ガンダム世界でスコープドッグを作ってたらKMF紅蓮に魔改造されてしまった件   作:勇樹のぞみ

115 / 190
第29話 ジャブローに散撒(ばらま)く! Dパート

「敵は?」

 

 ミヤビはアムロと共に、別口から侵入してくる敵に向かう。

 そしてアムロが、

 

『赤い色のモビルスーツ? ザクじゃないけど。赤い色のモビルスーツ、シャアじゃないのか?』

 

 とつぶやくとおり、赤いアッガイの登場である。

 

(それは岡崎優先生のマンガ版『機動戦士ガンダム』ではシャアもアッガイに乗っていたりしたけれど……)

 

 ベルファストで見た機体はやはりシャアのものだったのかと脱力するミヤビ。

 

『あっ、量産型ガンキャノンが。やめろ、迂闊に近付くんじゃない!』

 

 アムロの声に慌てて味方機の動きを追うと、ガンキャノンと同じXBR-M-79aビームライフルを装備したものと、YHI YF-MG100、100ミリマシンガンとシールドを装備したもの、二機の量産型ガンキャノンが赤いアッガイに向かうが……

 

 

 

「ツインドライヴシステム全開!!」

 

 アッガイに搭載された二基のジェネレーターを同調させることで圧倒的な出力を発揮するツインドライヴ・モード。

 ノーマルな機体でもゴッグを超える1,870kWという出力、そのパワーがアルレットの制御により供給される。

 

「ふっ」

 

 ビームライフルを持った量産型ガンキャノンを、シャアは嘲るように笑う。

 もちろん当たればアッガイとて耐えられないその威力は、彼もこれまでの、ガンキャノンとの戦いで知るところ。

 だがシャアは怯むことなく無駄のない機動で滑り込むように至近へとアッガイを潜り込ませる!

 

「これであの武器は使えまい!」

 

 精密射撃が可能で狙撃に力を発揮するガンキャノンのビームライフルだったが、銃身が長過ぎて懐に飛び込まれると対処できないのだ。

 

 

 

「甘いな、シャア!」

 

 量産型ガンキャノンのパイロットは、アッガイの機体の色と凄まじい機動に相手があの赤い彗星のシャアだと確信するが……

 彼の乗る量産型ガンキャノンは装甲材質こそルナ・チタニウムから安価なチタン合金セラミック複合材に変更されているものの、装甲自体は非常に厚く、カタログスペックでもガンキャノンを凌ぐとされているもの。

 故にその装甲を信じ、ビームライフルを手放すと素早く腰後ろのラッチからバックアップのBOWA BR-M79C-1ビームスプレーガンを抜く。

 ビームライフルよりも集束率が低く射程は短い兵装だが、近距離ではビームライフルと同等の威力を有するもの。

 そして銃身が短く取り回しがしやすい、近接戦闘でも使いやすいのが拳銃型のビームスプレーガンの長所だ。

 だがしかし、

 

「っ!?」

 

 銃口をアッガイに向けようとした瞬間、彼はその身体を閃光に貫かれ絶命した。

 

 

 

 アッガイの右手、クローを開いた中心部からビームの閃光が走り鎧袖一触、ただの1撃で量産型ガンキャノンの正面装甲が破られた!

 

「これがッ! これがッ! これがメガ粒子砲装備の腕部武装ユニット『デスティニーアームズ』ですッ!」

 

 コ・パイロット席でツインドライヴシステムとメガ粒子砲の制御をサポートするアルレットが叫ぶ。

 

 確かに……

 ビームスプレーガンのような拳銃は近接戦闘向けの武器だが、アッガイの内装式のメガ粒子砲は拳銃のそれよりさらに上、手のひらを当てるようにするだけで撃てる、1インチパンチ、中国武術における寸勁のように使えるもの。

 密着した間合いでの使い勝手は比較にならない。

 まぁ、シャアはミヤビのドラケンE改が使用したパルマフィオキーナ掌部ビームピック機能。

 甲壱型腕ビームサーベルを密着状態で起動、敵を撃ち抜くようにして撃破するという攻撃法を参考に仕掛けたのではあるが。

 

 さらにシャアの動きは止まらず、崩れ落ちる僚機に慌てて100ミリマシンガンを構えるもう一機の量産型ガンキャノンへと踏み込む。

 

 一歩前へ!!!

 

 武術の達人の間合いは広く、その歩法自体に『縮地』などといった特別な名前が付けられるほど。

 それをモビルスーツで再現するかのように、ただの一歩で瞬時に量産型ガンキャノンの目の前に現れるアッガイ。

 そして踏み込みの速度に身体のひねり、腕の振り、さらに伸縮するフレキシブル・ベロウズ・リムを伸ばす動きを加えてアッガイの右腕部先端に6本装備されているアイアン・ネイルによる刺突を繰り出した。

 その一撃は量産型ガンキャノンの腹部を背まで易々と貫く!

 

「アッガイのアイアン・ネイルはゴッグのものの流用ですからね」

 

 胸を張るアルレット。

 ミヤビの前世の記憶の中にも、アッガイのアイアン・ネイルはルナ・チタニウム製のガンダムの頭に穴を開けたゴッグのアイアン・ネイルを、どの指のものかは分からないが流用したもの、とした書籍資料は存在した。

 それが6本に増えている上、ゴッグ同様伸縮するフレキシブル・ベロウズ・リムは航行時の抵抗低減のためよりも陸上での戦闘に対応した、最大で15メートル以上のリーチを実現したもの。

 それゆえの貫通力、そして強度なのだ。

 

 一方で、この他にも航行用に必要な部材はゴッグから流用されており、ジェネレーターやら基本フレームをはじめとした部材の多くをMS-06J陸戦型ザクIIから流用、オペレーティングシステムすらMS-06Mザク・マリンタイプのものをベースとしていることもあり、開発期間、開発コスト、さらには生産コストも抑えられている優良機。

 それがアッガイなのだった。

 

 なお、シャアの機動に揺られているはずのアルレットがぴんぴんしているのは、人体実験の結果、肉体強化されている部分があるのと、ニュータイプゆえ、シャアの次の動きが読め、あらかじめ身構えることができるからだ。

 車の追突事故で、もの凄く軽く当てられたとしてもすぐに示談してはいけない、と言われるのは、そんな小さな衝撃でも身構えていない、油断しているところに受けると後日、ムチ打ちとなって痛む、治療が必要になることが大半だからだ。

 逆に言えばGや衝撃があらかじめ予想でき身構えることができるなら、かなりのところまで耐えられるわけである。

 あとはシャアの操縦は巧みでスムーズ、無理が無いということもあったり。

 何しろ、

 

「私はモビルスーツに乗っても必ず帰ってくる主義だ。死にたくない一心でな。だから戦闘服だのノーマルスーツなどは着ないのだよ」

 

 ということで耐G機能などもちろん無い、普通の軍服でモビルスーツに乗るのが彼なのだし。

 

 

 

「なっ……」

 

 アッガイのアイアン・ネイルに腹をぶち抜かれる量産型ガンキャノンに目を見張るミヤビ。

 量産型ガンキャノンは『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』にて、ケンプファー一機に、

 

「スカーレット隊発進!」→30秒も持たず「スカーレット隊、全滅!」

 

 してしまった。

 しかもショットガンに撃破されているため、脆いイメージがあるが……

 

 実際には装甲材質が安価なチタン合金セラミック複合材に変更されているものの、装甲自体は非常に厚くカタログスペックでもガンキャノンを凌ぐとされているもの。

 後にケンプファーが使ったショットガンにはルナ・チタニウム弾が使用されていたとされたものだ。

 それをアッガイがクローであっさりと貫くとは彼女の前世知識をもってしても見抜けなかったのだ。

 まぁ、装甲の厚さがガンキャノン以上でも、材質の差で防御力は劣っているとも取れる表現だったのでアレだが……

 

 

 

「ま、間違いない。奴だ、奴が来たんだ」

 

 つぶやくアムロ。

 相対するアッガイの中に、笑う男の気配。

 

「間違いない、あれはシャアだ」

 

 ビームライフルを発砲するアムロだが、赤いアッガイはジャンプで回避すると同時にフレキシブル・ベロウズ・リムを伸ばしてジャブロー洞窟の天井に突き刺し、それを支点に振り子のように動き、

 

「あっ!」

 

 キックでガンキャノンの右手からビームライフルを蹴り飛ばし着地。

 そして至近で組み合う。

 

 

 

「さらにできるようになったな、ガンキャノン」

 

 シャアは目前のガンキャノンに向け105ミリCIWS頭部バルカン4門を発射!

 吹っ飛ぶガンキャノンに、

 

「フン」

 

 と笑うが、

 

「大佐っ!」

「なに!?」

 

 アルレットからの警告。

 そしてくるりと受け身を取って立ち上がったガンキャノン、その手にビームライフルが握られていることに表情を変える。

 アムロはあえてビームライフルが弾き飛ばされた方向に吹き飛ばされることでそれを拾ったのだ。

 

「やる。うおっ!?」

 

 横合いからのミサイル攻撃に身を引くシャア。

 

 

 

「ジオンめ、ジャブローから出て行け」

 

 ウッディが配下のドラケンE改の簡易量産型モビルスーツ、SM(サム)の群れを引き連れてシャアとアムロの戦場になだれ込む。

 

『ウッディ大尉、無理です!』

 

 ミヤビからの通信が引き留めるが、

 

『わー』

『おすなー』

 

 作業員たちに戦闘員としての統制など期待できるはずも無く。

 

 

 

「シャアァ」

 

 シャアのアッガイに立ち向かおうとするもSM(サム)の群れに遮られてしまうアムロのガンキャノン。

 

「邪魔をするな、シャアを討たせろ!」

 

 

 

「ガンキャノンンー」

 

 宿敵ガンキャノンを狙おうにもSM(サム)の群れに飲み込まれてしまうシャアのアッガイ。

 

「ええい。ボラスキニフ、聞こえるか? 援護を頼む」

 

 

 

「冗談じゃないわ」

 

 この戦場の狂乱から何とか脱出するミヤビのドラケンE改可翔式。

 そこに、

 

『ミヤビさん、戦場に乱入してくる機影、三機が雪崩うって来ます!』

 

 サラの報告、そして幾筋ものメガ粒子砲が乱舞する光景に固まるミヤビ。

 

「は? 三機? ゾックが?」

 

 メガ粒子砲8門に、頭頂部にフォノンメーザー砲、もしくは大口径メガ粒子砲一門を備えているという火力の化け物である。

 それが三体も現れた日には、この一帯が焼け野原にされてしまうだろう。

 

 そして顔が一体となったボディに、機能するのか疑問なほど短い脚。

 異形のモビルスーツ、三機が現れSM(サム)の集団に襲い掛かる!

 

「なっ!」

 

 驚愕するミヤビ。

 

『ええい!! さがれ、さがれェ』

 

 ウッディ大尉のファンファンが回り込み、敵モビルスーツの背後を突くが、

 

『後ろにも顔が!?』

 

 前後対称なデザインに驚いたところを頭部の、これも前後に配置されている4門の機銃の掃射を受け墜落。

 まぁ、不時着し命に別状は無さそうだったが。

 そしてさらに、

 

 汚物は消毒だ~!!

 

 とばかりにそのモビルスーツたちの両腕から火炎放射が迸り、SM(サム)の群れを焼き焦がす!!

 

『はわあ!! うわぢゃ~!!』

『あわちい~!!』

 

 悲鳴を上げ転げまわるSM(サム)たち。

 

 ミヤビはというと、いつもの変わらぬ表情の下、

 

(アゾック!? アゾックナンデ!?)

 

 ゾックではなく、アッグのバリエーションである特務用モビルスーツ、アゾックが居ることに混乱していた。

 マイナーで立体化もされていないがメカニックデザイン企画『MSV-R』に登場したモビルスーツバリエーション (MSV)のうちの一つ。

 もちろん大河原邦男氏デザインで、マンガ『アッガイ博士』にも登場している機体である。

 

 アムロのガンキャノンの暴れっぷりに危機感を抱き、キシリアはジオンの限られたリソースを開発機種を絞ることで集中させようとしたのだが。

 その結果、特殊機体でバリエーションばかり豊富な水陸両用モビルスーツ群が真っ先に見直し対象に挙げられた。

 ゾックはもちろん、アッグシリーズと呼ばれるジャブロー攻略のための特殊戦用モビルスーツ群は開発凍結に追い込まれたはずなのだが、どうしてアッグのバリエーション、アゾックがここに居るのかというと、

 

「せめて、せめて1機種だけでも開発継続を!」

「破棄予定のアッグが武装されてランバ・ラル隊に渡されましたが、あの木馬をもう一息で撃破寸前まで追い詰めたとか!」

「キシリア様、お許しください!」

 

 そう開発陣がキシリアに掛け合った結果、

 

「……ならば、そのアッグの系統のみ、限定的に許可しようではないか」

(ゆ、許された)

 

 と許可が下りたのだが、よく考えると、

 

(しまった! 一番しょうがない機体だけ許されちまったぞ!!)

 

 ということに。

 それでも何とかものにしようと掘削マシンだったアッグからドリルやカッター、レーザートーチを外し、ホバー移動しかできなかった脚部も、同じくホバータイプだが、一応関節のあるタイプに変更。

 腰部下部にはロケットエンジンを追加。

 しかしそれでも旋回性能が劣悪だったため、対策としてゾックのように背部にもモノアイセンサーを装備した前後対象のデザインを採用。

 そして何よりの変更点は両腕に装備されたウェポン・ポッド。

 アッガイのように換装により多目的に使える機体を目指したが、開発規模縮小により最も汎用性の高い、メガ粒子砲1門、火炎放射器1門、魚雷、ミサイル、ロケット弾などをマルチに発射できるミサイル発射筒4門を装備というものに落ち着いていた。

 

 開発中止になった砲撃戦向けのゾックの代わりに後方から火力支援する機体にすれば行けるんじゃね。

 組み立ても(元になったアッグは実質的には大型土木工作機だから)超簡単!

 一気に大量生産し、物量作戦は自分達のものだと思い込んでる連邦を前世紀の言葉でギャフンと言わせよう!!

 

 というコンセプトでとりあえず完成した8機をまとめてこのジャブロー攻略戦に突っ込み、水中から、空からばら撒いた機体である。

 つまり、こんなのでも左右合わせて二門のメガ粒子砲を撃てるのだ……

 

 まぁ、

 

「そこっ!」

 

【挿絵表示】

 

 ミヤビのドラケンE改可翔式が60ミリバルカンでアゾックのウェポン・ポッドを狙撃すれば、

 

「火炎放射器用の燃焼剤タンクに当てさえすれば!」

『弾道を目視するために数発に1発という割合で混ぜられている曳光弾(トレーサー)の焼夷効果で火が付きますね!』

 

 とサラが言うとおりに。

 さらに、

 

「ウェポン・ポッドにはミサイル発射筒も内蔵されているわ。誘爆すれば……」

 

 それゆえアゾックは被弾したウェポン・ポッドを切り離して、その爆発を隠れ蓑に逃げ出すのだった。

 

 

 

 こうしてシャアのホワイトベースを目標とした襲撃は、双方の大量生産向け簡易型モビルスーツの乱入でぐだぐだのぐずぐずに終わった。

 これ以降ジオンは大量生産をやめ超兵器志向へ……

 連邦はヤシマ純正のドラケンE改よりもコストの低い粗悪なライセンス生産はさすがに止めたのであった。

 

 

 

「ウッディ大尉が負傷したのか」

「はい。僕ら以上に自分の仕事に、ホワイトベースを守ることに執着があったようです。そんな気がします」

「わかるわ。男の人ってそんな感じ方するのよね」

 

 アムロの言葉にうなずくのはミライ。

 

「そうなの?」

「さあ」

 

 セイラは隣に居たハヤトに聞くが、年若い彼に答えられるはずも無く。

 しかし、

 

「あ、シャアが帰ってきました」

 

 というアムロの言葉に表情を変える。

 

「シャアが? 見たのか?」

 

 一応、ブライトも以前、ベルファストでミヤビが見た赤いモビルスーツの報告は受けている。

 だがここまで追いかけてきたのか?

 という思いもある。

 

「いえ、赤いモビルスーツしか見ていませんが、あれは赤い彗星のシャアです」

 

 言い切るアムロに、手にしていたドリンクのコップを取り落とすセイラ。

 しかし、

 

『滑り込みセー、ぶっ!?』

 

 モビルドールサラがそこに滑り込み受け止める、がコップは無事でもぶちまけられた中身を頭からかぶる。

 

『ふぇ……』

 

 びしょ濡れになった自分の義体を見下ろし、情けない声を上げるモビルドールサラ。

 大西洋で失われたものの代わりにミヤビがセットアップしたものだが、その彼女の上に影が差し、

 

「ごめんなさい、私のせいで濡らしてしまったわね。これはお詫びに洗ってあげないと、フフフッ」

『セイラさん……? 目、こわいですよ?』

 

 セイラの手に抑え込まれてしまう。

 

(モビルドールサラは犠牲になったのだ……)

 

 ミヤビは目をそらして遠くを見つつ、心の中でそうつぶやき、見なかったことにする。

 

 セイラにとっては兄より、目の前に再び現れたモビルドールサラの方が重要なのかという話だったが、実際には違う。

 厳しい状況下では人は癒しを求めるもの。

 特に戦場では笑えなくなった者から順に、二度と笑うことができなくなる(死んでしまう)ものだから。

 それゆえユーモアを込めた減らず口、ひとかけらのチョコレート、一杯のコーヒーや紅茶、そういった頬を緩ませるもの、心を癒すものが必要。

 セイラにとっては、モビルドールサラがそうなのだろう。

 心を持った少女の姿をしたAIというのはこのためにも、いや、このためにこそ必要なのかも知れなかった。

 

『たっ、助けてっ、助けてくださいミヤビさんー!』

 

 ……必要なのかも知れなかった。

 

 

 

「第4ブロックはもう駄目だな」

 

 一方、空挺降下したジオン軍モビルスーツ部隊はジャブローに橋頭保を築いていた。

 

 今回投入されたアゾックは掘削マシンであるアッグのバリエーション。

 ドリルやカッター、レーザートーチ等の掘削装備は取り除かれているものの、センサー類は、地質や地下の異物について分析も可能な高度なものが残されたままだった。

 そう、史実とは違いシャアが侵入したルートとは違った進入口も発見されており、そこからホワイトベースの居る宇宙船ドック近くの、しかし別区画に侵入を果たしていたのだ。

 

 アゾックは大変なものを置き土産にしていきました……

 

「してやられたな」

「無理攻めをすればこちらの損害も馬鹿になるまい。宇宙での反攻作戦を前にそれはまずい」

「うむ、しかし宇宙船ドックと中央(コア)ブロックにさえ近づけなければ自滅させることもできよう」

「孤立させ、干上がらせるのが上策か」

 

 ジャブロー司令部は占拠されたブロックを廃棄、他と切り離すよう戦力を配置。

 こうして戦局は膠着状態に入った。

 

 

 

次回予告

 カツ、レツ、キッカが邪魔者と誰が言うのか?

 ミヤビにはゼータのカツは悪いが正直、邪魔だと感じられたのだが。

 一方、潜入したシャアたちが連邦のモビルスーツ工場で発見した、四角く角張った腕と肩装甲、直線で構成される量産機体は……

 次回『小さな防衛線』

 君は生き延びることができるか?




「戦いは数だよ兄貴!! えらそうにふんぞり返る前に勝つための手立てのひとつも……」
「――しているよ。
 超量産型支援機アゾック!!
 開発中止になった砲撃戦向けのゾックの代わりに後方から火力支援する機体で形状も類似。
 だからゾックもどき、『亜』ゾック!!
 組み立ても(元になったアッグは実質的には大型土木工作機だから)超簡単!
 一気に大量生産し、物量作戦は自分達のものだと思い込んでる連邦を前世紀の言葉でギャフンと言わせよう!!」

 みたいな某兄弟の会話があったとか無かったとか(無いです)


 29話完結。
 サムとかネタ回でしたけど、元ネタを知らずとも読める、そしてギャグに寄りつつもリアリティは壊さない範囲で書いたつもりですがいかがでしたでしょうか?

 地獄のジャブロー降下作戦もひと段落ですが、そう思わせて追撃するのがシャアなので次回へと続くのですが。


> ゾックではなく、アッグのバリエーションである特務用モビルスーツ、アゾックが居ることに混乱していた。
> マイナーで立体化もされていないがメカニックデザイン企画『MSV-R』に登場したモビルスーツバリエーション (MSV)のうちの一つ。
> もちろん大河原邦男氏デザインで、マンガ『アッガイ博士』にも登場している機体である。

 知らない人も多い機体ではあるんですけどね。
 他にも面白い機体が盛りだくさんなので、読んでみると面白いですよ。


 みなさまのご意見、ご感想等をお待ちしております。
 今後の展開の参考にさせていただきますので。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。