しがないサイヤ人の転生物語   作:ZN86

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決着!キリュウVSフリーザ

「なんですか?その姿は……」

 

「大猿になろうと思ったらこうなった」

 

「全く……サイヤ人は色々な姿にコロコロ変わりますね」

 

「アンタが言うか」

 

数分前のキリュウの姿からしてみれば現在のキリュウの変化は異質なものだった。大猿になれば獣の姿に、超サイヤ人になれば金髪碧眼に。だが今のキリュウはその二つの特徴を兼ね備えた姿に落ち着いている。上半身に金色の体毛が生え、碧色の瞳は獰猛な紅色に染まっていた。

 

本質はサイヤ人特有の荒々しさ、暴力的な気の奔流。キリュウにはそれが不思議と馴染み深く感じた。

 

「こんな所で戦ったらこの星に被害がでる。もう少し上の方で戦うぞ」

 

「その要求、私が飲むとでも?」

 

宇宙空間でも生き残る事が出来るフリーザはナメック星の破壊を最後の手段にしていた。最もキリュウはそれを読んでの発言だったのだが。

 

「ならば強硬手段にでるまでだ」

 

キリュウは高速でフリーザに接近し、腹に向かってアッパー気味に掌底を放つ。しかしフリーザは当然のようにそれを防ぐ。

 

「フフ、その手は喰らいませんよ」

 

「だろうな。だが、これならどうだ?」

 

「…ッ!?」

 

掌底を放つ為に開いていた掌から気功波を放つ。密着状態のフリーザはこれを避けることは出来ず、遥か上空へと飛ばされていった。

 

「よし」

 

懸念が一つ消えたキリュウは即座にフリーザを追い掛ける。ナメック星での高高度の戦闘が幕を開けた。

 

 

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「チッ……」

 

フリーザは自分を上へ押し上げている気功波を弾き、忌々しげにキリュウを見る。気功波自体にダメージはなかったが、相手の作戦にまんまと掛かってしまった事に僅かな苛立ちを感じていた。

 

「正真正銘これがラストだ。まさかまだ神精樹の実を隠してるとか言わないだろうな?」

 

「さて、どうでしょうね…」

 

フリーザは苦し紛れに笑うも、それが虚勢だとキリュウは見抜く。

 

「バーダックの意思とベジータの仇の為、ここで貴様を殺す!」

 

「出来るものならやってみるがいい!」

 

互いが互いに全力に近い程に気を上げ、雄叫びを上げながら突撃していく。

 

フリーザの初撃をキリュウは防ぎ、カウンターで左フックを放つ。フリーザはそれに合わせるように回転して避け、その勢いで尻尾を鞭のように薙ぐ。キリュウはそれを辛うじて掴み、後方へ投げながら気功波で追撃する。

 

気功波による爆煙でフリーザの姿を見失う。キリュウは舌打ちしながらフリーザの次の攻撃に備え気を探ろうとするが、それが隙となり爆煙から飛び出してきたフリーザの突進をまともに食らってしまった。

 

吹き飛ばされながらフリーザの気を探ると、追撃しにこちらへ向かっていることがわかった。空中でバク宙し、体制を整えながら気弾を放つ。それを弾き一瞬の隙が出来たフリーザの顔面に向かって肘鉄をお見舞する。

 

だが、フリーザも負けてはいない。一瞬怯んだフリーザだったが、そこから攻撃を返してきた。キリュウも負けじと防ぎ、攻撃を返していく。拳と拳のぶつけ合いでナメック星の空に響き渡る激しい炸裂音を掻き鳴らす。キリュウとフリーザの乱打戦が始まった。

 

やがて拮抗が敗れキリュウがフリーザの腹を意趣返しと言わんばかりに打ち抜く。呻くフリーザに追撃を加えようと握った両手を頭上に揃え、スラッジハンマーを喰らわせる。しかしその攻撃は空を切った。フリーザの姿がぶれて消えてしまったからだ。

 

どこへ行った…?その疑問はすぐ解消する。後ろでフリーザが攻撃を加える為に力を込めている気を感じたからだ。気付かない振りをしてフリーザが攻撃する瞬間に高速移動で回避する。

 

気を読めないフリーザはキリュウを見失う。だが反撃はお返しに後ろから来るだろうと予想し、すぐさま振り向いて気功波を撃つ準備をした。

 

「こっちだ!…なにっ!?」

 

「残念だったな!上だ!」

 

その予想は外れ、キリュウのオーバーヘッドキックが炸裂する。落ちて行くフリーザに先回りし、追撃した後気功波を放つ。自身の気功波のせいでフリーザの姿を見失うが、当たっている感触とフリーザの気を感じた為、気功波に気を送り続ける。

 

次の瞬間、キリュウは驚く事になる。全身に気を纏ったフリーザが気功波の中を突き破り攻撃してきたからだ。

 

吹き飛ばされながらも体制を整えたキリュウは後ろにフリーザの気を感じ、振り向いて次の攻撃を防ごうと防御を固める。しかしフリーザのとった次の行動は超能力だった。防ぐつもりだったキリュウはそれを避けられず、体の自由を奪われてしまう。

 

「ぐあっ…!しまった…!!」

 

「ふふ…この程度じゃ死なないだろう…?」

 

超能力で動けないキリュウから距離を取って、右手に気を溜めるフリーザ。そして無情にも最大まで溜まった気功波はキリュウに向けて発射される。

 

「うあああああああーーーーーっ!!!」

 

どうにかしようと叫ぶも、気功波はキリュウに直撃し辺り一面に爆風を巻き起こした。

 

 

 

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「な、なんという戦いだ…!動きを見るだけで精一杯だ」

 

「すげぇなぁキリュウのやつ!オラもあれぐらい強くなりてぇぞ!」

 

ナッパの能力によって回復したラディッツと悟空がそれぞれ感想を漏らす。

 

「なんたってあの伝説の超サイヤ人になったんだ。あれくらいやって貰わないと困るぜ」

 

「それに大猿の力も使っているみたいだからな」

 

ターレスとブロリーも同様に回復し、キリュウの強さを自分の事のように誇る。

 

「あれぐらいの戦闘の規模だと、下手したらこのナメック星もぶっ壊れちまうんじゃねえかと心配になるな。ブロリー、ナメック星人はどこに避難させたんだ?」

 

ベジータを担いだナッパはブロリーに尋ねる。

 

「そこも考慮して近くにあった無人の惑星にまで避難させておいた」

 

「だったら俺達もそこに…」

 

「馬鹿なこと言ってるんじゃないぞナッパ!貴様はキリュウが負けると思っているのか!」

 

「…!へへっ、野暮な相談だったな」

 

ラディッツに怒鳴られ言葉を飲み込むナッパ。ここに居るサイヤ人達はキリュウの勝利を一ミリたりとも疑っていなかった。もし負けたとしてもキリュウが死ぬ時は自分達も死ぬ時なのだと、決意に満ちた表情をしていた。

 

そんなサイヤ人達はキリュウの戦いを己の身に刻むべく、宇宙最強同士の戦いをその目に焼き付けていた。

 

 

 

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やがて爆風が収まるとそこには気のバリアを展開したキリュウの姿があった。

 

「まさか、ここまでやるとはな…」

 

「それはこっちのセリフですよ。全く…こんな事になるならあの時殺しておけばよかった」

 

キリュウはバリアを展開したものの全てを防ぎ切ることは出来なかったようで、気の総量が大幅に減ってしまっていた。しかしそれは大技を放ったフリーザにも言えることで、二人は互いに肩で息をしていた。

 

「このままじゃ泥沼だ。お互い最高の技で決着を付けよう」

 

「…いいでしょう」

 

キリュウは右手を構えエネルギー弾を生成する。そしてそれを挟み込むように左手を添え、半身の体制になる。更にその状態から紫色に発光する気を両手に纏わせた。

 

フリーザも先程と同じように右手に気を溜め拳を握る。極限まで溜め込まれた気は拳だけに留まらず、フリーザの右腕全体を覆うように発光する。

 

「ここで殺してやるぞ!はああああーーーーーっ!!」

 

当たれば即死は免れぬだろう威力のそれは寸分違わずキリュウの元へ飛んでくる。それを前にしてキリュウは…。

 

「…バーダック、ベジータ。技を貰うぞ」

 

臆すること無く腕を前に突き出し、叫ぶ。

 

「ライオットキャノン!!!」

 

バーダックのライオットジャベリン。ベジータのギャリック砲。

 

2つの技を組み合わせた独自の技を、迫っているフリーザの気功波にぶつけるように放出する。紫色の螺旋が寄り添う青色の気功波がフリーザの気功波にぶつかり、衝撃が弾ける。

 

「ぐっ…くくくっ…」

 

「ぬおおおおおっ!」

 

フリーザの方が優勢だ。それもその筈、先程フリーザは気を消費しただけだったがキリュウは気を消費した上にダメージまで負っているのだ。勢いがフリーザ側に傾くのも無理はない。

 

「く…クソっ…!」

 

キリュウが必死に気を込めるもフリーザの気功波はグングンとこちらに迫って来ている。そしてとうとう僅か数メートルの所まで接近を許してしまった。

 

今ここで力を抜けば簡単に楽になれるだろう。しかしそれは許されない事だ。今キリュウが持ちこたえているのはナメック星の事と、何より地上に残っているサイヤ人の仲間の為だ。

 

クソっ、技を貰うと言っておきながら情けない…!

 

どうしようもない絶望的な状況の中、懐かしい声が聞こえた気がした。

 

──────フリーザの野郎をぶっ倒して見せろ!キリュウ!

 

「あ、ああ…なんて事だ…」

 

「ふふ、涙なんて流して…とうとう諦めたか!死ねえええええ!!」

 

フリーザは、ここが決め時だと更に気を跳ねあげた。どうやらまだ力を残していたらしい。だが関係ない。

 

「…貴様は俺が殺すと言ったはずだ」

 

何故か失われたはずの力が戻りは始める。…まだいける。

 

「く、ぐぉあああああーーーー!!!」

 

「なにっ!?」

 

いきなり出力の上がった俺の気功波にフリーザが驚いている。

 

──────やれっ!キリュウーーー!!!

 

そんな声が地上から聞こえた気がした。赤いオーラが視界の端にチラつき、力が俺の気の上限を遥かに上回った。…これで、

 

「これで最後だあああああーーーーーっ!!!!」

 

片腕を押し込むように全ての力を振り絞って放つ。フリーザは抗うことも出来ずに俺の気功波に飲み込まれて行った。そして気功波が消えた先には何も残っていなかった。

 

 

 




くぅ疲。難産でした。
後フリーザ様お疲れ様でした。復活のFまでお休みください(そこまでやるかわからん)
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