東方地底生活記   作:Cr.M=かにかま

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八/偶然という言葉ほど、恐ろしく恨めしいモノはない!

「.....どこだここ?」

 

俺はまだハッキリしない意識を無理にでも覚醒させ、上体を起こす

どうやら木造小屋の一室らしい、辺りの雰囲気からして間違いはないはずだ

しかしこんな場所に覚えがない上に俺は何故フカフカの白いベッドの上で寝ていることすら理解することもできないというのに...!

 

よし、思い出そう!

まず俺は勇儀さんをさとり様に任せて地霊殿の食糧補給の為に人里へ向かうべく地上へと向かった、しかし地上に行く前に旧都で少し寄り道してラーメン食って店主と仲良くなって旧都を出てロッククライミングしてキスメの妨害に合ってキスメを説教して気絶...

あれ、何か大切なことを忘れてる気が...

この感覚は過去何度も体験したことがある、そして思い出すために...

 

鞄から財布を取り出し中から一枚の写真を取り出す

この写真は身肌離さず常に持っている、彼女を意識下に置くために必要なアイテムだからだ

 

「.....そうだ、俺はこいし様のスペルカードを全身に浴びたんだ」

 

俺は意識をハッキリとさせる、俺はあの時こいし様の一応非殺生機能らしいスペルカードをモロに受けて意識を手放したんだ

そういえばこいし様はどこに行ったのだろう、この小屋がまず何なのかをハッキリさせたいところであるがこいし様の安否の方が心配になる

こいし様も俺以上の力を持つ妖怪で本来ならば俺が心配される側なのだが、容姿が幼いので母性本能というか何というか、男のプライドがアドレナリンを刺激して心配せざるを得なくなってしまう

.....あと一つ言っておきたいが俺は決してロリコンではない、ついでに言えば変態と書いて紳士と読むクレイジーな考えも下心も持ち合わせていない!

性的欲求はないこともないが半サイボーグ化の影響で思考回路が少し普通の人間とはズレてるトコロがあるらしい、よって俺の性的欲求も常人よりも少ないらしいが細かいことはよくわからないのが本音だ

まぁ、こんなことを言う奴に限ってそんなことばかり考えてるとか言われるが俺はさとり様のお墨付きなのでそこいらの男とは違うのだ!

 

そんな訳で俺はこの部屋の唯一(後ろに窓があるのだが残念ながら俺はその存在に気がつかなかった)の出口である扉のドアノブを捻る

そのまま廊下に出て一つの扉を開く

 

そして俺は一秒後、この世界に生まれてこなかったらよかったという程の後悔を味わうこととなる

 

ガチャリ、と扉は静かに俺の手によって開かれる

部屋の中には一人の少女がいた

少し薄めの金色の髪に人間にしては少し長い、例えるならばエルフのような耳を持つ少女...

俺は彼女を知っている、というか顔見知りだ

水橋パルスィ(みずはしぱるすぃ)という橋姫という妖怪に分類される

地上と地底の狭間に住んでおり何かと嫉妬心が人一倍強い彼女に絡まれたら中々会話が終わらないとの認識もある

しかし、今重要なのはそこではない

彼女の身体に問題がある、彼女は普段はたしてあれほど露出度の高い服を着ていただろうか、彼女の肌がこんなに目に焼き付くことがあっただろうか

さて、現実を見よう...

 

「...............」

 

パルスィの顔が真っ赤になってしまっている、恐らく俺の顔も真っ赤になってしまっているだろう

その前に俺は彼女の右手に握りしめられている刃物の方が気になって仕方ない

 

「ちょ、待っ、待ってて!不可抗力だ、何かの間違いだッ!!」

 

「ふにゅあァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「ブホォッ!?」

 

全力で左の平手打ちを頬にくらいました

 

 

 

「全く、人の家を自由に歩き回るなんて信じられない上に妬ましい...」

 

「蒼兄、どうやらまだ反省してないみたいだね?」

 

「待て、まずは俺の話を聞いてくれないか?」

 

『ヤダ』

 

「たった二文字で断られただと!?」

 

どうやら俺に発言権はないらしく、こいし様とパルスィは勝手に話を変な方向に進めていく

どうやらこいし様もここに来ていたらしくパルスィの悲鳴を聞きつけてきたら右の頬に綺麗な紅葉柄の模様をつけて倒れた俺を発見するや否や突然袈裟固めで俺の関節を封じてきて全身が少し痛い...

ホント、俺が一体何をしたと言うのだろうか...

 

「で、何であんなトコで倒れてたの?」

 

まだ顔が若干赤いがパルスィはどうやら機嫌を直してくれたらしく、俺に尋ねてくる

どうやら彼女が発見してくれたようだ

 

「あぁ、それはこい【ギロリッ!!】....疲れて座ってたらそのまま寝てしまってたんだ」

 

「.....貴方馬鹿でしょ?」

 

「もう何とでも言えよ!」

 

俺はとりあえず叫び喚く

だって事実を言おうとしたらこいし様が今までにないくらい怖い顔でスペルカード構えてるんだもん!

畜生、こんな理不尽なことはない!

 

「.....ホントにどうしたの、あれ」

 

「さぁ、わかんな〜い!」

 

「この、確信犯が...!」

 

俺は怒りのあまりにこいし様を殴ろうとしてしまうがパルスィに全力で止められる

確かにこいし様のイタズラは無邪気で可愛いモノが多いがそれでも許しておけないモノくらいはある!

.....そういえば

 

「パルスィ、お前こいし様が見えてんのか?」

 

「えぇ、普通に」

 

パルスィはきょとんとした表情になる

何か、何当たり前なこと言ってんだコイツ?的な顔が地味にうざいのは置いておこう

 

「パルスィとはよく散歩の時に会ってるからね!」

 

「こんな場所まで歩き回ってたのかよ!」

 

「一番遠くで迷いの竹林かな?」

 

「そんな遠く行くなら地霊殿にいろよ、さとり様いつも寂しそうにお前の帰り待ってんだぞ!」

 

「え、蒼兄そんなこと思ってたの?」

 

「なんでそうなるの、俺さとり様がってちゃんと言ったよね!?」

 

「ごめん、よく聞こえなかった」

 

「どんな耳してんだよ!」

 

俺はこいし様の都合がいいのか悪いのかよくわからない耳に思わず突っ込んでしまうが後悔はしていない

実際さとり様はこいし様に少し依存というか心配してるところもあるので、そのことで俺によく酒を持ってきては愚痴るため正直こいし様には地霊殿に居てもらいたい、今も誰かに愚痴ってるかもしれないが...

 

「ホント、あんた達って仲がいいわね、妬ましい...」

 

パルスィは小声で頬を少し赤く染めて呟くも俺もこいし様も彼女の声を聞くことはなかった

 

......ていうか俺たちには買い出しの為に人里に向かうって目的があるんだが、こいし様は覚えてるんだろうか?

 

 




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