前回の続きになります。
短いですが、楽しんでもらえると嬉しいです。
それではどうぞ。
「ありがとうございました~♪」
店員に見送られながら洋服屋を後にする悠里と彩。
「…なんかゴメンね? 僕の洋服まで選んでもらっちゃって……」
「ううん♪ 私も選ぶの楽しかったから気にしないで?」
洋服を選んでもらった事に対して、お礼を言う悠里。
それに対し、自分も楽しかったから気にしないでと笑顔で言う彩。
お陰で、10着くらい試着する羽目になってしまったが……
(…あんなに楽しそうな
彩が楽しそうだったので、まぁ良いかと思う悠里。
「…突然だけど、お昼ご飯、何食べる?」
「えっ? もうそんな時間?」
「うん……と言っても、あそこの時計を見て今気づいたんだけどね?」
そう言いながら悠里は、モール内に設置されている時計を指差す。
時刻は、12時30分。
お昼ご飯には、ちょうどいい時間だった。
「ほ、ほんとだ……」
「そゆこと。彩ちゃんは何か食べたいのある?」
「悠里くんは?」
「…僕? 僕は……なんでもいいよ?」
自分でも困った回答を言ってしまった悠里。
"何が食べたい?"と聞かれ、一番困る答えが先程の"何でもいい"である。そして次に聞かれるのは、"じゃあ何系が食べたいの?"である。そして仮に"ハンバーガー"と答えるとしよう。
すると、聞いてきた側は、"え~? 自分はご飯系がいい"と答えた。聞かれた側からすれば、じゃあ"何が食べたいとか聞くな"と思うのが殆どだ。
このやりとりのせいで、喧嘩に発展する人間を悠里は何度も見てきた……
「あー……僕は、彩ちゃんが食べたいと思うやつでいいよ?」
「そう? じゃあ……えっと……笑わない?」
両手の人差し指をツンツンしながら上目遣いで悠里を見る彩。
「笑わないから、とにかく言ってみなよ」
「じゃ、じゃあ……ハ、ハンバーグ……が……食べたいです」
顔を赤くしながら言う彩。
「…ん、了解。とりあえず、フードコーナーまで移動しよっか?」
「う、うん……」
彼女が何をそんなに恥ずかしがってるのか悠里には分からないので、とりあえず5階にあるフードコーナーに移動する事にした2人なのであった……
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5階にあるフードコーナー……正確にはレストラン街に着いた2人。
「なんか、ハンバーグ専門店だけでも3店舗はあるんだけど……」
「ほ、ほんとだ……」
早速、5階フロアの案内掲示板で彩が食べたいハンバーグを扱ってそうな店舗を探す。
するとハンバーグ専門店を3店舗、発見した。
だがそれはあくまでもハンバーグ専門店。洋食レストラン等も含めると、10店舗も見つかった……
「とりあえず最初の3店舗……回ってみる?」
「そ、そうだね……」
余りにも多すぎるので、2人はハンバーグ専門店の3店舗を回ってみる事に。結果、2番目のハンバーグ専門店が高校生にも値段がリーズナブルな価格だったので、2人はそのお店に入る事にした。
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「ご注文が決まりましたら、そちらのベルでお呼びください」
「「はい。ありがとうございます」」
店員はそう言うと、悠里と彩が座ってる席を後にする。
「どれも美味しそう~♪ 私、どれにしよっかな~♪」
目をキラキラさせながら、メニュー表を見る彩。
「もしかして彩ちゃんって、ハンバーグが好きなの?」
その様子を見た悠里は思った事をなんとなく聞いてみる。
すると、予想通りの答えが返ってきた。
「うん♪ 私、ハンバーグ大好きなんだ♪」
「彩ちゃんはハンバーグ好きっと……それにしても、このお店、色んなハンバーグを扱ってるみたいだね。専門店だけあって……」
メニュー表を改めて見ると、王道なもの、変わり種なもの、更にはマイナーなもの等と様々なハンバーグがメニュー表に載っていた。
「彩ちゃん、何にするか決まった?」
「うん♪ 決まったよ。悠里くんは?」
「僕も決めた。という訳で……ポチッとな」
お互いに注文するハンバーグが決まったので、悠里はベルを押し、店員を呼ぶ。
「お待たせしました。ご注文ですか?」
「はい。えっと、オリジナルハンバーグのAセットが1つと……」
「オリジナルハンバーグのAセットがおひとつ……そちらのお客様は何にいたしますか?」
「パイナップルハンバーグのビックサイズ。それのAセットでお願いします……」
「か、かしこまいりました。あの……お客様、ほんとにそちらでよろしいのですか?」
まるで何かを確認するかのように店員は悠里に尋ねた。
その表情を見た悠里は、店員が何が言いたいのかを理解できたので……
「…えっ? 美味しいじゃないですか。僕は基本的にそれ一択です」
真顔で言い切った。
「は、はい。で、では……少々お待ちくださいませ」
注文を受けた店員は慌てて厨房に向かった。
(あの店員さん、慌ててどうしたんだろう?)
彩が疑問に思っていると……
「店長!! パイナップルハンバーグの注文が入りました!!」
「何ィ!? それは本当か!?」
「ええ!! 確かに聞きました。パイナップルハンバーグを注文したお客さん第1号ですよ!!」
「……くっ!! この店でハンバーグを焼き続けて20年!! 今日の注文次第ではメニューから消そうと思ってたが……遂にパイナップルハンバーグを理解してくれるお客さんが!! 涙が止まらねぇッ……」
「それだけじゃありません……ビックサイズですよ!! ビックサイズ!!」
「うおおおおおっ!!! パイナップルハンバーグを注文してくれただけでもありがてぇのに、ビックサイズの注文か!? おう、お前ら!! 今日は特に気合いを入れて焼くぞ!!! 妥協は一切許さねえからな!!」
「「「「「おおおおおおおおーーーーー!!!!!」」」」」
厨房の方から凄まじい会話と気合が聞こえてきた。
(あっ……そういう事かぁ……)
なんとなく、本当になんとなくだが、店員が慌てていた意味を知る彩なのであった。
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本日はありがとうございました。