ぐだ男「……美味しい奴を失った」
「皆さんFate/Grand Orderを遊んでくれてありがとうございます!クリプター役で出演させていただきました!オフェリア・ファムルソローネです!」
──今回の作品はかなり濃い内容でしたね。
「はい!北欧の異聞帯を巡る激しい戦い、クリプターの心の闇、事件に潜む神の陰謀、そして悲しい別れ……それらをギュッと凝縮した作品です。楽しんでいただければ私も体を張った甲斐があったというものです!」
──今回はインタビューに応えていただきありがとうございました。
「またお仕事をいただければ喜んで受けようと思っています。それでは皆さん、御機嫌よう」
彼女の名前はオフェリア・ファムルソローネ。今をときめく新人女優で時折見せる薄幸な仕草と真面目過ぎる性格故の弄りがいの良さから「リアクション女優」という肩書きを与えられている。
「ちょっと!解説内容を訂正しなさい!リアクションは要らないわよ!」(プンスカプン!
実は既に仕事が始まっている事をオフェリアは知らない。今回は、我々カルデア放送サークルが企画した番組に強制参加させられている(事務所側には事前にアポを取り番組内容を知らせてあり、「どちらでもいい」という許可を得ている)。
「さてと、この後の予定は何だったかしら?ぶらりスイーツ探訪だったっけ……あれ太るから嫌なのよねぇ」
ブツブツと独り言を呟きながら歩く痛い女オフェリア2
さて、ここで番組の趣旨をお教えしよう。本番組では暇そうなサーヴァント達にアンケートを取り、そのイタズラを叶えてしんぜよう!という企画なのである。人権?GOサインが来た時点でねぇよ。
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①投稿者「アビゲイル・ウィリアムズ」
コメント:「私が思いついたのは、楽屋に入るドアのドアノブに触るとすごくヌルヌルしている…というイタズラです!」
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早速、ドアノブにローションをたっぷりと塗り込んだスタッフ(モードレッド)が満面の笑みで物陰に隠れサムズアップした。
「はぁ……おばあちゃん、元気にやってるかなぁ…」
憂鬱そうな表情を浮かべたオフェリアは間もなくやって来た。これからドッキリをやられるとは知らないまま、廊下を歩く彼女はドアノブに手をかけて…………
「ぅぇ……」
凄まじい顔芸を披露した。ローションでベトベトになった手とドアノブを確認してオフェリアは心底嫌そうな顔をした。このタイミングで俺(藤丸)とイタズラ役兼カメラマン役のモードレッドが突撃する。
「どうも、カルデア放送サークルです」
「……は?」
嫌そうな顔をするオフェリアに事情を説明したところ一点、困惑の表情を浮かべた。
「嘘でしょ…何やってんのよ社長……」
「美味しくなりました?」
「なってないわよ!もっとマシなの考えなさいよ!誰が考えたの!?」
「ウチのアビーが」
「……そ、そう。じゃあ彼女には『もう少し捻ってみて』と伝えてあげて」
ここでも真面目な性格がモロに出ており、モードレッドは笑いを堪えるのに必死だった。
「とにかく!事務所側に止めるように言っておいて。いいわね?」
「は、はぁ…検討します」
「検討しないですぐやってよ!」
それだけ言うとオフェリアは濡れた手でドアノブに触れて濡れていない手でドアを閉めた。この先にもドッキリが仕掛けてあるとは知らず……
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②投稿者「アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ」
コメント:「そうね…、給湯ポットのお湯が止まらないイタズラとかどうかしら?」
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●REC
「はぁ……散々だったわ」
ティッシュでヌルヌルを拭き取ったオフェリアは椅子に座ってティーバックをカップに入れた。
「役作りで紅茶飲んでるけど……私コーヒー派なのよね…」
爆弾発言を飛ばしながら彼女は給湯ポットのボタンを押す。お湯が出てカップに注がれる。押しっぱなしで流れ続ける機械である事を知っているので押し続けて充分な量流れるのを待った。
「よし、そろそろいいわね」
オフェリアは給湯のボタンから指を離す……が、お湯が止まらない。咄嗟に台本を避難させるも35%が濡れ、避難させようとした際に思いっきりお湯に触れてビクッと震える。
「え?ちょっ!お湯が出すぎ……アッツゥ!?スタッフー!!!誰でもいいから助けて〜!!!」
どんどん溢れてくるお湯に完全にパニックになったオフェリアが悲鳴を上げた。さて頃合いだな。
「どうも、カルデア放送サークルです」
「チィーッス」
「……またあんた達なの…」
俺達を見たオフェリアがため息をついた。すぐに別のスタッフ(ブーディカ)がテーブルを拭き、弁当をセットした。だが、この弁当にも罠を仕掛けてある。
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③投稿者「ナーサリー・ライム」
コメント:「面白い事考えたの!お弁当の底が抜けちゃうの!きっとビックリしちゃうわ!」
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●REC
「はぁ……はぁ……やっと行ったわね。全く…変な番組に巻き込まれたわ……」
ドサッと椅子に座りなおした彼女は予備で刷っていた台本のコピーを眺めながら…ふと、スタッフが置いていった弁当を思い出した。
「わぁ…今日のお弁当美味しそうね!やっぱりTY○E-M○ONはホワイトだわ……」
今日のお弁当はご飯・生姜焼き・沢庵・マカロニサラダ・ひじきの煮付け…その全てが作りたてだ。漆塗りの弁当箱にオフェリアも笑みを浮かべる。
「じゃあ食べようかしら」
弁当を手前までスライドさせ、蓋を開けた……が、蓋ごとケースが蝶番で固定されており、ケースが抜けて底と料理だけが虚しく残ってしまった。
「……地味ィ!?めっちゃ地味!地味過ぎるわよ!」
すまん、オフェリアが真面目過ぎてさっきからずっと塩対応だわ。
「カルデア放送サークルでーす!」
「もうちょっと捻ろう!ね?私も反応に困るわよ」
「美味しくなりました?」
「……30点」
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④投稿者「フランシス・ドレイク」
コメント:「酒だ酒だ!ぁ〜……、で?何の話だっけ?そうそうそれよ!なら面白いネタあるぜ?シャンプーを血糊にしてみ?」
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●REC
「なんなのよカルデア放送サークルって……全くもう」
給湯ポッドが暴走した事で靴を濡らしまい、やむを得ず部屋に常備されたスリッパを履いていたオフェリアだったが、間もなく仕掛け人であるブーディカの居る部屋に向かった。これから次の撮影に向けて髪をセットする為だ。
「じゃあ、始めますよ〜」
「ありがとうございます」
慣れた手つきでシャンプーを使って髪を洗うブーディカ。そして、頭皮を洗い流されて気持ちよさそうな顔をするオフェリアの髪から泡を流すタイミングでモードレッドが乱入し、笑いを堪えながらその髪に血糊(取れやすいタイプ)をたっぷり垂らしていく。
「何処か痒かったり痛かったりする所ありますか〜?」
「無いわ。ありがとう」
「本当に大丈夫ですか〜?」
「はい、貴女の洗い方がァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!オォォォァアアアアアアアアアアアアア!!!!」
自分の髪から血が流れている事に気付いたオフェリアは凄まじい叫び声を上げて床に転げ落ちた。すぐさま視界に抱腹絶倒するモードレッドを見て、彼女は漸く安心した。
「…………んひぃ…、ビックリしたぁ」
「フヒッ…フッ……カルデア放送サークルですwwww」
「帰れ!!!ハウス!!!」
顔を真っ赤にしたオフェリアは激怒した。かの邪智暴虐なぐだ男を除かんと───
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⑤投稿者「ふーやーちゃん」
コメント:「ふっふっふ〜、もし公衆の面前でスッ転げたら恥ずかしくて首吊っちゃうかもしれんの〜♪」
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●REC
「酷い目に遭った〜……」
何とかセットを終えたオフェリアは次の撮影先へと向かうべく会社を出───ようとしたその時!
「んぁっ───?」
玄関前の床……それもツルツルになるよう意図的に磨かれた床がオフェリアの靴裏を捉えた。一瞬、宙に浮くオフェリア…何が起こったのか理解する間もなく尻から床に落ち、そのまま滑って会社の外に弾き出された。因みに外にはこの日呼んだエキストラ総勢10人が待機しており、全員の視線が漫画のように弾き出されたオフェリアに向いた。
「//////〜!!!!!!!!」
顔を真っ赤にしたオフェリアは何とか立ち上がると、速足でタクシーに乗り込んだ。流石に突撃は失敗し見送る形になったのは残念だ。
因みに、突撃できなかった原因は仕掛け人のモードレッドが自分の床トラップに引っかかったせいだった。
現パロ(劇中劇設定)はいかがでしたか?オフェリアは