取り、笑い疲れたのかうとうとしているカービィの横に並び立つ、が巴マミは…
「誤解しないで!私はお礼を言いにきたの!」
「お礼?私やカービィがあなたに何かしたような覚えはないのだけれど…?」
あたふたと手を振るマミにほむらは毒気が抜かれほむっと首を傾げる。ほむらやカービィがした事といえば…
「この魔女を退治してくれたでしょ?本来は私が倒すつもりだったのだけど…ちょっと忙しくてここまでくるのに時間がかかったの」
「ああ…そういう…別にあなたの為じゃないわ」
ほむらがどうして魔女を狩っていたのか…それはグリーフシードという魔法を使う為に必要なアイテム、それを魔女から回収する目的もある。しかし、一番の理由はいずれくる戦いに備えてカービィとの連携に慣れておくというものであった!
「いいえ、それでもお礼を言っておかないとね。もしあなた達がいなかったらこの町の人に被害が出ていたかもしれないもの…」
マミのような普通の魔法少女は魔女の出現位置というのはこの世界に結界を開くまでわからない。その為、魔法少女の行動は後手に回ってしまう。
しかし、ほむらは不思議な事におおまかにだが魔女の出現位置がわかるのだ。なので、今回の薔薇園の魔女は運が悪い事に結界を開いた瞬間にほむらとカービィに殴り込まれその生涯を終えてしまった。
「だからね、お礼をさせてほしいの!イレギュラーだから関わりすぎないようにってキュゥべえには言われてるんだけどこれくらいは構わないはずよっ」
「お礼って…さっきも言ったけど別にそんな見返りを求めてやった事では…」
c(╹◡╹)っ<おやつ~!
食べる事に関しては並々ならぬ思い入れがあるカービィはその言葉に食いつき、マミの足元へ駆け寄ってぽよぽよしていた。
食に目がくらんだ彼を止めるのは不可能である事はまだ付き合いの浅いほむらでもわかる。言葉を切ったほむらはため息混じりに…
「はぁ…だそうだから彼に何か食べさせてくれたらそれでいいわ」
「うふふっ、わかったわ!私の家にいらっしゃい!」
………
……
…【巴マミのマンション】
どこか嬉しそうな様子のマミに連れられやってきたのは有名人が住んでいそうな高級なマンション!彼女の部屋の中もとても広い上にほむらの部屋とは違い調度品だけでなく女の子らしい装飾品も置かれており、ガラス張りとなっている壁からは外の景色が一望できるようになっていた。
ソファーに座ってキッチンへ消えた彼女を待つほむらとカービィ。マミが用意するお菓子と紅茶の匂いにカービィはそわそわしておりほむらがそれをたしなめる。
「お菓子は逃げないわ。だから行儀よく待ちましょう?」
(っ◡╹)っ<…そわそわ
ほむらが注意した事によりしばらくじっと待っていたカービィ。しかし、すぐに立ち上がりキッチンとリビングを行ったり来たりしている。どこから出したのかいつの間にかフォークもその手には握られていた。
もっともカービィは以前、おやつを食べる至福の時間の時にそのおやつが何者かに盗まれてしまうという過去を持っていたりするのでそれは仕方がないと言えるのかもしれない。やがて…
「お待たせ!さあ、召し上がれっ」
マミが持ってきたのはたっぷりの生クリームとイチゴがのったホールのショートケーキとスライスされたレモンが浮ぶレモンティー!
それが机に置かれた瞬間、ぱぁぁぁとカービィの顔が明るくなる。そして、切り分けられ渡されたそのケーキにフォークを使うのかと思いきや、やはり吸い込みで一気にそれを食す!
Σ(╹o╹c)<ぽよっ!?
カービィは驚いていた。なぜなら、このショートケーキは今まで食べたケーキの中で一番と自信を持って言えるからだ。甘い甘い濃厚な生クリーム…ふわふわのスポンジ…そしてそれらに見事にマッチするショートケーキの目玉であるイチゴ!
普段は表情をあまり崩さないほむらもそのあまりの美味しさにほんの少しだけ笑みをこぼしてしまう。彼女は口に運んだケーキに何かを思い出しているのかゆっくりと噛み締めるように食べていた。
「…美味しい」
「口にあったようでよかった…一応私が作ったものなんだけどね?誰かに振る舞うっていうのはあまりなくて…」
(╹◡╹)<おかわり!
「うふふっ…本当に子供みたいね!…はい、カービィ」
ホールのケーキはほとんどカービィが食べ尽くす結果となってしまったが、そのケーキのおかげかカービィはだいぶマミに懐いていた。今ではマミの腕の中で彼女に遊ばれている。
c(╹◡╹)っ<ぽよ!ぽ~よ!
「ふわふわでマシュマロみたいな触り心地…癒されるわ~一緒にいる暁美さんが羨ましいなぁ~」
「…そろそろ日も暮れてきたし帰らせてもらってもいいかしら?」
レモンティーを飲み干したほむらは立ち上がりそう言うと、マミはシュンとした様子でカービィを開放し頷く。そして…
「ねえ…暁美さん、カービィ…」
そこまで言った所で彼女は言葉を切り、首を横に振ると乾いた笑みを浮かべて口を開いた。
「いえ、なんでもないわ。忘れて…」
「………じゃあ私から提案があるのだけれど、もしあなたさえ良ければ私たちと協力関係を結ばないかしら?」
「えっ…?」
マミさんはこれまで一人で見滝原を守ってきた…だから、仲間を欲している模様。
おほむはイレギュラーと出会ってもしかしたらいけるかと思い始めている模様。