あさおん・オブ・ザ・デッド   作:夢野ベル子

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ハザードレベル6

 ボクは飯田さんに、ゾンビのふりをすれば襲われないと伝えた。

 

 ゾンビものでは少なからずある作戦のうちのひとつだけれども、現実的に考えるとかなり怖い。その作戦が成功するか否かというのは、実際の検証をしなければならないわけで、つまり、ゾンビの大群にその身をさらす必要があるからだ。

 

 もしも、一匹のゾンビの前でゾンビのふりをしたところで――、それはゾンビ一匹に効くということぐらいしかわからないってわけだね。たとえば鉄条網にゾンビの大群が張りついていて、そこでなら試すのも可能かもしれないけれど、かなり特殊な状況だと思う。

 

 飯田さんもそのあたりのことはかなり懐疑的だったのか、いぶかしげな視線でボクのことを見ている。だいたい、顔、足、上腕あたり、足、足、顔、顔って感じで、胸のあたりはあまり見ないのがロリコンの特徴なのかもしれない。

 

 ふともものあたりが好きなの?

 

 あの……視線だけでセクハラってわりとありえますよ。ええ。

 

 ボクは元男って感覚もあるんで、わからなくもないですけど。

 そういう視線にはわりと寛容だと思いたいけれど。

 しつこいとさすがにちょっとヤダ。

 

 じー。

 

 こちらがジト目で反撃すると、飯田さんはたじろいだ。

 

「……う」

 

「ともかく! 五分くらい待っててください」

 

「あ、ちょ……」

 

 飯田さんが止める前に、ボクはスタッフルームを飛び出して、コンビニのお店側に向かった。

 

 飯田さんはゾンビを恐れているのか、こちらに来ない。

 

 視線をはずす――、それがなによりも重要だ。

 

 ボクは原理不明の力を使ってゾンビたちを操り、人間を襲うなと命令することで、飯田さんを外に連れ出すことができる。

 けれど、それはボクの力が飯田さんにバレる恐れもあるってことだ。

 それは怖い。

 

 なにかのはずみで、例えば大きなコミュニティやそのほかの生き残り団体に遭遇したときに、飯田さんがその情報をネタにすることも考えられるからだ。

 

 ボクを生贄にするって感じでね。

 

 もちろん、飯田さんが話していた自分の来歴からすると、社会からの生贄になってきたという感覚はあると思うし、他人を害することを極端に恐れているように思うけれども。

 

 でも――。

 

 人の心はマイクロ秒ごとに移りかわっていくものだと思う。

 心があるから、故意も発生する。

 

 要するに、ボクのしようとしていることは、とんでもなく馬鹿なことなんだけど、でもね……、馬鹿でも不合理でも、したいと思ったことをしてみようとするのが心だと思う。

 

 ボクはほんのちょっとだけ縁をもった飯田さんのことを……、えっと……、なんて表現すればいいのか傲慢にもというか、上から目線というか、助けたいと思っちゃった。

 

 正座しながら、泣きそうな顔をしながら「ごめんなさい」って大人のひとが謝っていたのを見て、本当のところはギュって抱きしめてあげたいような気持ちも湧いたんだ。

 

 冷静に考えるとやべえなボク。

 もしかしてバブみ発揮してない? ちっちゃな母性が芽生えちゃってない? 

 

 ううー。ボクは男って感覚もあるから恥ずかしいぞ。

 

 まあ、実際にそんなことをしちゃうと、誤解されて何が起こるかわからないからしなかったけど。

 

 ともあれ――。

 

 ボクの方針としては、ほんの少しボク自身の生存確率を下げてでも、飯田さんのために何かしようかなというようなそんな気分。

 

 大事なのは『ほんの少し』ってところ。大幅に生存確率を下げる『ボクがゾンビを操れる』という事実は伏せておかなければならない。

 

 そのためには……。

 

 ボクは、店内の商品陳列棚を適当に物色する。

 あっ。あった!

 そんなに探す必要はなかった。ボクが見つけたのは旅行のときとかで使う、手のひらサイズの消臭剤『リフレッシュシュ』だ。水色のかわいらしいプラスチックにノズルスプレーがついている。

 

 シュッシュって感じで吹きかけるタイプだね。

 

 商品は開封されていない状態のビニールで覆われていたけれど、ひん剥いて、ゴミ箱に捨てた。

 

 それから、バックヤードに戻ると、飯田さんは盛大に心配してくれた。

 

「緋色ちゃん。危ないよ……ごくたまにだけどゾンビが店内に入ってくることもあるんだから」

 

「大丈夫ですよ。ボクがとりにいってたのはこれです」

 

 ドラえもんみたいな感じで、ボクはハーフパンツのポケットの中から、さっそくリフレッシュシュを取り出した。

 

「えっと、それは。ここでも売ってるような消臭剤に見えるんだけど」

 

 そうだよ。ここでも売ってるような消臭剤だよ。

 

 なんていえるはずもなく、ボクはしたり顔で述べる。

 

「ちがいます。さっきおじさんさんに襲われたときに落としたみたいなんで拾いにいってたんです」

 

「う……、それはすみません」

 

「いいですよ。そのことは半分くらいは許しました。で、これはですね。リフレッシュシュが主成分ではあるんですが、ボクが独自にブレンドした対ゾンビ用消臭剤なんです。これを吹きかけてゾンビっぽい動きをするとあら不思議、なぜかゾンビに襲われなくなります」

 

 嘘をつくときは堂々と。

 そして真実を混ぜると良いとされる。

 ボクは詐欺師でもなんでもないので、実のところドキドキしていたけれど、ゾンビに襲われないってところは真実だからいいよね?

 

「それが本当なら……、私としては緋色ちゃんが精製方法を公開すればゾンビ被害もかなり減ると思うんだが」

 

「えっと……、ブレンドっていっても、実はいろいろと混ぜたからもう一度同じ効果があるのを作れるかわかんないです……」

 

「そうか。だったら、このことは隠していたほうがいいな。おじさん以外の悪い大人だったら、緋色ちゃんに無理やりもう一度作るように言うかもしれないからね」

 

 といって、飯田さんはボクの頭を撫でた。

 

 う~~~~~~、事案!

 

 でも、その動機は半分以上は優しさでできていると考えると無碍にもできない。なんかズルイ。これが大人のやり方か。

 

「でもいいのかな。その消臭剤が一回こっきりの奇跡の産物なら、かなり貴重だろう」

 

「いいですよ。また作れるかもしれませんし」

 

「ああ……そういうことか」

 

 なんだろう。すぐに飯田さんは納得した表情をしていた。

 

「いや、人間は怖いからな。ゾンビなんかよりもずっと」

 

「ん?」

 

 人間は怖い。

 つまり、ボクが怖いってこと?

 違うな。

 

 たぶんだけど、ボクが本当は何度でもゾンビ避けスプレーを作れると思っているんだろう。けど、それをもし公表してしまうと、事実上ゾンビの脅威はなくなる。それだけだったらハッピーエンドなんだけど、今度は人間どうしのみにくい争いが始まってしまうかもしれない。

 

 今はまだゾンビハザードが発生してから数日しか経過していないから比較的穏やかだけど、この先、完全に社会が崩壊する可能性もあるんだ。

 

 もちろん、社会が崩壊しないと信じて公開するのもひとつの手ではあるんだよ。

 

 でも思い出してほしい。

 このゾンビハザードは人災ではないんだ。

 ある日彗星が近づいて、なにかよくわからない理由でゾンビ化した。だったら、この先もまた大量の人類がゾンビ化するかもしれない。

 

 ゾンビ避けスプレーが周知されても、社会や政治や人の倫理が崩壊しないとは限らない。

 

 だから――、ゾンビに襲われないというのは、絶対のアドバンテージになる。

 

 本当は誰にも教えないほうが望ましい。

 けれど、ボクは飯田さんに教えてしまった。

 そのことを飯田さんも悟って――、だから、ボクがスプレーのブレンド方法を知っているけれども教えないというふうに考えたのだろう。

 

 ややこしい。

 ともかく、飯田さんはボクがゾンビ避けスプレーの作り方を知ってるけれど教えないと考えているってこと! で、それでいいと思っているってこと!

 

 OK。

 

「それにしても緋色ちゃんって、もしかして天才なのかな?」

 

「え?」

 

「君ぐらいの年齢の子どもは、もう少し、なんというかフワフワした喋り方をするものだよ。小学生マイスターの私が言うんだ。まちがいない」

 

「そうですか……ありがとうございます?」

 

 感謝を述べていいのか微妙。

 でも、まあそうだよね。ボクは小学生女児に見えるけれどもこれでも大学生なんだし。

 

「実際何年生なのかな? 私の見立てでは小学五年生くらいかな。小学生マイスターの私が言うんだからまちがいない」

 

「えっと……、はい。そんな感じで」

 

 大学二年生なんだよなぁ……。まあそれはいい。どうせそんなことを言ってもしかたないし、いまは重要なことではない。

 

「それでおじさん」

 

 ボクはあらためてマットのところにぺたんこ座りして、飯田さんに向き直る。

 

「も、もしかして私のことをパパと呼びたいのかな?」

 

「うん。死んで」

 

「すごいな。そのジト目。本当にクセになる。あまあまボイスで死んでというのもポイント高いわー。はかどるー」

 

 なにがはかどるというのだろう。まあいいや、話を進めよう……。

 

「ボクがなぜこのスプレーをおじさんに教えたかというとですね。おじさんに自分の夢をかなえてもらいたいって考えたからです」

 

「夢? 私の夢なんてもう……」

 

「さっき言ってたじゃないですか。小学生女児と……そのごにょごにょしたいって」

 

「させてくれるんですか!?」

 

「させねーよ。この変態!」

 

「ありがとうございます!」

 

「キモイ」

 

「ふひっ」

 

 だめだこいつ。なに言ってもうれしいみたい。

 

「あー、ともかくですね。このスプレーを使うと、ゾンビに襲われなくなるわけです。ここまではOK?」

 

「OK]

 

 ズドン。

 ショットガンを撃つ動作をする飯田さん。

 

「ゾンビに襲われないってことは比較的移動も簡単です。例えば近くにある小学校に向かうこともできますし、そこでお好みのゾンビを捕獲してくるのもたやすいんじゃないかって……」

 

 ボクは言葉を区切る。

 飯田さんの顔がわかりやすいくらいに希望に満ち溢れていた。

 

 うーん。ちょろい。

 

 

 

 ☆=

 

 

 

 いろいろ準備をしなければならないということで、ひとまず明日向かうことになった。ボクはリフレッシュシュを一吹きしてから、スタッフルームを後にした。

 

 最後にカップ麺とおにぎりをもらった。

 

 おにぎりはスタッフルームにおいてあった小さな冷蔵庫の中に入ってたみたいで、ひんやりとしていた。

 ひんやりおにぎりはヤダなぁ。でもすぐに悪くなっちゃうだろうし、しかたなかったのだろう。

 

 そんなわけでお家に帰ってきました。

 

「ただいまー」

 

 お姉さんゾンビは茫洋とした眼差しでボクを出迎えてくれる。

 おかえりといってくれないのはちょっと寂しいけど、ボクのほうにゆらゆらと本能的にかな、近づいてきてくれるのはうれしかった。

 

 ポイポイってサンダルを脱ぎ捨てて、

 

「お姉さんボク疲れたよー」

 

 ごろんとベッドに横になるボク。

 いや本当に疲れちゃった。久しぶりに外にでたのもそうだけど、あれだけ他人と会話するのがもうね……気力ゲージをゴリゴリ削られちゃった。

 

 飯田さんはいい人だし、比較的人当たりもいいほうだし、ボクと同じく陰キャなので、たいして気を張らなくていいほうだと思うけれど、でもやっぱり人と会話して、相手が何を考えているのだろうと想像しながら話すと疲れるよ。

 

 そこんところいくと、お姉さんは優秀だね。

 なにも言わないで、ボクのお気持ちってやつを受け止めてくれる。

 

 はぁ~~~~~~~、お姉さん好き好き。

 

 それはただのお気に入りのお人形に対して感情移入しているにすぎないのかもしれない。

 

 でも同じ空間と時間を過ごしていると、少しずつ愛着が湧くのはとても人間的だと思う。

 

 ボクはやっぱり人間だよなー。

 

 そんなわけで、ベッドのところでお姉さんにはひざまくらをしてもらった。

 肉体的疲れとは無縁そうな美少女ボディだけど、精神的な疲れを癒すためには、そういうのが是非とも必要だったんだ。

 

 お気に入りの音楽をかけて、リラックスしながら軽く頭を撫でてもらう。

 

「あまやかして。お姉さんもっとあまやかして!」

 

 赤ちゃんプレイしても恥ずかしくないよ。

 だって、いまはひとりだし。

 お姉さんは自動機械人形みたいなものだ。

 

 そういえば、高齢者の多いここ佐賀でも、介護は機械にしてもらったほうがいいという意見が強かったみたいだね。

 

 なぜなら――、人間に介護してもらうのは恥ずかしいから。

 その意見はすごくわかる。

 人間は人間の視線が怖いんだと思う。もちろん、人間と触れ合ったり、会話したりするのがすごく好きな人がいることもわかる。

 でも、それは心の一番表層の部分なんじゃないかな。

 物理的に言えば、前頭葉とか――そういうところあたりの。

 もっと奥深くにあるワニ脳とか呼ばれているところ、最も本能的な部分においては、最優先されるのは自分だ。

 自分以外の異物は『悪』であるというのがエレメンタルモデルということになる。それが人間の本性――。

 

 だから、人間は人間に介護されたくない。

 のかも――。

 まあ、科学的考証とかないからね。わりと適当に考えてるだけ。

 

 お姉さんゾンビは何を考えてるのかな。

 普通のゾンビは、同じくワニ脳だけが残った状態――、端的に言えば食欲のみが残り、他の高次欲求はもとより、睡眠欲やら性欲も含めて減退しているように思う。

 

 観察する限りは走性といって――虫とかが夏場に飛んで火にいる状態になるように、高度で複雑なことはできないように思える。

 

 でも――、ボクが命令したら、ちゃんと力加減を調整することもできるし、ある程度のコントロールもできるんだよなぁ。いまはほどいているけど、ツインテールとか作れたわけだし。

 

 ごろんとうつぶせになって、僕はお姉さんのふとももに顔をうずめる。

 べつにえっちな気分なんじゃなくて、お姉さんがもしも何かを考えているのだとしたら、その心というものを見逃さないようにしたかったからだ。

 

 お姉さんをちょっとでも感じるように、ボクはそのままお姉さんを押し倒す。

 お姉さんはいままで膝枕をしてくれていたから、ちょうどくの字に足が折りたたまれたまま、背骨が宙に浮く感じになってしまった。

 

 見た目的にきつそうなので、足をきちんと伸ばしてもらって添い寝状態になる。

 

 お姉さんはやっぱりマグロ状態。

 薄くて透けて見える下着からは、青白い肌がちらりと覗いていて、胸のあたりには動きがなかった。

 

 呼吸はしていない。もしくはかなり小さいのか。

 

 ボクはお姉さんに抱きついたまま、お姉さん成分を鼻腔いっぱいに入れた。

 エアコンはつけっぱなしで、かなり冷え冷え状態にはしているけれど、腐っていないかちょっと心配だったんだ。

 でも、いい匂いがする。

 ボクがゾンビもどきだからかもしれないけど。

 バニラみたいな、頭の中がハッピーになるそんな匂いだ。

 女の子の匂いって感じ。

 

「お姉さん腐っちゃわないでね」

「うが?」

 

 胸のあたりに耳を押しつけてみても、やっぱり心臓の鼓動は感じない。

 お姉さんは生きているのか生きていないのか。

 考えているのか考えていないのか。

 それはわからない。

 だって、ボクはボクの心の限りにおいてしか他人を知りえないし、ボクの脳というフィルターを通してしか他人とは会えないのだから。

 

 まあそれってゾンビだろうが人間だろうが変わらないんだけどね。

 相手がこころを持っているかどうか、それはわからないんだよ。

 それらしい振る舞いをしているかどうかでしか判断できないわけだし。

 

 だから、ボクにとっては人間もゾンビもAIも、結局のところ変わらない。ただ好ましいか好ましくないか。ボクの趣味によって、ボクの中の序列が決まる。

 

 それでいいんじゃないかな……。

 

 

 

 ☆=

 

 

 

 お風呂に入って、適当に行儀悪くベッドのところでおにぎりをパクついていたら、突然スマホが鳴った。ゾンビお姉さんにスマホを机のところから持ってきてもらう。雄大からだ。

 

「よう。生きてるか」

 

「うん。生きてるよ」

 

「あー、あいかわらずなんかすげえ幼女ボイスに聞こえるな」

 

「えー、そんなことないよ。ゾンビのうなり声のせいで耳がおかしくなってるんじゃないの?」

 

「そうかぁ? まあいいや。まだ電話が通じるか心配だったんで電話したんだが、そっちはどうだ?」

 

「えーっと、まず命ちゃんに電話は通じなかったよ。でも伝え損ねてたんだけど、ボクが起きる前には電話かかってきてたから、彗星接近時にはゾンビにはなってなかったみたい」

 

「そうか。命にはこっちからも電話してるんだけどな。あいかわらず通じない。ああでも……無理に探そうとするなよ」

 

「うん……」

 

 命ちゃんは後輩だけど、高校三年生なんだ。いろいろと説明すると面倒くさいので省略するけど、もともと雄大のほうが命ちゃんと親戚で、ボクは友達の友達システムによって、命ちゃんとも遊んでいたって感じ。

 

 で、この高校が確か福岡にあるんだよね。

 

 交通機関とか道路がどうなってるかにもよるんだけど、一朝一夕に行ける距離ではないし、そもそもゾンビハザード当時にどこにいたかもわからない。

 

「ねえ。雄大」

 

「なんだ?」

 

「死なないでよ。ボク、雄大が死んだら哀しいから」

 

「おう。緋色も生きろよ」

 

「うん、わかった」

 

「緋色は素直すぎて心配だなー」

 

「なにをーっ! ボクだっていろいろ考えてるんだよ! その……あのね……ボクが素直なのは雄大だからだよ! 親友だから……」

 

「……そういうとこだぞ、おまえ」

 

「え? どういうことー」

 

 きょとん系主人公ではないけれど、雄大の反応がよくわからん。

 

「まあ、適度に信じ、適度に警戒しろ。人間もゾンビもな」

 

「うん。雄大もね」

 

「ああ、そうするよ。さてっと……、周りにはゾンビが四十匹程度か。いけるな――」

 

「ええ!? 大丈夫なの?」

 

「ああ、バイクで突っ切るから大丈夫だ。じゃあな」

 

 本当に大丈夫なのかな。

 ゾンビならボクが近くにいればどうとでもなるんだけど。

 まあ、雄大はボクと違って、なんでもできるやつだから大丈夫だとは思う。

 でも、見えないところで何かが起こるということに、ボクはトラウマがある。

 

「まあ……考えてもしかたないか」

 

 ボクはお姉さんを抱きまくらにして、一日を終えた。

 




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