スキル名『兎化』   作:夜と月と星を愛する者

3 / 3
少しだけクリスマス要素を入れるよ


兎が食べた(すまないクリスマス回は少ししかないんだ、すまない)

昨日は金髪の女の子と会ったりイレギュラーのミノタウロスと会ったり色んな事があったけど、一番苦労というかダメージが大きかったのはヘスティア様の何気ない一言が効いた

 

「君って兎みたいだけど、どっちかっていうなら殺戮兎って感じがするね。ズボンは真っ赤だし、服には少し血が付いてるし……叛逆兎とか瞬血兎とかの二つ名付きそうだね。しかも君って魔力を目に通すっていう人間離れしたことするしそれすると目が紅く光るからその時の見た目すっごくやばい」

 

……酷いですよヘスティア様。戦い方が戦い方なんで、どうしても血が付くんですよ。威力が高いから頭パーンってなって血とかその他の物体が付着しちゃうんですから。それと目に魔力を通せるのは師匠…村長から手解きを受けたからです。武器の扱い方も村長が教えてくれました

 

足で戦う人は多分頭パーンってしないで、内臓を傷つけたり脳震盪を起こしたりするんだろうなぁ……手加減覚えようかなぁ。それか剣か投擲する用のナイフとかで、剣は村にいた時お爺ちゃんが持ってた剣を振ったり獣相手に使ってたし…(お爺ちゃんからロマンと言って二刀流の練習もしてた)

 

そんなこんなで、翌朝、昨日と同じく朝ご飯と置き手紙を置いてダンジョンに向かう

 

因みに昨日の稼ぎは1万ヴァリスと中々の収穫になった、殆どがミノタウロスの魔石だけど、ある程度貯まったら教会の修繕をしよう。僕がいた村はそういう専門の人がいないから若くて男手の僕がしていて作ったり直したりするのは試行錯誤だったけど、村の人たちからは褒められていたからそれなりの腕はあると思う

 

考えていると後ろから僕のすぐ後ろに人の気配がしたので振り返るとそこには

 

「あ…あの、これ落としましたよ?」

 

背後にいたのは白に水色を足したような髪色をした可愛らしい女の子がいた、僕が後ろを振り向いたからか一瞬驚いたが、気を取り直して右手に持っていた魔石を見せてきた

 

「え?変だな。昨日全部換金したと思ったんですけど…ポケットに入っていたのかな?それはともかくありがとうございます。わざわざ持ってきてくれて、何かお礼がしたいんですけど今は何も手持ちがなくて」

 

「いえ、私がただしたかったからしただけですから

あ、そうだ!それなら今夜うちの店に来てください。味は保証しますよ。」

 

…中々侮れない子だなぁ。まぁ、大丈夫かな

 

「わかりました、今夜お邪魔させて貰いますね。そうと決まれば稼がなくっちゃ」

 

「ふふ、頑張ってください」

 

きゅるるるる〜

 

その時気の抜ける音がベルのお腹から鳴った

 

「あ、ごめんなさい。少し朝食を少なくしたのは不味かったなぁ」

 

「…あ、良かったらこれどうぞ」

 

そう言って渡して来たのは四角い箱を可愛らしい布で包んだ弁当だった

 

「え?いえいえ、流石に悪いですよ」

 

「いいんです。代わりと言ってはなんですけど、それを食べてしっかり動いてお腹を空かせて今夜沢山食べてください」

 

そう言って微笑みながら弁当を僕の手に握らせた

敵わないなぁ

 

「わかりました、大切に食べさせて貰います」

 

「よろしい…あ、そろそろ仕込みしなくちゃ。それじゃあ……あ、私、シル・フローヴァって言います」

 

「僕はベル・クラネルと言います。それではまた今夜」

 

「はい。お待ちしていますね」

 

……小悪魔って言うのはあんな子の事を言うのかな?お爺ちゃんがよく『小悪魔っ子はいいぞ!気づいたらその子の手玉に取られておるが、その微笑みと仕草がなんとも堪らん!ハーレムを作るときは一人はおると新たな扉が開けるかもしれんぞ』

……毎度思うけどハーレムの何処が良いんだろう。僕は一人の女性と恋仲になって、僕の隣に居てくれるだけで良いと思うんだけどなぁ。村長もハーレムを築いて、修羅場が多くて疲れるって言ってたし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日は三階層までしか行っては行けないってエイナさんから言われていたので大人しく従って魔物を倒していき、稼ぎは昨日より少ないが魔物が多かったので8000ヴァリス稼ぐ事が出来た

 

教会の地下の部屋に戻ると置き手紙がありヘスティア様はバイト先の打ち上げに行ってくるそうだ、誘おうと思っていたけどこれなら仕方ない。偶には酒でも飲もうかな

 

シルさんから教えてもらった所まで行くと、『豊饒の女主人』と書かれた店があった

中からは多くの人の笑い声、自慢話、祝杯するもの忙しなく動くウェイトレス達…いいなぁ…こういう雰囲気と暖かくなるこの感じ…お爺ちゃんや村の人たちと一緒にいた時とは違う暖かさ…これが冒険者、1日の終わりに酒を飲み、料理を食べ、今日あった事を話し、相談し、連携の仕方を試行錯誤する……僕もいつかこんな風に和気藹々と話すことのできる仲間ができるかなぁ……

さて、入るか

 

入ると、忙しなく動くウェイトレスの一人が僕に気づくと、小走りで僕に近づいて来た

 

「ベルさん!来てくれたんですね!」

 

「えぇ、約束しましたからね。あぁそれとこれご馳走様でした。美味しかったです」

 

「ふふ、ありがとうございます。作った甲斐があります」

 

因みに一連の事は店にいた冒険者、ウェイトレス、厨房にいる昨日会った金髪の子より強そうな女性にしては大きい女性に見られてる

 

「それじゃあ席に案内しますね」

 

案内された席は厨房の真向かいのカウンターで、厨房から強そうな女性がこちらを見ている

 

「うちの子を誑かすんじゃないよ」

 

「え?い、いえそんなことしていませんよ」

 

「それならいい…で、シルが言うにはあんたかなりの大食感らしいね」

 

「え?」

 

自分の事なのに僕は知らないんですけど?……まさか!?

 

「テヘ」

 

横を見ると可愛らしく舌を出したシルさんがいた…はぁ

 

「まぁ、男なので食べるほうですが」

 

「ま、いいさ。それじゃあ注文を言いな」

 

見たことも聞いたこともない料理が多かったので僕は食べたことのない肉のステーキを頼んだ

 

 

 

少し待つと、厨房からミアさん(シルさんから教えてもらった)が厚さ3センチはありそうな香ばしい匂いの分厚いステーキが置かれた

 

「……この匂い…メルチィ入れてます?」

 

メルチィとは山の中に生える見た目は白いブルーベリーのような見た目だが、決まった処理をしないと強烈な苦みを出す、しかし処理をしっかりとすると甘みと甘い香りと大抵の料理の隠し味に合う摩訶不思議な実だ

 

「へぇ…ほんの数滴入れただけなのに…あんた、料理すんのかい?」

 

「はい、家での料理は僕が作ってましたし山で狩りや木の実などの採取していたのでそれを使ってオリジナルの調理方法やソース、料理も色々ありますよ」

 

 

おや、ミアさんが僕を意味深に見てる

 

「あんた、暇があったらうちで働かないかい?」

 

「はは、遠慮させておきます。代わりと言ってはなんですけど、ソースや料理は教えますよ」

 

「……ま、仕方ないか…その言葉忘れんじゃないよ」

 

ミアさんが厨房で他の料理を作り始めたので、僕は料理を食べることにした

 

「モグモグ……美味しい…肉もしっかりと中まで火が通ってるし肉もしっかりとした下処理をしてるから臭みもないし柔らかい。

しかもこのソース、メルチィの他にも色々な実や野菜、調味料と少しの酒を混ぜてるけど、絶妙にマッチしてて、とても美味しい。……アレンジして新しいソース作ろうかな」

 

出された料理に舌鼓を打ちながら少し経つと隣にシルさんが座って来た

 

「あれ?仕事はいいんですか?」

 

「はい、今は落ち着いて来たのでアーニャだけでも大丈夫そうですから」

 

見ると一人だけ動いてる猫人(キャットピープル)がいた……『ミャーも休みたいにゃー!』…本当に大丈夫なの?

 

「ふふふ、アーニャは朝に少しやらかしちゃったのでその罰です」

 

微笑んでるのに言いようのない圧を感じる

 

「そ、そうですか…そういえばこの店の人たちは元は冒険者だったんですか?」

 

「え?どうしてそう思ったんですか?」

 

「シルさん以外の人たちの気配がそこらの冒険者より強そうなので、他にも歩き方にも重心がしっかりとしていて、即座に動けるようにしているので」

 

気配は村長よりは弱いが、少なくとも今の僕よりは力は上だろう

 

「………」

 

急にシルさんが黙ったので、見るとシルさんは口を少し開けて僕を信じられないといった感じで見ている

 

「あの…どうしました?」

 

「あ、い、いえ!…やっぱりベルさんは他の人とは違うんですね」

 

その意味ありげな言い方はなんですか?

 

「あんた、あまり詮索するんじゃないよ」

 

厨房からミアさんからそう言われたので、僕は話を変えることにした

よく見れば店のウェイトレスの殆どが僕を見ていた…これは不味かったかな

 

「すみません今の言葉は聞かなかった事にしてください……そういえばシルさんはなんで見ず知らずの僕にあんなに優しくしてくれたんですか?」

 

「え?……そうですね〜…放って置けなかったからですかね」

 

「それはどういう『ご予約のお客様、ご来店にゃー』」

 

聞こうとしたところで、アーニャさんが店中に聞こえるくらいの声のせいで僕の言葉は遮られた

 

入り口を見ると団体のお客さんが来たようだ…あの子は昨日の

その中の一人が昨日僕がダンジョンの中で会った金髪の女の子がいたのだ

 

「あの人たちはロキ・ファミリアの主力の方達ですね。うちの店を贔屓にしてくれているんですよ」

 

僕がジッと見ていたからか、シルさんが団体の人たちの正体を教えてくれた…あれがロキ・ファミリア

現オラリオの最強のファミリアの一角

 

確かお爺ちゃんが

『いいかベル。ロキ・ファミリアの主神には気をつけろ。ロキはとてつもないほど可愛い女の子に目がないからハーレムを作るときは1番の強敵になるぞ』なんて言ってたな

 

村長も

『ロキ・ファミリアかぁ。懐かしいなぁ。団長をしてる筈のフィンにはよく決闘を持ちかけられたなぁあいつ戦闘狂だし。ガレスは酒が大好きだから酒飲みに付き合っていたし。後リヴェリアはママ』

 

……ん?いい印象が一つもないぞ?主神がどうしようもない変態で団長は戦闘狂でガレスっていう人は酒が大好きで、リヴェリアっていう人はママ…大丈夫か?ロキ・ファミリア

いや、ママってなんだよ

 

「それじゃあ、遠征の終わりを祝ってかんぱーい!!」

 

朱い髪の女性(胸元が寂しいが)の人がヘスティア様と似た気配を感じるからこの人が神ロキだろう……あれ?そういえばお爺ちゃんも微かにヘスティア様と同じ気配だったような

 

「あの朱い髪の人が主神のロキ様です。そして金髪の男性が小人族(パルゥム)の団長フィン・ディムナです」

 

あの人が戦闘狂…確かに強いあのメンバーの中で一番強い

 

「そして緑髪のエルフの人が副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴさんです」

 

ママ

 

「そしてドワーフの方がガレス・ランドロックさんです。あの3人はレベル6なんですよ」

 

 

なるほど、あの強さがレベル6…つまり村長はレベル6だったのか

それから順にアマゾネスの双子のティオネ・ヒリュテとティオナ・ヒリュテ。狼人(ウェアウルフ)のベート・ローガ。昨日会ったヒューマン?のアイズ・ヴァレンシュタイン。エルフが扱う全ての魔法が使えるエルフのレフィーヤ・ウィリディス

レフィーヤさん以外全員レベル5で第1級冒険者らしい

 

 

それからあちらも料理を食べ始めたので此方もシルさんと今日あったこと、ダンジョンの中でのこと、アーニャが朝やらかした事を話していると、ロキ・ファミリアの方が少し騒がしくなったので見ると顔を少し赤くしたベートさんが騒いでいた

 

「そういえばよぉアイズぅ。あの話は本当なのか?」

 

「えっと、あの話って?」

 

「あれだよ!駆け出しの冒険者がミノタウロスを倒したってやつ!」

 

……うん、僕じゃない。他にもいたんだミノタウロスを倒した人が

 

「確か、白髪で赤い目の男だって?」

 

………違う、僕じゃない。たまたま僕と同じ外見の人がいたんだ

 

「え?白髪で赤い目の駆け出し…ベルさんじゃないですか?」

 

「違います。僕じゃありません。人違いです」

 

「……ベルさんですよね?」

 

「…………はい」

 

「なんだいあんたミノタウロスと会ったのかい。それは災難だったね…いや、あんただから強そうな奴が現れたとか金が稼げるとか思ってるんだろう」

 

「…なにぶん駆け出しですので、お金が色々必要なんですよ」

 

あと少しで修繕するような材料と道具が揃いそうなんだよね

 

………なんかさっきまでベートさんが騒がしかったのに急に静かになったぞ

振り向きたくない。視線を感じるが振り向かない。他人のふり他人のふり

 

「…ねぇ」

 

おやぁ?シルさんでもミアさんでもない声。昨日聞いたような声が後ろから聞こえるゾォ

 

「…………」

 

「なんで…無視するの?」

 

「ベルさん。現実逃避もそろそろやめて、現実を見ましょう」

 

「はぁ…わかりました、昨日ぶりですね。」

 

後ろを振り返ると案の定、昨日会った少女だった

 

「うん…えっと、名前」

 

「あぁ、これは失礼。僕はベル・クラネル。しがない駆け出し冒険者ですよ」

 

「ベル……私、アイズ」

 

「アイズさんですね。ところでどうして僕のところに?」

 

ロキ・ファミリアの方達の視線が痛い。ベートさんとレフィーヤさんが睨んでくるし、フィン、リヴェリア、ガレス、アマゾネス二人は驚いた顔で見てくるし、主神は…多分、睨んでる。眉間に皺よってるし

 

「うん。君に興味があるの」

 

視線が、視線がぁ…そのセリフは色々とまずい

 

「興味というのは?」

 

「昨日のミノタウロスの時のこと」

 

 

 

見られてたなこれは……さぁてどうやって切り抜けるか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《おまけ》

少し先の未来での出来事

 

豊饒の女主人では店を閉めており中では沢山の人々の声が聞こえる。そして白髪の男は店の扉を開いた

 

「お、来たな。遅いぞベル」

 

赤い髪の青年が入ってきた男に声をかけると中にいた人たちが視線を向けてきた

 

「ごめんごめん。少し用意に手間取って」

 

そういうとベルは片手に持った袋から色々なものを出した

 

「お、これはスノーボールじゃねぇか、中はオラリオをイメージして作った奴だな」

 

「ねぇねぇ、兎さん。頼んでたやつ持ってきた?」

 

アマゾネスの少女がベルの右腕を掴んで揺すりながら聞いてくる

 

「えぇ、買ってきましたよ。クリスマスツリーの飾りと星」

 

袋を少女に渡すと、小走りで店の中に飾ってあったツリーの下に行くともう一人のアマゾネスと狼人、猪人(ボアズ)の4人で飾り付けをしていく

 

この店のウェイトレス達は作られていく様々な料理をテーブルに並べていく

 

金髪の小さな勇者はドワーフの人と何かを話しており

 

エルフの王女は妖精の二つ名がつくエルフと黒髪のエルフとギルド受付嬢のエルフと何か話しており

 

いつものごとく朱い髪の女神と黒髪のツインテールの女神は言い争っておりそこに眼帯をしている赤い髪の女神と極東の神と好青年のような見た目の神が仲裁に入る

 

豊穣の女神と貴公子とした振る舞いをする金髪の神が楽しく談笑をしている

 

極東のファミリアの者達はファミリア同士で何かを楽しく話し

 

聖女と呼ばれる女性とガネーシャファミリア、ミアハファミリアの団長同士でら何かを話しており

 

店の中には様々な人たちが話しており、店の雰囲気の所為なのか外は白銀の世界になっているのに店内は暖かい感じがする

 

「ベル…」

 

店の中を見ていると金髪金眼の美しい少女が話しかけてきた

 

「こっち…」

 

ベルの手を引くと一つのテーブルの所で止まった

 

「はい…これ」

 

少女は二つ持ったコップの一つを渡してくる。コップに入っているのはベルが店に教えた果実ジュースで少女の大好きな飲み物だ

 

「ベル様が合図を言ってくださいね」

 

「皆さん既に飲み物を手に持っていますから」

 

小人族の少女と狐人(ルナール)の少女が促してくると、既に店内にいた全員が手にコップを持ってこちらを見ていた

 

「そうですか……それじゃあ!せーの!」

 

 

 

 

『『『メリークリスマス!!』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

白銀に染まったオラリオ、建物の中からは灯りがついており笑い声が聞こえてくる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホーッホッホー!メリークリスマァス!

 

 




如何でしたか?皆さんは今日はどのように過ごすか
彼女と過ごすか
家族と過ごすか
一人で過ごすか

作者?……さ、察して(泣)

とまぁ、そんな事は置いておいて、皆さん楽しく過ごしてくださいね。年が変わるまであと少し今日という一年に一度のイベントを楽しくお過ごしください。年末ガチャ引かなくちゃ

それと感想ください

ください
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。