戦術人形と指揮官と【完結】   作:佐賀茂

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プロット? あいつは死んだよ。


38 -窮鼠、竜を噛む-

 さて、どーすっかなこいつ。処刑人の言う通り、この侵入者という名のハイエンドモデルが盛大な勘違いを起こしているのは紛れもない事実なんだろうが、いちいち訂正するのも大変に面倒くさい。サクっとぶっ壊しておきたい気持ちで一杯だが、とりあえず聞きたいこともあるっちゃあるし一旦は会話を試みてみるか。この様子じゃあまともに話が通じるとも考えにくいが。

 まあ先ずは処刑人の顔を立てる意味でも、一応は誤解だし俺は何もしていないってことを伝えるだけ伝えておこう。メチャクチャ細かい部分ではあるが、曲がりなりにも俺の指揮下にある人形が望んだことである。たとえそれがただのポーズだろうが、行動を目に見せておくってのは大事だ。今後の信頼関係にも関わる。

 

「はっ! 口ではどうとでも言えますわね! この薄汚い人間風情が!!」

 

 ほらぁー、やっぱり無駄じゃん。そもそも俺は別に鉄血人形を説得したいわけじゃないんだぞ。そりゃ他のハイエンドモデルを味方に引き込むことが出来ればいいなくらいに考えてはいたが、その考え自体が非現実的なことなんて十分に理解している。狩人と処刑人だって、最初からこっちに引き込もうと思っていたわけじゃないしな。何とか上手いこと無駄な戦闘を回避出来ないかなと頭を捻らせていたら鉄血側が自爆したようなもんだ。棚から牡丹餅どころの騒ぎじゃない。

 あの二体の時と違い、例えば侵入者がこちらに付くのであれば狩人と処刑人の洗脳を解こう、なんて持ちかけても無意味だ。こいつは洗脳されていると思い込んでいる狩人と処刑人に攻撃を仕掛けた。人類への殺意と俺に対しての恨みを持っているのは間違いないとしても、じゃあ元は味方だった人形も破壊してしまおう、なんて考える電脳相手に取引の猶予を持つ理由がない。実際、今居るこいつらが破壊されれば、新しい個体が鉄血側で復活する可能性が高い。そうなってしまえばまたこの二体が厄介な敵に舞い戻ってしまうし、そんなデメリットしかない賭けにベット出来る程俺は向こう見ずじゃないからな。

 

「ほれ、指揮官も違ぇって言ってんじゃねえかよ」

「指揮官? 指揮官ですって? 人間ごときを指揮官と呼び、あまつさえその下に付き命令を聞くなど……ありえませんわ!!」

 

 処刑人の言葉になおも噛み付く侵入者。まあそりゃそうでしょうよ。言われてみれば、怨敵である人間の言うことを聞くようになったなんて、洗脳と思われても仕方ない気がする。ていうか、鉄血のハイエンドモデルの電脳を対ハッキングプロテクトに抵触することなく洗脳出来る様な技術があれば、この戦争かなり優位に進めることが出来そうだけどな。残念ながらI.O.P社にそこまでの技術は無い。あのペルシカリアですら、狩人と処刑人の知識を借りて電脳の表層部分に少々手を加えるのが精一杯だった。鉄血側の技術者が生きていて、そいつに協力を持ちかけることが出来ればワンチャンあったかもしれないが、まあ死んでるだろうし。

 

 んん? んんんん? ちょっと待てよ。侵入者って確か電子戦に特化してたよな。そういう技術とか知識とか持ってないかな。もし持ってたらコイツの価値が一気に跳ね上がるぞ。人類という立場で見れば、狩人と処刑人を犠牲にしても余裕でお釣りがくる。慣れ親しんだ個体を失うのはちょっと心が痛むが、そもそもが敵だったし、敵として復活したとしてもAR小隊が居れば勝てる。で、侵入者さえ抱きこむことが出来れば、その新しい個体も捕らえて今度は文字通り洗脳してやればいい。無論、侵入者にその力があればという前提があっての話だが、今すぐぶっ壊してしまうのには些か惜しくなってきたぞ。今のまま話が通じるとは思えないが、粘る価値は出てきたな。

 ということで、ちょいと本腰入れてチャレンジトークのお時間だ。処刑人と狩人にはこのまま侵入者が暴れないよう抑えてもらい、他の人形には周辺警戒を継続させておく。邪魔を入れられたくはないし、ハイエンドモデルがあの程度の手勢しか引き連れていないとは考え辛い。支配地域予定区とは言えども現状は敵の手中にあるエリアで油断は出来ないからな。

 

 処刑人と侵入者の会話に咳払いを一つ入れて割り込む。先ずは再度の否定から入っておこう。そして、鉄血製のハイエンドモデルの電脳には対ハッキングプロテクトがあるため洗脳は無理だと告げ、こちらの情報カードを一枚切ってみる。さて、こいつが狩人や処刑人と同じくらいコンプライアンス意識の低いポンコツなら助かるんだが、どうだろうな。

 

「ふん、そうでしょうとも! お前たち人間ごときに解除出来るような軟なプロテクトじゃないのよ!」

 

 あ、ちょっと想像してた方向とは違うポンコツだこれ。自らの発言によって一瞬で矛盾を生み出したことに気付いていない。そこまで対ハッキングプロテクトに自信を持っているのなら、狩人や処刑人が洗脳されるはずがないのだ。

 だが、その矛盾を突っつくことはまだしない。どうやら激昂はしながらも、言葉を選べば会話は成立する様子である。ならば今のうちに引き出せるだけ情報を引き出しておくのが吉というものだ。この調子で知っていることを全部喋ってもらうか。

 次の手として、その対ハッキングプロテクトさえどうにかなればこいつらもきっちり洗脳してやりたいところなんだが、と嘯いてみよう。いや、もし侵入者にその技術があるのならばお前を捕らえて無理やり言うことをきかせてもいいな、と脅迫めいた台詞もあわせて投げておく。

 情報収集を目的とした会話の場合、そこには幾つかの手段があるのだが、今回は会話の主導権を握り敢えて言葉の方向性を散らす戦法で攻める。傍から見れば、俺はのらりくらりと相手の神経を逆撫でしながら話しているようにも見えるだろう。そこにこちら側が本当に欲しい情報への質疑応答が含まれているとも知らずに。ある程度成熟した人間相手では無駄な論法ではあるが、多分AI相手には有効だ。特に今こいつは誰が見ても分かる程に頭に血が昇っている。AIが怒るなんておかしい話でもあるんだが、そこは擬似感情モジュールの為せる業だと思っておこう。そんな枝葉を今考える必要はない。

 

「無駄なことですわ! 誰が人間の思い通りに働くものですか!」

 

 ちっ流石にそこまで抜けてはいないか。こいつにその技術があるかどうかが分かれば御の字だったんだが、そうペラペラとは喋ってくれないらしい。ほんの少しだけ侵入者への評価を上方修正しておこう。つっても五十歩百歩だけども。

 ならば少し方向性を変えるか。とっととぶっ壊して辺り一帯のジャミングをひとまず解消させてしまおう。こいつが潜んでいたビルはもはや全壊に近い状態だし、あの中にジャマーがあったとしたら既に破壊されているはずだ。未だ通信が繋がらないのなら、こいつ自身が強力なジャミングを発生させている可能性が高い。そういう能力を持っていると狩人たちも言っていたしな。

 

「やるならやりなさい。ですが……ただでは終わりませんことよ……!」

 

 なんてことを呟けば、先程の喚き散らすような口調から一転、怒り心頭ではあるもののどこか覚悟を決めたような顔つきと台詞が飛び出してきた。うーん、ちょいと焦ってしまったか? ただ、否定も肯定もせずに流したということは、恐らくこいつを倒せばジャミングは止まるということだ。とりあえずぶっ壊して、周囲に居ると思われる残党を処理して、調査部隊の動向を確認したらミッション終了としてもいい頃合かもしれん。元々支部の位置は割れてるから侵入者をお持ち帰りしてもいいっちゃいいんだが、そうするとこいつを中心にいつまでもジャミングが発生することになってしまう。そんな自殺行為には流石に及べない。

 

「ところで侵入者よ、一つ気になっていたのだが」

 

 会話も程ほどに切り上げ、次のアクションに移ろうかと考えていた矢先、狩人が口を開いた。侵入者は相変わらず睨みを利かせてはいるが、俺に向ける視線よりも幾分か柔らかいのはやはり同族意識でもあるからだろうか。あいつらの話ではそういうのは極めて薄いと言っていたが、侵入者は侵入者でまたイレギュラーなのかもしれない。

 

「貴様の言う通り、対ハッキングプロテクトは生きている。つまり、私も処刑人も洗脳などされていない。これは我々が自らの意志で従っていることにはならないのか?」

 

 あぁー、そこ突っ込むのかよ。別にいいけど。聞けば誰にでも分かるような単純な矛盾を俺が今まで放置していたのは、また侵入者が怒り狂ってギャーギャー喚かれたくないからだっつーのに。まあ今となってはこいつをぶっ壊す方向でほぼ固まったからどっちゃでもいいんだが。

 

「えっ……? えぇ……? あら……ッ!?」

 

 ポンコツかよ。鉄血の持つ技術力はもはや疑いようがないが、このままだと擬似感情モジュールや思考能力なんかのAI性能についてはかなり疑問が残ってしまうぞ。技術の方向性が義体性能とか武装の破壊力とかに尖りすぎている気がする。

 狩人からの突っ込みをゆっくりと咀嚼した侵入者の電脳は、自身の発言によって生じさせてしまった矛盾に気付き、そしてその矛盾を解消するには自己の主張を取り下げる外無いという結論に達してしまい、導き出された答えと、その答えを認めたくない擬似感情モジュールが熾烈な争いを繰り広げた結果。

 

「認めない……ッ認めてたまるものですか……! そうです……洗脳でないというのであれば、重大なバグが走っているに決まっています!! 全て壊して……リセットする!!」

 

 バグりにバグった答えを強引に結び付けた。

 

「……ッ! 指揮官! 鉄血人形だ! ……クソッ! すげえ数だぞ!!」

 

 いくら勢いに任せて何かを口走ったところで、ガトリング砲も手を離れ、自身も処刑人に抑え付けられている状況では事態の好転は望めない。そう、侵入者一人では何も出来ない。本当に侵入者が一人であれば、だ。

 周辺の警戒に当たっていた戦術人形たち、そのうちの一体、M16A1がこちらに駆けつけながら大声を発する。慌てて周囲を見渡せば、先程アンブッシュを仕掛けられた茂みの向こうから、数えるのも億劫になる程の量産型鉄血人形の群れが次々に飛び出してきていた。前方に位置していたUMP姉妹らは既に交戦状態に入っている。

 

 ヤバい。彼我の距離が近過ぎる。

 

「……ッ! 貴様……!」

 

 事態を把握したらしい狩人が忌々しげに吐き捨てたと同時、手に持ったハンドガンで迷うことなく侵入者の電脳を撃ち抜いた。チクショウ、ちょっと勿体無いなとは思ったが、今はそれよりも狩人の判断の早さを褒めるべきだな。だが、侵入者を討ち取ったとて量産型の人形の動きが止まることはなかった。一度出された命令は指揮命令者が死んでもキャンセルされないタイプかよ、くそったれめ。こういうところでAIは便利であり、時として脅威に成り得る。

 

「だぁーッくそったれ! おい指揮官! どうすんだ!!」

 

 苛立たしげに悪態を吐きながら、処刑人が飛来してきた弾丸をブレードで叩き落とす。あっぶね、処刑人が居なかったら俺死んでたな。サンキュー処刑人、お前ほんといい猟犬だよ。

 

 だが、一発の弾丸を弾いたところで事態は何も好転しない。こちらも最大戦力を持ち出しちゃいるが、S02地区奪還作戦の時のように策があるわけでも先手を取れたわけでもない。支部防衛作戦の時のように防壁があるわけでも、迎え撃つ準備が出来ているわけでも、制圧射撃要員がいるわけでもない。周囲の警戒にこそ当たらせていたが、無線の関係で索敵範囲は非常に狭くなっていた。結果、通常であれば有り得ない距離で大軍との接敵を許してしまった。更には全方位を警戒していたせいで、茂みの方向にはUMP姉妹とウェルロッド、ナガンしか居ない。

 クソ、悩んでる暇がない。一秒すら惜しい。とにかく大軍の奇襲から始まったこの戦況を少しでもこちらに傾けないとヤバい。全滅の可能性こそまだ低いが、このままじゃオリジナルの損失も有り得る。そんなことさせてたまるか。パニクりかけた脳みそを無理やり捻じ伏せ、UMP姉妹にありったけのスモークとフラッシュ・バンの投擲を指示。この状況から殲滅戦に移行するのは流石にリスクがでかすぎる。幸いハイエンドモデルは仕留めたから、後は数だけはやたら多い有象無象が残るのみだ。一旦退いて態勢を整え、改めて殲滅してやる。

 

 間髪入れずに大軍へ放り込まれた複数のスモークとフラッシュ・バンがその効力を遺憾なく発揮する。しかし、敵の数があまりにも多すぎた。全体から見れば動きが止まったのはほんの一部で、前衛の負担は一瞬軽くはなったものの、気休め程度にしかなっていない。その一瞬の間にも、耐久力に劣るナガンのダミーが一体、鉄血の集中砲火で地に伏していた。

 今ここに車が無い以上、一方的に戦域から離脱するのは不可能だ。となれば遅滞戦闘を行うしかないのだが、鉄血人形の数が膨大な上に距離が近過ぎるため、ナガンのダミーが一瞬で呑まれたように、生半な戦力では押し流されるだけで終わってしまう。だがこのまま一斉に退いたとて、車両を待機させている位置にまでこの大軍を引っ張ることになれば、今度は車両と自律人形が危うくなる。離脱するための足を失うのはなんとしても避けなければならない。

 勿体無いが、AR小隊のダミーをぶつけて時間を稼ぐしかない、か。狩人と処刑人も当てておきたいところだが、こいつらは先程の侵入者との戦闘でかなり消耗している。ここでこの二体を失うよりは、まだ替えの利くダミーの方がマシだ。

 

「それしかないか……! やるぞお前たち! ダミーを全部前に出せ!!」

 

 俺の指示を受けたM16A1が、声を二度張り上げる。その呼吸にあわせ、M4A1、AR-15、SOPMODⅡのダミーたちが一斉に鉄血人形の方へ走り出していた。

 I.O.P社が誇るダミーネットワークリンクシステム。その恩恵を十二分に授かったダミー人形たちは、されど完全な自律行動が出来るわけではない。オートではなくリモートの類であるため、やはりオリジナルが適宜細かい指示を出す方がその能率は上がる。一度出された命令を遂行する程度の力はあるが、どうしてもダミー同士で連携は取れないし、戦闘能力もオリジナルに比べれば格段に落ちてしまう。それでも並以上の戦力として勘定出来るのは、偏にAR小隊の並外れた錬度のおかげだ。他の人形のダミーではこうはいかない。

 だが、如何にAR小隊とはいえ、ダミー人形だけでの戦闘行動では時間稼ぎが関の山だろう。逆に言えば、AR小隊以外のダミーではこの状況では時間稼ぎにすらならない。タコ殴りにされて終わるだけだ。

 

「総員撤退です! 走って!」

 

 ダミーを突っ込ませオリジナル一人となったM4A1が叫ぶ。多分普通に走れば10分程度で車両を待機させているポイントまで戻れると思うが、今はその10分が限りなく長く感じる。それに、AR小隊のダミーがどれ程の時間を稼げるかも正直不安が残る。一瞬で崩壊するとまでは考えたくないが、頭数の差が圧倒的過ぎる。結構な数で抜けてくるやつも居るだろう。いやあ、普段からランニングしといてよかった。間違ってもふざけたことを考えられる状況じゃないが、無理やりにでも脳に余裕を持たせておかないと今以上の窮地に陥ったら死ぬ。戦場での思考放棄は死と同義だ。特に指揮官の立場にある俺は絶対にそれをやっちゃいけない。

 

 一斉に撤退を始め、ろくに照準も合わせないままけん制射撃を行いながらただ只管に、走る。俺の直衛にハイエンドモデル二体がついてくれてはいるが、追いつかれでもしたら如何にこいつらでも俺を敵弾の雨から護りつつの撃破は難しいだろう。こういう時は耐久性に劣りダミーも持てない人間の不便さを嫌でも感じてしまう。軍人時代はそれが当たり前だったんだが、戦術人形をずっと運用してればそりゃ戦場に立たなくなるわけだ。

 走りながら周囲を見渡すが、UMP45とナイン、HK416、それにウェルロッドの数も合わない。クソ、こいつらのダミーも初手で落ちたか。原因の排除は完了したはずだからクルーガーから報酬は頂けるはずだが、それにしたってシャレにならない出費だ。頭が痛いぜ。

 

「おい! ありゃ車じゃねぇのか!」

 

 ふと、処刑人の声が響く。その声と視線にあわせて目を向けると、ポイントで待機させていたはずの輸送車両が物凄いスピードでこちらへ近付いてきていた。マジかよ、メチャクチャに有り難いんだが。でも一体どうしてこっちに来るという判断が出来たんだ。

 

「皆さん乗ってください! 急いで!」

 

 華麗なハンドリングテクを披露し、ドンピシャの位置で車を停めたハルさんが叫ぶ。イ、イケメンかよ。惚れそう。

 ハルさんの操る車両に続いて、後続の輸送車両も到着した。ギリギリだが、乗り込んでスピードを出せさえすれば十分引き離せる距離だ。この距離ならば蜂の巣にされることはあるまい。

 そう思いながら後ろを振り返ると、AR小隊のダミーを抜けてきた少数の鉄血人形の後ろから、先程とは違った砂埃が撒き上がっていた。ということはつまり、ダミーが突破されたということだ。想定より大分早くないですかね。すぐ目の前に迫っている抜けてきたやつは現有戦力で瞬殺出来るが、後ろの大軍はちょっと厳しい。AR小隊も今はオリジナルしか居ない。戦力に差が出来過ぎていた。しかも今はハルさんたちも寄ってきてしまっている。ここでドンパチをやらかしてしまうと、確実に車両と自律人形がオシャカになってしまう。

 

 

 

 

「……チッ。已む無しか」

 

 全員が乗り込んだと思ったら、狩人と処刑人がすぐさま車から降り立っていた。

 

「適当に時間稼いだら走って帰るからよ! お前ら先行っとけ!」

 

 ボロボロになった外骨格を気にもせず、獰猛な笑みを浮かべる処刑人。

 

「……出します!」

 

 そんな二体を尻目に、ハルさんが一気にアクセルを入れる。それに釣られ、2号車以下周囲の輸送車両も一斉に動き出した。

 多分、巷に溢れる漫画や小説なんかでは、こういうのはフラグとでも言うのだろうが、ところがどっこいこいつは娯楽作品ではなく現実で、よしんば立ったとしてもフラグごと叩き伏せるだけの実力をこいつらは備えている。

 

 だから、ここで俺が送るべき言葉は、心配の類ではない。

 任せた。ただその一言で、猟犬たちに背中を預けるだけだ。

 

 

 砂埃に飲み込まれる鉄血のハイエンドモデルが二体、バックミラーの端を掠めた。




第一部隊
M4A1:帰投 ダミー4体喪失
M16A1:帰投 ダミー4体喪失
M4 SOPMODⅡ:帰投 ダミー4体喪失
AR-15:帰投 ダミー4体喪失

第三部隊
UMP45:帰投 ダミー2体喪失
UMP9:帰投 ダミー1体喪失
HK416:帰投 ダミー1体喪失
G11:帰投 喪失無し
ウェルロッドMkⅡ:帰投 ダミー1体喪失

第五部隊
M1895:帰投 ダミー1体喪失
処刑人:未帰投
狩人:未帰投

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