メタルスラッグ〜女モーデン兵の転生記〜   作:只の暇人

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ここから新章入ります。

アタックキャラ勢揃い………かもしれない。


第2章:出張という名の拉致入隊
敵なのに勧誘されるってある意味すごいことかな?


こんにちわ。元女子高生ことレア・ドラゴニフでございます。

 

あの後私一人で基地を占領したことで多大なる評価で軍曹に昇格された私は今何をやっているかって?

 

それはね…

 

「着いたぞ。俺たちの基地だ」

「モーデン軍の悪魔がどんな拷問を受けるか楽しみだな」

 

現在私は正規軍に捕まって基地に護送されていますもの。

 

いやほんとどうしてこうなった?って思う。

 

きっかけといえば私が攻略したあの基地に配属された頃の話。

 

「正規軍が来たぞ〜!!」

 

というモーデン軍兵士の叫びを聞き、私は慌てて外の状況を確認する。

 

数は確認出来ただけでも約300人ほど。

こっちは準備不足な上にみんなパニックになって冷静な判断もできてない。

そして何より見覚えのあるヘリが飛んでいる。

 

「青いPF軍のヘリ………となると…」

 

もしやと思い目を凝らすと赤いシャツの男とグラサンの男が見えた。

あの二人は前世の知識で知っている。

 

そう、メタルスラッグの主人公であるマルコ・ロッシとターマ・ロビンソンだ。

あの二人がいるってことは確実に基地を取り戻しにきたということだろう。

 

ならば私のやることは1つだ。

 

「全部隊静まれぇ!!」

 

私が咆哮に近い大声でパニックになった兵士達を一発で静かにさせた。

 

昔の修行で身につけた『覇軍の言霊』。

大声をあげただけでその通りにさせる技の1つだ。

ただし、ボス級の存在や精神が強いと効果が薄くなるのが欠点であるが。

 

「貴方達も知っている通り正規軍が来ている。しかも奴らは正規軍エース部隊を投入してきた!奴らと戦えば生き残るのはほぼ不可能だと思え!」

「で、ではどうすれば?」

「………出来るだけ武器弾薬を詰めてこの基地から撤退する準備を。………名残惜しいと思いますがこの基地を放棄するしかありません」

 

兵士たちに動揺が走る。

あれだけ苦労して手に入れた基地を捨てるというのだ。

 

「さぁ、ボサッとしている時間はありませんよ!敵は待ってくれません!1秒でも早くここから撤退してください!」

「軍曹はどうするつもりですか?」

「私は殿を務めるだけよ」

「そんな!軍曹だけ残すことは出来ません!我々も!」

「命令よ!私たちの本拠地まで撤退なさい!」

「りょ………了解…!」

 

兵士たちは私の命令に従い、私以外みんな基地から離れていった。

それからのちに正規軍が流れ込んできて私を取り囲む。

 

「………お前が噂のモーデン軍の悪魔か?」

 

赤シャツの男・マルコさんが銃を構えながら問いかける。

 

「なんの噂か知りませんが…私はモーデン軍所属のレア・ドラゴニフという名前があります」

「へぇ?レアちゃんっていうんだ」

 

ターマさんが可愛い子を見る目で私を見ている。

 

「………私を殺す気ですか?」

 

私はとりあえず対話を試みる。

二人の性格から考えていきなり殺すとはあり得ないと思うが…。

 

「………俺たちの任務はこの基地を奪還することだ」

「なるほど。となれば………」

 

私はナイフと銃を地面に落とす。

 

「降伏します。あなた方の捕虜になります」

 

両手を上げて降参する私に二人や兵士たちがお互いの顔を合わせる。

 

「………本気か?」

「はい。ですがそのかわり今逃げている最中の私の仲間を見逃してくれませんか?」

「………もし、見逃さなかったら?」

「道連れにしてあげますよ?」

 

私からの殺気に二人は息を飲む。

私が本気であることを悟ったらしい。

 

「………全部隊に捕らえたモーデン兵達を解放してやれ」

「はっ………しかし………」

「責任は俺が取る。だからやってくれ」

「了解しました」

 

マルコさんの指示に兵士たちは若干戸惑いながらも従う。

そしてなんやかんやで私は正規軍に連行されたのだ。

 

 

 

正規軍基地 牢屋

 

「どうしたものでしょうか…」

 

モーデン軍に比べて少し小綺麗な牢屋に入れられた私。

基地にいた兵士たちは無事に逃げ切れたのだろうか?

マルコさんに限ってないかもしれないが約束を破ったのならもう正規軍崩壊させちゃおうかな?

 

と、私が考え事をしていたら誰かがやってきた。

 

私の目の前に現れたのは脂ぎった顔に肥満体質の男。

思いっきり場違い感があるが、服装が正規軍のものだし、しかも階級が中将ときた。

 

「この娘が例の?」

「はい、彼女がモーデン軍の悪魔と恐れられた者です」

 

だからなんだよモーデン軍の悪魔って!

何度も言うけど私は元女子高生!

どこに悪魔がいるんだよ!

 

そんな私の心の叫びもデブ中将はジィ〜と眺めながら口を開く。

 

「彼女をあの部屋へ連れて行きなさい」

「は?いえ彼女は…」

「おや?貴方は私の命令が聞けないのですか?」

「も、申し訳ありません!すぐに!」

 

あの部屋というのが気になる。

それにこのデブ中将と兵士のやりとり。

………なるほど、こいつ『黒い』わね。

 

「さて、一緒に来てもらいますよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正規軍基地 とある部屋

 

「この娘が悪魔ですってね?それ本当?」

 

とレアの写真を持った緑色のバンダナを被った金髪女性がグラサン男のターマを睨む。

 

「そう睨むなってエリ。よくあるだろ?可愛い見た目して中身が凶暴な奴」

「それは誰のことかしら?」

「まぁまぁエリさん落ち着いて…」

 

ドスを効かせるエリに白い帽子とメガネを掛けた女性・フィオが落ち着かせる。

 

「まぁいいわ。それよりもこの娘の対処はどうするの?」

「………保護観察、だそうだ」

「…そりゃまた」

 

マルコのセリフにフィオとエリはお互いの顔を合わせる。

 

「理由があるとするならやっぱあの娘か?」

「ああ、上層部はあの娘を殺せだの勧誘しようだの意見が分かれてな。現元帥が機転をきかせて保留となった」

「勧誘?冗談でしょ?」

「いやマジだ。相手がモーデン軍所属でありながら勧誘しようとしている。『まだ青い小娘を言いくるめれば我々の勝利は近い』などと言っているからな」

「………アホくさ」

 

呆れるエリ。

すると扉から「失礼します」と兵士が入ってきた。

 

「マルコ・ロッシ少佐!捕虜に関する資料をお持ちしました」

「ご苦労。…ちょうどよかった。今その捕虜………レア・ドラゴニフに職務質問しようと思っていたところなんだ。是非彼女の元へ案内してくれ」

「はぁ………えっと………」

 

マルコの言葉に歯切れの悪い兵士。

 

「………?どうした?」

「はい。実はその捕虜なのですがさっきデブリム中将が彼女を連れて行くのを見ました」

「なんだと!?」

 

マルコがガタッ!と立ち上がる。

 

「あのデブ野郎!先に手ェつけやがったか」

 

いつもチャラチャラしたターマが珍しく悪態をつく。

 

「不味いな。このままでは彼女が殺される。どこに行ったかわかるか!?」

「たぶんデブリム中将の部屋かと…。もしくはあの部屋…」

「よし!ターマとエリはデブリム中将の部屋へ。俺とフィオはあそこへ行く!」

「オーケー相棒。敵といえ無残に殺されてるのは後味悪いからな」

 

マルコたちはレアがいるかもしれない場所を二手に分かれて探すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バシンッ!

 

「グッ!」

「さぁ吐きなさい。でないともっと苦しむことになりますよ?」

 

私は現在このデブ中将に鞭で拷問されている。

モーデン軍の情報を求めているがこの男は捕虜をいじめるのが大好きなようだ。

 

「…だから知らないものは…アゥっ!?」

「ん〜?聞こえませんね〜?もっとはっきりしゃべってくれませんか?」

 

何か言おうとすれば鞭で強制的に黙らせ、まるで聞こえなかったかのようにわざとらしく耳をすませる。

 

「黙ってないで早く喋りなさい!」

 

逆に話さなければ無理矢理喋らせるために鞭を振るう。

 

マルコさんがいてから腐敗は和らいだと思ったんだけどなんでこいつみたいなやつがいるんだろうか?

 

「………ふふっ………」

「………今、私に対して笑いました?」

 

おっと思わず口が滑ってしまった。

まぁいいや。どうせ殺されるなら色々ぶちまけよう。

 

「ええ、私は正規軍に対して少なからず正義の味方みたいな組織だと思ってたんですが、見事に幻想を打ち砕かれまして………」

「はははは、まさかヒーローを夢見ているのですかな?違いますよ。私たちは正義です。正義とは正規軍あってこその正義。つまり、私の行いは正義の鉄槌。あなた方モーデン軍は悪なのですから」

「とんだ薄汚い正義ね」

「………なんですと?」

 

デブ中将の機嫌が急降下した。

 

「ただ私利私欲のために権力で物を言わせ、趣味と称して弱い人をいたぶってご満悦。仮に私たちが悪だってんなら、お前は悪よりタチの悪い老害でしかないわね」

 

私の言葉にデブ中将の顔が真っ赤に染まり血管がこれでもかというくらいいっぱい浮き出ていた。

 

「はぁ、一時は正規軍に憧れてた時期があったけど、これならモーデン軍の方がマシね」

「き………貴様ァ………っ!」

 

怒りでプルプル震える腕で私を殴り飛ばそうとするデブ中将。

 

ドンドンドンドン!

 

「おい!デブリム中将!そこに居るのは分かっているぞ!」

 

扉から誰かが扉を叩いて叫んでいる。

聞こえたデブ中将はチッ!と舌打ちした後怒りを抑え、声の主に言う。

 

「なんですかロッシ少佐?今この捕虜の尋問に忙しいのですが…」

「そうやって何人のモーデン軍の捕虜を殺したと思ってるんだ!?」

 

こいつ常習犯だったのかよ。

もう正規軍の腐敗の根源だわ。

 

「これ以上は目に余る!今すぐこの部屋から出るんだ!必要とあらば現元帥に報告せざるを得ない!」

「チィッ!小僧が…」

 

盛大に舌打ちしたデブ中将は鞭をしまい、見張りをしていた部下とともにこの部屋から去る。

同時にマルコさんとメガネの巨乳女性が入ってきた。

が、二人は私のズタボロな姿を見た瞬間顔を強張らせた。

 

「………すまない」

 

マルコさんの第一声がこれだ。

私の傷のこと、あのデブ中将のことにたいしてなのだろう。

 

「………貴方はいい人そうなので許しますよ」

 

やっぱ正規軍といえば彼らあってこそだよね

………あのデブ野郎をどうやって摘出しようかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正規軍基地 デブリムの私室

 

「くそが!!あのピコピコ坊主が!私を邪魔しよって!」

 

デブリムは邪魔されたことで怒りをあらわにし、近くのゴミ箱を蹴り飛ばす。

 

「あの子娘もだ!あの坊主と同じ目をしやがって!正義ヅラした目を見ているとイライラする!」

 

デブリムは怒りを隠しきれずドカッと高級そうな椅子に座る。

 

「………こうなったら誰が一番偉いか分からせてやらないとな」

 

愛用のデスクの鍵付きの引き出しを開けて、1つの資料を見る。

 

「…あの偉そうにしている元帥を蹴飛ばし、私がトップに立つ。奴らの絶望する顔が目に浮かぶ………フハハハハハハハハハ!!」

 

勝利を確信し高笑いをするデブリム。

 

 

 

その天井に小さな光るものが彼を見ていることを気付かないまま。

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