しがないサイヤ人の転生物語   作:ZN86

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無敵のフリーザ!怒れキリュウの超覚醒

「おや、これはこれは。キリュウ達さんではありませんか、随分とお久しぶりですねえ。今まで連絡も無しに一体何をしていたのです?それに、お仲間が少し増えたようですね?」

 

「……フリーザ様のお役に立つべく、暫く修行する為に少々旅をしておりました。コイツらは偶然見つけた生き残りのサイヤ人でございます」

 

「……おい、キリュウ」

 

「いいから」

 

小声で話しかけてくるベジータを制し、フリーザとの対話に集中する。

 

「ほう、私の為に……ですか。それは喜ばしいことですねえ」

 

「フリーザ様こそ何故こんな星に?しかも一人でおいでなさるなんて」

 

キリュウはまだ反抗の意思が無い振りをして様子を見ていた。そしてたった一人で行動するフリーザに疑問をぶつけた。

 

「必要なくなったからです。最近新しい力を手に入れましてね、色々試しているんですよ」

 

「なるほど、それでお姿が変わっているわけですね」

 

今のフリーザは何故か最終形態になっている。俺が存在することによって色々変わってきているようだ。

 

「あまり驚かないのですね、私が変身するタイプの種族だということに」

 

「まあ薄々感ずいてましたからね」

 

「……やはり貴方は気づいてましたか。どうです?本当に私に反抗する意志がないのなら、貴方だけは私の部下として生かしておくのも吝かではありませんが」

 

「つまり俺以外は殺すおつもりなのでしょうか?」

 

「いいえ、そんなことはしませんよ。かつて私は伝説の超サイヤ人を恐れて惑星ベジータごとサイヤ人を皆殺しにしたことはありますが、もう恐れる心配はありませんから」

 

何故こんなにも自信がついているのか、パワーアップの手段はなんなのか。数ヶ月修行されようものならたとえゴッドになれたとしても敵わない。キリュウの頭の中は高速回転していた。

 

ここでターレスが口を開く。

 

「アイツは神精樹の実を食べやがったんだ」

 

「なんだと!?そんな重要なことを何故早く言わなかった!」

 

「俺だってこんなに早くフリーザと出会っちまうなんて思ってなかったんだよ!」

 

神精樹の実か……一体どれだけのパワーアップになってるんだ。最悪ゴールデンフリーザも覚悟しとかないと。

 

「フフフ……僕のパワーアップの秘密はそいつのおかげでもあるんだ。感謝するよ」

 

「フン、お前にそんなこと言われたかねえよ!」

 

ターレスの悪態を飄々と受け流して俺にさっきの問いを尋ねてくる。

 

「それで、どうなんですか?」

 

もちろん答えはNoだ。

 

「そうですか……仕方ありませんね。伝説の超サイヤ人はもう驚異ではありませんが、貴方はまた別です。ここで殺させてもらいますよ」

 

そう言ってフリーザは構えを取る。

 

「チッ、ヤツの狙いは俺だけだ!お前らは一旦引け!」

 

「何言ってやがる!俺達も強くなったんだ、ここでフリーザを倒すぞ!」

 

「分かった、行くぞ!兄ちゃん!」

 

「どれだけ差があると思ってるんだ!俺たち全員でかかっても足元にも呼ばないんだ、さっさと退け!」

 

ラディッツに続いて悟空まで戦う気だ。フリーザの最終形態の戦闘力は約一億だった。神精樹の実で底上げされた戦闘力の伸び代は未知数だ。しかしラディッツ達はなかなか逃げてくれない。頼むから無駄死にしないでくれよ……!

 

 

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「界王拳!はああああ!!!」

 

20倍の界王拳を発動しフリーザに向かっていくも、全て見極められ紙一重で躱される。フリーザにとってはお遊びみたいなものだろう。

 

「見たところ君がこの中で一番強いようだけど、僕にとってはまだまだだよ。ほら、パンチはこうやるんだ」

 

フリーザの腕が消えた。

 

「ぐぁッ……!」

 

体が折れ、痛みが後からやってくる。腹を殴られたようだ。想像を絶する痛みに戦闘中であるにも関わらず、悶絶し蹲る。

 

「はぁ、一撃でこれか。期待し過ぎだったかな…………まあいいや、すぐ楽にしてあげるよ」

 

「キリュウ!はああ!!」

 

ベジータの気功波がフリーザに放たれるも呆気なく弾かれる。

 

「お前の相手はこの俺だ!」

 

「全く、キリュウさんでも戦いにならないのにベジータが敵う訳ないじゃないか」

 

フリーザはベジータを一睨みするだけで来ていた戦闘服の正面を破壊し、後ろの岩壁に吹き飛ばす。

 

「ぐああああ!!」

 

「ベジータっ!」

 

ベジータは岩盤に窪みを作りずり落ちる。意識は保っているようだが、体は既に満身創痍だ。動く気配はない。

 

ラディッツや悟空が界王拳を使ってフリーザに向かっていくもフリーザはビクともしない。二人の頭を利用し互いに頭突きをさせ、放り投げられる。既に二人の意識はない。現状一番の頼みの綱の元気玉は撃つ前に終わってしまった。ターレスは圧倒的な力を前に体がすくんでいるようだ。

 

「あなたを引き入れるには苦労しそうですよ。なんせその目……あの時のサイヤ人と似たような目をしている」

 

「あの時だと……?まさか!」

 

「ほう、そこまで知っているとは……益々興味深くなりました。あなたのご想像通り出会っていると思いますよ?頬に十字傷を付けているハチマキを巻いたサイヤ人です」

 

「バーダックが……!」

 

「バーダックさんと仰るのですか、彼が言っていましたよ?俺の意思はキリュウに受け継いだ……と」

 

バーダックが悟空じゃなく俺に……?

 

キリュウはプレッシャーを感じた。今まで何処か客観視していた自分が物語の中の人物として組み込まれているのだと大きく自覚した。

 

「そういった方を屈伏させるには精神的なダメージが必要なのでしょうか……でしたら」

 

フリーザはおもむろに指をベジータに向ける。

 

「ま、まさか……やめろっ!フリーザーーー!」

 

「バン」

 

フリーザの声と同時にベジータの心臓部が撃ち抜かれる。ベジータは血を吐き、力なく項垂れる。

 

「ガハッ!……く、クソッタレ……!これもここまでか……。キ、キリュウ!!フリーザを倒せるのはお前しか……いない……。後は任せ……た……」

 

 

____________________________________________________________

 

 

ベジータがこの戦いで死ぬことは有り得るだろうと思っていた。何とかしたいとも思っていた。だがこのザマだ。

 

不意打ちとはいえ、予想以上にパワーアップしたフリーザに手も足も出なかった。そしてベジータを殺された。

 

思えばベジータとは色んな話をした、転生して来た事も。だがベジータは、サイヤ人同士だから戦えるならそれでいいと受け入れてくれた。ベジータには前世で数少ない親友だったやつと同じくらい、いやそれ以上に信頼し合っていた。

 

そんなベジータを目の前で殺されたキリュウの心は酷くザワついていた。

 

バーダックから託された意思、ベジータを殺された恨み。色々な物が頭の中でごちゃ混ぜになり、ふつふつと何かが湧き上がってくる。

 

ここで怒ったところで超サイヤ人になれるとは限らない、それどころか単調になった攻撃で反撃される。

 

溢れんばかりの怒りを必死に沈めているキリュウ、しかしお構い無しに怒りのボルテージが上がってゆく。

 

「おや、これはなんだい?」

 

フリーザは這いつくばって動けないでいるキリュウの胸元にあるものを見つけた。フリーザはそれを千切り取る。

 

「へえ……ベジータ達とだいぶ仲良くなったようだね」

 

バーダックに貰ったロケットペンダントには地球でベジータ達と撮った写真がハマっていた。

 

「じゃあこれも壊してあげるよ。ホラ」

 

そう言ってフリーザはそのペンダントを握り潰して破壊した。

 

おい……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オイ……

 

キリュウの胸の中で何かがストンと落ちた。

 




まあ覚醒したところでフリーザには届かない訳ですが……

さて、どうやってキリュウはフリーザに打ち勝つのだろうか。

乞うご期待くださいな。
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