IM NOT MAN.I AM A DEAD MAN   作:HIKUUU!!!

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すっかり待たせたな。こっちもいろいろ立て込んでたもんでな。まぁ、気長に待っててくれや。


利用価値

―――滑る様に空いた遮蔽物に大柄な体を押し込み、右手に握る大型拳銃『オート9』を殺意を剥き出しに、銃火を浴びせてくる敵へとサイトしトリガー。崩れ行く奴に、一人減った位の所感しか感じず、更に減らす為に撃ち続ける。当たろうが、外れようが関係なかった。今この瞬間にこそ、俺は明確な生を感じていた。

 

お互いの殺意のぶつけ合い、人間の闘争本能に基づく原初の戦い。どれだけ歴史を重ねようと、時間が過ぎ去ろうと変わらないもの。

 

自分が死ぬか、生きるか・・・。

 

そこに生物の本質が現れる。人格の本質が浮き彫りになる。発狂するのか、激怒するのか、はたまた、悲しむのか、笑うのか?俺の場合はどれも違った。

―――失ったものを埋めるような充足感と高揚感に包まれた。失い、惑い、傷ついた心に潤いを齎してくれた。

 

只只管にどうしようもなく楽しかった。失い続け、鬱屈した復讐の中でも戦闘中だけは、確かに生きている実感を得られていた。

放つ銃弾に感情を乗せ、吐き出す吐息に死を連想させられ、吸い込む一息に更なる生の実感を。

 

俺はどうしようもなく魂を戦場に縛られている。それはきっと・・

 

 

死ぬまで変わらないのだろう。ならば進み続けて倒れるその日まで、俺は戦い続けよう。

でなければ俺は何の為に戦場に立ったか、分からなくなってしまう。失われてしまったものはもう二度と戻ってこない。俺の家族を奪った戦いを恨み、憎み、愛し・・俺は生きて行こう。

 

 

渇いた銃声のオーケストラを心から楽しみながら俺はさらに引鉄を引き続けた。

 

 

 

「信じられない・・。敵の包囲網が見る見る内に殲滅されていく。VRとはいえこれは・・信じられない戦果だ」

 

「だろうよ。生身の時でさえこれをやり遂げた男だ。包囲網を食らい尽くす殲滅戦ならあいつの右に出る男を俺は未だに知らねぇよ。我が元隊長とはいえ恐ろしい強さだぜ全く」

 

モニター越しに中継されているVR訓練の様子に戦々恐々しながらもデータの記録を纏めていく神経質そうな男・・ジムは隣で茶化しながらも、モニターの中で縦横無尽に暴れまわるデッドマンの姿に失笑を禁じえなかった。

 

「我々の戦術人形が玩具に見えてしまう。彼女達には申し訳ないが・・これの光景を見てしまえば・・」

 

「だろ?俺達人間の兵士が不要になることはないよ。人間は確かに弱く脆い。だがそれすらハンデに成らない奴なんてごまんと知ってるぜ。俺も含めて、な・・」

 

大型の機銃を背中にマウントした良く解らない機械の獣の背に強化され人知を超えた脚力を誇る義肢の性能に任せたロデオを繰り広げ、抵抗に放たれる弾丸を強固な装甲で弾きながら、煩わしく感じたのか画面の中のデッドマンが機銃を握力と腕力に物を言わせ、毟り取り、拳銃をホルスターに収めて機械の獣を背中から拳の乱打で滅茶苦茶にしていく光景に思わず苦笑しながらスケイルは、頬を掻く。

 

「あー、だからって俺も改造されたとはいえこんだけ馬鹿みたいに暴れられるとは思っていなかったがなぁ・・」

 

「データ収集と報告のためとはいえ、これは本部にどう報告したものか・・・」

 

捕まえた敵兵士の首を拳でへし折り、崩れ落ちる兵士の体を左手で羽交い絞めにし即席の遮蔽物にしたデッドマンが躯を弾丸よけの盾にしつつ右手の拳銃で敵を撃ち殺していく光景にジムは胃の辺りを抑えて呻く。

 

「大昔の映画を見ている気分だ。ああ・・くそ、胃が痛い」

 

「敵勢力第3波までくる包囲網を突破するだけのシチュエーションだった筈が偉い事になったなコレ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「VR訓練か。信頼していなかったがここまで五感をリアルに感じられるならば、足しにはなるな」

 

敵の弾丸でボロボロになった鉄血人形を地面に放してやり、空いた左手で胸部装甲が開口し現れた新たなマガジンをオート9に叩き込みながらすかさずスライドリリースを行い、即射撃待機状態に移行する。

 

 

「人間の兵士の様に仲間の死体を気遣う様子はなし。なら機動、奇襲のみで十分だな」

 

再び戦闘態勢を整え、遮蔽物をジグザグに走り抜けながら死角にならぬ位置に居る人形を破壊しながら目標地点に向けて進行していく。

近くに寄る迄遮蔽物から動かなかった敵兵士の懐に潜り込み、展開した右手甲のブレードを喉にねじり込み、命を絶つ。噴き出す血液を全身に纏いながら素早くブレードを引き抜き、持っていたM16A1とマガジンを幾つか拝借。

M16を右手に保持し早速構え発砲。崩れたコンクリート片に身を寄せていた敵兵士の一団を其処に縛り付けながら突貫。直後、ボルトが下がり切ったM16を、地面に放り投げ、ブレードを再び展開、左手でオート9を構え、コンクリート片を飛び越える。

 

「撃て!寄らせるな!」

 

「遅ぇよ」

 

左側面の数名をブラインドファイアで黙らせ、右側の4名を展開したブレードで八つ裂きにする。喉やら首を断ち切った死体に目もくれず、左側で呻く死に損ないにオート9をぶち込み今度こそ息の根を止めてやる。

 

「こう考えると、何故超帝国主義者共と鉄血人形が手を組んでいるのか良く解らないが、データでこうなら、現実もこうなんだろう。ならいくらでも隙はある。混成軍ほど脆いものもない」

 

 

散発的になってきた銃弾に目もくれず一目散に目標地点に向けて走る。

これだけ食い荒らせば敵の損害も手酷いだろう。ゴールと書かれたラインに向かってただ走り、到達。廃墟街が見る見る内に消えていき、白い何もない空間へと変化していく。

 

「戦場の空気程度は味わえただけマシか。次は、もっと鮮烈な戦場が良いな」

 

合成音声で現実に帰還しますとのアナウンスを聞き、伸びをしながらガンスピンを行い展開変化したホルスターにオート9を叩き込み、VRで吸う煙草の味は如何程のものかと考えを巡らせている中、視界が筐体の機械で構成された天井で埋め尽くされ、現実に帰還したことを理解するとぶち込まれたVR筐体の無機質な内部座席からドアをこじ開け、モニターで逐一報告書を作成していた筈の、引き攣った笑みを浮かべたジムに声を掛ける。

 

 

 

 

「これなら、時代遅れとも、死に損ないとも言えないだろ?さて、お前らが俺につける商品価値はどれ程か。聞いてもいいか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちゃんと書くから許してくれよな。頼むよ~。

それと待て。しかして希望せよ。じゃ、俺バイオRE2S+クリアあるから・・。
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