ロリ魂   作:カイバーマン。

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メリクリ


三ヶ月目 お祝いと称して結局ただ騒ぎたいだけ 

銀時&神楽の妊娠&結婚は

 

お登勢とお妙が周りに言い触らした事によりあっという間に彼等を知る人々に知られていった。

 

そして神楽がお腹に新たな命を宿して三か月目、彼女は銀時と共にかぶき町のとある店にやって来ている。

 

かまっ娘倶楽部、鬼神・マドモーゼル西郷が営むオカマだらけの飲み屋だ。

 

「それじゃあみんな! パー子の妊娠を祝って!!!」

「「「「「カンパ~イ!!!」」」」」

「いや妊娠したの俺じゃねぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

 

西郷が乾杯の音頭を取って叫ぶと主役の銀時と神楽の周りで皆一斉に酒が注がれたコップを掲げてハイテンションで叫ぶ。

 

二人がここに来る前に既に飲んでいたのか、完全に出来上がった状態で、銀時のツッコミも無視してはしゃぎまわるオカマ達。

 

しかし今日だけはこの店にはオカマだけでなく、他にも一癖も二癖もある連中が揃い踏みで銀時達のお祝いに駆けつけていた。

 

「だひゃひゃひゃ! 噂を聞いて来てみれば銀の字お前! 遂にヤバい一線超えやがったか! まあ正直いつかこうなると思ってたぜ俺は! いつお前さんがあの娘っ子に手を出すか金時と賭けてたぐらいだからな!」

 

「ギャハハハ! アホノ坂田! コノガキ孕マセタロリコン野郎ガ! サッサト捕マリヤガレ!!」

 

「うるせぇ! 捕まるのはテメェ等だろうがテロリストと盗人が!! 消えろ枯れたジジババ共! もしくはテメェ等でファイナルファンタジーしろ!」

 

向かいの席で焼酎飲みながら下品な笑い声を上げて銀時を全力で煽っているのは、江戸一番のからくり技師こと平賀源外、お登勢の店の従業員、キャサリンであった。

 

二人共銀時の話を酒の肴にして、すっかり盛り上がっている様子。

 

「ったく、無理矢理呼び出されて来てみたらなんだよコレ……勝手にテメェ等だけで盛り上がってんじゃねぇか……」

 

「別にいいアル、好きなだけ騒がせてやればいいヨロシ」

 

形式的には銀時と神楽の事を祝う為の集まりなのであろうが、どいつもこいつも自分達にお構いなしに好き勝手に呑んで騒いでばかり 

 

その事に銀時が若干イラッと来ているものの、隣に座っている神楽の方はオレンジジュースを飲みながら冷静だ。

 

「元々コイツ等好き勝手に生きてる連中ネ、今に始まった事じゃないし今更気にする必要ないアル」

 

「オイチャイナ娘! オ前コンナロリコン野郎トマジデファイナルファンタジーシタノカヨ! 身体ハ成長シテモ頭ハ昔ト変ワラズ馬鹿ナママダナホント! ギャハハハハハハ!!!」

 

「んだとゴラァ!! この数年間で急激に老けて、猫耳年増ババァなんていう粗末なジャンルを一人で築いた負け組が他人を馬鹿に出来ると思うなよ!」

 

自由にやらせてあげればいいとクールな対応を心がける神楽であったが、すっかり白髪頭になったキャサリンから笑われた途端すぐさま反応してしまう。

 

この二人の関係は今も昔も相変わらず険悪のままだ。

 

「ったく、頼むから俺達の事はそっとしてくれよ……たかが万事屋の社内結婚だぞ? どうしてそれでかぶき町中のバカ共が集まってこんな騒ぎ立てるんだよ」

 

「それはアンタ達がそのバカ共の中でも一番のバカだからだよパー子」

 

神楽は今結構デリケートな時期だってのに……銀時はぼやきながらテーブルに頬杖突いてため息をついていると

 

そこへ背後から巨漢の大男、否、大オカマの西郷がヌッと現れた。

 

「アンタ等には随分と世話になったからね、これぐらい構わないだろ? バカの門出を祝うのはバカの務め、それがかぶき町の粋って奴よ」

 

「全然祝ってもらってる気がしねぇんだけど、どうせアレだろ、お前等も俺の事をロリコン呼ばわりして馬鹿にしたいんだろ?」

 

「大丈夫さパー子、少なくとも私はアンタの味方さ、私にも似た経験があるからね」

 

「え?」

 

ズカズカと自分の隣に強引に座って来た西郷が、ここにきて銀時に急に優し気な口調に

 

一体どんな風の吹き回しだと銀時がちょっと驚いていると

 

「目の前で超えてはいけない線があると知ってなお、己の中に滾る強い欲望に身を任せて体が勝手に動いちまう、私等もアンタと一緒さパー子、私等もそれを経験してこうしてオカマとして生まれ変わったのさ」

 

「いや一緒にしないでくれる!? 超えちゃいけない線が全く別物だからね俺とアンタ達は!」

 

「だけど元気を出しなパー子、意地や恥を乗り越えた先はきっとアンタの為になる! だからまた一つ線を超えて! 股の下のモンを引っこ抜いて私等の仲間になろうじゃないかい!」

 

「なんでそうなるんだよ! ロリコンの上にオカマとか! そうなったらもう大手を振って外を歩けねぇよ!!」

 

「自分でロリコンって言ってるじゃないかアンタ」

 

未知なる領域へ辿り着いた銀時であればもう一度更なる領域へ……笑顔でオカマの世界へと誘う西郷に、つい自分でロリコンだと大声で叫んでしまっていると

 

そんな銀時の下へまた一人の来客が

 

「楽しんでますか、主役のお二方」

「ってオイ……オカマの次はホストかよ、揃いも揃って暇な連中だな……」

 

 

誰もが美男子と称する程のイケメンホスト・本城狂死郎が爽やかな微笑を浮かべてやって来た。

 

ホスト界のトップに君臨する彼までもが、この日の為にわざわざやって来たらしい。

 

「かぶき町の英雄を祝福するのであれば私も勿論参加させて頂きますよ、今宵は全ての女性を愛するホストとしてではなく、たった一人の女性を愛する事を誓った男をお祝いするただの友人としてね」

 

「何年経っても言う事はキザだねぇ全く……おい神楽、お前絶対コイツにそそのかされて店に通い浸る様な真似は済んなよ、浮気とか絶対銀さん許さないから」

 

「それは銀ちゃん次第ヨ、銀ちゃんだってもし私を一人置いてどこぞの女と遊び呆ける真似をしたら、自暴自棄に陥った私が夜な夜な拭えない孤独感を忘れる為に遊びに行っちゃうかもしれないアルからな」

 

「わざわざリアルに言うなよ! 想像しちゃったじゃねぇか!」

 

まるで昼ドラに登場する愛を求める人妻みたいな姿をふとイメージしてしまった銀時は、それを神楽と被せて強い危機感を覚えてしまう。

 

「心配しなくてもあなたの奥方を奪う様な真似は致しませんよ、もっとも泣いてる彼女の頬を伝る涙を拭うぐらいはさせて頂くかもしれませんが、そして彼女を泣かせた最低な男に落とし前をつける事もあるかもしれません」

 

「そいつは暗に俺に浮気でもしたら殺すぞって言いてぇのか?」

 

「ハハハ、さあどうでしょう?」

 

とびっきりの営業スマイルでニコッと笑いかけて来る狂死郎に、銀時は即座に察した様子でやれやれと首を横の振る。

 

「……お前等が心配しなくても、俺はコイツとそういう関係になってから他の女に現を抜かした事はねぇよ、銀さんはね、こう見えて一途なの、ケンシロウよろしくユリア一筋なの」

 

「は? 嘘ばっかり」

 

自信満々にドヤ顔でそう言い切る銀時に対して、キャサリンをテーブルの上に叩き潰したばかりの神楽がすかさず

口を挟む。

 

「銀ちゃん私と付き合ってからも、ずっとあのお天気アナウンサーの結野アナに夢中だったじゃないの、それに今だってテレビに映ったらすぐ嬉しそうに叫ぶし」

 

「いやいやアレは別だって、確かに結野アナは大好きだけど……もうお前がいるんだからそういう目で見てないから、ただ一人のファンとして純粋に応援してあげているだけなんだよ俺は」

 

「どうだかねぇ……私が見る限りそうとは思えないんだけど、箪笥の裏に隠してある結野アナ特集ビデオは増え続ける一方だし」

 

「おま! なんでそれ知ってんだぁ!?」

 

「夜な夜なコッソリテレビでニヤニヤしながら観てる事ぐらいお見通しアル」

 

「わーちょっと待て神楽ちゃん! そういう話を人が集まってる所でしないでくんない!? めっさ恥ずかしいから止めてホント!」

 

やや冷たい目を向けながら公の場でアッサリと自分が墓まで持って行こうとしていた隠し事をバラしてしまう神楽に、銀時は慌てて彼女の口を手で塞ぐ。

 

「別にいやらしいもん観てる訳じゃねぇんだからいいだろ! 俺はただ疲れた体を結野アナの笑顔で癒してもらってるだけだ!」

 

「”疲れさせて”悪かったアルな」

 

「い、いやそういう意味じゃなくて……仕事で疲れたって意味だから、変な言い方止めろって……」

 

ブスっとした表情で機嫌悪そうに呟く彼女に対して、銀時はご機嫌を取ろうとヘラヘラ笑いながら気のきいたセリフは無いかと考えていると

 

「はん、所帯を持つ前から既に尻に敷かれてるみてぇじゃねぇか、あんちゃん」

「ってお前!」

 

級に話しかけられて銀時が前に顔を上げると、テーブルの向かい側で色黒の年配の男性が酒を片手に機嫌良さそうに話しかけて来た。

 

泥水次郎長、かつてはかぶき町四天王として極道を取り仕切っていた凄腕の大親分である。

 

「おいおい、まさかガングロジジィまで来てやがったのかよ、どんな最強面子だよコレ……また宇宙相手に喧嘩でもおっ始めるつもりか?」

 

「そいつも中々面白そうではあるが、今はお前さん見てる方が面白れぇわ、なんなら年長者として所帯持ちとしてのアドバイスでも贈ってやろうかい?」

 

「長年嫁と娘ほったらかしにしてた奴のアドバイスとかまともに聞ける訳ねぇだろが」

 

次郎長から見れば銀時などまだまだ若者の部類、ここは年配者として役に立つ助言でもしてやろうかと腕を組みながら考える彼に、すかさず銀時はツッコミを入れてそれを拒否する。

 

するとまたもや彼の隣にヒョイッと狂死郎と入れ替わる様に一人の女性が

 

「兄貴ー、いいからウチのじろちょんの話聞いてあげて下さいよー、隠居してからすっかりさびしんぼうになっちゃって誰かと話したくて仕方ないらしいんです」

 

「ってピラ子いつの間に! 親子揃って気配もなくいきなり現れるんじゃねぇよ!」

 

ちゃっかり自分と神楽の間を挟んで図々しく座り出したのは、次郎長の娘、泥水平子、通称ピラ子、もしくは万平子である。

 

「聞いて下さいよ兄貴ー、じろちょんったら独り身で寂しくなっちゃのか、今頃になってちょくちょくお登勢さんの店に通い詰めてるんですよー、すっかり枯れてるのにまだファイナルファンタジー狙ってるみたいなんです」

 

「ジジィとババァのファイナルファンタジーとか誰得だよ、バイオハザードの間違いだろ」

 

「おいぴらりん、じろちょんの隠し事をバラすのは止めろ、じろちょん泣くから」

 

「娘の前だと一人称気持ち悪ッ! 昔のシリアスキャラはどこ行ったオイ! 四天王編のお前は輝いていたぞ!」

 

独り身になって父親が今頃になってかつて恋焦がれた女の下へ通い詰めている事をあっさりと暴露する平子。

 

それにすぐ様反応した次郎長は、真顔で全力でボケをかますという初登場時には考えれない姿を見せつけて来るので、これには銀時も手で頭を押さえてがっくりと肩を落とす。

 

「父親ってのは娘の前だとこうなっちまうモンなのか? なんか急に自分が父親になる事が怖くなってきた……」

 

「大丈夫ですよー、兄貴ならきっと上手くやっていけますって、妻と子供を置いてどっか行っちゃう様な薄情でクソったれな父親にならなければ」

 

「おいぴらりん、それじろちょんの事か? まだ根に持っているのかぴらりん? アメちゃんあげるからじろちょんをもういい加減許してくれねぇかぴらりん」

 

「おいジジィもう喋んな! なんだか見てるこっちが悲しくなってるから! 頼むからカッコいい泥水次郎長に戻って!! 孤高を貫き一人の男の約束を護り続ける最強の大侠客はどこ行った!?」

 

周りに構わず娘の機嫌を取ろうとするかのように、必死に手の平サイズの棒付きキャンディを平子に差し出そうとする次郎長の姿に銀時はこれ以上見てられないと、ゆっくりと重い腰を上げて立ち上がる。

 

「ったく新八の奴がいねぇからツッコミ疲れたわ……ちょっくら夜風に当たりながら休憩してくる、テメェ等は勝手に騒いでろ」

 

「えー行っちゃうんですか兄貴ー、今からじろちょんとお登勢さんの最近のラブロマンスでも話そうと思ってたのにー」

 

「飲んでもねぇ俺に吐かせる気か? 頼むからしばらく一人にさせてくれ」

 

まだ話したがってる様子の平子に軽く手を振ると、銀時は一人で店から出て行ってしまった。

 

「……」

 

そして彼が行ってしまった事を気にしてる様子でありながらも神楽は黙って見送っていると

 

「とっとと野郎を追いかけに行ったらどうだぃ、嬢ちゃん」

「え?」

 

急に真面目な様子で話しかけて来た次郎長に神楽は目をパチクリさせる。

 

「男が一人にしてくれって言いながらどっか行っちまうのは、誰かに愚痴聞いて欲しいから来てくれって事だ、今の内に覚えておくんだな」

 

「そう、なんだ……男って結構女々しい所あるのね」

 

「女が男らしい時もある世の中だ、その逆があってもおかしくねぇさ」

 

独自の持論を垂れながら、フンッと軽く鼻で笑い飛ばす次郎長に、神楽はフッと笑うとすぐに自分も立ち上がって銀時が出て行った方へすぐに向かうのであった。

 

「おやおや、主役二人が一時退場かい?」

 

すると銀時と神楽がいなくなった所で、酒瓶片手に西郷が機嫌良さそうに戻って来る。

 

「仕方ない、だったら私達は私達で自由に楽しませてもらうとするかね」

「へ、元よりそのつもりだったんだろ?」

 

持って来た酒瓶から自分のコップに注いでくれる西郷に、次郎長がニヤリと笑いかける。

 

「少なくとも俺は若いモンの幸せなんざどうでもいい、酸いも甘いも知り尽くしてる俺達にとっちゃ、この先に何があるかも知らずにつっ走って行こうとする奴等が滑稽で仕方ねぇや」

 

「酷い男だね、確かに大変なのはこっからだけどさ。まあ私はひねくれ者のジジィと違ってあの二人の事はちゃんと応援してるよ? これからアイツ等がこの町でどんな事をしでかすのかと思うと楽しみで仕方ないからね」

 

「へ、そいつは俺も同意見だな、退屈しのぎには丁度いいからなあの連中は」

 

どれだけの祝われようが結局はあの二人次第、西郷と次郎長が酒が注がれたコップを交わすと

 

あの二人と、その子供がこの町により大きな出来事を巻き起こしてくれるよう心から期待するのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、銀時はというと店に出てすぐ近くの河原に立ち、静かな場所でようやく落ち着いてた。

 

「ったくどいつもこいつも自分達だけで盛り上がりやがって……当人が未だ事の重大さを上手く飲み込んでねぇってのによ」

 

「まだ飲み込んでないアルか?」

 

「あん?」

 

川の流れをぼんやりと見つめながらボソリと独り言を呟く銀時の背後から、追いかけてきた神楽が話しかけて来た。

 

「じろちょん言ってたネ、男が一人にして欲しいと言ったらそれはずっと溜め込んでる不満を誰かに告白したいんだって」

 

「急にやって来たと思ったら……じろちょんの話なんか鵜呑みにしちゃいけません、俺はただ店の中でオカマ共が突然ラップ調で歌い出したから耳障りでしかないとここに避難しただけだ」

 

「大丈夫アルよ、今はレゲェスタイルで歌ってるネ」

 

「全然大丈夫じゃねぇよ……なんだあいつ等、どんだけ無駄に引き出し多いんだ」

 

やってきた神楽に顔をしかめ、余計な事しやがってと次郎長に頭の中で悪態をついていると、神楽はスッと彼の隣に立って同じように流れる川を見つめ始める。

 

「まだ上手く飲み込めないアルか? 私との事」

 

「そうさなー……こちとら色事情はただれにただれてたからな、オメェとの関係もその延長でなっちまった事だし……責任は取るつったが、未だに旦那だの父親だの、そう呼ばれるモンになる自覚がねぇわ」

 

「それでいいネ、銀ちゃんは銀ちゃん、グータラでアホでバカで死んだ目をしたモジャモジャ頭のお前が、今更そんなモンを自覚する必要ないアル」

 

「そうだな、グータラでアホでバカで死んだ目をしたモジャモジャ頭のロリコン野郎が今更うだうだ言ってももう取り返しつかねぇしな……って誰がロリコン野郎だコラァ!」

 

「いやロリコンつったのはお前アル」

 

自分でいって自分でキレる銀時に神楽が横目でツッコむと、銀時ははぁ~と深いため息をつく。

 

「我ながら情けないとは思ってるよ、お前らを養う覚悟はできてるってのに、いざ本物の家族になっちまうと思うと変に悩んじまうんだよな、この先俺はどうすりゃいいんだって……」

 

「また昔みたいに一人で抱え込もうとして……銀ちゃんにはもう私がいるアル、それに新八やアネゴ、あとかぶき町のみんながいるんだヨ、一人で悩まないで私達を頼ればいいヨロシ」

 

もうすっかり自分が銀時を支えてやるのだと自覚している神楽を少し羨ましく見つめる銀時。

 

男というのは女と違ってそう簡単に割り切れるものではないのだ。

 

「かぶき町のみんなねぇ……あいつ等なんか当てにならねぇだろ、現に今だってどうせ俺たちそっちのけでワイワイ騒いでるだろうし」

 

「私はそういうみんなが好きだからこの町に住んでるの」

 

 

未だ騒ぎ声が絶えないかまっ娘倶楽部に銀時がしかめっ面を向けるも、神楽は自信満々に頷きながら答える。

 

「私を銀ちゃんに会わせてくれたこの町が好きだから、私は地球をもう一つの故郷にしようと決めたアル」

 

「勘違いすんな、俺はただブラッと流れ着いてバーさんに拾われて、そっから特に行くところもないからここに根を生やしただけだ、この町が俺とお前を引き合わせたんじゃねぇ」

 

「素直じゃないアルな、ブルマと結婚して地球に住み着いたべジータ気取りかヨ」

 

「べジータはお前だろ、宇宙からはるばる地球にやってきて、俺の家に勝手に住み着いてきやがって、おまけに今ではトランクスまで生まれそうだと来たもんだ、」

 

「なら子供の名前はトランクスでいいアルか?」

 

「いやトランクスは好きだけど自分の子供の名前にするのはちとマズイだろ、普通に考えろ、下着の名前だぞ? 俺は自分の子供に生まれた直後からそんな重荷を背負わせたくねぇ、ってあれ? なんでいつの間にかドラゴンボールの話になってんの?」

 

「フフ、なんだかんだで子供のことちゃんと考えてくれてるみたいで安心したネ」

 

銀時が好きな漫画で例えて話をするとすぐに彼は乗っかってきた。

 

単純で変わらない男だなと思いつつも、子供の名前を気にしたりと父親としての自覚も芽生えつつある銀時に、神楽は微笑みながら彼の右腕をそっと両手で軽く抱きしめる。

 

「今日は私達の為にたくさんかぶき町のみんなが集まってきてくれたわね、こうなったらもう私から逃げられないんだから、覚悟しなさいよ銀ちゃん」

 

「はん、だから何度も言ってるだろ、元より逃げるつもりはねぇって……さて、そんじゃそいつ等の所に戻るとするか、あいつ等どうせ今頃、俺達がいつ離婚するかで賭け事して盛り上がってる頃だろうよ」

 

「それは流石にムカつくアルな、早く店に戻ってそいつ等シメないと」

 

銀時の予想通り、店の中ではキャサリンを筆頭に銀時と神楽がいつ離婚するかで大いに盛り上がっている真っ最中だった、

 

それを聞いて彼の腕にしがみついたまま早く戻ろうと促す神楽に、銀時はフッと笑う。

 

「それにこれ以上ここにお前の体に悪いしよ、妊婦の女に寒い夜風は毒だからな」

 

「うん、私のことをちゃんと思いやってくれてるとは殊勝な心掛けネ」

 

銀時の思いやりな言葉に神楽は嬉しそうに頷くと、彼に右腕にそっと頭をもたれながら調子良さそうに

 

 

 

 

「ならさっさと私をエスコートしなさい、ダーリン」

 

「へいへい、わかってるよハニー」

 

今宵の宴はまだ終わらない

 

 

 

 

 

 

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