その勢いでホワイトデーとかも無くなってくれたらいいのに(妬み)
さて、今回は『ガイア・ティアマート』様の作品『閃空の戦天使と鉄血の闊歩者と三位一体の守護者』とのコラボです!
https://syosetu.org/novel/205743/17.html
ISとのクロスオーバーだったりUMP40が無事だったりとなかなか個性的な作品なのでおすすめです!
相変わらず寒い日が続く今日この頃。特に今日は寒気の影響からか空は灰色の雲が覆い、雨ではなく雪がちらほらと降っている。そんな日でも喫茶 鉄血は変わらず店を開けていた。
チリンチリン
「ひゃ〜、寒い〜!」
「お帰りなさい、マヌスクリプト。 今日は随分と冷えますね?」
「予報は曇りだったから降らないとは思ってたけど、雪は想定外だよ〜! 風も吹いてるし」
お使いから帰ってきたマヌスクリプトはそう言うと、風と雪でぼさぼさになった髪を手櫛で整える。言われて見てみれば、時折強めの風が吹いては公園の木の枝を揺らしている。降雪量自体は大したことはなさそうだが、横あいから吹き付けられては堪ったものではないだろう。
「お疲れ様、今日はもう上がってもいいですよ」
「え? いいの!? やったぁー!」
さっきまで小さくなっていたのに、すっかり元気になって上の階へと駆け上がっていく。おそらく、炬燵にでも潜り込むつもりだろう。まぁ寒い中お使いに行ってくれたのだから、これくらいは許してやるとしよう。
(となると、今日は暖かいメニューを多めに用意しておいた方がいいかもしれませんね)
窓の外を眺めながらそう思った代理人は、ひとまずコーヒーを多めに出せるようにしておこうと厨房に向かう・・・・・直前で店の扉が勢いよく開いた。
バタンッ‼︎
「「「ひぃいいいい!!!!」」」
「あら、これはまた・・・・・」
震える声で悲鳴を上げながら転がり込むように入ってきた三人組を見て、代理人はポツリと呟きながら苦笑するのだった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「そうですね、説明する前にまずは温かい飲み物でもお出ししましょう」
UMP姉妹似の三人を招き入れた代理人は、ひとまず店の隅のテーブル席に座らせる。もともとあまり人が座らない席だし、なにより込み入った話や人に聞かれたくない話にはいい場所だ。
三人に事前に聞いていた飲み物を出し、一緒に持ってきた新聞の束を渡す。読み進めるうちに彼女たちの表情に驚きの色が浮かび、そのうちの一人である40似の少女が壁のカレンダーを見て目を見開いた。
「その様子だと薄々お気づきになったと思われますので端的に説明しましょう。ここは、貴方達の居た世界とは別の世界です」
「べ、別の世界?」
「はい。 文字通り、あなた方が住んでいる世界とは異なる世界です」
言い澱むこともなく、はっきりとそう言い切った代理人に三人は顔色が青ざめ始める。45似の少女に至っては今にも泣きそうだ。
とはいえ、代理人も人をいじめる趣味があるわけでもないので早々と伝えるべきことは伝えておく。
「大丈夫ですよ三人とも。 きっと帰ることができますから」
「「「・・・・・え?」」」
代理人の言葉に三人はポカンと口を開ける。その仕草も口の開き方も全く同じなので、思わず代理人も頬を緩ませる。それから代理人は店の戸棚に飾ってある品々を持ってきて、かつてこの店に訪れた者たちの話を聞かせた。最初は半信半疑だった彼女たちもなんとか信じてもらえたようで、最後の方は楽しそうに話を聞いてくれていた。
「・・・・と、こんなところでしょうか」
「つまり、その時が来たら帰れるんだよね?」
「えぇ。 ですのでそれまではここでゆっくりしていってください・・・その格好では風邪をひいてしまいますので」
目の前に座る三人の服装は、この季節ではありえないほど薄着だった。というより夏服である。それが、この世界の人物ではないという可能性に気づいた要因の一つではあるのだが。
話を聞いて見たところ、どうやら彼女たちの世界は今真夏らしく、そこから一転して真冬の世界に放り込まれてしまったらしいのだ。
「・・・そういえば、貴方達はUMP型の戦術人形のようですが、名前はあるのですか?」
話のついでに、代理人は少し気になっていたことを聞いて見た。見た目や彼女たち同士の呼び方でUMP姉妹であることは察しがついていたが、名前がないと呼びづらい。
まず初めに答えてくれたのは、45似の少女。
「私は『シゴ』、SFSのミドルレンジモデル戦術人形で、そっちの名前は『SFSチェイサー』っていうの!」
次に、40に似た明るい少女
「アタイは『フィアーチェ』。もうひとつの名前は『SFSコンダクター』だよ」
最後は9似の快活な少女。
「私は『ナイン』。もう一つの名前は『SFSピアサー』なの」
45がシゴ、40がフィアーチェ、9がナイン・・・それぞれがやはりUMPタイプではあったが、それよりもさらに気になる単語が出てきた。
「『SFS』とは何でしょうか?」
「私達の世界の鉄血工業の再編後の名前。『Sangvis Ferri Striders(鉄血の闊歩者達)』、頭文字を取って『SFS』ね」
鉄血工業の再編・・・おそらくは代理人たちが起こしたクーデターと同じようなことが起きた結果、今の体制になったのかもしれない。これまで色々な世界の話を聞いてきたが、そのほとんどが鉄血の暴走という事件を経た世界であるところを見ると、どの世界でも傍迷惑なことをしているなと代理人は苦笑するのだった。
その後も、互いのことを話しては聞き、質問しては答えを繰り返した。あちらの世界にもサクヤがいたり、IS(インフィニット・ストラトス)という兵器があったり、彼女達『404特務小隊』ができるまでの話だったり。
逆にこっちのUMP姉妹のこと、とりわけ災難に見舞われがちな45のことを話すと、三人とも面白そうに笑っていた。そうして話してみると、こっちの45とシゴの過去は結構似ているようで、そう代理人が指摘するとシゴは顔を赤くして俯いてしまった。
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さて、楽しい時間というのは存外早く経つもので、日も向き始めた頃に彼女達の持っていた時計が『カチリッ』と妙に大きな音を立てて時を刻む。
「おや、どうやら時間のようですね」
名残惜しそうにそう言うと、三人も少し残念そうに頷いた。まだいたいと思ってくれるのは代理人としては嬉しいが、いつまでもこの世界にとどまるわけにもいかないこともわかっている。
「えっと、お勘定・・・って、あれ?値札の単位が・・・」
「本当だ、コインじゃない・・・」
「私達コインしか通貨持ってないよぉ・・・」
そしてお会計になってのこの会話も、まぁ代理人にとっては慣れ親しんだものだ。むしろこの世界だけ通過が違うのかと思うと、かえって不思議な世界にいるんだなぁと思ったりもする。
「いえ、お代は結構です。どのみち通貨が違う以上お会計できませんので。強いてお代というなら、貴方達の世界のお話がお代替わりです。それと・・・」
お代を断り、そしてこれまたいつも通りの紙袋を手渡す。中身はもちろん、この店自慢のブレンドだ。
「うちのオリジナルブレンドです。貴方達の世界の鉄血・・・SFSの皆さんとどうぞ」
「うん、ありがとう!」
シゴはそう言うと嬉しそうに受け取り、大切に抱える。さてこれでお別れか・・・というところで、
「あ、そうだ!」
フィアーチェが鞄から何かを取り出すと、カウンターの上に広げる。それはどうやら折り紙のようで、慣れた手つきで数枚の折り紙を折っては組み合わせていく。
ものの数十秒で完成すると、それを代理人に差し出した。
「せっかくだからこれあげる!」
手渡されたそれは、一見するだけだと何かわからないもの。だがそれは、彼女達『404特務小隊』の隊章だった。これでお揃いだね、とでも言うように笑うフィアーチェからそれを受け取ると、代理人も大事にポケットに入れた。
「ふふふ、ありがとうございます。では、お気をつけておかえりください。」
「「「はーい!」」」
三人は元気よく返事をし、代理人に手を振りながら店を出る。そして扉が閉まると同時に一際強い風が吹き、その風に運ばれるように三人の姿は消えていた。
それを見届けた代理人は少し微笑み、誰もいなくなった店先へとお辞儀をしながらこう言った。
「またのご来店、お待ちしております」
end
これまで我慢し続けてコインが1300枚も貯まったぞ・・・さぁ運営、早く9のスキンを出すんだ・・・ハリー、ハリーハリーハリー!!!
・・・・・おっと、ロリ9を書いてたせいで理性が危ういところまで行ってしまった。我慢我慢
それでは、今回のキャラ紹介!
シゴ
404特務小隊の隊長、ロリスキンの45姉。
この呼び方は45の並びを「1、2、3、4、5(いちにさん
公式過去と同様、驚異の成績と豆腐メンタル。
フィアーチェ
UMP40・・・のロリ。呼び方はドイツ語で40を意味する「フィアツィヒ(Vierzig)」から。
どうでもいいことだが、UMP40をドイツ語読みにすると「ウーエムペー フィアツィヒ」となる。
ナイン
UMP9のロリスキン。可愛い。
よく笑い、よく遊ぶ子供らしい子供。
これまたどうでもいいことだが、9はドイツ語で「ノイン」、45は「フュンフ ウント フィアツィヒ」
代理人
マニュアルもないのに異世界組の対応が完璧になりつつある、自称普通のハイエンドモデル。
自分もたまには異世界に行ってみたい・・・とか考えてるかもしれない。
ところで「SFS」って聞くとドダイとかゲターが思い浮かぶのは私だけでしょうか?