選択肢に抗えない   作:さいしん

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パーティーは騒いでなんぼ、というお話。



第69話 パーティー

 

「というわけでっ! 織斑くんクラス代表決定おめでとう!」

 

「「「 おめでと~! 」」」

 

 ぱんぱかぱーん!

 

 食堂に集まった面々がクラッカーを乱射する。

 祝福の紙吹雪が降り注がれた。

 

 

【色鮮やかに舞う紙吹雪を背景に、祝福の舞を披露する】

【色鮮やかに舞う紙吹雪を背景に、祝福の抱擁を捧げる】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 

「ミ~モヽ(・ω・oヽ)ミ~モヽ(o・ω・o)ノミモ(ノo・ω・)ノミモモモ~ミモ♪」

 

 見さらせコラァッ!!

 クラス本邦初公開、これが本意気のミーモ・ダンシングじゃい! 選んだからにはハンパは無しだコラァッ!! クラス代表がんばれコラァッ!!

 

「ヒューッ! 旋焚玖、ヒューッ!!」

 

 (祝われてんの)お前じゃい!

 

「ひゅ~っ! ちょいす~、ひゅ~っ!!」

 

 のんびりした合いの手サンキューだぜ布仏! それが俺の羞恥を1ミリくらい和らげてくれるんだぜ!

 

「旋焚玖さんのダンスは以前も1度拝見しましたが、改めて見ると凄いキレですわね」

 

「旋焚玖は武術やってるからな」(篠ノ之流フォロー)

 

 お、そうだな。

 

「それ関係あんの?」

 

 というか、誰もこの状況にツっこまないのが異常だと思います(名推理)

 

「ツっこんでキレられたくないからね」

 

「しょうがないね」

 

 聖人枠の相川と鷹月にですら、そんな推測をされているのか。うん、それじゃあ尚更、他の奴らが止めてくれる事は期待できないですね。あ、そろそろサビに入るな、がんばろ。

 

 

 

 

「というわけでっ! 鈴ちゃんIS学園にようこそ!」

 

「「「 ようこそ! 」」」

 

 ぱんぱかぱーん!

 

 このパーティーは鈴の歓迎会でもあるからな。一夏へのクラッカー乱射が終われば、当然お次は鈴のためのクラッカーだ。今度は歓迎の紙吹雪が舞い上がった。

 

 

【色鮮やかに舞う紙吹雪を背景に、歓迎の舞を披露する】

【色鮮やかに舞う紙吹雪を背景に、歓迎の抱擁を捧げる】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 

 

 

 ぬわああああん疲れたもおおおおん!!

 

「チカレタ…」

 

 いやホントに。

 一夏には抱擁で良かったなこれ。むしろ最初の選択肢で気付くべきだったか……俺もまだまだ未熟って事だな。

 

「まったく……ハードラックとダンスっちまったぜ」

 

「アンタってば、相変わらずアホねぇ」

 

 今宵の主役な鈴がケラケラ笑いながら飲み物を持って来てくれた。中身は当然、ちべたいコーラである。嬉しいのである。

 

「でも、ありがとね。あたしだって嬉しくない訳じゃないんだから」

 

 お、ツンデレか?

 そんな事したら可愛さが増すだけだぞ。

 

「気にするな」

 

「まぁ旋焚玖は武術やってるからな」(篠ノ之流フォロー)

 

 お、そうだな。

 

「アンタそればっかじゃない!」

 

「し、仕方ないだろう! そっち方面には疎いんだ!」(むむぅ……好きな男の趣味は、やはり私も知っておいた方が良いのかもしれん…)

 

 しかしアレだな、改めて一夏の人気が窺えるな。一応、このパーティーは1組の集まりと銘打っているんだが、明らかに30人以上来てるもん。流石に女子が鈴狙いで来てるってのは考えにくいしな。

 

 現に一夏は俺たちとは離れた場所でモブ共に囲まれてるし。

 遠目から見ても、やいのやいのと囲って持て囃してるみたいだが、知らん顔ばっかだし違うクラスの連中らしい。それを受けてる一夏の顔が(´・ω・`)の時点で、全く心には響いてねぇな。

 

「一夏は人気者みたいだな」

 

 当たり前だよなぁ?

 

「うふふ、旋焚玖さんも羨ましいのではなくて?」

 

 当たり前だよなぁ?

 

「なによ~? もしかしてアンタ、一夏に嫉妬しちゃってたりすんの~?」

 

 当たり前だよなぁ……とでも言うと思ったか!

 

 確かにかつての俺ならメラメラ嫉妬しただろう。友としてではなく、あくまで男としてだがな。

 

 しかし! 

 しかしだ! 

 

 見よ! 

 オイ見ろコラ! 

 

 俺を囲う今の絵を!

 

 日本一美人な箒と! 

 イギリス一美人なセシリアと! 

 中国一美人な鈴が!

 

 俺と一緒に居てくれている…! 何の気まぐれか知らんが、居てくれている事実…! 揺るがない事実…! 紛れもない事実…! 絶対に事実…! 事実であってほしい…! 夢なら醒めないで…!

 

 数より質だオラ!

 テメェらモブなんざ何人集まろうが、三大美女に勝てる訳ないだろ!……あ、3人に勝てる訳ないだろ!(言い直し)

 

 

【箒が居ればそれでいい(箒ルート)】

【セシリアが居ればそれでいい(セシリアルート)】

【鈴が居ればそれでいい(鈴ルート)】

【俺も一夏に群がる一人でありたい(???ルート継続)】

 

 

 え、なにこれは…。

 

……エロゲかな?(現実逃避)

 

 えっと……文言がキモいってのは一旦置いておこう。たぶん肝はそこじゃないんだ。っていうか絶対そこじゃないんだ。あーっと、とりあえず……あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!(落ち着きを取り戻す儀式)

 

 よし、これで冷静になった。訳ねぇだろこのヤロウ! アホか! どうすんだオイ! なんだこの直接的な選択肢!? ルートってなに!? 

 【上】選んだら箒と付き合えんの!? 【2番目】選んだらセシリアとか!? 鈴とイチャイチャパラダイスな関係になりたきゃ【3番目】ってか!?

 

 ナメんなコラァッ!!

 全員俺のモンだコラァッ!!(大志)

 

 

そして時は動き出す。

 

 

「何やってんだよお前ら」

 

 一夏に群がるモブ共に、ニッコリスマイルでこんにちは!

 

「「「 ヒッ!? 」」」

 

 毎度毎度同じリアクションだな、お前らな。違うのは顔だけじゃねぇか! その反応はもう飽きたわ。たまには違う反応してみせろよ! かかって来いオラァッ!!

 

 出来ねぇんならどけオラ、散れオラ!

 

「俺も仲間に入れてくれよ~」(名演技)

 

「「「「 ひゃぁぁぁぁぁッ!! 」」」」

 

 ほい完了。

 蜘蛛の子以上に散っていきましたとさ。

 

「た、助かったよ旋焚玖。正直、困ってたんだ」

 

「気にするな」

 

 一夏も得して、俺も未来的な意味で得した筈だし。きっと、いや絶対に。強く信じる気持ちが大事。

 

(……今更アイツが一夏に嫉妬なんかする訳ないか)

(そうだな、むしろ誰よりも一夏を想える奴だ)

(うふふ、旋焚玖さんはお友達想いなのですね)

 

 一夏を連れて戻ってきたら、何故か3人から生暖かい目で迎えられました。ナズェミテルンディス!!

 

「はいはーい、新聞部でーす! 話題の新入生、織斑一夏君と主車旋焚玖君に特別インタビューをしに来ました~!」

 

 インタビューか。

 俺も随分すげぇ立場な男になっちまったもんだ。

 

「あ、私は2年の黛薫子。よろしくね! 新聞部部長やってまーす! はい、これ名刺ね!」

 

 これはこれはご丁寧に。

 高校生でも名刺とか持ってるんだなぁ。

 

 

【なんだァてめェ…? まず名乗れ】

【もしかしてアイツの知り合いですか?】

 

 

 まゆずみかおるこォ! 

 

 そう聞いたわ! いま聞いたわ! 名刺にもちゃんと書いてるわ! お前ホント頭パープキンだな!

 

「……もしかしてアイツの知り合いですか?」

 

「え~っと……アイツって誰かな…?」

 

 俺も知りたい。

 アンタ誰の知り合いっすか。

 

「あっ…! もしかして、たっちゃんの事かな!?」

 

 誰だそれ!?

 

 ここであだ名はやめてよぉ! 

 フルネーム! フルネームでおなシャス!

 

 

【そうかな】

【そうだよ】

 

 

 いやどっち!?

 

 俺が俺の言葉で惑うっておかしいだろ! 俺は惑わす側じゃないの!? 何で俺が惑わされる側になってんの!?

 

「……そうかな」

 

「む……」(なるほど。たっちゃんの言ってた通り、確かに一癖も二癖もある子だわ…! でも、私だってジャーナリスト魂を懸けてやってるんだから! 動揺なんてしてあげるもんですか!)

 

 き、機嫌悪くなったりしてない?

 大丈夫?

 

「ふふっ、主車君は後でちゃんとインタビューしてあげるから……慌てちゃダメよ?」

 

 え、なにその感じ。

 今ウィンクされたぞ、可愛い。そして彼女は俺に惚れてますね、間違いない。というか俺が惚れましたね、間違いない(恋愛脳)

 

「ではでは、まずは織斑君! クラス代表になった感想を、どうぞ!」

 

 ボイスレコーダーをずずいっと一夏に向け、打って変わって無邪気な子供のように、瞳を輝かせる美人な眼鏡先輩。眼鏡で美人とか最強やん?

 

「え、えっと……まぁ、なんというか、頑張ります」

 

「んー、いまいちインパクトに欠けるなぁ。もう一声お願い!」

 

「え、えぇっ…!?」

 

 一夏が困った顔でこっちを見ている!

 お、アイコンタクトの時間か?

 

(教えてくれ旋焚玖! こういう時は何を喋ればいいんだ!?)

(俺に聞かれても分かんねぇって)

 

 いやホントに。

 俺だってインタビューとか受けた事ないんだから。IS起動させた時も、俺は記者会見やってないし。

 

(そこを何とか頼むよ! 俺じゃ思いつかねぇんだって! 何でもいいから!)

(うんこちんこ言ってりゃウケるだろ)

(だからそれがウケるのは小学生までだって!)

 

 それは違うぜ、一夏よ。

 男は何歳になっても、うんこちんこで盛り上がれるんだぜ? ま、ここは女子校だけど。

 

「ほらほら、例えばさ『俺に触るとヤケドするぜ!』とか!」

 

 むむむ、と悩む一夏を見かねた眼鏡な先輩……えっと、黛先輩からのアドバイスである。なんか妙に古臭いけど、言ってほしいノリは分かった。それっぽいのを今風に変えて言えばいいんじゃないか?

 

「な、なるほど…! 俺に触るとヤケドするぜ!」

 

「そのままじゃない!」

 

「(´・ω・`)」

 

 何故そのまま言うのか。

 こういう時の一夏のセンス、俺は嫌いじゃない。鈴も爆笑してるし。

 

 その後も色々と一夏にインタビューしていく黛先輩。内容は、初めてISに触った時の事とか、千冬さんは何か言ってたか~とか、IS学園らしいISに携わるモノばかりである。

 なるほど、俺にもこういう質問が来るんだな。頭の中でシミュレーションしておいた方が良さそうだ。

 

 

「よし、協力ありがと織斑君! 次は主車くんね!」(たっちゃんが言ってたわね、この子は普通に男女平等パンチが飛んでくるって。ここは当たり障りのない質問の方が無難かしら)

 

 

【オッスお願いしま~す】

【はい】

 

 

 ん?

 

「はい」

 

「じゃあまず、年齢を教えてくれるかな?」

 

 え、なんで?

 

 

【24歳です】

【言う必要はありません】

 

 

 いや、【上】は誰の事言ってんの? 

 24だし、千冬さんか?

 

 

「言う必要はありません」

 

「え、身長・体重はどれくらいあるの?」

 

 いや、何でそれを聞く必要があるんですか?

 

 

【え~、身長が170センチで体重が74キロです】

【言う必要はありません】

 

 

 いや言わせろよ。歳も身体も秘密にする理由がねぇよ。

 あと【上】は誰? 千冬さんじゃないよな? え、お前? もしかしてお前の自己紹介だったりすんの?

 

「言う必要はありません」

 

「今なんかやってんの? すごいガッチリしてるよね」

 

 

【特にはやってないんですけど、トレーニングはやってます】

【言う必要はありません】

 

 

 え、これはどうすんの?

 普通に【上】選んでも大丈夫? トレーニングってレベルじゃないんだけど、まぁ間違ってはないし。ずっと【下】ってのも多分違うと思うし。

 

「特にはやってないんですけど、トレーニングはやってます」

 

「ふーん……週どれくらいやってんの?」

 

 

【シュー……3日から4日ぐらいですね】

【言う必要はありません】

 

 

 毎日なんだよなぁ。

 なんなら今朝もしてきたよ。

 

「言う必要はありません」

 

「なるほど、強さの秘訣は内緒って訳ね」

 

 ああ、うん、もうそれでいいよ。

 

「んー……よし、ありがと! だいたい分かったわ!」(全然分かんなかったけど、たっちゃんより強いらしいし、不機嫌になられたら困るからね!)

 

「アッハイ」

 

 俺、何か答えたっけ?

 いや、深く考えるのは止そう。むしろ、空気を読んでくれているのであろう黛先輩に、感謝するレベルだろこれ。

 

「(でも、このまま終わるのも癪だなぁ…あ、そうだ!)彼女とか、いらっしゃらないんですか?」(丁寧に聞いたし、これくらいはいいよね!)

 

 え、そんなん関係ないでしょ(正論)

 

 

【星の数ほどいる】

【星の数ほどほしい】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 【下】がまさに本音だけど、言えないよ! キモいよ! 本気でキモがられちゃうよ! 怖い上にキモいとか、もうダメだよ! 言っても笑ってもらえる程、まだ掌握できてないよ! 

 

 ここは明らかにウソ丸出しなノリで! 嘘乙、見栄乙。なツっこみ待ちな感じで言おう! キモがられるより失笑を買われた方がまだマシだ!

 

「星の数ほどいる」(どやぁ)

 

 見よ!

 渾身のドヤ顔を! 

 セシリア以上にドヤ顔してるんだぜ! 

 

 これはまさにツっこみ待ちですね、間違いない。こんなノリして言った言葉を信じるなんてとんでもない!

 

「す、すげぇぜ旋焚玖! モテモテじゃないか!」

 

 アホの一夏は既に戦力外だ!

 次来い次!

 

 鈴!

 こういう時にツっこむのはお前の役目だぜ!

 

「は?」(迫真)

 

「え?」

 

「何言ってんのアンタ」

 

「えっ…いや……あの…」

 

 ちょ、ちょっと待って鈴さん。

 何でそんな感じなんですか? そこはアナタ『相変わらずアホねぇ』じゃないんですか?

 

「オイ」(迫真)

 

「え、あ、なにかな、箒……さん」

 

 もう怖い。

 思わず、さん付けしちゃう雰囲気なんですけど。

 

「冗談でも言っていい事と悪い事があるぞ」

 

「……………ごめんなさい」

 

 な、なんだよぅ。

 どうしてそこまでキレるんだよぅ。

 

 キチガイなフツメンは、嘘でも夢を語っちゃいけないって言うのかよぅ。

 あ、でも、箒も鈴も真人間だからな。普通の神経してたら怒って当たり前か。ダチがハーレム公言したんだし。もし一夏に星の数ほど彼女が居たら、俺だって怒るもん。いや怒りはしないか、むしろ泣くな。泣いて羨ましがるな、うん。

 

「ま、まぁまぁ! お2人とも、旋焚玖さんも冗談で仰っただけですから! ねっ、そうですわよね、旋焚玖さん!」

 

 お、そうだな。

 便乗して機嫌が直ってくれるなら、それに越したことはない。

 

 そう、冗談だ。

 今はな。

 俺は必ず成し遂げてみせる…!

 

 

【そうかなぁ】

【女ならな、奪うくらいの気持ちでいかなくてどうする。自分を磨けよ、ガキ共】

 

 

 あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ッ!!

 

 コイツの煽り性能やべェ!

 いやいや【上】も【下】もダメだろ!? もうケンカ売ってんじゃねぇか! でもどっちか選ばないと……【上】か? それとも【下】か? どっちだ、どっちの方がまだマシだ!?

 

 【上】は短いけど、普通にイラッとくる。ここで更にボカすのはイカンでしょ、多分…! せっかくフォローしてくれたセシリアの顔にまで泥を塗るようなモンだし。

 

 え、でも【下】もヤバいだろ。何で上から言ってんの? 惚れてんのは俺なんだけど? 何で俺が惚れられていて当然みたいな感じになってんの?

 

……バカじゃないの?(真顔)

 

 あぁもう分からん!

 久々に分からん!

 

 どっちも間違いなら、せめてハッタる俺でいたい! 今夜も俺はハッタるぞ!

 

「女ならな、奪うくらいの気持ちでいかなくてどうする。自分を磨けよ、ガキ共」(震え声)

 

「「 んなっ!? 」」

 

 お、怒ったかな?

 いいよ来いよ! 

 

 かかって来いよ!

 拳でこい拳で!

 

「「むぅ…」」

 

(一度フッた癖にガタガタ言うなって? そういう事なの? 自分を惚れさせてみろって、そう言ってんのね…! いいわ、やってやろうじゃない…! むしろ、あたしはその為に来たんだから!)

 

(一度フッた私には自業自得すぎて何とも耳が痛い。だが、もう一度惚れさせてみろと旋焚玖は言っている…! ここで燃えなければ女が廃る! いいぞ、やってやる…! 必ずお前をもう1度振り向かせてやる!)

 

「今の言葉、胸に刻んておくわ」

 

「同じく。いい刺激を貰った」

 

 鈴も箒もキレるどころか笑みすら浮かべている……なんでぇ? 

 

「……ああ」

 

 分からん! 

 分からん時は短く頷く! これに限る!

 

「うふふ、先ほどのお言葉。わたくしも受け取らせて頂いておきますわ」(とはいえ、わたくしを惚れさせるにはまだまだ足りませんわよ、旋焚玖さん)

 

 何言ってだコイツ。

 

「好きにしろ」(ピッコロ)

 

「ヒューッ! 旋焚玖、ヒューッ!!」

 

 ああ一夏、お前のそのアホっぷりだけが俺のオアシスだ。

 

「それじゃあ最後に、記念写真だけ撮らせてもらおうかな!」(主車くんは意外とモテる! これはメモ必須ね! むふふ、オイシイ話頂きましたよ~!)

 

 満足げな顔しやがって…!

 元はと言えば、お前が変な爆弾落としたのがきっかけなんだからな! このうんこ眼鏡! うんこ先輩!

 

 

ともあれその後も、パーティーは盛り上がりを欠く事なく、夜遅くまで続いたのだった。

 

 





旋焚玖:チカレタ…

選択肢:チカレタ…


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