どうせ幻想郷が滅亡してしまうならもっと目立っておけばよかったと思う八雲紫の話 作:絶望先生と東方と涼宮が好きな人
魔理沙とパチュリー・ノーレッジの弾幕勝負はやはり魔理沙が勝利した。
「魔法が得意のようだな。まだ、隠しもってんじゃないのか?」
「しくしく、貧血でスペルが唱え切れないの」
魔理沙は機嫌良さそうに先へ進んだ。わたしは少し図書館で待機。
「……ねえ、八雲。一体どういうつもり?」
パチュリー・ノーレッジは話しかけてきた。
「どういうつもりとは?」
「何故あなたは霊夢や魔理沙と一緒に行動してるのよ? あなた、言ったじゃない。できるだけ自分たちの歴史に近づけたいから、幻想郷を壊す原因を消す以外の行動は全く同じ行動をとるって。だからわたしだってあの時の異変と一語一句同じ言葉をさっき魔理沙に言った。なのにあなたは、その自分の発言を平気で破った。異変に表立って八雲紫が出てくるのは春雪異変からではなかったの?」
「……気分が変わったのよ。タイムトラベルして歴史を変えるのは諦めたわ」
「あ、諦めた……?」
「ええ」
「あなた、それ、本当に言ってるの?」
「ええ、嘘は微塵もなく、木っ端微塵もなく」
しばらくの沈黙。
「何故……何故なの、八雲紫!! あなたは幻想郷を救うことに命をかけてきたじゃない!! だからわたしもタイムマシンを作った! あなたが歴史を変えて幻想郷を救うって言ったから、だからわたしはタイムマシンという手段をあなたに提供した! しかもタイムマシンは魔力で動くから魔法使いが一人必要だった、それもタイムマシンにとても詳しい魔法使いが……。だからわざわざわたしも一緒に、何度も、あなたとタイムトラベルしたのよ⁉︎ それなのに何を今更」
「だってどうしようもないじゃない」
「……えっ?」
八雲紫の悲しみに満ちた声のトーンにパチュリー・ノーレッジは一瞬息を止めた。
「最初の歴史、博麗霊夢が妖怪に殺されてしまったわたしたちの本来の歴史……あの歴史での魔理沙はわたしにこう言ったわ。『せっかく魔法使いになったのにもう幻想郷は滅んでしまうのか』って。霧雨魔理沙は博麗霊夢の死後、生きる気力をなくした。でも逆に霊夢が死んだことで人間であることにこだわる理由がなくなった。だから彼女は魔法使いになった……その覚悟を踏みいじったわ、幻想郷の崩壊という事実は」
パチュリー・ノーレッジは突拍子もない彼女の話に驚いた。
「……どうしたのよ、急に魔理沙の話なんかして。あなたがタイムトラベルを諦めた理由と何か関係があるとでも?」
彼女はパチュリー・ノーレッジの言葉を無視して話し続けた。
「その歴史ではわたしの親友、西行寺幽々子も死んだわ。正式には消えてしまった、だけどね。霊夢が死んだ直後、博麗大結界は緩んだ、まあこれは博麗の一族が死んでしまう度に起きること、それは別に特殊じゃない。ただその時この狭い幻想郷から抜け出してやると躍起になっていた妖怪たちがいた……バカよね、外に行った瞬間死んでしまうというのに、それに気づかないなんて」
「……その話はわたしも知ってるわよ。そいつらがその緩んでいたときに結界に入れたヒビが、何十年後に巨大な傷となり博麗大結界を壊してしまった。何千年かけて作った結界を一部ならまだしも全部壊されてしまったのにそれを一朝一夕に直せるわけがない。おかげで外の情報が大量に入ってきて幻想は消え幻想郷は崩壊してしまった」
「だからわたしたち……わたしとパチュリー・ノーレッジはタイムマシンに乗り過去に戻り、まずは霊夢を救った。これで歴史が変わると思った。しかしまた歴史は幻想郷の崩壊を導いた。また幽々子は消えてしまったわ……」
「……」
パチュリーは気づいた。八雲紫の実に悲しく泣きそうな瞳に。そして彼女が思ってることにも気づいた。彼女がタイムトラベルを諦めた理由にも気づいた。しかしそれを認められなかった。
八雲紫はまた口を開いた。
この時点で八雲紫とパチュリー・ノーレッジの二人は何度も、何千回も、何万回もタイムトラベルし、歴史を変えてきては失敗してきています。それが八雲紫の心をひどく傷つけたのは確かです。その失敗してきた歴史に関しては、後に少しずつ述べていくつもりです。では一旦字数的にここまで。