そんなカルデアもあるよねって話   作:しましょー

3 / 5
ぐだ「虹回転ってほぼ☆5確定じゃないですか」
グッちゃん「そうらしいわね」
ぐだ「PUに☆5キャラが狙いの一人しか居なくて、それが起きたら『勝った!』と思うじゃないですか」
グッちゃん「もちろん」
ぐだ「……☆5すり抜けって悪い文明ですよね」
グッちゃん「今回ばかりは貴方に全面同意させてもらうわ」




召喚室の黒い壁と同化して気配を消すアルジュナ(めっちゃ怒ってはりますやん…)


レイシフト

召喚から数日が経った。

 

 

未だに第一特異点が見つかっていなかったため、私と藤丸、そしてマシュの三人はシミュレーションルームで連携の確認などをして過ごした。

 

別に連携なんて必要ないし…と告げたのだが、藤丸曰く「今の虞美人さんは生前より霊基が落ちてる」ので「一人で集中攻撃を受けると危ない」らしい。確かにマナの吸収だったり、筋力などが落ちていたりする。

 

それでも私自身は霊核を一撃で破壊されない限り、消滅したりはしないのだが。まぁ伝えていないから仕方ない。

 

 

 

そう。私が精霊である事は、未だに告げずにいる。というか、告げる気は無い。

 

 

 

私が竜牙兵を剣舞で倒すのを見て、「かっこいい…!」と目を輝かせていた二人には、人の範疇を超えた再生力と燃費の良さはそういった体質だと説明してある。(それで押し通される方もどうかと思うのだが…)

 

私が人間ではないと知ったら、契約を打ち切られるかも知れない。いや間違いなくされるだろう。

人間は自分の理解できない事柄をなるべく排除しようとする生き物だから。

 

 

不本意ではあるが、このカルデアにいれば項羽様と会えるのはほぼ確実なこと。それまではただの『虞美人』として居座るしか無いだろう。いや虞美人なのは間違っていないのだけれども!

 

 

結局、連携の確認も必要最低限だけ決めて終わった。

すなわち、私が近接で攻撃、マシュがマスターを守り、私の宝具で一掃、と言った流れである。

 

というのも、自分で言うのも何だが連携なんてこれっぽっちもしたことの無い私。サーヴァントになって一週間程度のマシュ。同じくマスターになって一週間程度の藤丸。

 

こんな初心者の集まりでは、パターンAだのBだの決めるよりは、1つだけルールを定めて置く方が安定すると結論が出たからだ。

 

全く、こんな指示出しも碌にできないなんて、先が思いやられるわ…。

多分令呪の切り方とかも下手なんでしょうね…。

 

 

同じようにシミュレーションルームにいたある日。

 

マシュが「マスターをお守りする特訓がしたいので、思いっきり攻撃してくれませんか?」とか言い始めたので、盾の向こうにいる藤丸を(何らかの事故でも起きないかしら~)ってくらいに狙っていると、部屋にロマニの放送が響いた。

 

 

『立香くん、ついに第一特異点が見つかった。ミーティングをしたいから、二人を連れてブリーフィングルームに来てくれるかい?』

 

 

ちょっうわっまってとか情けない声を上げていた藤丸も、俄に顔つきが厳しい物へと変わった。

 

いよいよ始まるのか。

 

Aチームを交えた少し歪な人理修復が……。あれ?むしろ今の方が当初の予定に近いんじゃない?

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちがブリーフィングルームに到着したとき、部屋の中には慌ただしく動き回る職員達の姿があった。

様々な資料を引っ張り出しては、専門用語を使いながらいたるところで議論をしている。

 

昨日まではどこかのんびりとした雰囲気が流れていたカルデアも、いよいよ本格稼働し始めたらしい。

 

 

 

部屋の中央にある一際大きなテーブルには、現最高責任者であるロマニと、まるで絵から抜け出してきたかのような絶世の美女がいた。

 

(そうだったわ。こいつも健在だったわね…。)

 

レオナルド・ダ・ヴィンチ。万能の人。カルデアによる英霊召喚成功例第三号。

いつぞやの異聞帯で見たときは、子供の姿になっていたが、今はモナリザそのものである。

 

私が英霊となってから見かけたのは初めてだし、ヒナコ時代もほとんど話したことは無いのだが、人類史上最も多才の人との呼び声高い彼…彼女?は、少しでもボロを出せば私の秘密を暴きに来るだろう。

ロマニと同等の警戒をしなければならないと心に誓う。

 

 

「やぁやぁ。初めましてだね、人類最後のマスター、藤丸立香くん。私の名前はレオナルド・ダ・ヴィンチ。気軽にダヴィンチちゃんと呼んでくれたまえ」

 

 

互いに自己紹介を済ませた後、藤丸はその姿に言及し、嬉々として語り始めるダ・ヴィンチ。

 

世界一有名な絵画を描いた人が、実際のところは自分の作品と同じ見た目になるために、自分にメスを入れるような変態だと分かった藤丸は少し引いていた。

 

私も長い間生きていたし、性転換を果たした人も自分を改造した人も知ってはいたけれど、『自分の創作物になりたい!』とかいうとち狂った人物は初めてだったので初めて会ったときはちょっとどん引きした覚えがある。

 

 

 

「そして、我々の呼びかけに答えてくれてありがとうね。虞美人。現地での立香くんのサポート、よろしく頼むよ」

 

 

 

私に向けて友好的に差し出される手。それを無視して

 

「分かってるわ。コイツに死なれると困るもの」

 

と告げた。なるべくコイツに近づきたくないから。

 

私の態度を受けた彼女は、顔色を変えること無く手を引っ込めたが、目が笑っていない…むしろこちらを探るような目に変わった…気がする。

 

はぁ、こんな時目線を遮れる文庫本とかが欲しいと感じるわ。

 

 

 

ダヴィンチとの顔合わせが終わると、そのまま発見された第一特異点の説明に入った。

 

要点だけ抜き出すと、今回のレイシフト先は1431年。英仏100年戦争中のフランス。

我々の目的としては、その時代のその場所が何故特異点となったかを調査・解明し、修正すること。

並びに特異点となるほどの歴史のゆがみを生じさせた聖杯を奪取すること。

 

 

うーん、フランスかぁ…。行ったことないなぁ…。

私、生まれてこの方ずっと中国に居たからなぁ。その時代って中国はどの王朝だっけ。明くらい?あんまり良い記憶無いなぁ…。

 

……じゃなかった。こんな特異点さっさと修復して、2018年を迎えないとね。

 

 

「お、なんだい。虞美人はやけにやる気じゃ無いか」

 

「うるさいわね。さっきの話だと一番揺らぎの無い特異点を選んだって話じゃない。そのくらい修復できないでこの先どうするのよ」

 

「そんなプレッシャーを掛ける言い方をしなくても…」

 

私の言葉を聞いたロマニは藤丸をフォローするようにそう言ったが、

 

「いや、大丈夫です、ドクター。虞美人さんは2017年通り越して2018年まで見えているみたいだし、緊張をほぐしてくれたんだと思います」

 

当の本人は笑いながらそう言った。

 

 

 

 

 

しまった。そんなつもり全く無かったのに。

 

 

ま、まぁいいわ。項羽様に会うために召喚に応じたのだもの。こんな序盤も序盤で躓くわけにはいかないし、手加減なしで行くわよ。

 

その後、ミーティングはレイシフト日時の確認をして解散となった。

 

それにしてもクリプターとなった時に、藤丸の資料をもっと見ておけば良かったわね。そうしたら特異点の時代も場所も、原因も黒幕も分かっていたのに。

まぁ人間の業績なんて、これっぽっちも興味なかったから仕方ないか。

 

そんなことを考えつつ部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

「なぁロマニ。やっぱり彼女何か隠してるぜ」

 

「…うん。まぁそれは疑いようのない事実だよね。召喚時の台詞から想像するに、立香くんと面識があって、しかも彼と敵対、もしくはそれに準ずるような関係だったんだと思う」「未来で縁を結んだタイプかもね。立香くんは知らないって言ってたし」

 

「そこまで想像が付いてるなら、やっぱり別の英霊を準備した方が良いんじゃないかい?多少ならへそくりはあるけど」

 

「いや、大丈夫。このままで行こう。僕は立香くんの判断を信じるよ」

 

「……彼はなんて?」

 

「『虞美人さんがすごく楽しそうにたくさん項羽さんの話を話してくれたので、今度漢文のテストがあったら満点です!』だってさ」

 

「…ふふっ。確かにあの日の食堂の彼らは遠目に見ても盛り上がっていたもんねぇ。なら私は美術でも教えようか」

 

「それガチのやつじゃないか…。そんなことよりレオナルド。さっき言ってたへそくりのことなんだけど」「あーあー聞こえなーい」「そんな子供みたいに…」

 

 

 

 

 

 

 

________________________________________

 

 

 

 

 

 

 

 

レイシフト当日。

決められた時間にマイルームから(私は職員が使っていた部屋が大量に余っていると言うことで、一人部屋をもらっている)ブリーフィングルームに向かうと、もう既に藤丸とマシュが待っていた。

 

「おはようございます虞美人さん!調子はどうですか?」

 

「サーヴァントに調子の良し悪しもないわよ。貴方の方こそ顔色悪いわよ?」

 

緊張して眠れなかったとか遠足前の小学生みたいなこと抜かしたらどうしようかと思ったが、なんでも変な夢を見たらしい。

そんなことで大丈夫かと思ったが、ロマニによるとバイタルに問題は無いそうだ。

 

「大丈夫!コマンドはガンガン行こうぜ!でいきましょう!」

 

バカなこと言ってるし大丈夫でしょう。

 

 

最終確認が終わった後、コフィンに入る。

 

念のため爆発物が仕込まれていないか確かめたい衝動に駆られたが、職員達が見ている手前、怪しい行動はできなかった。信じるしかないわね。

 

 

思えばレイシフトするためにカルデアに来たのに、結局生きてるうちにすることはなかったなぁと思いながら、開始を告げる機械音が響いた。

 










~ちょっと長い後書き とばしてもらっても構わないよ!~



アルジュナがすり抜けたので、項羽がぐっと遠ざかりました。
項羽が引けたときにEDを迎えるこの小説の終わりもぐっと遠ざかりました。よって連載形式を「短編」から「連載」へと変更いたします。
頑張ります…。



さて、1話投稿から一日。沢山の反響ありがとうございます。

投稿する前は「こんな与太話、異聞帯消す毎に出てくるし、N番煎じもいいとこだよなー」とか言っていたのですが、高評価、暖かい感想、お気に入り登録、(誤字報告)の雨あられで、ビックリです。

本当にありがとうございます。


感想が多すぎて全部返す時間が取れそうにないので、疑問や矛盾点をぶつけてくださった時のみ、返信させて頂きます。申し訳ないです…。

全部読ませて頂いてますし、すごくモチベーションが上がってくるので、『返信帰ってこなくてもいいよ!』って優しい方は、これからもガンガンください…。








まぁ正月の福袋で項羽引くので、その時までの短期連載となりますが、どうぞよろしくお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。