東方地底生活記   作:Cr.M=かにかま

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新年初投稿です
今年もよろしくお願いします(^^)


十/何もかも人に責任を押し付ける奴ほど器って小ちゃいモノなんだよ!

「だから、私は絶対に帰らないからね!」

 

「うるさい!今日は蒼蔦と二人で新製品の開発するんだから帰ってよ、まだ誰にも見せてない代物なんだから!」

 

「じゃあ私と蒼兄がその代物の第一使用者として名前を刻んであげる!」

 

「き・さ・ま・の、名前は不要じゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

「........はぁ」

 

俺は現在、目の前の光景に頭を抱えている、いや本当に頭抱えているよ

片手だけど...

俺と一緒にここまでやって来たこいし様もムキになってるし、俺が会いに来たにとりの奴も何か今まで見たことないくらいとんでもない形相になっちゃってるし...

本当、なんでこうなったんだろうな

 

「お前ら一旦落ち着けよ、冷静に話し合えば状況は...」

 

「もう埒が明かないわ!弾幕ごっこで決着つけるわよ!」

 

「上等だ、河童の技術力の凄まじさを見せてやるよ!!」

 

「悪化させてんじゃねぇよ!何をどう討論したらそんなことになったのか聞きたいわ!!」

 

『幻想郷の常識に従ったまで!』

 

「なんでそこだけ息ピッタリなんだよ!」

 

俺がぜェーぜェーと息を切らしている間に決戦の火蓋は切れてしまったようで俺を部屋に一人残して二人は外に出てしまった

....全く、お互いに怪我をしなきゃいいが二人とも妖怪で一応非殺生設定のある戦いなので多少は大丈夫な筈だが、

 

「.....止めに行こう」

 

それが中途半端な改造を施された人間がするということは大変無謀なことで承知の上だ、だけど俺はやはり争ってほしくない

こいし様もにとりも俺にとっては大切な人だから!

 

俺は扉のドアノブを捻り外へと走り出した

 

 

 

さて、何がなんだか全くわからない画面の向こうの皆様の為に少々時を戻しまして説明いたしましょう!

紅魔館のメイドと吸血鬼(姉)のいた八百屋を後にして人里を出た俺とこいし様は妖怪の山の麓に移動した

 

「蒼兄、誰に説明してるの?」

 

「あれ、俺何か言ってました?」

 

「よくわからないことを言ってたよ、画面の向こうの皆様とか何とか」

 

「.....俺そんなこと言ったっけ?」

 

どうやら俺は最近疲れている上に若干こいし様の【無意識を操る程度の能力】の影響を受けてしまっているらしい、いや影響が及ぶ能力かどうかはしらないけどさ...

とりあえず妖怪の山の麓にある河童工房の近くまで来ています、きゅうり持参で

ここ重要ですよ!

俺は数ある工房の中で[NI☆TO☆RI]と表札の掛かっている扉の前まで移動する、こいし様は辺りにある電子機器らしきモノが珍しいのかさっきからキョロキョロと辺りを見回している

まぁ、俺は外の世界の最先端の電子機器を見てきた上によく来ているからそこまで珍しくはない

しかし、前来た時よりも数が増えてる気がする...

あの車輪と電子レンジらしきモノを組み合わせて発電しそうな装置とか、伸びるアームの手の先がベタベタの得体のしれない液体がポタポタと垂れているモノとか、無駄にデカイ扇風機か室外機かよくわからないモノまである

いや〜、こうして見ると外の世界の技術は進んでるな〜

本当、正直に思ってしまう...

 

俺はとりあえず扉の横に設置されているインターホンを軽く押す、これも河童の技術と俺の外の世界の知識の賜物で地霊殿にも設置されているが普及が進んでいないので誰も使い方がわからず出番はほとんどない、撤去の案も出ているくらいである

 

プルルルルルルルルルル....

プルルルルルルルルルルルル....

 

「いや、なんでだよ!」

 

インターホンを鳴らすと何故か電話の呼び出し音が鳴り響く、恐らくにとりが設定したと思われるがこのチョイスはどうかと思う

ていうかこの前来た時は普通だったのに!

俺が一人で頭の中を整理していると扉の奥から「はーい!」と少々テンションの高い声が響く、多分インターホンを使ってもらえたことに激しく喜んでいるのであろう

そして、ガチャッと扉が勢い良く開かれ、

 

「はいはーい、お越しいただきありがとうございます、いつも笑顔がモットーで安全使いやすいことで有名な河城にとり印の最先端機械はこちら........」

 

...もの凄いハイテンションかつ早口でウキウキとした表情が俺の姿を捉えた瞬間に凍りつく

緑の帽子に青い髪をツインテールで結び、やはりこれまた薄い青色の服を着た河童の少女、河城にとり(かわしろにとり)が顔を真っ赤にして、

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

 

盛大に泣き叫んだ

 

 

 

「で、これは俺が悪いのか?」

 

「悪いね、悪くなかったら今日は厄神様が幸せを運んでくるよ!」

 

「理不尽だろ!」

 

俺とこいし様(にとりには見えていない)はとりあえず工房に入れてもらうことに成功した

成功の秘訣?きゅうりだよ

 

「でもきゅうりを持ってきたのは流石ね、私のことをよくわかってる証拠だわ」

 

という具合にまぁ、チョロいモンです

にとりのきゅうりの食し方は非常にシンプル・イズ・ザ・ベストの象徴で水で洗ったきゅうりをかじる、以上でありたまに酒と合わすと言った具合である

 

「そういやにとり、この前設計段階だったアレできてるか?」

 

「あぁアレね、勿論できてるよ!最高傑作!後で渡すね」

 

「悪いな、他にも作りたいのあったのに...」

 

「いや全然いいよ、アレはアレで作りがいあったし!」

 

こんな感じで俺とにとりはいつも二人で外の世界の技術とか発明品の自慢などの雑談で時間を過ごすことが多い、たまに一緒に制作することもある

しかし、今日の客は俺一人ではない

 

「ウゥ〜グルルルルルルルル...」

 

「こ、こいし様?」

 

何やら不穏でヤバそうな雰囲気が出ている!

まずい、これは怒っている!

以前、おくうがこいし様のプリンをこっそり食べた時の雰囲気にそっくりである

しかし、にとりにはこいし様の姿は見えていない

......大丈夫かな?

 

「....ねぇ蒼蔦、さっきから隣で唸ってる子は誰?」

 

「気がついてたァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!?」

 

まさかの展開だ、非常にまずい!

 

「って!それ私のきゅうり!」

 

「べ〜だ、蒼兄が買ったきゅうりだから別に私が食べても何の問題もないし」

 

「そ、蒼...兄...!?」

 

何やらにとりが額に青筋をピキピキと浮かべて穏やかな状況ではなくなってきた、こいし様も何か次々ときゅうりを食べ始めるし!

 

「ちょ、待っ、それ私のきゅうりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!しかも許せない、そのどこから持ち出したか知らないけど味噌に付けて食べる食べ方、解せぬ!!」

 

「あなたこそ何、ガジガジと噛んでごっくんなんて下品な食べ方!そんなんだからいつまで経っても男できないんだよ、この引きこもり!」

 

「ひ、ひき、引きこもり...」

 

ま、まずい、非常にまずい!!

俺は傍観者の立場であり本来ならば中立的な立場で成り行きを見守らないといけないのだが二人から漏れ流れる妖気がビンビンと肌に伝わってくる!

それを証拠にホラ、冷や汗ダラダラだよ!

ていうかこいし様ってこんなにグイグイいくタイプだっけ!?

 

「帰んなさい!きゅうりを生で食べる素晴らしさと研究開発の醍醐味を理解できないチビはさっさと!」

 

「あなたにチビって言われたくないし!!」

 

「い・い・か・ら・か・え・れ!ここは子供の来る場所じゃない!」

 

「私子供じゃないし!」

 

「コイツ....!!」

 

そして冒頭に戻って欲しい

その後もエスカレートする暴言の嵐もあり、何やかんやで弾幕ごっこにまで発展してしまったこの争いを俺はどうすることもできなかったんだ

 

だから俺はこの二人を必ず止める、結構矛盾とかいっぱいある気もするけどそこはご都合主義で乗り切ってやる!

この幻想郷では常識に捉われちゃいけないって、どこかの現人神が言ってたくらいだからな!!

 

結論、俺は悪くない!

 

 




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