どうも、空です。
みんなからはお空ってよく呼ばれてます!
今日はみんなお出掛けしてて、とても退屈です!
さとり様と蒼蔦は地上の人里、お燐は買い出し、こいし様は、相変わらずどこかへ行っちゃってる。
私はというと、バイトもないし、やることないしで、ひーまひましてる感じ。
地上に向けてメガフレアしちゃおうかな?
核融合でドッカーンと花火打ち上げちゃってもいいかな、え、だめ?
お燐からはお留守番しててって言われてるけど、出掛けたい気持ちでいっぱいです。
うにゅ。
ちょっと前まで、蒼蔦は地霊殿にいることが多かったのに、最近は皆と出掛けることが多くて忙しそう。
さとり様とは難しい本の話してたし、こいし様の友達のこころちゃんとも会うことが増えたみたい。
お燐とも仲良くなさそうなのに実際はすっごく仲良しだし、嬉しいんだけど、ちょびっと寂しい。
お兄ちゃん、がいたらあんな感じなんだろうなぁっていうのが蒼蔦。
みんなからもそんな感じだし、人間で一番年下なのに変な感じ。
さいぼうぐ、っていう種族みたいだけど、よくわからない。
蒼蔦に聞いても難しい話になっちゃうから、あまりこのことは話したくないの。
そういえば、お燐が蒼蔦を拾ってきたときは本当に死んじゃってるんじゃないかって思ったんだよ。
お燐は残念がってたけど、さとり様は悲しい顔してた。
わからないけど、私もそれで悲しくなった。
最初、蒼蔦はみんなと仲良くできてなかったから、私にとってはとても嬉しい。
でも、一番最初に仲良くなったのは、このお空なんだから、そこのところみんなわかってほしいな!
蒼蔦はバカに見えるけど、私より賢い。
いんてりってやつ、寺子屋で習った。
さとり様の書斎の本もよく読んでるみたいだし、男の人ってだけで本は好きじゃないと思ってたんだけど、わからないなぁ。
うにゅ、そういえば、お燐はいつになったら蒼蔦のことを名前で呼ぶのかな?
帰ったら、聞いてみよう。
あ、こいし様帰ってきた!
トタトタトタ、って足音がする。
「ただいまー!あれ、お空だけ?」
「おかえりー!みんな出掛けてるよ!」
むいしきを操るこいし様は気配を感じにくい。
やっと慣れてきたけど、最初は出掛けるときも、帰ってくるときも気づけなかった。
でも、わかるようになって嬉しい!家族だから!おかえりが言えるから!
「ねぇねぇ、こいし様」
「なに、お空?」
「こいし様は、蒼蔦のことどう思ってる?」
「蒼兄のこと?」
うーん、って悩んでるこいし様。
「よくわかんない!」
「そっか!」
ははははは、よくわからない!
「だってさ、蒼兄人間なのに全然人間らしくないんだもん!」
「え、そうかな?」
「そうだよ!」
うーん、人間らしいっていうのもよくわからないかも。
「お姉ちゃんが蒼兄のことをあれだけ信用してるのも、蒼兄が蒼兄だからだと思うんだ」
「………うにゅ?」
「普通の人間ならお姉ちゃんは地霊殿に蒼兄を住まわせない、普通の人間ならお姉ちゃんは蒼兄を頼りにしない、そういうことなんだよ」
う、うーん?
そ、そういうことなの?
「私は、もう目を閉じちゃったから蒼兄が本当は何を考えてるかわからないけど、お姉ちゃんは違う。その上でお姉ちゃんが蒼兄を傍に置くのはお姉ちゃんなりの信頼、私達さとり妖怪にとって怖いのはドス黒い本性なの」
「え、えと、えっと…??」
「要するに、お姉ちゃんは蒼兄のことが大好きってかとだよ!」
「なるほど!私と一緒!」
「お空だけじゃないよ、お燐も私も、蒼兄は家族だから大好きなの!」
そっか!
それなら私もわかる!
「それじゃそれじゃ、蒼蔦も私達のこと大好きだよね!家族だよね!」
「もちろん!」
よかった!
「……て、なんでこんな話になったんだっけ?」
「うにゅ?」
「ま、いっか!」
こいし様はやっぱり凄いなぁ、みんなのことちゃんと見て考えてる。
私も見習わないと!
「ただいまー!」
あ、さとり様と蒼蔦だ!
「「おかえり!!」」
─家族が帰ってきた!
二年と六ヶ月ぶりの帰還。