はは、何のことやら?
結論から話そう、やはり初めて作るモノは上手くいかない
旧都の商店街で具材その他必要な食材諸々を購入して、いざ調理!と勢いに任せて調理を始めてみたものの形が整わなかったり、分量を間違えてしまったり、何故かめちゃくちゃ美味しい小籠包ができてしまったりと肉まんがどうしても完成しなかった
おくうはおくうで珍しく旧都で問題を起こさなかったものの手伝いとか言って制御棒で火力調整に失敗し試作品を消し炭にトランスフォームさせたり、まだ具材しかない中身だけをつまみ食いをしたりととても上手くいく要素がなかった
そんなわけで...
「なんで私の家に来ることになるんでしょうね!?」
「いや、こういうの上手そうだったから」
ある仙人のお宅におくうと一緒にお邪魔しちゃってます☆
彼女の名前は茨木華扇(いばらぎかせん)、一応仙人らしい
当の本人は俺たちの突然の訪問に頭を抱えて「なぜこの場所が...」などと呟いている
「そもそもどうして私が肉まんとやらを作るのが上手いイメージになっちゃってるんですか?」
「チャイナドレス着てるし雰囲気が中国だったから」
「それならばあの紅いお屋敷の門番の方が中国だと私は思うんですけど!?」
「いや、あいつが料理できるなんて到底思えないし」
「それ明らかに偏見!?」
いやだって、あいつが料理って想像もできないよ
俺も始めは紅魔館に行こうとしたんだけどニンニク料理とか絶対に出ないと思うしね、あそこのお嬢は天下の吸血鬼様だし
「心配するなって、具材はこっちで全部用意してるからさ」
「もう私が作ること確定!?」
「茨木、お前さっきから突っ込みしかしてないよな、そんなんで疲れないか?」
「誰のせいだと思ってるんだ...!」
突如豹変した茨木が殺気立った声でドスの効いた声で俺を睨みつける
.....ヤベ、超怖い!
「マジ頼むよ茨木、俺も既に17回くらい失敗したけど手伝えることあったら全力で手伝うからさ!」
「.....ハァ、仕方ないですね」
こうして第二次肉まん調理作戦が始まったのであった
※
「え、茨木お前肉まんを知らないのか!?」
「知るわけないじゃないですか、人里でも見かけたことないですし」
「マジか...」
俺は少し悲しい気持ちになった
まさかまだ幻想入りしてなかったなんてな、道理で単品で売ってないわけだ
あまりにも幻想入りする前まで普通に買っていたから感覚がおかしくなってしまっているのかもしれない
やはり幻想郷は奥が深い!
「簡単に言うとだな、豚肉をミンチにしてニンニクとか他にもいろんなものを混ぜた具材を」
「豚、肉を....ミンチ....!?」
なんだか茨木が俺の横でとんでもないモノを見た白黒の劇画タッチ風の驚いた表情になってしまっている
あれ、なんか地雷踏んだかな?
「ダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメですダメです絶ッッッッ対にダメですよ、生き物の命を犠牲にしてまで作るほどの品じゃありません!」
「と、とりあえず落ち着け、首が、首が絞まってるから!」
しまった、こいつの動物に対する愛というか認識を忘れていた!
茨木は動物愛護団体の会長か!くらいの動物愛好家でもある
そんな彼女に豚肉を使うなど、かなりの禁句だったりもする!
「銕さん、あなたまさか他にも罪のない動物達の命を狩りその身を食し生活してきたわけではないでしょうね!?」
「ハハハハ、何をそんな馬鹿な、こ...............と.................を...................................おっしゃいますか!」
「なんですか!?今の微妙に長い間の末に開き直ったように答えるあなたは一体なんなんですか!?」
本音を言ってしまえば思い当たる節がいくつかあったなんて今のこのテンパって理性が半ば飛びかけている仙人に言うことなんてできない
そう言ってしまえば俺の命どころか肉体が消し飛んでしまうだろう
仙人だからってお慈悲は期待できない、それにコイツは俺がサイボーグだってことを知らないから下手に力を使うわけにもいかない!
「蒼蔦ー!」
俺が命の危機(?)に陥って希望を失いかけたその時、外で茨木邸に集まった動物たちと戯れていたおくうが厨房の扉を大きく開け放った
「おくう!」
「ねぇねぇ。肉まんまだできないの?」
茨木は一先ず俺の首から手を離してくれた
状況が状況だったからな、茨木もおくうが乱入してきたことから理性を取り戻したんだろう
「悪いな、実は豚肉がなくてな」
「へへへ、そうだと思ったよ。やっぱり私凄い!」
『え?』
俺と茨木は言っていることがよくわからず思わず声を揃えてしまう
おくうはパァッとキラキラした笑顔で右腕に持っている何かをズルズルと引きずってここまで持ってきたようだ
何か嫌な予感しかしないのだが...
「.......おくう、何だそれ?」
「豚。」
瞬間、ドサッという効果音とともに茨木はブクブクと泡を吹いて気絶した
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