IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN 作:HIKUUU!!!
「嫌だぁ・・!死にたく・・うっぷ・・・ぉえ・・」
「・・・」
向けた銃口の先で震えて蹲り、死の恐怖から何も出て来ないながらも吐き続ける少年の姿に憐憫を覚えた俺は銃口を外し、口を開く。
「ケント・フジサワは何処にいる?」
「教えたら殺さないでくれるんですか?殺さないで。僕は死にたくない・・」
即座に命乞いを始め、足元に縋り付いてきた少年に天井に銃口を向けた俺はマガジン内の弾丸を全て撃ち尽くして威嚇射撃を行う。
「喋らなければ死んだお前の仲間の様に撃ち殺す」
適当にばらまいた弾丸によって古惚けた木製の天井からパラパラと埃が落ちてきて俺と少年を汚すが、少年は恐怖に目を見開きながら黙って頷き、徐にマガジンを交換している俺の姿に本気を感じたのか捲くし立てる様に必死に話始める。
「この廃教会の地下内の一室にいます。だから殺さないで。彼だって僕らの為に戦ってくれてるんです!お願いです!僕も彼も殺さないで――――」
「―――協力感謝する。おやすみ」
気になる事を話し始めていた少年だったが、恐慌状態に陥った彼の話に付き合う気はなく、左手で彼の首を絞め気道を塞ぎ窒息させる。
「かっ・・・!ご・・・・」
酸欠により彼が気絶したのを確認した俺はまだ無事な教会の片隅にある椅子へと彼の体を持ち運び、横にする。色鮮やかな金髪を脂汗でびしょびしょにしながら気絶した彼を一瞥し、ジッと自らの左手を見据える。
やりたくもない。未来ある者に要らぬ恐怖を植え付けてしまった事に内心必要な事だったとは言え納得できる筈もなく苛立ちが募るが、仕事と無理やり割り切りこの様な戦いに向いていない子が必死に助命しようとしていたケント・フジサワという男のカリスマともでも言うべき人望に疑念が更に募る。
「少年兵なんて何度も見てきた。殺しもした。が、リーダーを守ろうと必死に敵に縋り付く奴は初めて見る。臭いな・・・」
決して少年の嘔吐した吐瀉物の事を指しているのではなく、この仕事自体何か作為的なものを元々感じていた俺は、教会内の礼拝用の教団裏に隠された木製のハッチを床に発見し力任せに蹴り砕く。容易くバラバラの木片になって薄暗い地下に続く階段上に散らばり埃が立ち込めるも、構わずにSCAR-Hを構え前進する。
カツカツと階段を踏み鳴らしながら、地下へと降りて行き奥へと続く薄暗い狭い地下道内でアサルトライフルを構えた艶やかな黒髪を背中まで伸ばした偉く扇情的な体型をした白尽くめの少女が鋭い目で此方を狙っているのを確認した瞬間に俺は階段を下りた先にある通路の窪みへと背中から張り付く。
「敵を補足しました。攻撃体制に移行します」
「チッ!」
ばれていない事を祈っていたがそもそもあれだけ盛大に射撃戦をした後でばれないという事が可笑しく、当たり前だろうと内心楽天的に考えていた事に舌打ちが漏れ、早速正確無比な弾丸が窪みのすぐ手前の壁を削っていくのを壁越しに見ながら口元の渇き始めた血をぺろりと舐める。
独特の鉄臭さに雑念を強制的に振り払った俺は、己の防御力に今一度信を置き、突撃する。
窪みから、一足で飛び出し、両手で構えたSCAR-Hを走りながら射撃し、少女に詰め寄るが少女も俺の行動を読んでいたのか的確な射撃で俺の頭部へと集中した銃撃を行い絶え間なく飛来する弾丸に恐怖心を煽られるもバトルマスクが無慈悲に少女の弾丸を弾いて行く事に安心感を覚え、左手に弾の切れたSCAR-Hを持ち、彼女に向けて太腿から展開したホルスターパーツからオート9を引きずり出し引き金を引く。
「あっ!・・くっぅ・・!」
少女の右肩と張りに張った豊満な右乳房に着弾し、その白い衣装を血で汚していく。苦痛に一瞬怯んだ様子を見せるも、即座に立て直し更に苛烈になった頭部への銃撃に今度は俺が蹈鞴(たたら)を踏み、呻く。
「ぬぅぅ・・!」
「標的をもっと、正確に狙う!」
苛烈になった銃撃の成果が表れたのかバトルマスクの左目から頬にかけての部分が遂に壊れて砕けてしまった。
「なに?!」
この事実に驚愕した俺は大分近寄っていた彼女へと勢いを殺さずにタックルを見舞い縺れ合う。このまま銃撃されれば流石に死ぬ危険性が出てきた為に悠長に出来ない為彼女の副部へと馬乗りになり両手の銃を放棄し彼女の両手首を掴み取り、床へと磔にする。
「ハァ・・!ハァ・・・!冷や冷やしたぜ全く」
取りあえずの形で無力化した彼女の顔を覗き込みながら独り言ち、悔しげに唇をかみしめる彼女の強気な表情から戦意がまだ衰えていない事を確認する。抵抗する様に身を捩るが、俺の義肢の馬鹿力はその程度の抵抗では拘束を解けず、体を捩る度に彼女の豊満な乳房がブルンブルンと左右に暴れる。その様子に一瞬気を取られてしまうも、抵抗を止めさせるべく声を掛ける。
「抵抗は止せ。お前の負けだ」
馬乗りになったまま年若い彼女の顔を覗き込みながら吐き捨てるが、平時だったら事案物だろうが今は戦時でこいつは暫定敵。何もこの状況に問題はない。彼女の衰えぬ戦意を削ぐ為に右手のブレードを展開し彼女の顔横スレスレヘ突き刺す。踏み固められた土の上に突き刺さったブレードについに抵抗を止めた彼女が眉を顰め怒りのままに、俺を罵倒する。
「この獣!私の体を好きに出来ても心までは奪えはしませんよ!」
「お前にとっては嬉しいお知らせだ。俺は男として死んでる。良かったな。っとそうじゃなくてだな。ケント・フジサワは奥だな?」
何を勘違いしたのかこのまま俺に犯されるとでも危惧していたであろう彼女に思わず律儀に返事をしてしまい、彼女に尋ねる。
「・・・」
途端に無言になり、口を噤んだ彼女の姿にこの先に居る事を確信した俺は彼女の拘束を止め床に落とした彼女の銃と自分の銃を拾い、馬乗りを止め立ち上がる。
唖然とする彼女に、オート9を太腿が部分展開したホルスターへと納めながら無言で右手を伸ばし差し伸べる。
「何故止めを刺さないのですか?」
「良いから立て」
訝しげに尋ねる彼女の姿に強引に彼女の手を取って立たせて彼女の持っていたアサルトライフルを押し付ける。
「俺は殺しには来たが、この反乱には疑念がある。故に奴には聞かなければならない事が出来た」
「あなたは治安維持部隊の回した傭兵ではないのですか?」
「いや、事実そうだが、俺はここの地区の指揮官に俺の指揮権を渡している契約の筈だ。あの隊長ではない。だからこそ確認しなければならない。今何が起きているのか」
話している途中に左目のバトルマスク越しの割れた視界から見慣れた血がツーと俺の左目の視界を汚し俺はそれを左手の指で乱暴に拭う。
「では、あなたは敵ではないのですね・・?」
「そうなるかもしれないし、ならないかもしれない」
それだけを残し、奥に続く通路の先にある古臭い裸電球で照らされた木箱が積まれた部屋へと目指し歩きながら困惑する彼女に額の皮膚が裂け流血しているのも拘わらずに告げる。
「良い腕だった。出来れば次は戦いたくない」
俺に銃口を向けるべきか悩みながら付いて来ている少女を背に俺は前へと進み続けた。
ダーイ!ダーイ!ダーイ!(暗黒盆踊りリーパー)