メタルスラッグ〜女モーデン兵の転生記〜   作:只の暇人

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偽物づくりはもう少し似せた方がいい

私達はアマデウス軍との取引で協力関係を築こうとした。

 

しかしそのアマデウス軍のロボが攻撃してきたためにその真意を確かめるため本拠地へ向かうのだった。

 

「………おいレア」

 

その時アレンさんが声をかけてきた。

 

「何でしょう?」

「………さっきから見てて思ったんだが、その軟弱そうな板切れは何だぁ?」

 

アレンさんは私の腰に下げているものを指摘した。

 

「板切れとは失礼ですね。この『ブーメラン』は武器として重宝されているんですよ」

「オレには板切れにしか見えねぇな。そんなんであのロボ軍団に勝てるってのか?」

「そりゃ一般人ではロボの硬さで弾かれてしまうのがオチですからね。でもコツがあるんです。最初は軽く、投げる瞬間に力を込めておけば………」

 

私はブーメランを近くの木に向かって投げる。

 

スパッ!ドーン!

 

ブーメランが通り抜け、時間差で木が半分斜めに切れて倒れた。

 

「…とこんな感じで切断が可能となるのです」

「いや、多分それレアちゃんしかできないと思う」

「「「「「うんうん」」」」」

 

兵士の一言は他の仲間達の代弁でもあった。

 

「そんなことありませんよ。木こりのおじいさんがいつも使っている技を盗んだだけですから。でも私が驚いたのはオノを忘れて代わりにまな板で代弁した時だったかな?」

「レアちゃんの故郷は人外魔境か何かか?」

 

兵士たちは若干私にビビり出した。

 

「人外魔境とは失礼な。走りながら壁を破壊するゴルドおじさんも超回復から状態異常まで何でも作れる自称魔女のマルジョさんも目から怪光線を出せるゼータさんもその娘のペータちゃんもみんな普通に暮らす人たちですよ」

「あ、これあれだ。レアちゃんと俺たちじゃ常識がズレてるんだ」

 

兵士たちはどこか諦めに似た反応を示した。

 

「貴方達、立ち止まってないで動きなさい」

 

アビゲイルさんに言われ、私たちは移動した。

 

 

 

 

 

進んでいった先に奇妙な出来事がありました。

 

『ヤーハッハッハッハッ!モロイ、モロスギルワァ!!』

 

メカメカしいアレンさんにそっくりなやつが大きな銃片手に叫んでいました。

 

「!?………な、何だこりゃあ!?」

 

流石のアレンさんも面食らっていましたが、

 

「………思ったより似てるわね」

 

アビゲイルさんが真顔で呟いた。

 

「どこが似てるんだぁ!?全然違うじゃねぇか!!」

 

聞こえたアレンさんは猛抗議した。

 

『ヤーハッハッハッハッ!オレサマノナハ、アレン・オニール!』

「ほら、その腹立つ笑い方はそっくり」

「………堂々としてますね」

 

わざとなのか天然なのか分からないけど。

 

『グガアアアアアアア!』

 

そんなやりとりをしていたらアレンさんはメカアレンさんを破壊した。

 

「けっ。オレ様は世界で一人で十分だ」

「容赦しませんね。でもまだ来ますよ」

『『『ヤーハッハッハッハッ!』』』

 

壁の隙間から複数のメカアレンさんが現れた。

 

ビィっ!

 

「うおっ!?ア、アビゲイル!てめぇなにしやがる!」

 

アレンさんの横にアビゲイルさんのレーザーが掠めた。

 

「絵面がむさ苦しいし煩いから一体減らそうと思ったのよ。わざとじゃないのよ?ごめんなさい区別がつかなくて」

「嘘つかないでください。どさくさに紛れてアレンさんにフレンドリーファイア起こそうとしていた人がなに言ってるんですか」

「あら?いなことを言うのね。私の射線上に本物が紛れていただけの話でしょ?」

「………こんなんでモーデン軍が内部崩壊しないのがある意味凄いことですね」

 

幹部同士が険悪なのに組織が壊れないのは元正規軍の元帥だった元帥閣下のカリスマ故か。

 

「………仕方ないですね。アレンさん、私もお手伝いします」

「はんっ!こんなニセモン野郎ども、オレ様一人で十分だ!………と言いたいところだが、息子から聞いたおめぇがどんだけ強くなったか見ものだな」

「ジュニアさんですか。まぁいいです。早めに終わらせます」

 

アレンさんは後方に下がって私は前に出る。

 

『ヤーハッハッハッハッ!』

『コムスメェ!オレサマニケンカウルキカァ?』

『ミノホドシラズメェ。イマカラキョウフヲアジアワセテヤル』

 

三体のメカアレンさんから一体が前に出る。

対して私はブーメランを取り出し、戦闘態勢を取る。

 

『ナンダソノイタキレハ?ソレデオレサマトタタカウキカ?』

 

案の定ブーメランを板切れとバカにするメカアレンさん。

私はなにも言わず一体のメカアレンさんにブーメランを投げた。

 

ビュンッ!スパっ!

 

『アッ?イマナニヲシタン………ダァ?』

 

そんなメカアレンさんの首が少しずつずれて行き、ぼとりと地面に落ちる。

首と体が離れたメカアレンさんはやられたことも自覚できず、機能停止した。

 

「うーん、本物の方がまだまだ耐久量がありますね」

『テンメェ…』

『ナメタマネシテクレル!』

 

仲間がやられたことを自覚した残り二体のメカアレンさんは私を敵と認識し、戦闘態勢を取る。

 

「こんな話を知ってますか?ブーメランは投げた後戻ってくるものなのですよ」

 

この話を聞いたメカアレンさんの一体が訳の分からないと言った感じで、もう一体はふと後ろを振り向きましたが、

 

ブーメランは振り向いたメカアレンさんの目と鼻の先でした。

 

スパンっ!

 

『ナッ!?』

 

顔を切断されて機能停止したメカアレンさんに驚愕のもう一体のメカアレンさん。

そんな隙を見逃さず帰ってきたブーメランをキャッチし、一瞬にしてブーメランをメカアレンさんの首に突き立てた。

 

『ギッ………ガ………』

「この程度の武器に負けるようじゃ、まだまだアレンさんにはなれませんね」

 

ブーメランを引き抜き、メカアレンさんは倒れた。

 

「ヤーハッハッハッハッ!見事だレア!前よりもっと強くなったじゃねーか!」

「私もモーデン軍の端くれですからね。これぐらい普通にこなせなければなりませんから」

 

相変わらず高笑いを出すアレンさん。後方待機しているアビゲイルさんは不機嫌そうにしているが。

 

「チッ」

 

前言撤回。思いっきり不機嫌でした。

 

「………アビゲイルさんとアレンさんは犬猿の仲なのはわかってましたけど、露骨すぎて逆にびっくりしましたよ」

「お世辞を言われる筋合いはないわ」

「褒めてません。ぶっちゃけてるだけです」

「むしろオレ様はアビゲイルに堂々とぶっちゃけるお前に驚くがな」

「いやー、それほどでもないです」

「「褒めてないわ(ねェよ)」」

 

そんな会話をしていたら一体の首に傷を負ったメカアレンさんが起き上がった。

 

『ウフフフフフ』

 

女の子の笑い声と共に。

 

『なかなかやるわねモーデン軍。でもお人形はまだいっぱいあるの。お姉さん達、あたしのところまで辿り着けるかしら?』

 

音声が途切れるとメカアレンさんは爆発した。

 

「まーたややこしい厄介ごとが舞い込んできましたか………」

 

あの少女の声はアマデウスロボの視線と似たような感じがした。

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか。それとも………」

 

 

 

 

 

???

 

『ウフフ、あのお姉さんすっごく面白そう。ああ、待ち遠しいわ。もっとお姉さんと遊びたいな』

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