東方地底生活記   作:Cr.M=かにかま

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地霊殿は今日も平和です


一五/後先考えずに行動することが迷惑なのは結果的にいい方向に進むなんてことはほぼ確実にないからだよ!

因果応報とはまさにこのことであろう

 

「......マジ悪いって、このことは本当に俺が悪かったって」

 

「......もう謝っても仕方ないからさっさと終わらせよ」

 

「了解」と俺は隣で箒で床の埃を集めるお燐に簡単に返事を返す

俺は引き続きそのままステンドグラスの水拭きをひたすら続ける

 

どうしてこんなことになったかって?

 

中庭でお燐のことを弄んでると激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリーム状態のさとり様がやって来て長くありがたい説教を述べ五時間位行われ更に罰としてお燐と供にロビー全体の掃除を任されたというわけで今ココである

さとり様は去り際に「そんなにお燐といるのが楽しいならもっと居ればいいじゃないですか...」と顔を逸らしていたことも説明に加えておこう

 

.....まぁ、今回は全面的に俺が悪いので一番の難所で誰もが避けるステンドグラスの掃除は俺がやっている、というか最初からココの担当だったんだけどね

ちなみにさとり様やこいし様、おくうは既に就寝してお休みなさってる

地底だから時間の流れがわかりづらいが半年もここで生活していれば体が覚えてしまうようで正確ではないにしろ大体の時間は把握できる

しかし今は時間など大した問題ではない、今は目の前の与えられた使命を果たすのだ銕蒼蔦!

 

「ねぇ、ちょっと塵取りやってよ」

 

「そんくらい自分でやってくれよ、俺だって自分のトコやんのに精一杯なんだからよ」

 

「.....こんなことになったのは誰のせいだと思ってんのよ?」

 

「満更じゃなさそうな表情でニヤけてたのはどこのどいつだよ?」

 

「サ、サァーネー、ダレノコトカシラネー」

 

「この部分終わったら手伝ってやるからさっさと自分の世界から戻ってこい」

 

俺は明後日の方向に目を向けているお燐をジト目で睨み溜息を一つ吐く

ステンドグラスの自分の背丈と梯子で届かない場所は俺の右腕に搭載されているマジックハンド顔負けの伸縮機能(最大2.4m)を使いゴシゴシと作業を進める

 

八咫烏の姿が描かれたステンドグラスは徐々に本来の輝きを取り戻し、灼熱地獄が照らす光を反射するように全方位に光を放つ

お燐の方も随分と埃が集まっているようだ、というか俺に頼まなくても普通にやった方が絶対に早く終わりそうなんだけどな...

俺は一旦梯子から降りてお燐に声を掛けようと汗を拭いながら近づく

 

「おいお燐、そろそ....!?」

 

「....?どうしたの??」

 

俺は目を疑った、何故...

カッ、と物凄い形相で普段の二倍程目を見開いた(お燐談)俺はワナワナと震え始め(お燐談)ゆっくりと目に写ったそれを指差す

 

「そ、それは.....」

 

「一体何なのよ?」

 

お燐はうんざりした様子で俺を睨む

今思えばこの地霊殿の面子の中でも一番ギクシャクした関係から始まったのはお燐だ、その影響かは知らないが今でもたまにお燐と口論になることが多い

だから彼女は恐らく冗談抜きでうんざりしているのだろう

でも仕方ないじゃないか、誰にだって嫌いなモノの一つや二つあるのだから

 

それは美しい黒く不気味な光沢を放つ

 

それはユラユラと怪しげな雰囲気を醸し出す

 

それは両の瞳をギラリと光らせている

 

それは非常に生命力の強い生き物でちょっとやそっとじゃ倒せない

 

それはカサカサとゾクっとする音を響かせながらひたすら床を歩き回る

 

それは時々宙を舞い万人を恐怖のどん底に叩き落とす

 

それ、いやそいつは.....!

 

「GO☆KI☆BU☆RI...!」

 

厄災の悪魔が俺の前、今ここに降臨したのであった

 

「何でお前がこんなとこに!?」

 

「ちょ、あんた?どうしたの?」

 

「クソッ、やはりこの世界でも覇権を握るつもりか!?そうはさせねぇぞ、こっちじゃ向こうと違って貴様を死滅させる方法なら何万通りもあるんだ、覚悟しやがれッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

行け、お燐!君に決めた!!」

 

「なんであたいが!?」

 

俺は悪夢の蟲神、通称プロフェッサーGから距離を三メートル開き安全圏へと避難する

本来ならば百メートル避難しなければ本当の安全とは言えないのだがそこまですれば地霊殿を出て旧都を越えて灼熱地獄の果てまで行かなければならない!

大袈裟と思った画面の向こうの皆様、断じて大袈裟などではないッ!

全ては自分の身を守り世界を奴から守り抜かねばならんのだ!!

.....あのトラウマを生んだ悲劇はもう繰り返してはならない!

 

「.....ていうかいつまでそこにいんのよ?」

 

「奴が完全に姿を消すまでだ、いいかお燐。決して奴を怒らせてはならない、付け加えるならば叩き潰すのもアウトだ。奴の繁殖力を甘く見た瞬間命を落とす瞬間だと思え!!」

 

「.....でもたかがゴキブリじゃない」

 

「その名を呼ぶなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

俺は耳を塞ぎ地霊殿が震えるほどの大きな声で叫ぶ

その様子にお燐はきょとんとした後ニヤニヤと怪しげな笑みを浮かべているのが俺の目にはハッキリと映った

何か「ヘェ〜あんたってこんなのが苦手なんだ〜」的な思考がさとり様ではないが普通に伝わってくる!

 

「ねぇねぇ、ちょっと塵取りが動いてゴミが入りにくいからあんた塵取り支えててよ」

 

「なら塵取りをこっちに持ってきてくれ」

 

「あんたがこっち来なさいよ」

 

「絶対にヤダ!」

 

俺はゴキ○ェットを両手に構えながらお燐の言葉を否定する

というか否定するしかない!!

だがお燐があんな態度で奴があそこにいてはいつまでも掃除が終わらない

俺は妖怪でも神でもなく人間だ

妖怪や神と比べても傷つきやすく疲れやすく腹も減りやすい

つまり俺は掃除を早急に終わらせて睡眠を十分に取らなければならないのだ!

だというのに奴がそれを遮る!

 

.......クソ!こうなったら最終手段だ!

 

「殺られるくらいなら殺ってやる!!」

 

俺は左の脇腹をパカッと開き中に搭載されていた筒状の棒を一本取り出す

見た目はおくうの制御棒と近いモノが見られる

俺はそれをそのまま左腕に装着して右手で持ち手を握る

そして奴に狙いを定める

 

「覚悟しろ....!俺が跡形もなく増殖できぬように消滅させてやる...!」

 

「ちょ、あんた!それが何だかよくわからないけどいくらなんでもそれは大袈裟!」

 

「説明しよう!これこそ俺とにとりの技術とおくうの制御棒と八卦路の構造を組み込み更には応用し魔法と科学技術の応用して完成した俺専用の兵器、超エネルギー圧縮砲!大気中に漂う僅かな霊力や魔力、妖力、神力とありとあらゆるエネルギーを一点に集中させる術式とおくうの核融合にも匹敵するエネルギーを生成し白黒魔法使いのマスパよりも鮮やかで派手な超高温の熱光線を放出する俺の持つ一応非殺生設定搭載の最高最強の武器!しかもまだ一度も試し撃ちはしたことはないッ!!」

 

「よくわからないけどなんでおくうのエネルギーに匹敵する力をゴキブリ一匹のために使おうとしてる訳!?ゴキブリは確かに跡形もなく消滅するだろうけど地霊殿が保たないよ!!」

 

「奴が消えることと比べたら苦でもないさ」

 

「爽やかにさらっと何言ってんのよォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!?」

 

俺は叫ぶお燐をスルーし奴に狙いを定め、持ち手にあるグリップを軽く捻りエネルギーの充填を始める

俺の体の中に含まれる僅かな霊力と大気中の様々なエネルギーが一点に濃縮され淡い光を放つ

 

「ちょちょちょちょちょちょちょちょちょちょ!?本気で撃つ気なの、地霊殿壊れちゃうよ!?」

 

「建て直せば済むことだ!」

 

「その前にゴキブリ見逃せばいいことだとあたいは思いまーす!」

 

「これも地霊殿と俺の生活環境の保護、そして俺のトラウマと過去をこれ以上刺激しないため必要なことなんだ!」

 

「ほぼ自己中心的な考えで地霊殿を崩壊の危機に晒さないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

お燐は顔を青くし冷や汗をダラダラに焦りに焦って俺の体を羽交い締めで抑えてくる

彼女の未発達な貧乳が体に当たるが今はそんなことで欲情している場合ではない!

一刻も早く奴にトドメを!

 

充填が完了し発射の合図とともに膨大なエネルギーが一直線放出される

 

「くらえG!レーザービーム!!」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」

 

レーザービームは一直線に標的に向かって放出された

 

(あれ?ゴキブリはどこに...)

 

地霊殿に淡い光が包み込んだ

 

 

 

「それで?一体掃除をするだけで何でこんなに散らかるのかしら?」

 

「す、すみません」

 

結論から言わせてもらおう

俺がレーザービームを放ったときに奴は既にカサカサとその場を移動してしまっていたのだ

お燐はレーザービームの威力に腰を抜かして動けずにその場にぺたりと座り込んだまま一歩も動かなかった

俺は奴の捜索のためレーザービームを放ったバケモノ兵器、G.Ⅱ.k-nitori7を装備したまま捜索したのだが騒ぎを聞きつけたさとり様が目を覚まして先ほどよりも目が虚ろな笑顔でニッコリと俺の機械化してるはずの肩をミシミシメキメキと跡が残るほど強い力で握り締められて現在説教を受けています

 

「い、いや、ですがさとり様。奴を退治することには床の大穴一つ小さな被害ですよ、名誉の傷ってやつですよ!」

 

「問答無用です、たかがゴキブリごときにこんな強力な力を使う貴方には少しO☆HA☆NA☆SIが必要です」

 

さとり様は額の青筋をビキビキと皺の寄ったお婆ちゃんのように険しい表情に変えていく

その姿が般若か修羅かに見えてしまい先程から冷や汗が止まる気配がない

 

「へぇ〜お婆ちゃんときて般若に修羅........ね♪」

 

「...................」

 

その後、さとり様が呼び寄せた白黒閻魔様と動物仙人様のお二方を加えた説教が半日近く行われ、さとり様にG.Ⅱ.k-nitori7を没収されたのは言うまでもあるまい

 




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