喫茶鉄血   作:いろいろ

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『chaosraven』様の『裏稼業とカカシさん』とのコラボ!
https://syosetu.org/novel/194706/13.html


【あらすじ】
こっちのスケアクロウの公演会場の倉庫に飛ばされてしまったあっちの世界のレイ。
なんやかんやあってこっちのレイと無事合流(?)

その一方、あっちのスケアクロウはもう一人の少女と共に喫茶 鉄血に流れ着いていた。


第百九十九話:二人の『レイ』/ちょっと一息

「はい・・・・えぇ、はいそうです・・・はぁ、なるほど」

 

 

 公演を終え、楽屋でのんびりとレイ(相棒)を待っていたスケアクロウの元に、代理人から電話が入る。その内容と言うものが少し奇妙で、開口一番『あぁ、やはり』と勝手に納得したような感じだったからだ。加えてね『まだ会場にいますよね?』だとか『レイさんも一緒ですか?』など、わざわざ聞かなくともわかるようなことばかり聞いてきたのだ。

 一瞬、代理人を騙る迷惑電話かとも思ったが、その線も薄いと判断。こちらからも色々聞き出し、ようやく状況を理解したスケアクロウは楽屋を出てレイのもとに向かった。

 

 

「レイ、先ほど代理人から電話があって・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いいですか? いくら公演が終わったからといっても、まだお客さんも近くにいますし後片付けだってあるんです。 ご友人に会えて舞い上がる気持ちはわかりますが、時と場所はわきまえてください・・・・いいですね?」

 

「「はい・・・・・・」」

 

「なんで私まで・・・・・」

 

「とんだ一日だ・・・・」

 

「口答えしない!!」

 

「は、はいっ!!!」

 

 

 通用口から顔を出すと、()()()()()と警備員の男性、その相棒のM870が並んで正座し、スタッフの女性から厳しい口調でお叱りを受けているところだった。ガタイのいい男たちと戦術人形が大人しく怒られている光景はシュールなものがあり、世界は違えど百戦錬磨の男がこうべを垂れ続けている姿はここでしか見られないのかもしれない。

 面白そうなのでこのまま見ていてもよかったが、スケアクロウも彼らに用事があるのでキリの良いところで話しかける。

 

 

「すみません、少しよろしいでしょうか?」

 

「あ、スケアクロウさん」

 

「げっ、スケアクロウ・・・・・」

 

 

 『げっ』ってなんだよ、という言葉がのどまで出かかったのを飲み込み、スケアクロウは二人のレイの()()()()を掴んだ。

 

 

「「え・・・・?」」

 

「このたびはご迷惑をお掛けしました。 二人には私からよ~~~~~く言っておきます」

 

「わ、わかりました」

 

「ではこれで・・・・・二人とも、行きましょうか」ニッコリ

 

 

 その時のスケアクロウの笑顔を見た二人は同時に思った・・・・・これはあかんやつや、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 場所は変わって喫茶 鉄血。休日の午後ということもあって賑わいを見せる一角に、代理人は本日五つ目のケーキを運ぶ。

 

 

「お待たせしました、紅茶のシフォンケーキです」

 

「わはぁ! これも美味しそ~!」

 

「本当に遠慮のない・・・・すみません、代金はどうにかしますから」

 

「いえいえ、構いませんよ」

 

 

 ため息交じりの()()()()()()に、代理人はそう言った。その横で早くも半分になったケーキにフォークを突き立てるのは、この地区ではまだ見たことのない人形・・・・P90だ。

 どこからともなく現れたこの二人、そのうちの一人は代理人の家族によく似ているが、それとは別人であることはすでに知っている。こことは違う世界・・・・いわゆる平行世界の住人だ。となると連れのP90も同様だろうと思い、代理人もそのつもりで接している。

 

 

「サーちゃんサーちゃん! これも美味しいよ!!」

 

「あぁもう口の周りがクリームだらけに・・・・少しは節度を持ってくださいティナ」

 

「ふふ、じっとしてくださいね・・・・・これで大丈夫ですよ」

 

 

 嬉しそうに頬張るP90の口元を拭う、手慣れた様子の代理人に、スケアクロウ(サーリャ)は何度も自身の姉を重ねては引きはがすを繰り返す。同じ代理人(エージェント)ということで性能や序列は変わらないが、あの売れ残りバホ姉とは雲泥の差だな・・・・・と失礼極まりないことを考えながら、カップに注がれた紅茶を飲み干す。

 もっとも、自分たちハイエンドを除く鉄血工造が人類の敵となった今、売れ残りもへったくれもないのだが。

 

 

 

 

 

 

 さて、平行世界のスケアクロウとP90・・・・・『サーリャ』と『ティナ』がこの世界に来たのは、ちょうど昼を回るかどうかという時だった。部屋で寝ていたはずの二人はなぜか公園の遊具の中で眠っており、野良猫に頬をなめられて飛び起きたティナの悲鳴でサーリャも目を覚ました。

 スケアクロウは以前に一度経験しているため比較的冷静でいられたが、製造されてからもまだ日が浅いティナはパニック寸前。たまたま近くを代理人が通りがからなければ、人目もはばからず泣き叫んでいたことだろう。

 そうして喫茶 鉄血へと連れられてきた二人は、サービスとしてケーキと紅茶をふるまわれ、ドハマりしたティナがケーキの追加を注文し始めて今に至る。

 

 

「まさかまたお世話になってしまうとは・・・・」

 

「こういう時は助け合いですよ」

 

「抹茶ケーキうまぁ・・・」

 

「あなたはそろそろ自重しなさい!」カカシチョップ

 

 

 そんなこんなで二人の相手をしていると、代理人の端末にメッセージが届く。どうやらスケアクロウの方で『平行世界のレイ』を見つけることができたようで、チャーター機で連れてきてくれるそうだ・・・・・売れっ子エンターテイナーはやることが違う。

 

 

「スケアクロウ・・・いえ、サーリャさん。 どうやらレイさんも見つかったようですよ」

 

「え、本当ですの!?」

 

「えぇ、あと二時間ほどでこちらに着くとか」

 

「「よ、よかった~~・・・・・・」」

 

 

 主人の安否がわかり、ほっとする二人。代理人はそれを見届けると、空になったカップを下げてお替わりを注ぐ。

 その後ろで、二人の足元がスゥッと透け始めていることに誰も気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「プラベートジェットをチャーターできるなんてな・・・・・」

 

「ふふん、うちの嫁はすごいだろ?」

 

「なんでお前が得意げなんだよ」

 

 

 窓の外を流れる雲海を眺めながら、そんなくだらないやり取りをする瓜二つの男たち。恋人関係ではあるが稼ぎの全てを(給与も含めて)スケアクロウに依存している都合上、こんなところでしか格好つけられないことに内心涙を流しつつ、レイはドヤ顔を決める。

 そんな意味のない見栄をはるレイを軽く小突き、スケアクロウはもう一人のレイに缶コーヒーを差し出した。

 

 

「こういうモノしかありませんが、どうぞ」

 

「ん、あぁありがとう」

 

「まったく・・・・お前のせいでとんだ一日だったな。 連れを見つけたらさっさと帰るんだぞ?」

 

「言われなくてもそうするっての」

 

 

 同一人物なら仲よくすればいいのに、あるいは同一人物だからこそ反りが合わないのか、とスケアクロウは苦笑する。二人ともいい歳した大人なのに、こういうところは子供っぽい。

 スケアクロウも背もたれに体を預けると、窓の外に視線を移す。その視線の先、真っ白な雲の上にきれいな虹がかかっていた。

 

 

「あら、虹が・・・・・」

 

「お、ほんとだ。 おい、あんたも見てみ・・・・・」

 

「え・・・・・」

 

 

 レイとスケアクロウが振り向くと、そこにいたはずのレイの姿が忽然と消えており、閉めたままのシートベルトが転がっているだけだった。まるで、初めから誰もいなかったかのように。

 二人は顔を見合わせると、困ったように微笑んだ。

 

 

「ったく、そんなに早く帰らなくったってよかったろうに」

 

「あなたが帰れと言ったからでは?」

 

「いやいや、まさかそんな・・・・」

 

「ふふふ、まぁともかく、代理人にも伝えませんと」

 

 

 その後、喫茶 鉄血でも二人が突然消えてしまったことを聞き、おそらくは無事に元の世界へと帰っていったのだろうと結論付けられた。

 なお余談だが、この日ティナとサーリャが注文したものの伝票は、スケアクロウが払うと同時にあっちのレイへのツケとなるのだった。

 

 

 

end




お返しは早めに・・・・ということでchaosraven様、コラボありがとうございました!
惜しむらくは、サーリャちゃんの「つーん」が書けなかったことですかね(笑)


では早速キャラ紹介!
今回はコラボキャラ中心に。

レイ
世紀末世界で裏稼業の組織に所属する凄腕の男・・・・ただし、幸薄感は否めない。
飛ばされた先で警備員に追いかけられ、スタッフに起こられ、スケアクロウにも怒られ、さらには喫茶 鉄血にたどり着く前に強制送還されてしまう。
流石にかわいそうなので、そこそこ美味しい缶コーヒーを進呈しよう。

サーリャ
スケアクロウ。カカシちゃん。
ちなみにティナをなだめるのに必死で気づいていなかったが、ビットも何もない丸腰の状態だった。
「遠慮しろ」と言っている自分もお高いケーキを注文している。

ティナ
P90。実はこの地区にはまだいないため、通りすがった人形たちから不審がられていた。
メニューのケーキを全種コンプリートしてしまった。











※没
(そもそも通貨が違うので使えなかったネタ)


代「あらレイさん、いらっしゃいませ・・・・早速ですがお二人の代金を頂きたいと思いまして」

サーリャ&ティナ「「ゴチになります」」

レイ「Youたち何言っちゃってんの!?」



おわり
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