タイトルの通りとなります。

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盲信妄想射命丸文

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空が青い。

つかれる。

季節によって空の青が変わると言う話は聞いたことがない。

変わるとすれば空の青をみている、この私の心持ちであろう。

寒いのは苦手。

寒いこの季節に、広くて大きくて、無慈悲に全てを内包しているこの青は、私に大きな孤独感を与える。

飛ぶのが億劫だ。

でも、飛ばないんだったら歩かなければならない。

歩くのも億劫だ。

でも、歩かないんだったらずっと家にいるだけだ。

外界から隔絶された自分一人の空間。

自分が気持よく居れるように、その為だけに調教された部屋。

腐る。

有り体に言って腐る。

 

大きな空に赤と白を見たい。

あの大きな、まるで真っ暗な青に赤をほんの少しだけ足して、仄暗い程度にしたい。

仄暗いそれを見て、落ち着きたい。

一緒に飛びたいとは思わない。

私と彼女は、調和しない。

私の美的感覚で言えば、調和しない。

彼女は世界だ。

真理とかの縮図などを見ているような時の、なんだかやってはいけない事をしているような、

背中から罪悪感が追いかけてくるような、そういう類の美しさ。

それが、彼女だ。

私だけではなく、誰とでも調和しない。

それが、彼女だ。

私の愛している、彼女だ。

 

文章を書くヤツなんてのは、みんなロマンチストだ。

私はその中でもかなり臆病で病的なたちのようで、この手紙もまた、誰にも読まれる事はないだろう。

それでいい。

ただそこに、「たくさんの彼女を愛した私」があれば、それでいい。

 

 

 

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「あんたの新聞って、寒くなってくるとあんま面白くない気がするのよね」

 

「はい?」

 

「なんでかしらねえ」

 

霊夢さんが私の話を私に振るというのは、まあまあ珍しく、

そして私は自分に興味がある人は居ない前提で人と接しているのでこういう時素っ頓狂な声が出る。

 

「頭が働かないんですよね」

 

「寒いの苦手?」

 

「寒いのっていうか、冬の雰囲気がどうも」

 

「ふうん。あんま飛んでるの見ないのもそういう事なの」

 

「・・・よく気付きますねそんなこと」

 

私が飛んでても飛んでなくても、貴方が見ているなんて・・・

背筋が寒い。

嬉しくないわけではないけれど、貴方は私に興味なんかもっちゃいけないんだ。

 

「私があんたに興味ないみたいな前提で話すのやめましょうね」

 

「すいません」

 

「とにかく困るのよ。せっかくお金出して新聞とってるんだから。この期間はつまらないですよ~なんてのは」

 

「はあ。まあ、寒いとみんなもやる気無くなるのか、スクープもなかなかありませんで」

 

「別に事件とかスクープとかは興味ないわ。他人のおうちの事なんてどうでもいいし、大きい事件なら私気付いて解決しちゃうもん」

 

「そうですよねえ」

 

「私はねえ、なーんか、こう、あんたの頭から出てくる言葉とかが好きでこの新聞とってんのよ。キレキレの感じの。

あっは、また面白い事言うわねえ、って、思っていつも読んでるのよ」

 

「はい」

 

「こんなへなへなした。もう!私やる気無いですけど仕方なくかいてま~すって感じのなんか読みたくないわ!」

 

「はい・・・」

 

「そんな落ち込まないでよ。あんたの新聞好きで取ってるって言ってるんだから」

 

「はい」

 

「なんかねえ、あんたの新聞って」

 

「やめましょうか、この話」

 

「・・・怒ってる?」

 

「そういうわけじゃないんですが」

 

「照れてる?」

 

「そういうわけじゃないんですが」

 

 

 

彼女はぼおっと、空を見ている。

私の見る重い空とは違う空であろう。

彼女は空に何を見るのだろう。

空は彼女の鏡足りえるのだろうか。

 

お茶が美味しい。

彼女の入れたお茶は、美味しい。

彼女の入れたお茶を飲める立場にある自分が後ろめたい。

そんな事が許されてたまるか。

どういうわけか、彼女は私が此処に顔を出さないと、私の家にまで様子を見に来る。

信じられない。

ありえない。

そんな事が許されてたまるか。

貴方は超然と此処に居なければならない。

 

それらを口に出すことはない。

それらは、カルトな妄想だ。

私一人の荒唐無稽だ。

貴方は一人孤高に美しくあるべきだ等と。

私の頭の中は、厳しくて、痛い。

傷付ける事は、それにも増して痛い。

 

 

「だから無理して飛びなさいって話じゃないけど、あんたの飛んでる姿ってカッコイイわよね」

 

「そうですかね」

 

「そうよ。私みたいなふわふわした感じじゃなくて、ハキハキしててさあ」

 

「良いじゃないですか、ふわふわ」

 

「良いんだけど、でも、ハキハキも良いわよ」

 

「そうですかね」

 

「そうよ」

 

「霊夢さんの飛んでる姿は、素敵で私はすきですよ」

 

「そうかなあ」

 

「そうですよ」

 

彼女は世界だ。

真理とかの縮図などを見ているような時の、なんだかやってはいけない事をしているような、

背中から罪悪感が追いかけてくるような、そういう類の美しさ。

 

それはさながら悪夢を見て夜中に飛び起きた時の恐怖のような美しさ。

それはさながら退廃した街々の石畳にそっと佇む水溜まりのような美しさ。

 

彼女は飛んでいる。

 

私をいざない、飛んでいる。

 

彼女に一緒に飛ぼうと言われ、私は胸がきゅっとする。

 

彼女と一緒に飛んでいると、まるで私は蛾の様だから。

 

あてどなく飛ぶなど、私は出来ないから。

 

しかし。

 

やがてはそれすらも些細になっていく。

 

彼女に見惚れていると、私の事なんて考えられなくなる。

 

いつも気付けば終わっている。

 

一日が、終わっている。

 

寒くない。

 

その間だけは、寒くない。

 

 

 

2

 

 

 

「あんた、元気?」

 

彼女は唐突にそう聞いた。

 

「私は割といつも元気ないですよ」

 

私は割といつも元気ないですよ。

 

「知ってるけど、そういうのとは違うのよ」

 

そうですよね、その目でこっちを見るのやめてください。

 

 

 

これはまた一際鈍い、押しつぶされそうな夕焼けだ。

下を向かないと。

ずっと下を、向いていないと。

 

 

 

彼女はちょっと不満そうで、それはまるで、

 

私に言いたい事があるんでしょう。

義務感とは別の所にあるそれを、無責任に投げつけたいのでしょう。

私はそうして欲しいのに。

 

と言っているかのようで。

 

 

 

どちら側が本当の妄想なのだろうか?

 

でも、彼女は美しい。

 

それは妄想ではない。

 

私はいつものように。

 

そう、私はいつものように。

 

 

 

私はお茶が美味しいですねと言った。

 

彼女はありがとうと言った。

 

私は貴方が好きですと言った。

 

彼女はありがとうと言った。


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