IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN 作:HIKUUU!!!
「御来場誠にありがとうございます。IDを確認しますのでゲートにてお願いします」
「はい。お疲れさん。しかしディーノ君も結婚かぁ・・目出度いねぇ」
「ウチの指揮官、ああ見えてモテますので」
「ああ見えてっていうかモテる様な男だろ?」
「違いないですね。ははは、照合完了です。どうぞ」
「ああ、ありがとう」
ゲート前にて手首に着けたブレスレット型の端末でゲストID登録をしているらしく、その様子を俺はチラ見しながら把握し、ゲートの先を通って行った男を見送りながらリラックスした様子で周囲を観察するジャベリンに声を掛ける。
「今の所不審な奴はいないな」
「だな。何事もないのが一番さ。こんな目出度い日だ。出来れば一発も撃ちたくない」
「それは同意するが、いざとなったら躊躇うな。俺はお前を守るつもりはないぞ」
「守られるような強さだと思うか?」
「言っただけだ。任務を果たすだけだ・・俺は・・・」
まだ時間が早い為にポツポツとしか来ない来賓の姿に俺は無意識に煙草を咥え、火を付け煙を堪能する。
「バレたら怒られるぞ」
「固い事言うな。ラストだよ。もうない・・」
煙を吐き出しながら遠くで、キャイキャイと嬉しそうに騒いでいる戦術人形達の姿を眺めながらふと、自分の右手を覗き込み物思いに耽る。
幸せ・・・幸せか。俺にはもう縁のない言葉だな。結婚もそうか・・・。こんなカラダ、誰が愛してくれる・・・?元々、人殺しの道に入った時から、警官を辞職したあの時から覚悟はしていたが、他人の、結婚式や披露宴を見る度に何時も思うな。俺には眩しすぎる。
薄暗く、血で湿った屍の積み上がった闇に続く道こそが・・・俺達には相応しい。
民間人を殺した事だってザラにある。俺も、超帝国主義者共の事を声を大にして責められやしないが、それでも誓ったのだ。戦友に、家族を慈しむ人達の姿に、必ず平和な世を残すと。
「―――ッドマン?デッドマン?おい、大丈夫か?」
「!!・・・ああ、大丈夫だ・・」
「・・何か悩みか?」
「知らない方が良い。お前が知らない方が良い類の話を思い出してた・・・」
不意にジャベリンの心配した様な表情が視界に飛び込み、思ったより思考に没入していた様で、根元まで火が近づいた煙草を握りしめて消火し携帯灰皿に入れてしまう。
「指輪か・・・二度と付けれないな。この腕じゃ・・」
「恋人でもいたのか?」
「いや・・・将来を約束した人はいた。が、振った」
「振った?なんで?」
「・・・俺の、いや・・彼女に俺は相応しくなかった。それだけだ」
「でも好きだったんだろ?」
「愛してた。だが、俺にはやらなければならない事があった。命を賭しても」
ジャベリンの質問に淡々と答えながら、マイクロバスから続々とやってきた様々な戦術人形や、他基地の指揮官達の認証していく姿を眺めながら呟き、納得のいってない表情を浮かべたジャベリンに口を開く。
「そしてそれはまだ尚続いている。このカラダになろうと、俺が・・・俺がやらなければならない事なのだ。この魂朽ちるその日まで、俺は止まらない」
「じゃあなんで、そんな悲しげな表情してるんだよ」
「彼女をまだ愛してるから・・・この思いは墓の下まで持って行く。俺と共に煉獄に焼かれなければならない」
「不器用な奴だな。あんた」
「良く言われる。さて、下らない世間話もここまでだ」
俺の言葉に首を傾げながらも保持したⅯ4を構え直したジャベリンも俺の視線の先にいる
白いチャラ着いたスーツを着こなした若い男を訝しげに眺め始める。
俺はそいつに近寄り、右手で指さし止まるように警告する。
「そこの男、動くな。動けば害の有る者として貴様を排除する」
「あぁ?」
気怠げな様子で振り返った男は振り返った先で男を見下ろす俺の体躯に驚いたのかびくりと体を撥ねさせて、怒鳴り散らしてきた。
「んだテメェ?何の権限があってこんなことしてやがるポンコツが!!」
どうやら俺を新型の戦術人形とでも勘違いしたのか俺の脛を、つま先の尖った革靴で蹴り上げ俺の顔面に唾を吐きかけながら怒鳴っている。
「俺の権限だ。文句あるか?右腕に違和感があるな貴様。左腕と比べて少し太い上に長いぞ」
「おい、あんまり大事にはしない方が」
ジャベリンがガラの悪いこの男をID認証もしてない状態で詰問するのはまずいと判断したのか俺に止めるように言うが俺はそれを無視して右大腿部に手を伸ばし、部分展開した右大腿部からオート9を引きずり出し男に突きつける。
「デッドマン!止めろ!お前可笑しいぞ!?」
「いいや、可笑しいのはこの男だ。俺の目は誤魔化せないぞ。右腕に武器を仕込んでるな?」
「チィッ!」
ジャベリンが男と俺の中間に割って入り俺のオート9を下げさせようとした瞬間、若い男は舌打ちを一つ打つと左腕で右腕をズルリと引き抜き、中から露になった義肢型の仕込み銃を俺に向けてくる。俺はその姿を確認した瞬間、正面のジャベリンを抱き締め、ジャベリンを抱えたまま背を向けて男の銃撃に備える。
「うぉぉぉ?!」
「喋るな舌噛むぞ」
振り向いた瞬間に周りの被害もお構いなしにぶっ放し始めた男へと背部を向けたまま後退
し自分自身のカラダを、盾にしながら周りに弾丸が逸れて行かない様に男に向けて背を向けたまま近寄っていく。
周囲も突然の発砲に驚いている様で、他基地の戦術人形が挙って武器を取り出し此方に向けてきている。俺はそれを片手を上げて制止し、ジャベリンに告げる。
「ジャベリン、こいつの後方から複数の熱源探知。多分仲間だ。俺らで排除しよう」
「らしいな。ああ、クソ。ツイてねぇ」
「ただ働きよりはマシだろ?」
ジャベリンを開放し弾かれた様にⅯ4を構え、数度タップ撃ちで白スーツの男を黙らせた
ジャベリンの正確な射撃に口笛でやるなと伝え、後方から迫る連中を対処するべく俺は、反転してオート9を後方から来る3人にそれぞれ、胴体部に3バースト射撃を一度ずつ見舞いし昏倒させる。
「こいつ等だけか。拍子抜けだな」
「ああ、ってかあんたやっぱ強いのな」
「弱いつもりはないが、自分で強いと思った事も無い。出来る事をやってるだけだ」
「そうかよ。さっきは助かった。ありがとな」
「どういたしまして」
寝転がる白スーツの男と似たような恰好をした男達をオート9を癖でガンスピンを行いながら右大腿部へ収納しながら近くに寄り、既にこと切れた最初の男は無視してまだ息のある増援の内の一人を胸倉を掴み上げ顔元迄引き寄せて尋問する。
「死ぬ前に言え。ディーノ・タカマチに恨みでもあっての犯行か?」
「だ・・誰が言うかよ・・」
「まぁだろうな。別に情報収集迄するつもりもないが、無駄な手間は省けた。じゃあ死ね」
男の鼻面を義肢の強力な力で殴りつけ、陥没させて命を奪い無造作に地面に放り投げ生き残っている二人のうちの一人をもう一度同じ様に掴み上げ、同じく尋ねる。
「誰の、命令だ?」
「V・・Vだ・・・お前に会いたがってたぜぇ・・・スカーフェイスゥ・・」
「そうか。わざわざ死にに来てご苦労な事だ。俺が奴に会った時に伝えておこう。部下は無駄死にだったとな」
同じように始末し、最後の一人は首をストンプして頸椎を破壊して息絶えさせ、死体を両手に引きずって行き、目立たない場所へと移動するべく歩を進めると、厳しい目付きをしたジャベリンが俺に尋ねる。
「知ってる奴か?」
「ああ、因縁の相手の部下だ。どうってことないさ」
「あいつらは、何があっても俺が確実に殺すからな」
一先ず死体を来賓達の目に留まらない様に処理するべく、まずは自分の車を目指して死体を4つ引きずりながら俺はその場を後にした。
カカオの錬金術師さんへ、ちょっとアクセント入れて見ましたゴメンなさい(焼き土下座)