でなければ人理修復中にサバ☆フェスとか正気ではないので……
割と公式も普段からそうな気もしますが。
ある時、私を含めた4人……5人を除き、カルデアから職員とサーヴァントが消え去った。
残ったのはマスター、マシュ、ドクター、私と……殺生院キアラというサーヴァント。不思議なことに前も会ったことがある気がするのだが、この殺生院とは何時何処で会ったかが思い出せない。兎も角特異点にはこの中でドクターを除くレイシフト管理ができるという理由でマシュが残り(最後まで付いて行きたそうにしていた)、マスターと私と殺生院がヤマトの江戸時代とやらに特異点を解決にレイシフトするのであった。
深刻な攻撃であったため引き締める私達であったが、途中で徳川ムニエルとやらという妙にやる気の削がれる存在や、二つの人格を宿したパールヴァティ、マツダイラという妙に顔色の悪い侍や今回の特異点の原因であろうカーマなどと出会い大奥の攻略に向かうのであったが……
「マスター! 床が
「ああ、なんてことでしょう! これでは禁欲の意味がなくなってしまいます!」
「なんでお前は嬉しそうなの!?」
「待って虞さん! 絡繰りがシェヘラさんの話に夢中で多く寄ってきてそっちに近寄れない!」
「今宵はこれまで……あ、ごめんなさいまだ続けますから武装蜂起はやめてください死んでしまいます」
「なんですかこの薄い書物は……む!? 春画のような書物が一斉に襲いかかかって!? ……え、未来ではこのようなやり方が……なるほど」
「あの、春日局さん。じっくり読み耽らないでください……なるほど」
「あら~やぎゅうって、分身もできたのかしら~?」
『大変だ! マタ・ハリ君が何故か酩酊状態に!?』
「落ち着かれよマタ・ハリ殿。分身は5人分しか出せぬ」
『柳生さん分身できるんですか!? あ、ドクター、柳生さんも酩酊状態です!』
なんというか、阿鼻叫喚だった。
五戒とやらを破らせる構想や、サーヴァント達が大奥の材料になっているという様々なことはあったが、やけに私達はカーマの策略に嵌っている気がする。……いえ、なんというかカーマの意図していない所にまで嵌っている気がするのは気のせいだろうか。
「なんなんですか貴方達は! 私の愛を無視して大奥の真っ只中でお茶したり、絡繰りを話で夢中にして一緒に行軍したり、酔ったら爆発して元の状態に戻ったり、“盗みではない。元から私のモノであったのだ”とか言って回避したりとか訳が分からないですよ!」
どうやら気のせいではなかったようである。
妙に不機嫌なカーマであったが、それでも私達を愛そうなどと言う。ちょっと涙目だったのは気のせいだろうか。
◆
ある時の大奥事件が収束した後。様々な後処理に追われ通常業務に戻るのに時間がかかった。
私とマスター、マシュとドクターはその間少ないメンバーで働いた分、半ば強制的に休まされていた(殺生院は何故か居ない)。私はともかく、他の三人はこれを機に休みをとってほしいと言う計らいもあるのだろうが。
只でさえ
「「「だったら私達で
「帰れ」
……だというのに、なんで
ご丁寧に3パターンの成長した姿で大奥事件の首謀者は、何食わぬ顔で私達の前に現れている。あの大奥事件の後の普通に召喚サークルから召喚された時は、マスターも驚愕の表情になっていた。なんでも人類悪としての力は失われているが、こうして増えたりしたりする機能は失われていないらしい。疲れるので基本は一基状態でいるそうだが。
というよりこういうヤツはすんなりと召喚されるのに、項羽様はなんで召喚されないのよ。嫌がらせ? 嫌がらせなの?
「それって貴女が項羽って人に嫌われているという事では?」
……へぇ、良い度胸ね。
この女神(?)、あの大奥に関わったサーヴァントに対して妙に絡んでくることが多い。余程自身の思い通りに事が進まなかったのが腹立たしかったのだろうか。黒髭と刑部姫が好む薄い本をカーマに投げつけたり、大奥の中で鍋を食べ香りにつられた敵を倒したりその他諸々しただけだというのに。……碌なことしていないわね、私達。
ともかく、喧嘩を売られたからには買う。特に項羽様関連は決して許さない。
私はカーマを睨み付け、カーマはクスクスと笑う。緊張した空気がこの場を流れて――
「二人とも落ち着いてください! 喧嘩するならケーキは無しになりますよ!」
「藤丸くん、それで二人が収まるとは――」
「……仕方ないですね、休戦です」
「……ええ、後で覚えてなさい」
「収まった!?」
エミヤ特製だからと言って落ち着いた訳ではない。決してカーマは許さないし、相容れないだろうけれど、ケーキに罪は無い。……よし、後でカーマには戦闘を――あ、美味しい。エミヤいつもより気合入っているわね、これ。
◆
ある時、カルデアが一時的な食糧難になった。
大奥の事件以降、レイシフト関連の見直しでレイシフトとシミュレーションが出来なくなり、宝具が上手く起動せずトータなどの能力で食糧補給も出来ずで食糧を切り詰めることになった。サーヴァントは一時的な待機状態で食事はせず、職員も代用品などで食事を細々と摂っていた。……こんな状況でもマスターを含む職員達は、サーヴァントに気を遣っているのは本当に相変わらずである。
「エミヤ、今日のご飯は?」
「デデ肉ハンバーグとジャガイモパンとタンポポコーヒーだ」
「ねぇ、エミヤ。ここって世界大戦中のドイツだっけ」
「……Kパンで無いだけマシだと思ってくれ」
エミヤもマスターも苦々しそうな表情になる。マシュもドクターもやや沈んだ表情である。
……まぁ私も一口食べたら「もうやめておく」と言いたくなる位には、普段と比べると不味い物である。食べられるだけマシなのかもしれないが、毎日これでは気も滅入るものである。
改めて考えると、エミヤが最初に言っていた「サーヴァントであろうと食事を摂れ!」と言っていたのは案外間違っていなかったのだろうか。今の私は食事もキチンと摂っていて美味しいと思う程度には楽しんでいたのだ。改めてこの食糧難に直面して、レイシフトなどの面倒事の後に食事をするという行為が平静を保つのにどれだけ効果的か理解した。
と、私が3人が食事をしている所を眺めていると、アルトリアが私に近寄ってきた。
「虞。サーヴァントとしてではなく、貴女の友として相談があるのですが」
アルトリアが相談とは珍し……くもないわね。
「どうかした?」
「私を含めて食事が摂れないことで、私の別側面が割と荒れているのです。……私もいずれああなるのでしょうか」
……確かに荒れていたわね、アイツら。ケイローンを見て「馬って刺身に……」とか言っていた時はケイローンも逃げていたし。赤兎馬も「私は呂布なので刺身には出来ません」といつもより真面目に否定していた気がするし。千代女が出す蛇やキャスターのジルが出す海魔も食えるのではないかとにじり寄られて逃げていた。アイツらの食事への執着は他よりも強い気がする。
「大丈夫よ。アルトリアがどうなっても私は見捨てないから」
「つまり私もああなると言いたいのですね!」
否定はしない。確かに荒れているのは別側面であって、私の目の前にいるアルトリアは自身を律し続けた存在ではある。が、同じ自分という事には変わりない。そもそも海に出たら水鉄砲を改造して遊びつくしていたのだ。割と油断をすれば変わらなくなることは否定できないのである。それに見るからに士気は下がっているし。
「ガヴェイン卿のジャガイモを磨り潰しただけの存在でも恋しくなる時が来ようとは……」
あれ、割とマズい状態じゃないかしら、これ。
◆
「……そうね。アルトリア。ちょっと協力してくれるかしら」
ある時、食糧難中のカルデアにて。私とアルトリアはとある区画に来ていた。居るのは私とアルトリアのみ。アルトリアもこの区画には来たことが無いのか、周囲を観察している。
「虞はカルデアについては詳しい所がありますよね」
「そうかしら?」
「ええ、私より後に来たと言うのに妙に慣れている所があると言いますか」
そのカン自体は間違いではないのだが、肯定は
此処にアルトリアを呼んだ理由は試したいことがあったからであり、今の待機状態のカルデアならば注視されることもないだろう。……この場所ならばレイシフトも宝具も使用できる可能性がある。あらゆる事象が、曖昧となっているのだから。
「ねぇ、アルトリア――お前、口は堅い?」
◆
おまけ
「考え込んでどうしたの、マスター」
「あ、虞さん。えっと、カーマって大奥で俺達と会った時って、幼い姿だったじゃないですか」
「そうね。10に満たないくらいかしら」
「外見は相対する相手の好みの年齢になるんですよね」
「そうみたいね」
「俺達が来る前に当時の将軍を誑かしたりしたんですよね」
「ええ」
「つまりあの姿って……」
「あの姿って?」
「あの外見が将軍の一番好みで、誑かされたってことに――」
「それ以上はやめなさい」
それ以上の追及は色々と引っ掛かる可能性があります。