ロールプレイの数だけ違う狩人が存在している。
協力プレイ時は並行世界の狩人を呼んでいる。
でも、どの並行世界でも青ざめた血を求めて、狩りを全うしている。
そこから、クトゥルフ神話要素を足して考えてみた設定のお話。
駄文ですがよろしくお願いします。
血と、悪夢と、何よりも狂気で満たされた獣狩りの夜に、一人の狩人が其処に居た。
それは、遠い外からヤーナムに訪れた、異邦の服を纏ったもの。
それは獣を狩り、人を狩り、眷属を狩り、上位者を狩り、悪夢を、夢を狩った。
そんな狩人が、なぜヤーナムへやってきたのか、その目的は分からない。
病を癒すため、血の医療を求めて?
青ざめた血という何かを求めたから?
狩りの血に酔うために?
夢の秘密に惹かれてしまったから?
或いは、目的や理由なんて無いのかもしれない。
他の狩人と共闘することもあれば、気紛れに敵対し、狩る事もある。
狩人狩りの意志を継ぎ、血に酔うものを狩り。最期の血族となり、穢れを集め。
清き処刑隊として、穢れた血族を殲滅して。連盟の一人として、蔓延る虫を潰す。
獣に抱かれ、人ならざる爪を振るい。何かの苗床となり、神秘の秘儀を扱う。
細身の少女であれば、屈強な大男であったり、
老いさらばえた老人、上品な紳士や淑女なこともある。
そんな正体不明の狩人。
けれど一つだけ、月の香りがする事だけは変わらない。
その狩人のやっていること、やろうとしていることは分かる。
狩りを全うする事。
そのために青ざめた血を求めている。
なぜ、私がこんな思考をしているのかは、自分でも分かっていない。
ただ、私はその狩人の事が分からなくなってしまった。
男だという記憶もあれば、女だという記憶もある。
人並外れた膂力を持って獣を狩っていたという記憶もあるが、
技術をもって足りない力を補っていたという記憶もある。
好奇心は猫を殺すというが、疑問を解決するためにも、
私はそんな狩人が何者なのか、調べてみようと思う。
今夜も黄金、いや、まるで血のように赤く、紅く、朱い真紅の月が私を見下ろしている。
そう、私は知ってしまった。
瞳を得てはいないけれど、狂ってしまったから。
獣狩りの夜の、隠された秘密を、青ざめた血の夜を。
「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように、
気をつけなくてはならない。
深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだから。」
あの狩人は「深淵」、そんな生易しいものではない「混沌」であった。
それは在るけれど、無い。月に吠える怪物、上位者と呼ばれるもの、いや「神」というべきもの。
そんな、理解外の存在が、黒く、飲み込まれそうな底なしの孔が空いた貌で、
にたにたと嗤いながら、こちらを覗いていたのだ。
これは、どこにでもいる狂人の妄想かもしれない。
それでも、誰かに知っていてほしい。
確かに私という存在がいた証を残しておきたい。
この世界は狂気に満ち溢れている。
獣狩りの夜の青ざめた血の空だけではない。
空に輝く太陽は昏く黒い、海には底知れぬ何かが存在している。
それでもどうか、 私のように狂気に負けないでほしい。
手記はここで途切れている。