どうせ幻想郷が滅亡してしまうならもっと目立っておけばよかったと思う八雲紫の話 作:絶望先生と東方と涼宮が好きな人
「霊夢は相変わらずまだまだ動きが未熟ね。あんな弾幕に被弾するなんて」
「うるさいわね、これでも結構前よりは上手くなったのよ。外部の人間は黙ってて、関係者以外立ち入り禁止!!」
「わたし、幻想郷の創設者だけど?」
「でもこの異変には関係ないでしょうが! わたしは巫女としての役割があるから関係者なのよ! でもあんたは関係者じゃない!」
「……でもわたしは関係者よ? なら関係者立ち入り禁止にしないと」
「そしたらわたしも立ち入り禁止になるじゃないの⁉︎」
「あっ、バレた?」
その様子を睨みつけるように喋る中国風少女一人。
「……そ、そんな。こんな喋りながら戦うやつにも勝てないなんて。くそ、背水の陣だ!」
「あんた一人で『陣』なのか?」
「でも追い詰められた人間は一人でも怖いのよ?」
「相手は妖怪だから問題なし」
弾幕をかわしていく霊夢と紫。紫は優雅に隙間からティーセットを取り出し、紅茶を味わいながら空を飛んでいた。
「上海紅茶館ね……」
「何が?」
「この優雅な時間にメロディをつけるとしたら、そんな題名の音楽にしようかなって思ってね」
「ふーん、あんたにしてはセンスいいわね」
「一言余計よ、霊夢」
「なら二言余計にすれば許してくれる?」
「余計な時点でダメよ。まあ余計なものに意味があるとも言うし、許してあげるわ」
「許されたわ」
「だから一言余計なのよ」
「ついてくるなよ~」
「一言余計よ」
「余計とかじゃなくてついてこないでよ!」
「道案内ありがと~」
「あら、私について来てもこっちには何もなくてよ?」
「何もないところに逃げないでしょ?」
「うーん、逃げるときは逃げると思うけどなぁ」
「余計なものに意味があるとも言うし」
「紫は黙ってて!……ちなみに、あなた、何者?」
「えー、普通の人よ」
「普通の人なら追い詰められたら恐ろしいわね、怖い、怖い。でもあなた、さっき攻撃仕掛けてきたでしょ?」
「それは、普通に攻撃したの。でも、あんたが先に攻撃したのよ。あんたが、普通以外なのよ」
「私は巫女をしている普通の人よ」
「それはよかった。たしか……巫女は食べてもいい人類だって言い伝えが……」
「言い伝えるな!」
「実はその言い伝えはわたしが広めてたりして?」
「だから紫は黙ってて!!」
ドゴーン
「弾幕ごっこが始まったわね。まあ霊夢ならまだまだ未熟とはいえ、余裕に勝てるでしょ。それにしても、いつ見ても弾幕ごっこの風景は美しいわね……」
* *
「霊夢が死んで、わたしも死のうかと思ったが……まあこうして魔法使いになったわけだ。なのに……もっとたくさん研究したいから魔法使いになったのに……よりによって幻想郷の崩壊を迎えるとはな」
「……魔理沙、ごめんなさい」
「お前が謝る必要はないさ、これも運命だろ。それに紫、お前どうやらパチュリーにタイムマシンを作ってもらったらしいな。それで挽回しようって気だろ?」
「ええ。どうにか幻想郷を救ってみせるわ」
「ならあらゆる不安要素を消さないといけないぞ? たとえ幻想郷の崩壊の原因一つを解決できたとしても、運命ってのはなかなかぶれないもんだ。新しい原因を見つけ出しては、幻想郷の崩壊を導くだろう。だからもうどこ探しても幻想郷の崩壊へ導けるものがないってくらい、不安要素を消さないといけない」
「……そんなの、分かってるわよ」
「……そうか、ならいいんだ。あと一ついいか?」
「どうぞ」
「わたしが思う不安要素の一つ……それはフランだ」
「……」
「他にも様々な要因があるだろうが、おそらく変えていく未来の一つくらいはそれが要因で滅ぶ。どうか頼むぞ、紫」
「ええ、もちろん。幻想郷の崩壊を招くものは全て消させてもらうわ」
「ああ、頼む。でもさ、なるべくなら穏便に済む方法を考えてくれないか。フランはわたしの親友だ。フラン以外にしてもきっと幻想郷の崩壊を招く存在の候補は、わたしの周りにたくさんいるだろう……身近な存在はできるだけ生きてて欲しいんだよ、分かるだろ?」
「善処するわ。じゃあね、魔理沙。わたしはタイムマシンに乗るから」
「ああ、タイムマシンに乗って昔に戻ったら霊夢によろしくな」
* *
「さぁて、道案内してもらいますよ」
「済みません、お嬢様~」
ごめんね、魔理沙。わたしは諦めてしまった……
「でもわたしが愛した風景はここにあるのよ」
「ん? 紫、なんか言った?」
「いいえ、何も、言ったとして余計なことよ」
「余計なものに意味があるんじゃなくて?」
「これ以上は立ち入り禁止よ」
「わたしは紫の関係者よ」
「関係者立ち入り禁止よ」
大きな城の中へと一行は入っていった。