メタルスラッグ〜女モーデン兵の転生記〜   作:只の暇人

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組織は方向性で対立する

モーデン軍基地 レアの部屋

 

『おはようございますレア様』

「おはようサクヤちゃん」

 

私はサクヤちゃんにモーニングコールをし、着替える。

 

『本日の予定ですが、モーデン元帥閣下より呼び出しがありました』

「元帥閣下自ら?………もしかしてアレかな?」

『はい。秘宝の取引相手との交渉に必要かと』

 

前に持ち帰ったファラオの秘宝。

それを欲しいと言うある組織からの取引がある。

 

「分かったわ。直ぐに行きましょう」

『行ってらっしゃいませレア様』

 

 

 

 

 

元帥閣下の部屋まで向かう途中アレンさんとバッタリあったが、アレンさんも元帥閣下に呼ばれたようだ。

 

「失礼します」

 

ズカズカと部屋へ入るアレンさんとは別に礼儀として先に言ってから入る私。

 

中には元帥閣下だけでなくアビゲイルさんもいた。

 

アビゲイルさんはキッとアレンさんを睨む。

私は苦笑いを浮かべながらアレンさんの代わりにアビゲイルさんに謝罪した。

 

チラッと私を見たアビゲイルさんは何も言わずに元帥閣下の部屋を後にした。

 

「呼んだか?」

 

アビゲイルさんを気付いていないのか気にしていないのかそんな態度で元帥閣下と対話するアレンさん。

 

「件の取引で、アビゲイルがアマデウス軍に向かうことになった」

 

 

 

––––––アマデウス–––––

 

 

 

それはメタルスラッグ4に登場したサイバーテロ組織の名前だ。

そしてマルコさんとフィオさんの他にある二人の新キャラが登場するのはこの作品だけなのだ。

 

「そうか。ならオレは行く必要は無いな」

 

フンッと鼻で鳴らすアレンさんだが、元帥閣下が首を振る。

 

「いいや、お前も一緒に向かってくれ。あいつは時に好戦的すぎるきらいがある」

 

確かにアビゲイルさんは元帥閣下至上主義なところがありますから向こうが拒否をしましたら問答無用で戦い始めそうな気がする。

………普通逆じゃ無いかと思うくらい。

 

「アマデウス軍など恐るるに足りないが、今は余計な火種を撒きたくない。念には念を入れたいのだ」

「…アビゲイルのやつはいい顔をしないと思うが………オレはあんたに従うぜ、元帥」

 

若干渋りながらも命令に従うアレンさん。

前世のでもこの二人の関係性はいまだに不明なのだ。

 

「………で、レアを呼んだのもその件か?」

「言っただろう?念には念を入れるとな」

「私達はアビゲイルさんのストッパー係ですか。とは言えこれは元帥閣下の命令。謹んでお受けいたします」

 

私が一礼をすると元帥閣下は頷いた。

 

 

 

 

 

とある廃墟の近く

 

「指定の場所は………ここね」

「アマデウス軍の奴らはまだ来ていないようだな」

 

取引現場にて私達は取引相手であるアマデウスを待つことになった。

 

「報告」

「はっ、アマデウス軍とものと思われる部隊がこちらに接近中。五分程で到着するものと思われます。数はアマデウスロボが10体ほど」

「10体か………戦闘の意志は無さそうね。全隊、臨戦態勢のまま待機。ライフル隊はそのまま潜伏継続を」

 

アビゲイルさんの指揮に兵士の皆さんはまるで熟練された様に静かになる。

その後アレンさんに振り返って言う。

 

「アレン・オニール。あなたは何もしなくていいわ。暇なら基地に帰還してもいいのよ」

 

行動はしないものの口だけでアレンさんを追っ払おうとしているアビゲイルさん。

 

「そう言うわけにもいかねぇな。オレも任務できている」

「………いいこと、アレン・オニール。閣下はこの重大な極秘任務を、あなたではなく【私】に命じたのよ。そこのところ、ちゃんとわきまえて行動することね」

「そうだな。お前も何で元帥がオレに同行を命じたのか、もっと考えた方がいいぜ」

 

「「………………」」

 

バチバチと火花が見えるんじゃないかと思うくらい二人の空間が重い。

近くの兵士さんも気が気じゃない様子だ。

 

「………お二人とも、その重大な任務で痴話喧嘩はどうかと思いますよ?」

 

仕方ないので私が盾役となろう。

この水と油な二人には潤滑剤が必要になることだし。

 

「おいレア!今聞き捨てならない事言いやがったか!?」

「そうよ。まるで私がこの男と付き合っているみたいな言い方。死んでもごめんだわ」

「はっ!オレもお前みたいな堅苦しい奴はやだね!」

「いや、仲良くしましょうまでは言いませんけどせめてギスギスするのはやめて欲しいのですよ。こんな任務中にモーデン軍の伝統が始まるのはどうかと思いますよ」

 

作戦中にギスギスしてしまえば成功するものも掠れていくものだ。

 

「………おい、それ初耳なんだが?」

「一体いつからそんな伝統が?」

 

アレンさんとアビゲイルさんは初めて聞いたって顔をしている。

 

「アビゲイルさんとアレンさん仲は悪いのはみんな知ってますからね。いろんな意味で正反対な二人は言い争いが絶えないのでそりゃもう風物詩クラスですよ」

「そんな風物詩があってたまるか!」

「レア、今すぐその伝統を撤廃させなさい」

「ちなみに元帥閣下公認です」

「「………………」」

 

元帥閣下の名前を出すと二人はなんとも言えない表情になった。

 

「ん?どうやら来たみたいです」

 

気配を感じ、視線の先にはサーチライトを展開させながらこちらへ向かってくるアマデウスロボの姿があった。

 

「………………何だか様子がおかしいわね」

 

アマデウスロボを怪しく見るアビゲイルさん。

かく言う私もあのアマデウスロボ達に違和感を感じていた。

そう考えていたら、アマデウスロボの一体の目にあたる部分から光が漏れた。

 

「あ」

 

私がいうのも束の間、レーザーが壁にあたった。

 

「ライフル隊」

「「「「「はっ!!」」」」」

 

アビゲイルさんはレーザー痕を見る事なく指示を出す。

ライフル隊の一斉射撃により、アマデウスロボが次々と機能を停止させる中、一体だけレーザーを放とうとするのを見かけたので私は持ってきた武器の一つを投げ、アマデウスロボの頭がサヨナラした。

 

「………ここに来て閣下を裏切るとは。アマデウス軍、万死に値するわ」

 

スクラップと化したアマデウスロボを睨みながら物騒な事を言い出したアビゲイルさん。

 

「待て。オレ達を殺るつもりなら数がお粗末すぎる。これが奴らの総意とは思えねぇな」

「確かに。たった十体のロボで私達に勝てるわけありませんよね」

 

アレンさんの言う通りロボ達とモーデン軍の戦力差は一目瞭然。にもかかわらず喧嘩をふっかけたのは何か理由があると踏んだ。

でもアビゲイルさんはアレンさんを見ながら言った。

 

「甘い男ね、アレン・オニール。そんな事だからあなたはいつまでも軍曹止まりなのよ」

「………オレは生涯現役なんだ。後ろに下がって指示を出すだけなんざ性に合わねぇんだよ」

 

若干図星だろうか。プイっと顔を晒したアレンさん。

見た目通りで逆に安心しました。

 

「おいレア。今何か言いたそうな顔をしなかったか?」

「目の錯覚かと思いますよ?」

 

わたしゃなーんにも考えてませんよ〜。

アレンさんが永遠の脳筋マンだなんて思ってませんよ〜。

 

「ふぅん。ま、そう言うことにしてあげてもいいわ。部下の失態は上司の責任。仮に一部の暴走だとしても、その責を負ってアマデウスの責任者はここで頭を垂れるべきじゃないかしら?」

「アビゲイル、目的はアマデウス軍の殲滅じゃねぇ。アマデウス軍の協力を取り付けることなんだろ?」

「取り付けるわよ。反逆者を根絶やしにした後にね。その方がきっと物事がスムーズに行くわ」

 

セリフひとつひとつが完全に戦闘狂のそれだった。

元帥閣下の心配した通りだ。

 

「売られた喧嘩は買うのがモーデン軍ですが、アビゲイルさんってかなり極端な性格してますね」

「………レア・ドラゴニフ。それは一体どう言う意味かしら?」

 

アビゲイルさんはジロリと私を睨む。

 

「その喧嘩腰でアマデウス軍の協力に支障が出てしまうんじゃないかと不安なんですよ。まだ相手が何を考えているかもわからないのに殲滅させるのは元帥閣下も望んでいません」

「………………」

「………ただ、アマデウスのトップがクロだった場合、その限りにあらずですが」

「決まりね。ならばアマデウス軍の本拠地へ向かうわよ」

 

こうして予想外のイレギュラーが起こったものの、アマデウス軍の本拠地へ向かうのだった。

 

「?」

 

ふとアマデウスロボの残骸から視線を感じた気がした。

 

(何でしょう。この視線………怒りも殺意もない………まるで子供の好奇心みたいな………)

 

 

 

 

 

 

 

???

 

『うふふふふふ………あの人間………すごく面白そう。もっと彼女と遊びたいな』

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