しまりんの幼馴染は、なでしこの飼い主になりました   作:通りすがりのキャンパー

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九か月ぶりの投稿

遅れて申し訳ありません


戦慄のしまりん

「と言う訳で!お鍋やろう!」

 

「と、言うことらしい」

 

「いや、どういうことだよ?」

 

突然現れた各務原を連れて、テントまで戻り、リンにそう紹介した。

 

やはり、予想通りの返しが来た。

 

「てか、なんで鍋?」

 

「餃子鍋だよ!冬はやっぱりお鍋だよ!外で食べたらきっとすっごく美味しいよ!」

 

そう言い各務原は持参したシートを敷き、その上に携帯用ガスコンロを置き、土鍋を置く。

 

そして、鼻歌を歌いながら食材を次々と取り出す。

 

「何か手伝おうか?」

 

その光景を見ていると、リンがそう言った。

 

「いいよ!二人はゆっくりしてて!それに、お鍋なんて切って、ぶち込んで、煮るだけだから!」

 

((スゲー不安……))

 

そんなことを思いながら、各務原が鍋の準備をするのを眺める。

 

「そう言えば、ここまで自転車で来たの?」

 

「南部町からだと40kmあるし、これだけの荷物でソレはないと思うぞ」

 

「うん!お姉ちゃんに送ってもらったんだ!」

 

俺の言葉に、各務原が肯定して言う。

 

「今日は私も最後までキャンプするよ!でも、テントはないから車で寝るけどね。布団も持って来たんだよ」

 

「そう言えば、お姉さんは?」

 

お姉さんが居ないことに、リンが訪ねる。

 

「富士宮の方に行ってるよ。友達と遊ぶんだって」

 

友達と遊ぶ前に、40kmも走ったのか。

 

「優しいんだな、各務原のお姉さんは」

 

「うん!でも、怒るとすっごく怖いよ。この前なんか、頭のてっぺん拳でぐりぐりってされたし」

 

「多分だが、そうなった原因は各務原にあるんじゃないか?」

 

「うん!」

 

元気のいい返事だこと……………

 

「じゃあ、お姉さん、後で戻ってくるの?」

 

「こっちには9時ぐらいに戻ってへっぶし!」

 

突然、各務原が可愛くないくしゃみをした。

 

鼾と言い、この子は所々に女子っぽくない部分があるな。

 

「う~、やっぱり寒いね」

 

「あ、貼るカイロあるけど使う?」

 

「いいの?ありが、はっ!」

 

リンが差し出したカイロを受け取ろうとしたが、各務原の手が止まる。

 

そして、震えながら訪ねてきた。

 

「せ、1500円………?」

 

「リン、お前のジョークで各務原にトラウマ出来てるぞ」

 

「それはもういいよ」

 

カイロを受け取り、各務原は一旦料理する手を止めて、カイロを貼る。

 

ちなみにカイロは、首の付け根や鳩尾、肩甲骨の間などの太い血管がある場所に貼り、その上からマフラーやダウンを着ると効果的だ。

 

「う~……背中に貼れないよ~」

 

背中に手をまわし、背中にカイロを貼ろうとしてるがうまく行かず、各務原は必死に手を伸ばす。

 

「手伝ってやろうか?」

 

「すまないねぇ、おまえさん」

 

「それは言わない約束でしょ、おとっつあん」

 

ノリで寸劇を行いつつ、俺はカイロを受け取る。

 

各務原は俺にカイロを渡すと、そのまま背中を俺に向ける。

 

「めくるぞ」

 

「うん、いいよ~」

 

そう言い、俺は服を捲ろうとした。

 

「ちょっ!待て!」

 

すると、リンが大声でそれを止めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しまりんSIDE

 

「手伝ってやろうか?」

 

なでしこがカイロを貼るのに苦戦していると、カイがそう言い出した。

 

確かに背中に貼るのは一人では難しいだろう。

 

そして、そんな場面に遭遇したら、カイなら絶対手伝う。

 

アイツはそう言う奴だ。

 

「すまないねぇ、おまえさん」

 

「それは言わない約束でしょ、おとっつあん」

 

二人がノリで寸劇をし、なでしこがカイにカイロを渡す。

 

そして、なでしこがカイに背中を向ける。

 

「めくるぞ」

 

はっ?今なんて言った?

 

めくる?

 

何を言ってるんだ!?

 

そんなこと許される筈が―――

 

「うん、いいよ~」

 

許されちゃったよ!?

 

男が女の服を脱がすとか何考えてるんだ!(*脱がすとは言ってない)

 

そして、なでしこも!

 

なんで平然と男に服を脱がされるのを良しとしてるんだ!(*脱がすとは言ってない)

 

って、まずい!

 

カイがなでしこの服に手を掛けた!

 

服を脱がすなんて、そんなこと神様や斎藤が許しても、私が許さんぞ!(*脱がすとは言ってない)

 

「ちょっ!待て!」

 

我ながら驚くほどの勢いで止めてしまった。

 

二人は驚き、私を見ていた。

 

「どうした、リン?」

 

「リンちゃん?」

 

「いや、その……私がカイロ貼るから」

 

「え?なんで?」

 

なでしこが首を傾げて聞いてくる。

 

「いや、普通に考えて男が女の服めくるとかダメだろ?」

 

「?だが、リンだって、よく俺に背中にカイロ貼る様に頼むじゃないか?」

 

「ソレはソレ!コレはコレ!」

 

そう言い、カイからカイロを引っ手繰り、なでしこをテントの中に連れ込む。

 

「あのなぁ、なでしこ。少しは危機感を覚えろ」

 

「へ?危機感?」

 

「だから、男に服をめくらせるとか………」

 

「でも、カイ君優しいし、いいかなって」

 

「優しいからって……まぁ、実際優しいけど……」

 

なでしこの危機感の無さに呆れつつ、カイロを貼る。

 

「とにかく、ああ言うことはそう簡単に男にやらせちゃいけないんだ」

 

「はーい。でもさ、カイ君ならいいかなって思うんだよね」

 

………………え?

 

「じゃ、お鍋の続き作ってくるね」

 

「あ、ちょ!?」

 

混乱する私を残し、なでしこがテントを出る。

 

「カイならいいって………どういうことだよ………」

 

まさか、新たなライバル登場か!?

 

一人戦慄し、私も後を追う様にテントを出る。

 

……………大丈夫だよな?

 

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