あと今更ですが、『白黒モンブラン』様の作品『Devils front line』でコラボを書いていただきました!
https://syosetu.org/novel/191561/13.html
(※番外50-5はこの後日談となります)
自分以外の人が書く自分の作品って、なんだか新鮮でいいですね!
さて、それでは今回のラインナップ!
・非歩行脚の可能性
・喫茶 鉄血の収支簿
・戦術人形はSOPMODⅡJrの夢を見るか
・社の風紀は私が守る!(鋼の意思)
・最重要機密事項
番外50-1:非歩行脚の可能性
「むむむ・・・・・」
日もどっぷり沈み、もうすぐ日付が変わるといったころ。鉄血工造本社の一画に構えたアーキテクトの自室兼研究所で、部屋の主であるアーキテクトは顎に手を当て眉間にしわを寄せる。真っ暗な部屋にモニターの光だけという、世のお母様方が見れば角を生やして怒鳴り込むような不健康極まりない環境だが、残念ながらこれを止めることができる社員はこの企業にはいないのだ。
そのアーキテクトが睨む先、モニターに映るのは二人の人形・・・・ペルシカ製新型人形のWとHだ。既存の人形とは一線を画す性能に加え、Wは全体的にバランスよく仕上がっており、ライバル企業として対抗心を刺激される高性能機だ。
そしてもう一方のH・・・というか彼女の装備に、アーキテクト個人の対抗心が刺激されたのである。
(折りたたみ機構の大型砲、機動性や防御を一切捨てた攻撃極振り、人形に積むことを根本から間違ってる過剰火力・・・・・いいっ!)
機能性とか安定性とか、そんなものよりも面白さととがった性能を求める
人はそれを、『ロマン』と呼ぶ。
「それに比べるとやっぱりうちには面白みがないよね、量産性と堅実さが売りなのはわかるけどさ」
ため息交じりに社のカタログを開き、パラパラとめくっていく。IoP製と比べると個性が薄いのは否めず、また量産性を重視しているからか装備の追加も難しいほど拡張性がない。重装人形であるAegisならまだ何とかならなくもないが。
ピー
「失礼します主任・・・・また徹夜ですか?」
「んぁ? あーまぁね」
悩むアーキテクトのもとを訪れたのは、まさに今頭をよぎっていたAegisと社内警備用のプラウラー。Aegisの所属はゲーガーが率いていた輸送部隊で、今でもゲーガーの手足となって各地を奔走する鉄血工造の古参である。
そんなアイギスの手にはトレーがあり、その上にはコーヒーの入ったマグカップが乗っている。いったいどこから見ているのかわからないが、アーキテクトが徹夜するときは大体こうしてゲーガーが差し入れをもっていかせるのだ。
・・・・・それはさておき、アーキテクトは目の前の二人(?)を見る。Aegisはもちろん、プラウラーも鉄血工造製兵器の中でも特に堅実な設計で、脚や浮遊ではなく車輪による安定した走行が可能な前衛型である。統一規格ということで武装はシンプルな機銃のみだが、単純な機構は多少の重量にも耐えうる設計で・・・・・・あ。
「・・・・・失礼しまs「逃がさん!」ぎゃあああ!?」
アーキテクトの目が妖しく光り始めたあたりで身の危険を感じたAegisだが、逃げ出す前にプラウラーもろとも捕らえられる。一見華奢に見えるがアーキテクトもハイエンド、並みの人形をしのぐパワーを持つ。
「やめて! 私に乱暴するつもりでしょ!? エ〇同人みたいに!!」
「しないよ!? でもまぁちょ~っとだけ痛いかもしれないけど」
「いやぁぁあああ汚されるうううううう!!!」
「あーもう野太い声で悲鳴を上げるな気持ち悪い!」
その翌日、下半身をプラウラーの四輪脚に換装したAegisが目撃され、ゲーガーはペンをへし折り社長室を飛び出したのだった。
end
番外50-2:喫茶 鉄血の収支簿
『商売』というものは、利益と損失の結果である。人によってはシーソーゲームだとか、博打に例えられることもあるが、基本的には収益を上げて損失を減らすことが利益を上げる最短ルートである。そうして膨大な富を得る、あるいは安定した利益を生み出してから、慈善事業とかボランティアとかに手を伸ばすものである。
そんなある意味当たり前のことを考えながら、マヌスクリプトはショーケースにケーキを並べていく。彼女自身も副業(?)として
(はぁ、宝くじでも当たんないかなぁ・・・・・あ、そういえば)
そうしてケーキを並べ終え、ふと先日の奇妙な来訪者を思い出す。おそらくここではない世界から来たであろうその二人組の女性、とくにその片割れの少女はここに並んでいるケーキをほぼ全種平らげてしまったのだ。
初期こそ数種類が並ぶだけだったこのショーケースも、今では季節限定のものも含めて常に十種類以上のケーキや洋菓子が並んでいる。値段も決して安いというわけではないので、全部食べるとなるとそこそこの出費を要求される。
(・・・・・でもあれ、結局お金もらってないのよね)
そう、それだけ食っていながらあの小娘・・・・確か『ティナ』という名前だったはずだが、彼女は一銭も払っていない。正確にはそもそも通貨が違うため支払えないのだが、代理人の好意とはいえ無銭飲食に変わりはない。
別にそこに関しては特に言うことは無い。マヌスクリプトが気になるのはそこではなく、
(・・・・・普通、そこそこの損失よね?)
我が家の収支である。
言うまでもなく、喫茶 鉄血も飲食店だ。日々の売り上げと材料費や固定費用や生活費などの支出を経て最終的に黒字にとなっているが、はたしてそこまでの利益があっただろうか。
これまでもそうだ。ふらっと迷い込んだ人形や人間を招いては、ケーキや茶を出している。無償というわけではないが、その対価は思い出話だったり写真だったりで、金銭でないことがほとんどだ。
(でも家計が苦しくなったことは一度もない・・・どころか人が増えても変わらないのはなぜ?)
文字通りどこからか金が降って湧いてるんじゃないかというくらい、ここでの生活は苦労していない。そして一度気になると突き詰めないと気が済まないのがマヌスクリプト、代理人の眼を盗んで店の奥にある帳簿を見に行く。
(実は知らないだけで売り上げが上がってる? それとも実はギリギリでお金を借りてるとか? 前者だといいけど後者はやだなぁ・・・・・)
「・・・・・何をしているんですかマヌスクリプト」
「ぴぃ!?」
帳簿をあさっているうちに、代理人の接近に気が付かなかったらしい、普段とは違う狼狽え方をするマヌスクリプトを不審に思いつつ問いただすと、観念してすべて話した。
「・・・・・そんなことですか?」
「いやぁ、やっぱり気になっちゃって」
「はぁ・・・別に大した理由はありません、所謂
ちなみに、この常連というのはもちろん客のことだが、飲食に限らず個室利用(貸切なら追加料金)やフロアの貸切など、飲食以外でもお金を落としてくれる人たちのことである。特に個室の方は、シスコン会の集会や小隊の打ち合わせなどなど、グリフィン関係者が多数を占める・・・・・後者は明らかに場所を間違えているが、支払っている以上は何も言わないことにしている。
「そういう人たちにサービスとかしないの?」
「たまになら構いませんが、頂けるところからはきっちり頂きますので」
「代理人らしいなぁ・・・・じゃ、新しいサービスとしてこのシースルーメイド服を着て接客ってのも」
「やりません」
end
番外50-3:戦術人形はSOPMODⅡJrの夢を見るか
『・・・・4』
「んん・・・・」
誰かが呼んでいる気がする。
まどろみの中、M4A1はぼんやりとそう考えた。
『・・・・M4・・・・・起きてM4!』
さっきよりもはっきりとした声に、M4はどこか納得したような表情を見せる。この元気いっぱいな声の主を、彼女はよく知っている。
「ぅん・・・・SOP・・・?」
「M4! 朝だよ!!」(SOPMODⅡJr)
「わぁぁあああああああ!!!!??」
眠い目をこすり、声の主を視界に収めると同時にひっくり返る。そこにいたのは予想していた人物ではなく、それをデフォルメしたような珍妙なデザインの人形・・・・・どこかの世界の小さいM4が連れていた『SOPMODⅡJr』だ。見た目はぬいぐるみっぽいのだが、どんな原理なのかやたらと軽快に動いており、M4の周りを飛んだり跳ねたりしている。
突然のことに何が何だかわからないM4だが、辺りを見渡してみるとさらに異様な光景が目に入る。一面花畑の中にやたらとファンシーなベッドがぽつんと置かれ、M4はそこで寝ているという状況だ。
「・・・・・・なにこれ?」
「M4M4!」
「SOP? どうしたn『ズシンッ!!』今度は何!?」
突然の地響きに、M4とSOPは飛びあがる。いつの間にか辺りは花畑ではなく荒野に代わっており、M4もベッドではなく大きな岩に腰かけていた。
そして地鳴りがした方を見て、M4の表情は凍り付く。
「な、なにこれ~~~~!!??」
そこにいたのは、見上げるほどの大きさのダイナゲート。マンティコアはおろかジュピターさえも凌ぐ、ただただ大きくなっただけのダイナゲート。何とも言えないシュールさがあるが、その巨体でノッソノッソとM4に近づいてくる。
『―――――――!!』
が、なぜかその場でピタリと止まり、警戒を強めるような仕草を見せる。視線(?)も先ほどまでM4に向いていたが、今はそれよりももっと上を見ているようで・・・・・・
『がおーーーーー!!』
「えええええええっ!?」
そこにいたのは、いつの間にか巨大化したSOPMODⅡJr。こちらもそのまま大きくなっただけなのに加え、何ともわざとらしい雄たけびを上げてダイナゲートと対峙する。
両者は睨み合い、そして同時に地を蹴る・・・・・・その真ん中にM4を残したまま。
「え? ちょ、まっ、きゃぁああああああああ!!!????」
「わぁああああぁぁぁ・・・・・あ、あれ?」
飛び上がると、そこは小さな公園のベンチ。どうやら一休みするうちに眠ってしまっていたらしく、目をパチパチさせるM4。
「ゆ、夢・・・・?」
「ちょっとどうしたのM4!? なんかすごい悲鳴が聞こえたんだけど?」
「あ・・・AR-15・・・・」
「え? どうしたのその顔・・・・ってちょっと!?」
突然ぽろぽろと泣き出して抱き着いてくるM4に困惑するAR-15だったが、結局そのまま落ち着くまで抱きしめてあげることにした。
end
番外50-4:社の風紀は私が守る!(鋼の意思)
「そこ、パンを咥えたまま走らない! あなたはちゃんと寝癖を直して!」
朝、S09地区のグリフィン司令部に鋭い声が響く。キッとした視線でにらみを利かせ、少しでも緩んでいる者がいればビシッと注意する。
着任早々に反省文を書かされたVSK-94は、リベンジに燃えていた。
(そうです、あの時はいいように丸め込まれましたが・・・・同じ轍は踏みません!)
自身がここに着任された意義を再確認し、役目を果たすべく奔走する。特にこの地区ではこれまでそういった規律を守るような人形が少なく、また指揮官も割と放任主義のようなところもあってか皆好き勝手に過ごしていた。見えているところでこれなのだから、各々の自室がどうなっているかなど考えたくもないだろう。
流石にVSKといえど、他人の私生活にまでとやかくは言わない。しっかりと身を正すべきところで正せていればいいと考えているからだ。
(ただしUMP45・・・・・あなただけは絶対に許しませんからねっ!!!)
どす黒い私怨を滲ませながら、廊下を進む。今日はこれから指揮官に書類を届け、ついでに部隊の風紀の乱れを改めて報告しようというところだ。
だが忘れてはいけない。ここは個性的すぎる人形たちが集まるS09地区、まともな人形を探す方が難しいくらいなのだ。
「・・・・・ん? あれは」
指揮官室まであとわずかというところで、なにやら騒がしい集団を見つける。指揮官室を塞ぐようにして口論を続けているようで、しかし誰も中に入ろうとしない。
集まっているメンツにVSKは見覚えがある・・・というより知らないはずがない。ライフル型である彼女がまずお世話になる相手だったからだ。
「スプリングフィールドさんにモシン・ナガンさん、Karさんまで・・・・どうかされましたか?」
「あら、VSKさん」
集まっていたのはその三人に加えてガリル、ウェルロッドの計五名。もうこの地区の者であれば(指揮官以外の)誰もが知っているその集団・・・・そう、指揮官ラヴァーズである。
司令部きっての問題児集団たが、まだ来て日の浅いVSKはもちろんそのことを知らない。加えて彼女たちは司令部でも指折りの実力者かつ古参メンバー、不幸にもVSKは彼女たちのことを信用しきっていた。
「皆さんも指揮官に何か御用でしょうか?」
「用というほどではないのですが・・・・・こ、今夜の予定を///」
「ちょっと、今夜は私が指揮官と過ごすんだから邪魔しないでちょうだい!」
「冗談はそのウォッカを一週間禁酒してからにしてくださいな」
「どうせ進展がないのですから、大人しく身を引いてはいかがですか?」
「ほな、ここはうちに任せてもらおかぺったんこ共」
流れるように罵倒し合い、そしてそのまま殴り合いに発展する五人。突然目の前で繰り広げられる大乱闘に呆然とするVSKのそばを、他の人形たちが「あぁ、またか」という目で見ながら通り過ぎる。もはや年中通しての不定期恒例行事となってしまったこれに、今更つっこみを入れる人形も仲裁する人形もいない。
だが、そんな痴態を目の当たりにして黙っているVSKではなかった。
「な、ななな・・・・・何をやっているんですか!!!」
風紀どころか規律すら乱れた現場に、颯爽とと介入していくその姿は、まさに社の風紀を守る人形の姿であったと通りすがった人形たちは語る。
その後、たまたま通りがかったジェリコに見つかり六人とも反省室送りとなるのだった。
end
番外50-5:最重要機密事項
「・・・・・さて、全員そろったな」
「ま、真面目な話だしね・・・・指揮官君、そっちの方は?」
「さきほど私の部下から報告がありました、依然変化なしとのことです」
「私とエゴールが動かせる部隊を使って周囲は封鎖してある、だがいつまでもとはいかんぞ」
「あそこから動かせないのでは仕方ないだろうな」
夜も更けたころ、S09地区にほど近い軍の基地の一画でこの会合は開かれた。集まったのはグリフィンからはクルーガー社長とS09地区の指揮官、IoPのペルシカ所長、正規軍のカーター将軍、そして鉄血工造のゲーガー社長という錚々たる顔ぶれ。
これが悪ふざけだとかスキンの新作であればさほど珍しくもない会合なのだが、今回はいたって真面目な・・・・そして緊急性の高い内容だった。
「映像は出せるか?」
「ナイトビジョンになりますが」
「構わん」
会議室の照明が落とされ、スクリーンに映像が映し出される。『現場』に展開中の人形と兵士たちのカメラを通して得たリアルタイムの映像には、暗視特有の緑色の世界と、その空間に不釣り合いな一枚の『鏡』が映っていた。
例えるなら中世の建築物にあるような、意匠の凝った鏡。それだけでも不自然だが、なんとその鏡は
「ダネル、報告を」
『こちら調査隊第一小隊、ダネルだ。 ターゲットに変化なし』
『第二小隊のFALよ。 浮いてるってとこ以外は普通の鏡みたいね・・・・触ってみる?』
「いや、下手に刺激しない方がいいでしょ。 特にこういうオカルト系はね」
生粋の科学者であるペルシカからすれば、まさに未知との遭遇だ。しかし同時に、それが及ぼす影響を全く想像できないという点が、調査にストップをかけていた。
「あの鏡、代理人は知っているのだろう?」
「あぁ」
「つくづく、彼女は何かを引き寄せる体質らしい」
何の情報もない、まさに正体不明の物体。しかし代理人ら喫茶 鉄血の面々の話から、これ自体にはそこまで大きな影響を及ぼす力はないらしい。
『映されし異界の鏡』・・・・この世界と別の世界を繋ぐゲート、本来交わることのない人々が出会う扉。得られるはずのないものが手に入るという意味では、まさに『魔』の道具だろう。だからこそ、グリフィンと軍が協力してこの鏡を調査しているのだ。
「『悪魔』・・・・伝承や言い伝え通りなら、欲に溺れた人間をこれに近づけるのは危険すぎるわね」
「実際に悪魔と戦闘になった者から、その危険性は報告されています。 破壊、それが困難であれば厳重に隔離すべきです」
「だろうな・・・・はぁ、まさか宇宙人よりも先に悪魔と出会う日が来ようとは」
その後、鏡のあった路地は完全に隔離された。幸い袋小路だったため周辺への影響も少なく、初めは不思議がっていた住民もいつの間にか慣れてしまった。路地の入口には家を装った監視所が設置され、当番制でグリフィンの人形たちが監視にあたることになるのだった。
end
ゴールデンウィークはどこにも行けないから一気に書くぞー!
↓
昼まで爆睡
↓
一日中だら~ん
↓
GW後半になって焦る(イマココ)
いやぁ、連休は恐ろしいですね。
というわけで各話の解説
番外50-1
本編がACネタだったので。
なお、AC風に言うならば四脚ではなく四輪型のタンクであり、所謂ガチタンである。
(´神`)
番外50-2
コラボ回最大の謎、毎回サービスされる飲食の代金。
といっても飲食店経験があるわけではないので、割と適当な部分が多いです。
ぼったくるほどではないけどしっかり利益は出していく。
番外50-3
SOPMODⅡJrといえばこのネタ。無意味に大きくなったり変形したり自爆したり・・・・ドルフロってなんだっけ?
番外50-4
指揮官さえ絡まなければまともな人形たちなのだが、まともでないときはとことんダメな人形たち。
ちなみにジェリコはオンとオフがしっかりしていれば文句は言われない。
番外50-5
コラボ返し・・・・的な話。
以後ご来店の際は、監視所の人形にその旨をお伝えください(強行突破可)
最後に、今後のことで一つアンケートを設けています。
よければ回答をお願いします。
大型コラボはあり?
-
あり
-
なし