メタルスラッグ〜女モーデン兵の転生記〜   作:只の暇人

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欲深いやつって後に盛大に失敗するんだよね

正規軍基地 医務室

 

「…先ずはデブリム中将の暴挙を許してしまっことを詫びたい」

「いえいえ、気持ちだけで十分ですよ」

 

身体中包帯を巻かれた私はマルコさんの謝罪を受け止める。

 

「はぁ…この人が悪魔だなんて到底思えません」

 

とメガネ女性(確か名前がフィオさんだったはず)がこんなこと言ってきたので私は問いただしてみる。

 

「あの、さっきから気になったんですけどなんですか悪魔って?」

「知らないのか?結構噂になってるんだぞ。兵士を一匹残らず半殺しにしたり、弾幕を何事もなかったかのように全て避けたり、滅多打ちしたり、戦車を素手で粉砕したり、と噂が迷走しまくっていつのまにかモーデン軍の悪魔と呼ぶようになったんだと」

「…もう何言っていいかわからないわ」

 

私は頭を抱えた。

 

伝言ゲームよろしく私の武勇伝(誰が広めたか知らないが)が捻れて伝わってしまったようだ。

 

「ごほん!…話がズレてしまったな。俺はマルコ。マルコ・ロッシ。階級は少佐だ」

「俺はターマだ。よろしくなかわい子ちゃん」

「…エリよ。覚えなくていい」

「わ、私はフィオリーナ・ジェルミ曹長です!フィオって呼んでください!」

「………レア・ドラゴニフです」

 

なぜいきなり自己紹介?

と思っていたら意外な答えが待っていた。

 

「なぜと思っているようだから言ってやるが、実は上層部の一部が君が欲しいと言っているんだ」

「え?体を?」

「いやいや、スカウトだよ。そっちもきになるけど」

 

ターマさんが補足を入れた。

てかスカウトって。

 

「スカウト?私モーデン軍ですよ?」

「そうだ。だが上は『モーデン軍の悪魔を味方につければこの戦争は我々の勝利だ!』などと決定事項を唱えているようでな」

「あ〜、頭でっかちな上司を持つと苦労しますね」

 

どうやらマルコさんは苦労人の気質があるらしい。

 

「………ところであのデブ中将も賛成派なの?」

「…ああデブリム中将か。やつは賛成もなければ反対もしていなかった。ただ状況を静観していただけだ」

「俺も奴を見たがありゃなんかありそうなんだよな。長年の感がそう言ってるぜ」

「………貴方が言うとなんだが信用できなさそうですが…」

「なんでさ」

 

私がつっこむとターマさんが落ち込んだ。

エリさんが「自業自得でしょ?」とぼやいたがこの際聞かなかったことにする。

 

「それにしてもあのデブ中将、なんであんなのがいつもこんなところにいるんですか?」

「…………………」

「大きな声で言えないが、中将だからと言えるな」

「………ああ、権力で…」

「それもあるがあいつは俺たち正規軍の創生時からいる古株だからな。だから実績がある分たちが悪い」

 

たしかにそれは難しい案件だ。

勝手な想像でしかないがきっと入隊当初は正義感溢れた兵士だったかもしれないのに時が人を変えてしまうとはなんという残酷な結果なのだろう。

 

「逆らったら権力使って脅してくるし…」

「たまに女性職員とかセクハラをするようになりました。…私もですけど」

 

………もうどうしようもないクソブタじゃないですかやだー。

 

「…仕方ありませんね。あのデブ中将には退場してもらいましょうか」

 

私がそういうとマルコさん達が驚いた様子で私を見る。

 

「私の知っている正規軍にあんなのがうろついていたらモーデン軍が手を下さなくともいつか瓦解します。ですのであいつにはこの正規軍から出て行ってもらいましょうか」

「いやいや、簡単に言っちゃってるけど一体どうする気なんだよ」

 

ターマさんが待ったをかける。

まぁいきなりすぎてついていけないかもしれないけど私は確信を持って言っているからね。

 

「『相手にとって不都合な証拠を見せびらかす』…それだけですよ」

 

私の左手が不自然な形であげるとどこから飛んできたのか小さなビー玉サイズの丸い機械が飛んできた。

 

「ひっ!?む、虫!?」

「違うわよ。叩きおとさないでね」

 

見た目にビビったフィオさんは無視して、丸い機械は私の指に止まり、私が右手でスマートモニフォン(自作のスマホのようなもの)でデータを見てみると、奴にとって不都合な証拠をきっちり捉えていた。

 

「ふふふ、あのデブが真っ青になって慌てふためく顔が目に浮かぶわ」

 

妄想していたら若干楽しい気分になる。

途中ターマさんが「なるほど、これが悪魔か」と呟いていたが気分のいい私は気づかないふりをするのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正規軍基地 職務室

 

「…さてデブリム中将。何か弁明はあるかな?」

「………………」

 

デブリムは今同僚達に囲まれて質問されているのだが、彼からは苦しそうな表情をしている。

 

同僚達の中にはマルコ達と様子見してみたいと頼み込んだレアの姿がある。

 

そして今デブリムに質問しているのは現正規軍元帥・ブレイブ・ジャスティネスてある。

 

「お前の行動は日に日に酷くなるばかりか隠れて我々正規軍を裏切り行為を行おうとしていたとは………」

 

と、ブレイブはパサッと手にしていた資料を置く。

 

「『物資の横流し』に 『正規軍のデータ』………今まで正規軍を支えていたことで大目に見たが、ある情報提供者のおかげでお前を追放するのに十分な証拠が揃った」

「追放………ですと?」

 

デブリムが口を開く。

 

「そうだ。我々正規軍はお前を敵として対処する。もう終わりだ」

「………はは、ははははは。やはり所詮は若造か」

 

デブリムは青筋を顔中に浮かべて叫ぶ。

 

「今まで何年もこの私が支えてきたと思っている!?この正規軍が潰えないためにも私がどれだけ苦労したと思っている!?世の中綺麗事でまかり通り通っていると思い込んでいる貴様らは何も変わっておらん!だから私がやらねばならんのだ!私が正規軍のトップとなり、モーデン軍を打倒して正規軍に栄光をもたらすものを」

「貴方みたいな腐った男をトップにするわけがないじゃん」

 

突如否定する女性の声。

そう、現在捕まって捕虜になっていたレアだ。

 

「ここの元帥もマルコさん達も平和なために戦っているのに貴方は何?いばり散らして自分が偉いと思ってるの?私の知ってる正規軍なら仲間を大事にする連中よ。それを食い物みたいに色々膨れている貴方はここに必要なんてないの。貴方の居場所に正規軍はないわ!」

 

レアの激に同僚達は関心を寄せたりうんうんと頷いたりよく言ったと激励をあげたりする。

 

「…そうか。貴様が………貴様が私をぉぉぉおおおお!!!」

 

デブリムが半狂乱でレアに襲いかかる。

マルコ達は武器を構えようとするが意外にもデブリムが早くこのままではレアが襲われると思った。

 

ガゴッ!!

 

「ゴブェッ!?」

 

が、レアがデブリムに顎を蹴り上げ、一撃で気絶させた。

 

「バカが悪いことするからバカを見るんですよ」

 

 

 

こうしてデブリムは正規軍から地位と名誉を剥奪され、表舞台から姿を消したのだった。

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