2時間目の授業が終わったぜ!
【ラウラに話し掛けに行く】
【ボーデヴィッヒに話し掛けに行く】
同一人物ゥ!!
何か入学初日にもこんな感じの【選択肢】が出なかったか?
ああ、確か出たぞ。
相手はセシリアだった筈だ。
そう言えば、アイツも最初は俺や一夏に当たりが強かったっけ。だから【選択肢】も似たモン出してきてんのかな。
まぁいいや。
ウダウダ言ったところで、ボーデヴィッヒに話し掛けるのは決定事項なんだ。なら、さっさと済ませちまおう。
「おい、ボーデヴィッヒ」
「……なんだ、また貴様か」
すまんな。
正直俺としては、さっきの話の続きをしたいんだが、人が大勢いるところではひみちゅだって言われたからなぁ。
そうなると他に何か話題、話題は……。
【眼帯似合ってねぇなお前な】
【眼帯キャラを知ってるか確認してみる】
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
意味不明なのに実質【下】しか選べない【選択肢的構造】やめてくれませんかね!? お前俺がすかさず【上】を選べるメンタル持ってねぇの知ってんだろがい!
「……夏侯惇って知ってるか?」
「何だ急に。誰だそれは」
眼帯キャラ。
ちなみに俺が闘らされたのは三國無双の夏侯惇だったな。ふふ、余裕で彼方まで吹き飛ばされたんだぜ。モウトクー。
「気になるなら山田先生に聞いて来るんだな」
「分かった、聞いて来る」
「え?」
「え?」
「いや……ンンッ。ああ、聞いて来い」
わざわざ聞きに行くのか。
変なとこで素直なんだな。
まだまだコイツの性格が掴めんわ。
(無駄に長い休み時間。かと言ってISを整備できる程の時間はない。正直、手持ち無沙汰だった感は否めない。カコウトンとやらには興味ないが、職員室に行って帰ってくる。ちょうどいい暇潰しになるだろう。教官ともお話できるかもしれないしな!)
お、ボーデヴィッヒが席を立った。
【ディーフェンス! ディーフェンス!!】
【それじゃあ俺も】
オレも行くッ!
行くんだよォー!!(ナランチャ)
「む……何だ貴様。何故、付いて来る?」
「俺も行くからな」
「何故だ?」
【暇潰し】
【穀潰し】
同じ【潰し】でも意味がまるで違うんだよなぁ。
「暇潰し」
「(む……私と目的は同じなのか。ここで断れば私の行動理由も否定する事になる、か)分かった、許可しよう」
何で上から目線やねん(ツッコミ)
【何で上から目線やねんアホかお前殺すぞ立場弁えろカス】
【職員室までどっちが早く着けるか競争だ!】
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
そこまで言ってないよぉ!
勝手に上乗せしないでよぉ!
「職員室までどっちが早く着けるか競争だ!」
「はぁ?」
「いいだろオラ競争しようぜ競争」(やけっぱち)
【ディフェンス】選んでりゃ良かった(後悔)
「馬鹿馬鹿しい。貴様1人で勝手にやってろ」
スタスタ歩いて行くボーデヴィッヒ。
超クール。
転校生はクールビューティー。
しかしコイツの反応が当たり前なんだよなぁ。出会って俺達はまだ5時間すら経ってないっての。そういう提案は、もうちょい仲が良くなってからじゃないと成立しないだろ。常識的に考えて。
断られたけど、まぁ展開は進んだしこれで良しだな。
【ボーデヴィッヒのやる気を迸らせる】
【大人しく諦める】
【下】から罠の気配がプンプンするんですけど(疑心暗鬼)
いやだって……ないでしょコレ。【下】選んだ瞬間、さらに変なモン出てくるパターンでしょコレ。
見せかけの安全策に引っ掛かる俺と思う事なかれ! パッと見不正解的【上】が実は正解ルートなのである!(凡&凡推理)
「おやおや、どうやら軍人殿は身体能力に自信が無いようでござるなぁ」
こういう時は、とりあえず挑発してみて相手の出方を観察するのが大事なのよ。とは言え、こんなあからさまな挑発で釣れる訳ないけどな、HAHAHA!
「……なんだと?」
あらやだ、釣れちゃったでござる。
そういや煽り耐性なかったなコイツ。
軍隊ってトコはそういうメンタル面までは鍛えないのかな。まぁおかげで俺はやりやすいから良いんだけど。
というかアレだな。
競争ついでにこの際だ、敗北もプレゼントしちまうか。
「まさかビビッてんのかよ? なら競争の話は忘れてくれ。俺も弱い者イジメは気が引けるからな、HAHAHA!」
一夏をドツいた分のお返しってヤツだ。
殴った理由も結局俺は分からずじまいだし。
ダチをドツかれた分の溜飲くらい下げさせろオラ。顔が良いからって仕返しまで俺がしないと思うなよ。ソレはソレってヤツだ。
「……いいだろう、そのフザけた誘いに乗ってやる」
やったぜ。
その沸点の低さに敬意を表して、俺も本気でやってやろう。敗北に派手なリボンを備え付けてやるずぇ!(孫策)
「職員室までの道のりは把握済みかね?」
「無論だ」
ならば話は早い。
あとはスタートの合図だが。
【はい、よーいスタート(棒読み)】
【Ready........GO!!!!!!】
これはRTAじゃないから。
英語は万国共通語だし、ドイツ人なボーデヴィッヒも分かるだろ。
「Ready...........」
「「「「ごくり……」」」」
何かみんな見まくってきてるけど、気にしたら負けだ。いつものように『アホがアホな事してるわ~、今日の犠牲者はボーデヴィッヒさんかぁ~』って思っててね!
ボーデヴィッヒも気にしてないのか、スタートに向けて構える。
俺は自然体のままでいい(強者の理論)
勝つのは当然――。
「GO!!!!!!」
俺だ――ッ!!
【ミ~モヽ(・ω・oヽ)ミ~モヽ(o・ω・o)ノミモ(ノo・ω・)ノミモモモ~ミモ♪】
【スタートを切ったラウラの喉元にチョーーーップ!!】
あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
RTA選んでりゃ良かったあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!
「いくぞッ……ぁ?」
「ミ~モヽ(・ω・oヽ)ミ~モヽ(o・ω・o)ノミモ(ノo・ω・)ノミモモモ~ミモ♪」
「はぁっ!? お、おい貴様、何をしている!? 何だその激しい動きは!?」
ミーモ・ダンシング(げっそり)
どうして俺は【下】の【Ready Go】にもっと疑問を抱かなかったのか。日本語だって今じゃ万国共通語だろうに、なのにあえて英語縛りとか裏があってもおかしくないだろうが!
「ヒューッ! 旋焚玖、ヒューッ!!」
うるさいんじゃい!
「ひゅ~っ! ちょいす~、ひゅ~っ!!」
のほほんなんじゃい!
「ヒューッ! 兄弟、ヒューッ!!」
可愛いんじゃい!
(ホモのフリしてた事)もう許せるぞオイ!
「……ふんふむ。んーっと……よし」
旋焚玖の一連の行動を観察、そこから周りの反応もしっかりと吟味。以上を踏まえて旋焚玖の行動理由を推理した結果。
「ヒューッ! 旋ちゃん、ヒューッ!!」
乱音的にはヒューッ!だった!
「いや、オイ……ちょっと。おい……おいってば!」
しかし、好スタートを切った筈のラウラは止まらずにはいられなかった!
「ミ~モヽ(・ω・oヽ)ミ~モヽ(o・ω・o)ノミモ(ノo・ω・)ノミモモモ~ミモ♪」
ボーデヴィッヒが俺に声を掛けてくる。
そのまま無視して走って行けば、お前の勝利になるものを。でも俺は俺で身体が勝手に動いちゃう。だって【選択肢】の奴隷だもん。
「何だコイツ……何なんだコイツは…! おい、そこの貴様ら! この男は一体何がしたいんだ!?」
「まぁ……旋焚玖は武術やってるからな」
「アンタ旋焚玖関連で困った時はだいたいソレよね」
「うむ。だいたいはソレで何とかなるからな」
なってないんだよなぁ。
ほら見ろ、ボーデヴィッヒもプルプル震えてるじゃないか。あの震えは怒りからくるヤツだろ。
「わたくしは普通に奇行だと思いますわ」(名推理)
これはイギリスの誇れるエリート。
理論派を自称するだけあって、仲良くなっても、こういうトコでは正常な判断が利くんだなぁ。
「まぁ、でも? 旋焚玖さんはそれくらい余裕があるという事でしょうね」(凡推理)
これはイギリスの愛されエルィィィト。
二律背反女子とか素敵やん?
「もういい! こんな馬鹿共と同じ教室に居られるか! 私は職員室へ行くぞ!」
プンスカぷんなボーデヴィッヒは、扉を乱雑に開け放って出て行った。しかしお前、その言動はホラー映画だと死亡フラグだぞ。まぁある意味この状況もホラーだし、間違っちゃいないのかな。
だがボーデヴィッヒの言動は、死亡フラグとまではいかなくとも、どうやら敗北フラグにはなったようだ。
アイツの姿が見えなくなった瞬間、俺の身体に自由が戻ったんだからな!
「……んじゃ、行ってくる」
誰に言った訳でもない。
それでも激しく踊ってた奴がさ、急に無言で出ていく絵は割と怖いだろ。だからアレだ、とりあえずの一言ってヤツだ。
とか思ってたら真正面に乱が!
お、怒られる…?
「織斑さんのリベンジなんでしょ? ドカーンとやっちゃえ、旋ちゃん!」
「「「「!!!???」」」」
やっぱり乱ママがナンバー1!
いやいや乱さん、見抜きレベル半端ねェな! もしかして既に千冬さんの領域まできてんのか!?
「フッ……行ってくる」
そんでもって、こういう時はあえて肯定しない方が説得力を増させるんだぜ! オラお前ら尊敬の眼差しで俺の背中を見送るんだぜ!
乱ママのパーフェクトすぎるアシストに、俺のリミットゲージも一気に溜まった。徐々にギアを上げていこうと思っていたが、初速からMAXで行くずぇ!(孫策)
そして少年は風になった。
話が進まなければ?
投稿スピードを上げればいいんだ!(*´ω`*)