IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN   作:HIKUUU!!!

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お兄さんヤメチク・リー(懇願)


死して尚誰かを思う

夢なんて、ありふれて何の変哲もないものだった。

普通に生活して、飯を食えて・・・家族が笑ってればそれで良かった。それだけで良かった。俺もその中で笑えてれば最高だった。

 

―――でもいつだって【世界はこんなはずではなかった】。誰かの過ちによって無知な人々は絶望の中を生きていく。俺もそうだった。人生は思い通りになんかならない?当たり前だ。上手く行くことほどつまらなく退屈なものもないだろう。それでも・・・・

 

 

 

 

こ の 様 な 事 は 決 し て 許 さ れ る べ き で は な か っ た が な !!!!

 

 

 

 

 

戦火に焼かれ家族は死んだ。苦しむ間もなかったろう。母は崩れた自宅に取り残されて逃げ場のなくなった所で炎に炙られ、呼吸も出来ず絶望の中死んだ。父は避難する中、暴漢に頭を撃たれ呆気なく死んだ。妹は敵兵に玩具にされた挙句首をナイフで掻き切られて苦しんで死んだ。俺が職場から息も絶え絶えに自宅を目指して走り寄ればこの様だ。ほんの少し、世界大戦とやらが勝手に開戦され3時間家族から離れていただけで、全員を一度に惨たらしく失った。自宅について一番最初に見たのが泣き叫ぶ妹を犯す敵兵たちの姿だった。まだ高校生になったばかりだったのにそんなことはお構いなしに彼らは獣欲を妹の未発達な肢体にぶつけていた。その後からの記憶は鮮烈に燃える炎と自宅の残骸、血濡れた自分の両腕、それと敵兵共の怯えて死んだ顔しか覚えていない・・・。

 

 

何故今になってこんな事を思い出すのかは分からない。俺が戦場に立つ様になった切っ掛けだったか。祖国等どうでも良かった。只々、俺の家族を奪った奴らが憎くて、戦火を悪戯に振りまく連中にも対する復讐心と、俺の様な者を増やしたくないという思いからだったか・・・。今はそれすらわからない。何故なら俺は家族を失ってから今までの自分が死んでしまったのだから・・・。

 だから俺は今日も死者の無念を胸に抱き戦地へ行く。何故なら俺は【死人】だから。

 

 

 

 

 

 

 

「大戦が終了してもう2年か。あれは酷い戦争だった・・・。特に日本は地獄だったな」

 

「条約が無視されて日本が焼かれたって奴か?」

 

「ああ、特に北海道と関東がひどかったらしい宣戦布告もなしにいきなりだとよ。同情するね」

 

「だが今じゃ漸く復興も追いついてきたって話じゃないか。何にせよ。もう戦争はごめんだがな」

 

古びた酒場の一角で昼間から呑んだくれている親父達二人の会話を聞きながら、カウンターの席に座ったままだった俺はコートの内側から硬貨数枚を年季の刻まれたカウンターに投げつけるように置くと座って固くなった背筋を解しながら立ち上がる。 

 

「お客さん、もう行くんですかい?」

 

カウンタ―の奥で古ぼけたグラスを磨く鼻の下にちょび髭を蓄えたおっさんが目敏く席を立った俺に声を掛けてきた。

 

「ああ。会計は足りてる筈だ。予定がある。もう行く」

 

 

適当に返事をしながら「確かに・・毎度。また来てください!」硬貨を数え終わったおっさんの気のいい返事と笑顔を尻目にコートの右ポケットに手を突っ込み、記憶を探りながらオイルライターと煙草の箱を取り出す。煙草を咥え、火を付けながら紫煙を肺に吸い込み、吐き出しながら古びた酒場の唯一の出口にあるドアノブを捻りドアを開け放つ。秋から冬へと変わろうとする寒気を孕んだ空気を、開け放ったドアから浴びながら俺は外へと歩を進めた。

咥えた煙草を惰性で吸いながら歩く俺の胸中は怒りで燃えていた。大戦が終了した?だからなんだ?俺の復讐は、戦いはまだ終わっていない。これからも続く。その思いだけが沸々と尽きず燃えて行く。

奪われた者たちの嘆きは、怒りは、憎しみは何処へ消えるというのだ?

 

 

 

――――復讐を果たしきれずにこんな会話を一時の平和の時に聞いて思った。今の状況で役にも立たないどうでも良い事を何故鮮明に思い出しているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――――デッドマン!起きろ!!しっかりしろ!ああ糞!傷口から血が止まらねぇ!!誰か止血帯持ってこい!!急げぇ!!!」

 

「マズイ!奴等の第二波だ!!此処の陣地はもう持たないぞ!負傷者多数に、第一波を止めてた大尉の部隊が壊滅した!フロントラインが壊滅したぞ!突破される!」

 

「マァァァック!!弾持って来い!少しでもあの糞野郎共足止めするぞ!設置したLMGに誰か付け!!此処を死守しないと後ろの難民迄やられるぞ!!!」

 

瞼が重い。全て夢の様だ。今まで見ていた地獄も今起きているこの地獄も全て大差なく夢のように思える。体がふわふわする。高熱で魘(うな)されている時と同じ状態だ。そういや昔、お袋が魘されていた俺に氷枕敷いてくれたっけな。懐かしいな・・・。

 

「おいデッドマン!ざけんな!笑ってるんじゃねぇ!逝くな!逝くんじゃねぇぞ!!まだやることあるんだろう!?残されたお前の義妹さんどうするつもりだ!?馬鹿野郎が!死なせねぇからな!!聞こえてんのかオイ!!」

 

「止血帯だけは間にあったが血を流しすぎてる!アドレナリンを刺すぞ!お抑えとけ!」

 

腕にチクッとした痛みが一瞬だけ指した。だけど何故か胸が凄く熱いんだ。ワクワクしてるわけでもないし、ましてや今燃えるような要素何処にあるんだ?なのに凄く熱いんだよ・・。なぁ・・・。教えてくれよ。

ぼやけた視界の中で知っているような人達が必死になって俺を囲んで何かしてくれてる。さらに外側ではこれまた何処かで見た奴らが銃を片手に必死に叫びながら人の様なナニカを撃ってる。

ぼんやりと自分の胸元に何げなく視線を向けると赤く染まった止血帯から止まらない血液が心臓の鼓動に合わせてジワジワと溢れ出してきている。

 

 

 

ああ・・・そうか・・・。俺は・・撃たれて死にかけてるのか・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 




開幕主人公瀕死は様式美。
細かい設定やら世界観やらは基本ドルフロベースですが主人公の設定とかは本文中に書くようにするから。設定集とかは特にないです(半ギレ)
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