ドールズディフェンスライン   作:りおんぬ

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TRPGのシナリオとかキャラ作るの楽しい。
問題は作ったキャラを対して活かせない点。宝の持ち腐れ


Doll's Defense Line - Outpost Ⅳ

所変わって。

仮称不在防衛線(ドールズディフェンスライン)、その倒壊した旧司令部を通り過ぎてしばらくしたところの脇にある密林にて。

鉄血工造の侵攻部隊は、ある存在と交戦していた。

……より正確に言うなら、その存在を目撃したハイエンドの内の一体が問答無用で急襲をかけた。

 

「おらおらどうしたどうしたァ!! その大層な見た目と装備は飾りなのか!? えぇ!?」

「どうしたもこうしたもねぇわなんでテメェら狙いすましたかのように人の飯時にばっか襲撃かけてくんだふざけんなマジで!! あとこんな所でこんな危険物持ち出せるわけねぇだろ近隣の皆様に迷惑だろうが!!」

「うるせぇ他の雑魚共なんざ知ったこっちゃねぇ俺だけを見ろ!! テメェの相手はこの俺だ!!」

「めんどくせぇコイツ!!!」

 

全身のバネを最大限に活用し、一撃で大木がへし折れる威力の拳を乱発する女──『無頼人(ルフィアン)』。

対して、はたから見るととんでもなく過積載な装備を積み込んでいながらもそれを捌くパワードスーツ姿の男……男……? とにかく人型実体──通称『万能者(オールラウンダー)』。

その様子を少し距離を置いて観察しながら、『不眠家(インソムニア)』は隣にいる同僚に話しかける。

 

「……アレ、どう思う……?」

「……恐らく既存の技術では何をやっても同系機の製造は不可能だろうな。いいとこデッドコピーが精々か。あれだけの装備を積みながらルフィアンと同等に()り合うなど、我々でも不可能だろうて」

「私の擬態であれば再現は可能でしょうが……あれだけのパフォーマンスを再現するなら、相応に『密度』を上げる必要があるでしょうね……」

 

成功作にして大失敗作のハイエンドが顔を連ねて話し合うが、結論は「無理」の一言。果たして奴は一体どこの誰によって生み出されたのか。

謎は深まるばかりだが、現状そうもいっていられない。

とっととG&Kを潰して人類一掃の足掛かりにしなくてはならないのだ……こんなよく分からん不確定材料にいちいちリソースなんぞ割いていられるか。

そして、その光景を機械仕掛けの龍王の背から眺めるものが一人。

 

「『集合体(アグリゲイター)』。聞こえるか?」

『■■■■……!!』

「聞こえているな……よし」

 

──諸共踏み潰せ。

その女──『傍観者(バイスタンダー)』の指示に従うまま、アグリゲイターは咆哮と共に右の前足を振り上げた。

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■!!!!』

 

「あん? ──げっ!?」

「おいおいなんだありゃあ!? 新手のビックリドッキリメカか!?」

「ンの野郎ッ、やりやがったなバイスタンダーァアアアアアアアッ!!」

 

オールラウンダーが目を剥き、ルフィアンが怒りに吼える。

だが、平時ならともかく今のアグリゲイターに足元で騒ぎ立てる木端の声など届くはずもなく。

……簡潔に結果だけ言うと。

先程までそこそこのサイズの森があった地帯は、その一撃で周りにまばらに木が生えたクレーターへと変貌した。

 

■ ■ ■

 

そして、その常軌を逸した光景を遠くから眺めるものが一人。

 

「オイオイオイオイ、ほんっと馬鹿げたサイズと火力してやがんな……ハハッ、ウケる」

 

高倍率スコープを限界まで酷使してその様相を眺めていたのは、緑髪緑眼に黒いチューブトップとファスナーを中ほどまで開けた緑のライダースーツをまとった過激すぎる服装の麗人──GM6リンクスだ。

いつもの服装に付け加えてらしくもなく軍用のヘッドセットを装着して、誰かと通信を行っている。

 

『笑ってる場合ではないぞリンクス! データは取れそうか?』

「無茶言うな、安全とってキロ単位で距離離してんだぞ。それで普通にやってることが認識できるサイズってのも普通に頭おかしいが、それで詳細なデータが取れるとでも?」

『……はっは、言われてみればそうだな!』

「概算だがテュポーンの三桁倍は出力あるぞアレ」

『一応最低限のデータは取れたのだな……それで? ほかに何かあるか?』

「あとは……そうだな、理由は知らんが生物としての形態にこだわってるせいでそこまで動きは速くない……っていうか他の自律人形とか自走機械と比べてもかなりトロい部類だぞ」

『なるほど。出力の大半を膂力に反映しているのか……防御よりも回避に専念したほうがよさそうだな? ──ペルシカ! そっちのレンチを取ってくれ給え!』

 

無線越しに聞こえてくる加工音に、リンクスは眉をひそめて言う。

 

「……あのさ、マジで出るつもりなのか?」

『無論! そのためにいくつかパーツや技術を融通してもらったからな! このペースで行けば明晩にはそちらへ向けて発てるはずだ! ──そこの外装はこっちの方につける奴だ、回してくれ! というかそっちの腕に外装は中々厳しいだろう!?』

「オイオイマジで何製造(つく)ってやがる……」

『……おっと、まだ繋がってたか。まあとにかく、そういう訳だ!』

「あいさーっと。んじゃまあオレはこっちで別命あるまで偵察を継続、んでテメェが到着し次第後方遊撃支援にシフトする。オーバー」

『幸運を祈る!』

 

通信切断。

再び偵察作業に戻るリンクス。彼女の視界では、敵対目標を文字通り完膚なきまでに潰して満足したのか、再び鉄血工造が進撃を開始するさまが確認できた。……あっ、まとめていかれた脳筋ハイエンドが掘り起こされた。

そして、オプティカルサイトを覗き込んだまま彼女はふと言う。

 

「……それで。テメェはどうするんだ、『厄災』サマ?」

 

厄災。彼女は確かにそう言った。

だが、見る限りこの場には彼女以外誰もいない……であれば。

リンクスは、一体何を感じ取った?

その答えは、彼女の足元からやってきた。

 

『おおう、バレてたか。これでも頑張って気配は消してたつもりなんだけどな……』

「なめんなよ、これでもオレは17Lab渾身の成功作だ──いくら極限までステルスしてるとはいえ至近の異常なエネルギー反応、捉えられないと思うか?」

『そう言われちゃ仕方ないな……っと』

 

ボゴン、と地面が盛り上がり、一本の腕が飛び出す。

しばらくもぞもぞと動いていたが、やがて手をグーの形にしてから親指を立てて、

 

『……I'll be back』

「一応言っとくがそれセリフとシーン合ってないぞ」

『マジで!?』

「おう。そもそもそのシーンにセリフはない。強いて言うなら“I know now why you cry(なぜ人間が泣くか分かった), but it's something I can never do(俺は涙を流せないが).”がそれだな」

『マジか……』

「……ところで引っ張り上げた方がいいのかソレ?」

『ああ頼む。バックパックが引っ掛かっちまった』

「あいよっと」

 

地面から伸びた腕を掴み、そのまま一本釣りの要領で引っ張り上げる。

すると、うっかりすると持ち主よりも巨大なんじゃないかと疑うサイズのバックパック……というか、作業ユニットを背負ったオールラウンダーが地面を割って姿を現した。

その様子を見たリンクスは半目で一言、

 

「……いや、むしろよくそんなクッソ邪魔な大荷物担いで地面を進もうなんて思ったなお前……?」

「……返す言葉もございません……」

 

余りにも正論すぎるその言葉に、オールラウンダーは冷や汗を流しながら目を逸らすほかなかった。




と言う訳で今回のコラボ相手は試作強化型アサルト様作『危険指定存在徘徊中』でした。武器関連の設定がすごい凝っててすごいけどそれを全然活かせない三流ss書きは私です(自首)
コラボ先の作品が気になる人は以下のURLからどうぞ!

・危険指定存在徘徊中
https://syosetu.org/novel/190378/
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