IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN   作:HIKUUU!!!

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28話目にしてようやく戦術人形が着任する会社があるみたいですよ?ところで、ウチのストーリーの基本部分ってここまで来たら流石にみんな分かるよねぇ?(下素顔)


幕間・着任

「さて、俺の義肢の復元については礼を言っておくが・・・45、こいつ本当に大丈夫か?」

 

「いいのよ。この人本当に暴走すると見境ないから」

 

「デッドマン君!わたしは諦めないぞぅ!」

 

寝かされていたベッドから起き上がって飛び掛かってきたペルシカリアを拘束したのは良いものの、45がすかさずどこからか取り出した荒縄で彼女を簀巻きにすると俺の寝ていたベッドに彼女を転がし両手を一仕事したと言わんばかりにパンパンと払う。

彼女が暴れる度にスカートが捲れて大胆な下着が露になるのに最早色気より脱力感を感じた俺は、眉間に皺を寄せながら癖である眉間の傷跡を指でなぞりながら目を瞑り閉口する。

 

何をここまで彼女を暴走させるかは分からんが、取りあえず落ち着いて欲しい。

 

「それとウチの会社から今回の騒動の鎮圧をしてくれた特別報酬が出てるわよ。デッドマン」

 

「嫌な予感がする・・・」

 

45の陰のある笑みで告げられた一言に全身の肌が粟立ち、寒気を感じた俺は一歩後退し45から遠ざかる。

 

「まず一つ目にあなたのカラダの全体的な修復金額の全面負担」

 

「随分と太っ腹だな」

 

「二点目が私達404小隊の暫くの間の指揮権の付与を」

 

「ん?」

 

思わず首を傾げ、続きを話す彼女の唇に注視し一層濃くなった彼女の顔の陰に、本能による警告がより過激になる。すんごいイヤーな予感がする。

 

「そして最後にG&K社の指揮系統を外れた戦術人形の指揮権と指揮官としてのライセンスに戦術人形を今回の騒動の戦力の補填として贈与されるわ」

 

「うわ・・・絶対もめ事になる厄ネタだろ。お前らのお株奪うほど俺は無能じゃねぇぞ・・・」

 

告げられた内容に眉間の傷跡を何度も摩り、内容をもう一度吟味し内心で復唱する。聞き返せば聞き返す程、厄ネタどころの騒ぎではない。他社の商品の指揮権ライセンスだぁ?癒着どころの騒ぎではない。提携の筈が胸元までずぶずぶの関係とか何がそんなにあの会社の琴線に触れたのか・・・。

 

「どう?嬉しいかしら。今から色んな美少女や美女を侍らせられるのよ。男の夢なんでしょぉ?こういうのって」

 

「それと、忘れてたわ。UMP45が来ました。指揮官、仲良くやりましょう~」

 

ニコニコと何が可笑しいのか告げた彼女に俺は肩を竦ませ会釈だけする。ある意味知った仲だ。俺の紹介など今更だろう。ねっとりとした何処か責めるような口調で訪ねてくる彼女の姿に頭痛を覚えた俺は溜息をついて否定する。

 

 

「馬鹿言うな。俺は・・普通の男とは違う。ハーレム作って喜ぶ様な下衆野郎ではねぇよ」

 

「ほんとぉ?」

 

「ああ、本当だ」

 

更に棘のあるねっとりとした口調で責められる俺は両手を上げ降参の意を表し、顔の前まで詰めてきた45の背伸びをしながら俺の顔を覗き込む姿に思わず失言する。

 

「まるでキスをせがむかの様な姿勢だな」

 

「なぁに?やっぱりそういうのには興味があるの?じゃあキスしてあげよっか?」

 

揶揄う様に笑う彼女はより一層俺の顔へと距離を詰め、猫の様に俊敏な動作で俺の両頬をふわりとその柔らかく温かな手のひらで包み、俺を捕まえる。

 

「冗談は止せ。シャレにならん・・・それに俺はEDだ。心配する必要も何もない・・・」

 

そう吐き捨て、彼女を俺の体から遠ざけて俺は右手の義肢を眺めて言葉を続ける。

 

「・・・精神的なトラウマ。過剰なストレス、そして性的興奮への激しい拒絶反応。嫌悪感。それらのせいで俺は戦場に立ってから女性に性的興奮を微弱にすれど抱きたいと思った事も勃起すらした事もない。俺は戦う為の兵士だ」

 

俺の言葉に怯む様に表情を一変させた45は黙って俺の言葉に耳を傾けながら、俺の言葉を引き続き黙って聞く姿勢でいる。俺はその姿を一瞥し、右手の義肢を操作し手のひらを開いたり閉じたりしながら語る。

 

「戦場で戦い、失い、惑い、高揚し、殲滅し、立ち尽くし・・・俺は、俺達は何度も癒えぬ傷を抱えて戦ってきた。皆、どこかに隠し切れない傷がある。癒しきれない大きな傷が・・・・」

 

見ればペルシカリアもベッドの上で大人しく此方の話を聞いている姿に変な気持ちになりながらも俺は語り続ける。

 

「それが俺の場合は・・・」

 

溢れ出る殺意。尽きぬ復讐心。燃え上がる憤怒。それらが心の内から止めどなく溢れ出て俺の表情を歪め、辺りに威圧感となって俺のカラダから放出されていく。どす黒いこの感情が今も俺の根幹。俺という存在を成す重要なファクターだ。これが尽きた時、俺に何が残るのだろうか・・。

激情は辺りに目に見える様なオーラとなって俺のカラダから滲み出て行く。赤黒い不穏なオーラ・・・こびり付いて時間経過したかの様な禍々しい血の色のオーラ。俺の心象風景でしかないソレを二人は感知したのか。表情を強張らせる。

 

「奴等に対する異常な復讐心。女性との性交による興奮や興味の欠如。そしてこのカラダだ・・・」

 

自嘲する様に親指を自分の胸元へと向けて俺は皮肉げに言い放ち、ペルシカリアの横にある見覚えのある衣服を無造作に掴み、着用していく。

夜の様に漆黒の天然革使用の磨き上げられ、艶出し加工の施された脹脛に届くほどあるレザーコートを何時もの様に裸の上から羽織り、ボタンは止めずにそのままで。

アクセント程度に光る銀加工のバックルのベルトと黒めのGパンをササっと着用し、最後にミリタリーブーツを義肢の上に履き、履き心地は・・・感じなかった。忘れていた。足も触覚なかったなそういえば。

 

「俺の私服を持ってきてくれてありがとな・・」

 

俺の話を聞き強張る45の頭を出来るだけ優しく撫で、義肢にしまいっ放しにしていた煙草を取り出し、煙草を喫うべく手術室を後にし、左手をコートのポケットに突っ込みブラブラと当てもなく彷徨うべく退出する。煙で機材故障したとか難癖付けられても困るし、3日ぶりにタバコが吸いてぇ。

 

「そう言う所が、もう・・!」

 

「あれ?もしかして私このまま放置・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいちぃ」

 

ぼへーと研究スタッフらしき連中にぎょっとした目ですれ違わられながらも、無事に外へと辿り着いた俺は煙草に何時も通りに火を付け染み渡る様な煙の旨さに一言漏らす。

そんなに全身義肢が珍しいかこの野郎馬鹿野郎。

最早、義肢に対して感じていた怒りも余り湧かずに俺は煙草を燻らせながら曇天の空を眺めこれからの事を考える。途中、慌ただしげにバタバタと走り回る白衣の連中が俺の姿を視認し一瞬立ち止まって呆けているのも見慣れ始め、それも一つの風景として楽しみながら俺は思考を巡らせ、煙草を喫う。

 

あ”ぁ・・・また面倒事の匂いがするんじゃあ~・・・。

 

 

 

今だけは全快祝いの細やかな祝福として誰にも邪魔されずに一服して居たい俺は45達が呼びに来るまでの間黙って外の片隅で空を眺めながら煙草を喫い続けた。

 

どうせ逃げれないだろうしな。運命とやらからは、俺はそれを嫌というほど知ってるよ。

 

 

 

 

 

 

 




お待たせ。短めだけどいいかな?ショットガンはモスバーグ師匠とスーパーフラ・・間違えた。スーパーショーティーをなけなしのグロ画像でお迎え。死んだわ死在庫。
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