キン肉マンⅡ世~完璧超人始祖編~   作:やきたまご

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仕事を完遂するのはどちらだ!!


復活の殺し屋!!の巻

『さぁこちらのリングではボーン・コールドVSターボメンが行われています!!』

 

「おうらぁ!」

 

 ボーン・コールドはターボメンの横から胴体を掴み、そのまま後ろにたたきつけた。

 

がぁん

 

『ボーン・コールド! サイドスープレックスでターボメンをマットに叩き付けた!!』

 

「これでおわりじゃねえ!」

 

 ボーン・コールドはマットに転がるくターボメンの脚に素早く自身の脚を絡めて、両手で脚をひねりにいった。

 

『ボーン・コールド! 間髪入れずに今度は足十字だ!!」

 

「ボシュシュ、なるほど、流石のレスリングテクニックだな!」

 

 ターボメンは体を回転させて、ボーン・コールドの脚十字から脱出した。

 

『ターボメン! ボーン・コールドの技から脱出した!!』

 

「完璧超人たるもの知識も完璧、お前にはこういうのが効くんじゃないのか?」

 

ぶちん

 

 ターボメンがリングロープをちぎり、手で振り回せるぐらいのサイズにした。

 

ばしん ばしん

 

「うぅ……」

 

 ボーン・コールドがためらう表情を見せた。

 

「やはりな。確かにお前のレスリング技術は素晴らしい。最凶の殺し屋と言われるだけのことはある。だが精神は弱いままのようだな。お前は親父であるキン骨マンに酷く虐待されていたと聞く。こんな風に鞭で叩かれたんじゃないのかな!!」

 

ばしん ばしん

 

『ターボメン! リングロープを鞭のように扱い、ボーン・コールドをはたいていく!! ボーン・コールド動けない!!』

 

「お前は万太郎との試合でも親父の虐待話を切り出されてから途端に弱くなった!! お前はあの時と何も変わっちゃあいないのだ!!」

 

がしぃ

 

 ボーン・コールドはターボメンのふりまわすリングロープをつかまえた。

 

「ボシュ!?」

 

「あのくそ親父のやったことは未だにひでえ思い出だ。不快に思う。しかし俺は万太郎との試合以降、親父の気持ちが分かるようになってきた。だんだんと冷静になり、いつしか虐待の過去にとらわれているのが馬鹿馬鹿しくなった!」

 

ぐいん

 

 ボーン・コールドはリングロープを思い切り引っ張り、ターボメンがそれにつられた。

 

「あとよ、完璧超人というのは凶器を使っちゃあいけないんじゃなかったのか!!」

 

がごん

 

『ボーン・コールド! 前蹴りでターボメンの顔面を攻撃だ!!』

 

「ボ、ボシュ~~」

 

 ターボメンがよろめいた。

 

「これで決めさせて貰う!」

 

 ボーン・コールドがターボメンの頭を両膝ではさみ、両手で両脚をとりにいった。

 

「3Dクラッシュ!」

 

『出ました! ボーン・コールドの必殺技3Dクラッシュ!! ターボメン苦しそうです!!』

 

びきぃ びしぃ

 

 ターボメンの体に亀裂が入り始めた。

 

「流石は完璧超人、俺が以前殺したジャイロに比べて頑丈な体だ。しかし、その分苦しい時間は長いだろうな――――っ!!」

 

ぴしっ ぴしっ

 

 ターボメンの体は徐々に破壊されていくが、危機感を感じさせない態度を保っている。

 

「ボシュボシュ、なるほど、良い技だ。この体にエネルギーが貯まっていくのがよく分かる!!」

 

ぴかぁ

 

『なんだ――――っ!! ターボメンが発光し始めたぞ!!』

 

「それがなんだってんだ!」

 

「ボーン・コールド、お前の強さに敬意を表する。お前が強すぎるがために、俺のターボチャージャーにエネルギーがすぐ貯まったからな!」

 

 ターボメンからアースユニットが出てきた。アースユニットはボーン・コールドの体にパワーを送り込む。

 

「アースクラッシュ!!」

 

ばばばば

 

「ぬおっ!」

 

 ボーン・コールドは自身の力が強くなるのを感じた。同時に殺し屋のカンが得体の知れない恐怖を感じた。

 

 

ぶしゅ ぶしゅ

 

 ボーン・コールドの腕や脚が出血しはじめた。

 

「ぐわぁ!」

 

 ボーン・コールドはたまらず技を外した。

 

「ボシュボシュ、技というのは技のかけ手にもダメージを与えるものだ。俺のアースユニットにより、お前のパワーが上がり、さらには技によるダメージも倍増したのだ!!」

 

「けっ、そう簡単に都合良くいくかよ!」

 

ばぁん

 

『ボーン・コールド! 空高く飛び上がり、自身の衣装を脚に巻き付けてドリルの形状にした』

 

「ナスティギムレット!!」

 

ぎゅいいいん

 

『出ました! 万太郎戦において、万太郎に大きなダメージを与えた技だ!! これは完璧超人といえど危ないでしょう!!』

 

ぴたっ

 

 突如ボーン・コールドの動きが止まった。

 

「ぐっ!」

 

ぼきん ぼきん

 

「ぐわああああ!!」

 

『どうしたことか! 技のかけ手であるボーン・コールドが苦しんでいるぞ!!』

 

「ボシュボシュ、回転の勢いの強さに自身の骨を痛めたようだな」

 

 ボーン・コールドは何もしないまま、マットに着地した。

 

「くそっ、全く攻撃ができないってことかよ!」

 

「そうとも! お前は俺におとなしくやられるしか術はないのだ!!」

 

『ターボメン! 両腕のリボルバーを伸ばし、ボーン・コールドのこめかみをモンゴリアンチョップしにいく!!』

 

「タービンチョップ!!」

 

がご

 

「ぐお!」

 

 ボーン・コールドは思わず膝をついた。

 

「まだまだ終わらない! 完遂リボルバーフィン!!」

 

ぎゅいいいん

 

『ターボメン! 右腕のリボルバーから鋭い針を数本出して回転させる!』

 

ぐさぁ

 

「ぐはぁ!」

 

 ボーン・コールドに鋭利な針が複数刺さった。

 

ぎゅいいいん

 

『ターボメン! ボーンコールドをリボルバーフィンで突き刺し、そのまま空中にはなった!!』

 

「これでとどめだ!!」

 

がしっ

 

『ターボメン! 空中でボーンコールドに技を決めにいった!!』

 

「コンプリートスティング!!」

 

がぁぁん

 

「ごほっ!」

 

 ボーン・コールドがマットに叩き付けられ立てない。

 

『ボーン・コールド!! ターボメンの怒濤の攻撃についにダウン!! もはや打つ手なし!! このまま敗北してしまうか!!』

 

「初めてだぜ……ここまで追い詰められたのは……」

 

 

「ボーン・コールドよ、辛かろう? 今なら自害させてやるぞ。それとも起き上がれぬならとどめをさしてやろうか?」

 

「馬鹿言うんじゃねえ……」

 

 ボーン・コールドはロープをつかみながら立ち上がってきた。

 

「最高に楽しいんだ……ここまで一方的に追い詰められるのは初めての経験だ……」

 

「流石は最凶の殺し屋、よかろう! 貴様が息絶えるまで全力で相手をしてやる!!」

 

すぅ

 

 ボーン・コールドはでこぴんの体勢に入った。

 

「ボシュ?」

 

ばしぃぃぃん

 

「ボシュラッ!?」

 

 ターボメンがでこぴんの衝撃でリングロープまで吹っ飛ばされた。

 

『あ――――っ! ターボメン! まさかのボーン・コールドのでこぴん一発で思い切り吹っ飛ばされた――――っ!! これは一体どういうことだ!!』

 

「ムヒョヒョヒョ、なんでこんな単純な事に気がつかなかったんだろうな!」

 

「き、貴様!」

 

「アースユニットはえげつない技だ。普通に技を出してもダメージになりやがる。現に俺がでこぴんをやってもちょいと指が痺れている。しかしな、この技はお前自身のパワーまで相手に送り込んでしまう弱点がある。いくらパワーアップしているとはいえ、俺のでこぴんごときでもこの有様だ!」

 

「ボ、ボシュウ――――ッ!!」

 

 この試合、ターボメンは初めて恐怖を感じた。

 

「その恐怖、たまらなくいい。もっと悲鳴をあげてくれや」

 

ばしぃぃん ばしぃぃん

 

『ボーン・コールド! まさかの発想! なんとパワーアップしすぎた体を逆に弱い技を出すことにより、闘い方を調整した!!』

 

「ボシュウ……」

 

 力に差がありすぎるため、ターボメンはでこぴんの連打でグロッキーな状態になった。

 

「殺し屋の俺がこんな締まりのねえ終わり方をさせるわけにはいかねえな」

 

すっ

 

『ボーン・コールド! ナイフのついた右腕をあげた! ついにあの技がでるか!』

 

「あばよ」

 

ばしゅうううん

 

 ボーン・コールドのシューティングアローは勢いよく飛び出し、ターボメンに命中した。

 

ぐわぁっしゃあ

 

 シューティングアローのあまりの威力に、ターボメンに巨大な風穴があいた。

 

「ボ……」

 

 ターボメンの目から光が消えた。完全に息絶えたのだ。

 

カン カン カン カン

 

『勝ちましたボーン・コールド! 追い詰められましたが流石最凶の殺し屋!! 最後はその異名に恥じないフィニッシュで決めました!!』

 

「やれやれ、勝ったとはいえ右腕が使い物にならなくなっちまった。しばらくは戦線離脱だな……」




任務完了!!

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