IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN   作:HIKUUU!!!

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おまえたち。辛い辛いなのである。イベント辛い辛いさんなのだ。


幕間・父性

う・・・ぐす・・・おいしい・・・おいしいよぉ・・・・」

 

両目から滂沱の如く涙を落しながらむぐむぐと肉を口いっぱいに頬張りながら、スコーピオンは泣き続けており、その姿に居た堪れない気持ちになった私は、酒瓶を片手に厨房の奥から使用してない清潔なタオルを持ってきて一心不乱に食事を食べ続けるスコーピオンの涙をタオルで拭う。

 

「泣くな。これから・・・私はお前達が望んでくれる限り、私達の手料理なんかで良ければ作ってやろう」

 

食事の手が止まりながらも、私を見上げた傷ついた彼女の心情を表すかの様なくすんでしまった青い瞳を正面から私も見つめ返し、酒瓶を持ってない方の手で彼女の髪を手櫛で梳(す)いてやり酒瓶を乱暴に煽り、ウオッカを胃に流し込む。喉がヒリヒリと焼ける様なウオッカの強烈な風味を味わい、胃に響く重いアルコールの衝撃が容赦なく私の胃と喉を焼いていく様な感覚が私を心地良い酪調状態へと導いていく。

 

「リサは・・・家族は、私の手料理をよく喜んで食べてくれた・・・。お前達みたいな年頃の娘を見ると、つい、平和だった当時の思い出が顔を表す・・・。それが良い方向へ向く時もあれば、俺の様に悪く傾く事もある・・・」

 

普段なら口を割っても言う事のないことを喋っている事を私は自覚しながらも、酒瓶をもう一度呷り喉を潤してから平和だった、もう訪れない光景を脳裏に浮かび上がらせ、その光景を忘れぬ様に何度も繰り返し見た色褪せる事ない過去の幸せだった頃の記憶を噛み締めながら、黙って私の話を聞くスコーピオンの髪をもう一度梳く。

 

「・・・妹の分まで食べて、笑ってくれ。哀れな男の情けないちっぽけな願いだ。私達はもう一度彼女におなか一杯食べさせてあげたかった。ただ、それだけなんだ・・・。君達に行ってる事は、代替行為だというのも私達自身分かってる。だけど・・・」

 

目頭が熱くなり、視界がぼやけていくがお構いなしに私は告げる。

 

「嬉しいなぁ。やっぱり誰かが一生懸命作った料理を食べてくれるのは・・・」

 

「セイジ、何時でも僕は食べるよ。お代わり」

 

「お前はもうちょっと食べる量を抑えようか・・・」

 

水を差す様な形のマックの要求に思わず涙が引っ込み、溜息を付きながら私はマックの突き出してきた皿を受け取り厨房へと歩を進める。どうせコイツの事だ。また特盛だろうに。ステーキも二枚は焼いてやるか・・・。

不意に、背中に軽い衝撃が走り、思わずよろめいた私は振り返り、私の背に抱き着く形になったスコーピオンに声を掛ける。

 

「どうかしたか?」

 

「ねぇ、私達が人形だって知っててこんなに良くしてくれるのもさっきの話でなんとなく分かったけどさ・・私から我が儘を一つだけ言っても良いかな?」

 

「内容によるが聞こうか」

 

「私達ってIOPの技術者達が言わば、お母さんみたいのものだけどさ。お父さんていないんだよね・・・」

 

「だから」

 

ギュッと私のコートを力強く握ったスコーピオンが上目遣い気味に、涙を零しながら震える声で訪ねてくる。

 

「お父さんって呼んでも良いかなぁ?」

 

私はそんな些細過ぎる我が儘に思わず苦笑を零し、振り返って彼女の小さな体を抱き締め、彼女の髪を優しく撫でながら、殊更優しく告げる。

 

「私達で良ければ・・・。壊れかけた復讐者でも良いのか?」

 

「うん・・・」

 

「これから先きっと、私のカラダのせいで辛い事もある。それでもか?」

 

「うん・・・」

 

「幸せにできる保証も、生きて帰ってくる保証もできないぞ?明日香も、それは承知の上で私の義妹になった。そんな身勝手な男の娘になりたいのか?」

 

「うん・・・」

 

私の問いに徐々にぎこちなく私の背に回していた彼女の細い両腕が力を増して、私を抱き締め返してきて、彼女の決意が固い事を認識しつつ、最後の質問を投げかける。

 

「奴等を根絶やしにするまで戦い続けると決めた男の、娘になる覚悟はあるんだな?」

 

「うん・・・!」

 

私から離れないとでも言う様にしっかりと私のカラダに抱き着き、私のエプロンを涙で汚しながら力強く肯定した彼女の背をトントンと優しく叩いてやり、口を開く。

 

「分かった。私達で良ければ、父と・・呼ぶがいい」

 

部下候補になる筈だった戦術人形がいつの間にか、私達の娘、か・・・。つくづく明日香を拾った時を思い出す・・・。まぁ、良い。少人数で戦うのも、独りで戦うのも、何も変わらない。変わるのは奴等を殺す時間が長くなるか、短くなるかだけだ。天国の父上と母上に目出度い報告をするのが、初めてかもな。こんな事を伝えられるのは。

だが何故だろうな。まだまだこれから先、娘が増えそうな気がするのは・・・。

 

腰を屈めて、私の腹に縋り付くようにしてわんわんと泣き出したスコーピオンを落ち着かせるべく、彼女の小さな体を包むように抱き、ほぼ空になった酒瓶をその辺に無造作に置きながら彼女が落ち着くまで私は背中を撫で続けた。

 

「お代わり・・・」

 

「少し空気読みなさい。欠食性別不詳。ガーリックライスは作り置きあるから適当に装って(よそって)来なさい。スープは鍋にサラダとデザートは冷蔵庫だ」

 

余談だが、この時ペルシカリアが不気味に微笑んでいたのを目撃し私は背中が凍り付いた。いやな予感がする。404小隊はずっとニヤニヤと底意地悪く笑っていたし、他の戦術人形・・・100式とスプリングフィールドを除き、全員が訝しげな眼でスコーピオンと私を交互に見つめ、猜疑心と侮蔑に満ちた視線を投げかけてきていた。

 

まぁ、前途多難ではあるが・・・どうせ俺が何とかするだろう。私はあいつが起きたらまた微睡むわけだしな。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの・・・」

 

「ん?」

 

泣き止んだスコーピオンがそのまま安心したのか寝落ちてしまい。私のコートを強く掴んで離さない為に仕方なく私はコートを脱ぎ、彼女の体をコートで包んでやりながら、使ってない予備の椅子を並べて即席のベッドにして彼女を寝かせてから再び厨房へと向かう。が、100式におずおずと声を掛けられ立ち止まる。

 

「お代わりと、あの、指揮官が日本が嫌いなの解ってますけど、もし・・良ければ・・・和食を一度食べてみたいです・・・」

 

後半になるにつれ、元々伏し目がちに告げてきた内容が、俺の時の怒気を思い出したのか若干涙目になりながらの要望に、思わず彼女には悪い事をしたなと思いつつ、承諾する。

 

「良かろう。というか私達は料理は和食系のが得意だ。食べたいものがあるなら遠慮なく言うがいい。料理については俺も私も怒らないさ・・・因みにだが、義妹の明日香は私の鳥の照り焼きが好物だぞ」

 

少なめに盛ったガーリックライスを皿に装い、私の言葉に喜びながら、はぐはぐと美味しそうに笑顔で食べ始めた

100式がご飯をほっぺにつけながら、一生懸命に身振り手振りで話し始める。

 

「えっと!えっと!じゃあお寿司とか、うどんとか食べてみたいですっ」

 

「寿司は・・五目チラシぐらいは出来そうだが、魚がこの世界だと貴重過ぎるからな・・・うどんなら今度天ぷらうどんでも作って食べるか?」

 

「わぁ・・!はいっ!」

 

「そういえばセイジ、あのマッド遂にクローン製造できるようになったから食材は困らないよ。後なんか勝手に食肉用の家畜と、魚を繁殖させてる」

 

「んん?!何やってんだあのバカ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




そろそろ結婚式行けそう。多分、来週位?早くても。幕間もそろそろ終わりよ。一旦締めてまた戦場へだ・・・。
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