エロなしでどこまで書けるかなといった自分の腕を見るつもりで書いた作品ですが、正直書いてて導入など雑さを自分でも感じていたのですが書き進めてしまっていたので完成させました。
また、タイトルと〆が合ってないかもしれないですが許してくださいお願いしますなんでもしまs(((
冗談はこの辺にしておいて皆さまに合うかどうかはわかりませんが読んでいただけると幸いです。
大幅修正いたしました。(2018/12/06 00:55)
ここに来るのも何時ぶりだろうか、皆はどうしているだろうか。
俺が橘花学院から去ってもう数年が経つ。
本当に苦渋の判断ではあった。俺の独断で茉優先輩との交渉を打ち切った。この件については親父にも報告はした。
もちろん到底許されるような行為ではないことは承知の上だ。しかしながらも、特班の中では一ヶ月の謹慎処分で済んだ。
ここまではよかった、特班の上にいる連中が黙ってはいなかったのだ。上からの下った処分は、鷲逗からかなり遠くに存在する支部への左遷だった。学校の方はというと休学扱いにはなっているそうだが、事実上の退学に近いものだろう。
そして、左遷先での生活は思った以上に厳しい生活であった。外部との連絡は業務連絡を除くものは禁止されていた。
おまけに24時間監視付きというまるで囚人にでもなった気分だった。そのお陰で七海や親父とも連絡が取れない状況が続いてきた。
俺のあの時の判断は特班に対してかなりのダメージを負わせていたらしい。表向きにはされてない組織故に機密漏洩を恐れた政府は、特班を解散措置を取り、特班の機能は警察の一部機関として政府公認組織となるそうだ。
特班が解散になったということは、支部もなくなるということだ。
そんな中、碌な連絡手段もないまま、急に住処も失った俺はふらりとこの地にまで戻ってきたというわけだ。
ここに来る前に元々住んでいた家に帰ってみたが、どうやら引っ越していたそうだ。
させ...行く当てもないまま思い出の地に帰ってきたが、色々と思い出してくるものがあるな...。
茉優先輩...元気にしていますか?
「茉優ーーー!」
今日も元気に私の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
この子は伊勢 琴里、アタシの幼馴染みたいな親友。
訳あって眠り続けてしまうことになっちゃってたけど...数年前、ようやくアタシの研究成果によって起こしてあげることができた。
ようやく...ようやく...
「どうしたのよー、琴里ってば。そんなに大きな声出さなくても聞こえてるって。」
アタシは苦笑しながら後ろから聞こえてきた声に身体を向けずに声だけ返した。
「もぅーそんな態度取っちゃってぇ、今夜どうかな?」
琴里はサラリーマンがやるような口元でクイクイっと飲みにいかない?というポーズをしながら誘ってきた。
「また何かあったの?仕方ないなぁ、付き合ってあげる♪」
最近2人で中々飲みにも行けてなかったし研究もひと段落ついたし今日ぐらいはいいよね。
「でさぁー?中村さんったら事あるごとにいちゃもんつけてきてさぁー」
琴里も酔いが回ってきたのか口調が砕けてきている。
中々愚痴が積もっていたのだろう。愚痴るのに合わせてお酒のペースも上がってくる。
「今日はこのまま帰るからね?」と背中でうつらうつらしている琴里に声をかけると
「やだぁー、今日はまだまだ飲むのぉ」と駄々をこねられる。
そんな声も無視してアタシは琴里を家まで送り届けてベッドに寝かしたから家を出る。
(「同棲でもしてみる?」)と誘われたがさすがに年頃の乙女なのでそれは断って、お互い研究所までそう遠くない所に住んでいる。
いつもならアタシもこのまま泊っていくけど今日だけはなんだか一人になりたかった。
研究も順調だしこれと言って不満があるわけではないけど前からずっと心の片隅に残っているものがある。暁君...
そう、彼はまだ学生時代だった頃に転校生として来た孤児院でにやんちゃしていた男の子だった。
最初は気づけなかったが暁と書いて【さとる】と呼ぶなんて珍しくて問うたら本当に暁君だったというわけで...
でもそんな彼との関係が変わってしまったとある事件があった。
そもそもはアタシのミスなんだけど、ある日アタシのPCに何者かからアクセスされていることが発覚してしまい、その何者かを突き止めるために研究室で罠を仕掛けて犯人がまたやって来ることを待っていると...まんまと犯人はアタシの研究室へと足を運んできた。
その犯人が暁君だということに気づくまでには時間がかかったが、正体が分かったときはなんで?どうして?という思いがぐるぐると頭の中を駆け回っていたが平静を装っていたが、一先ず考える時間がほしくてその日は帰ってもらった。
その後、考えた結果暁君が身に纏っていた光学迷彩のメモリー繊維を渡す代わりに潜入のことは黙っている。ということで交渉を始めたが何が彼をそうさせたか突然交渉から身を引くと言われてしまった。聞くと彼の単独での判断だと言う。そのことを伝えられると彼はそのまま研究室から出ていった以降、姿を消してしまった。
妹の七海ちゃんに話を聞こうと思っても上手く回避されてしまい、暁君がどうなったのかわからないまま年月だけ過ぎていった。
その後、琴里を起こすことができたアタシは、一緒に卒業を向かえて同じ研究所に進むことになり今に至っているということだけど...アタシは少なからず暁君に好意を抱いていた。
そんなアタシは暁君がいなくなってしまった後も男性とのお付き合いもしたことはない。
(そろそろアタシもいい年だし相手を見つけないといけないのかなぁ)なんて考えながら歩いているといつの間にか学院の近くまで歩みをよせていた。懐かしいしちょっと外からでも眺めていこう。
夜道を照らす月明かりの下、学院の校門へと近づくとある人影が見えた。
身長は高めで全身黒尽くめの服を着ている。そして髪も長めで左目は隠れているように見える。
あの容姿はどこかで見覚えが......
この学院も懐かしいな...一日街を歩いてみたがやはり最後はここに来てしまった。時間はあっという間に過ぎていき辺りは暗く街灯と月明かりだけで照らされていた。
行く当てもない俺を、優しく包み込んでくれるかのような落着きだ。
さて、そろそろ時間か。と思い駅に向かって歩き始めようとした所で、
「暁君っ!!」
っ!?!?
こんな場所でこんな時間に俺の名前を呼ぶ声が聞こえ振り返るとそこには...なんと目に薄っすらと涙を浮かべている茉優先輩がいた。
成長して大人っぽさが増しているが茉優先輩に違いない。
...すまない。あぁ、やっぱり迷彩を解いた時の謝罪はこの人に対してだったんだな。
そんなことを思い返しながらも、俺は先輩から逃げるように走り出していた。
先輩はというと、一瞬遅れながらも追いかけてくる。
それもそうだよな、いきなり一方的に交渉を打ち切り目の前から姿をくらましたんだからな。
しかしここでこの人に捕まるわけにはいかない。また気持ちが抑えられなくなってしまうかもしれない。
「暁、君...っ待って、はぁはぁ...待ってってば!」
俺が振り切ろうとしても諦めずについてこようとする。
「アタシ、っ!もう、後悔はしたくないの...っ!!」
その一言が俺の足を止めさせた。
俺の後ろでは茉優先輩が息を切らしながら「はぁ、はぁ...っ、やっと、止まってくれたね」と声を漏らした。
彼女の息が整うまで俺は静かに待った。
「あの時、暁君ってば勝手にいなくなっちゃうし誰とも連絡取れないようにしてるからどうしているかもわからないし...」
「まぁ、それは...そうだな」だってそうでもしないと自分の気持ちが抑えれる自信なんてなかったから。
「アタシがどれだけ暁君のこと心配したと思ってるの!?」
「っっ!!??」茉優先輩の顔を見ていると嫌でもその言葉の意味がわかってきてしまう。
「ずっと暁君のことが...」と言い出す前に茉優先輩は泣き崩れてしまった。
参ったな...このまま放置していくわけにもいかないし...
「茉優先輩、とりあえずどこかに行きませんか?落ち着ける所で話をしましょう。」
と提案し、茉優先輩に案内されるがままについていくと通された場所は先輩の部屋だった。
どういうことだ!?!?
どうして俺は先輩の部屋にいるんだ!?
そんなこんなで焦っていると
「暁君はどうして今日ここにいたの?」と尋ねられる。
今更誤魔化しても仕方がないか...それに憶測でしかないが茉優先輩のさっきの言葉もそういう意味だろう...
「実は俺、あの後島に飛ばされてしまいまして。」
「っ!」
それってやっぱり!?
「俺はあの時茉優先輩のことが好きになっていました。でも、好きな人にこれ以上嘘をつきたくない。そんな思いから俺は貴女から離れようと思ったんだ。それがどんなに後悔しようとしても...」
え?えっ?暁君がアタシのこと好きって?いやね?アタシもさっき泣き出しちゃう前にそれっぽいこと言おうとしちゃってたけども!
「それで、しばらくは離れで過ごしてしたんですけど、組織が解散されてしまいまして...」
「住むところが、なくなってしまいまして、気づいたらここに来ちゃってました。」
「そ、それでこの後はどうするの...?」
「そうですねぇ、とりあえず日本一周でもしてみようかと」
冗談めいた口調で言う暁君だった。アタシはそんな彼を胸元に抱いて
「アタシのところに来ない...?」
あの人の涙には勝てないなぁ...
茉優先輩の申し出の後、俺はしばらく先輩の部屋にお世話になることにした。
そこで何をしているのかと言うと先輩と同じ研究所に入るために最低限の知識はつけるために猛勉強中だ。
茉優先輩曰く、「助手=カレになってもらうんだから♪」ということらしい。うまいこと言ってるつもりか!?
まあ、そんな彼女に頭の上がらない俺も大概ではないけどな。
そして今日はもう一つ試練が残されている。七海と親父の元に行くのだ...
こっちに戻っておきながらも、まだ二人に挨拶に行けていない。
もちろん、二人の元に行くのも茉優先輩からの提案だ。
ここで生活していくなら帰ってきたことぐらい報告してあげなよ?大切な家族なんだから。とのことで菓子折りを持った俺は、茉優先輩が教えてくれた、七海と親父が住むという家の前まで来ていた。
俺の心の不安を察してくれたのか、ついてきてくれた先輩は空いている手を握り「大丈夫だよ」と言ってくれた。
あぁ、俺はやっぱりこの人のことが好きだ。この人と新しい自分をスタートさせていこう。この人の助手=カレとして。
恐る恐るインターホンに指を伸ばす。ピンポーン、どこの家庭でも鳴るような音の後に「はーい?」と聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ、在原 暁...です。」
どうしてここで終わらせたんでしょうね?
もっと頑張れたんじゃないか自分とも思いましたけど後の展開はご想像にお任せします()
その内、加筆修正やその後の二人という感じで上げるかもしれません。
それはそれでその時が来たらがんばります。
拙い内容だったと思いますが最後まで読んでいただきありがとうございました。