サブタイ通りの感じになってます。はい。
それではどうぞ。
芸能事務所から歩いて約10分のとあるカフェ。
ここに少年少女がいた……。
「「…………」」
悠里と彩である。
何を喋っていいのか分からない為か2人共、黙ってしまっている……
そもそも何故こうなったかというと……
ーー遡る事、10分前……ーー
「…マネージャー……ですか?」
「そう。マネージャー!」
事務所の社長が悠里を呼び出した訳は、なんと彩のマネージャーをやってほしいという内容だったのだ。
聞き間違いかと思い、もう1度訊ねると社長は笑顔でリテイクした。
「…用件は分かりましたが何故僕なんです? その子のマネージャーならいる筈でしょう?」
溜息を吐きながら社長に問う悠里。
彼が言いたいのはこうだ。彩が事務所に所属している以上、彼女担当のマネージャーが既にいる筈なのである。
悠里が言いたい事を理解した社長は……
「君が言いたいのは尤もだよ。実は、丸山君の担当のマネージャーが体調を崩してしまってね……」
「…風邪か何かですか?」
「それもあるんだが……その状態のまま出勤して来る途中で車に轢かれてしまってね……現在絶賛入院中なんだよ」
苦笑いしながらも説明する。
そのマネージャーは恐らく仕事真面目な人間なのかなと悠里は推測した。
「次に水無月君をマネージャーに選んだ理由なんだがね。私情なんだが、君しかいないと思ったのが一番の理由だ。他にも理由はあるが一番の理由はこれかな」
それは理由になっているのか?と思った悠里だが、敢えて黙っておく事にした。
「…つまり要約すると、彼女の担当マネージャーが退院するまでの間だけの間、マネージャーを僕にお願いしたい……と……」
「そうそう! 急なお願いで申し訳ないんだが……」
申し訳なさそうな表情で頼む社長に悠里は少し考える。
断ってもいいのだが、そうした場合、彩の今後が危ぶまれる。それに別のマネージャーを探すのも一苦労なのだ。社長だって空き時間を作るのは簡単ではないと分かっていた悠里は……
「…分かりました。僕で良ければやります」
「本当かい!? ありがとう!」
「あ、ありがとうございます」
頼みを受ける事にした。
引き受けた事に対し、お礼を言う社長に彩もお礼を言う。
「こうしちゃおれん! 私はこれから会長にこの事を知らせておくよ!」
「…はぁ、そうですか。僕も今度、会長に挨拶には伺います」
「おおそうか。会長も喜ぶと思うよ。丸山君も今日は上がっていいよ」
「は、はい。お疲れ様です」
彩がそう言うと社長はドアに手をかけようとしたが……
「おっと! 危うく言い忘れるところだった。水無月君!」
何か言い忘れていた事があったかのように社長は悠里の方を向く。
「さっきの話なんだが、彼女の護衛の方もよろしく頼むよ!」
「…えっ? あ、あの……」
それだけを言い残し、部屋から出て行った。
「え~っと……これからどうします?」
「そうだね……あっ、というか敬語にしなくてもいいよ? 僕ら同年代みたいだし」
「そ、そうだね……」
「……どっか、お茶しにでも行く?」
「じゃ、じゃあ、ここから歩いて10分くらいのカフェに行かない?」
「…ん。了解」
────という事があり、今に至る。
カフェに着いてから15分くらいだろうか? ずっとこの状態である……
一応、お互いに注文するメニューは頼んだのだが……
((な、何を喋ればいいんだろう……?))
このままではマズイと思い、悠里は何かないか思考を巡らせる。
ただでさえ、彩に気を遣わせてる感があったので、それだけは駄目だと思ったからだ。
「えっと……改めまして、彩ちゃんのマネージャーになりました。水無月悠里です」
まずは挨拶だと思った悠里は自己紹介をする。
「こ、こっちこそ改めまして、丸山彩です。えっと……」
とりあえず挨拶という"話題"を出してくれた悠里を察したのか、彩も自己紹介をする。
何か言い淀んでいたが、その理由が分かった悠里は……
「…名前でいいよ? 僕も"彩ちゃん"って呼ぶから。というか既に呼んでるけどね……」
彩の呼びやすい方で良いと言った。
それを聞いた彼女は……
「うん! よろしくね。悠里くん」
安心したのか笑顔で答えた。
とりあえず先程までの空気は嘘のように無くなった。
「よろしくね。彩ちゃん」
その表情に悠里も微笑みながら答えるのだった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。