ISインフィニット・ストラトス太陽の超新星姫 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「律華?明日、クラス代対抗だけど、専用機開発に付きっきりだったけど大丈夫?」
「?あぁ、大丈夫だ。家にいる時に徹底的に鍛えていたから問題ない」
何だかんだでクラス対抗戦前日の夕暮れ、更識さんの専用機はほぼ完成にこぎ着けたところで更識さんが「明日はクラス対抗戦だから、早めに上がろう」と言い出して早めに部屋に戻ってきました
「い、一応聞きたいんだけど……どんな風に特訓したの?」
「特に変わったことはしてないぞ?ノヴァを纏って毎日30キロマラソン、無限ミサイル追撃、防御、回避。クロエとの模擬戦ぐらいだな」
「……無限ミサイルにもツッコんでおきたいけど、律華。それはかなり変わってるよ。特訓後も料理してるんだよね?」
「まあな、クロエの母親は技術者としてはかなり凄いんだがな、料理はからっきしなんだ。最近は料理できるようになってるみたいだがな」
束さんの料理は週ごとにクオリティが上がっているんですよね。今週も楽しみですね
「そ、そうなんだ……デザートフリーパスはあまり興味ないけど、勝ってね」
「ああ、勿論だ。オレにできるのは戦うことだけだからな」
「でも、無茶はしないで。律華の専用機は危ないんだから」
「善処する……」
「凄い人だな……」
翌日、クラス対抗戦当日、私達が第三アリーナに入ると既にアリーナ内はほぼ満席状態でした
「ザッキー、かんちゃん、クロロー、こっちだよ~」
「席確保しててくれてありがとう、本音」
「ありがとう、本音」
「ありがとうございます、本音さま」
「モ~マンタイ!」
「何故そこで別国の言葉なんだ?」
アリーナの席を探しているの本音さんの声が聞こえてきて声の方に行くと本音が三人分の席を確保してくれていました
「1戦目は織斑一夏と鈴か……」
「今朝、リンリンとすれ違ったんだけど~なんか、もの凄くピリピリしていたよ~」
「織斑一夏がなんか、やったんだろ。後で鈴にでも事情を聞くか……」
「律華さまはおやすみになってもいいんですよ?鈴さんとお話しするのは私達にお任せください」
「うん、律華はクラス対抗戦の後は休んで、無理しすぎ」
「いや、無理なんて…」
「「いいから休む(でください)!!」」
「は、はい」
なんか、更識さんとクロエさんの圧が強いような気がします
「?紫乃宮先生から?はい、園崎です」
1回戦開始の直前、スマホが鳴り出し着信相手は紫乃宮先生からでした
『クラス対抗戦直前にごめんなさいね?園崎くんはなにか感じない?』
「なにか……なにか、嫌な予感は今朝からズッとしてます。こう、明確には言えないんですが……」
『やっぱり園崎くんも……私も……うんん、私と剣ちゃんも今朝からどうしてか嫌な予感がしているの…』
「(光主のお二人と私の三人だけが嫌な予感がしている…これは、なにかありますね)紫乃宮先生、何があってもいいように準備しておいてください。たぶん、いえ、必ず今回のクラス対抗戦で何か起こります」
『分かったわ、園崎くんももしもの時はお願いね?』
「わかった。いつでも動けるように準備しておく」
私はそう言うと電話を切りました
「紫乃宮先生はなんて?」
「更識、本音、クロエ。今回のクラス対抗戦の途中で何かが起こる。何かが起こったら冷静に動いてくれないか?」
「何かって……?」
「分からない、でもオレと紫乃宮先生、兵堂先生の三人が何かを感じているんだ、こんなのは偶然とは思えない」
「……わかった。何かあっても必ず協力する。本音もいいよね?」
「任されたのだ~」
更識さんも本音さんも曖昧な情報なのに信じてくれましたか……お優しい方達ですね
「律華……さま、」
「クロエ?凄い汗だぞ!?」
更識さんと本音さんに話している中、クロエさんの苦しそうな声が聞こえてきました
「……先程、から急に胸が苦しくて……」
「急にか?まさか…いや、でも、あり得るのか?」
クロエさんの症状を見て私は〝ある〟可能性を導き出しましたが…そんなはずはありませんよね?ですが、このタイミングで苦しくなるなんて偶然とは思えないです
「律華!クロエさんどうしよう!?」
「わかってる。クロエは紫乃宮先生に預けてくる。医務室よりこれからのことを考えるとそっちの方が安全なはずだからな」
「うん、そうだね」
私はそう言うとクロエさんをお姫様抱っこするとクロエさんは少し頬を赤く染めていました
「律華さま……」
「大人しくしてお……」
「ダメです……今、律華さまがここを離れるのはダメなんです……」
「どいうことだ?」
クロエさんはここから私を離れないようにと言ってきました
「私を、紫乃宮先生の所に、連れて行ったら、間に合わないんです……」
「だから、どう言うこと……ッ!!そう言うことか!!」
クロエさんの言葉の意味を理解できてしまいました、理解できたそれがやってきてしまいまた
「バリアが!?」
アリーナのバリアが外部から破壊され、外から人ではない巨大が何かが降りてきました
「なん…なの?あんなの、見たことない……それに。怖い」
「私もだよ…」
巨大な生物が降りてきて姿を現すと更識さん達が……いえ、見える範囲の人は殆ど怯えて居ますね
「意識をしっかり持て、更識、本音」
「「ッ!!」」
私の声でちゃんと意識を保てたみたいですね
「律華は……平気なの?」
「あぁ、こんな程度で臆してたらバトラーなんて名乗れないからな。それよりも更識、本音。どうやら、アイツの出現と同時にこのアリーナ内の制御を乗っ取られたみたいだ」
「そんな!?」
私は冷静に話してますが状況は最悪ですね
「オレはクロエを紫乃宮先生の所に連れて行ってからアレを止めないと行けない。二人は扉を破壊して生徒を安全なところまで避難させてくれ」
「それは…分かってるけど、私たちには扉を破壊できる武器なんて無いよ?」
「その点は問題ない、これを渡しておく」
私はデッキケースを更識さんに渡しました
「これって……」
「アポロ・ノヴァだ」
「そんなの渡されても困るよ!?」
「更識、本音。話を聞け、アポロ・ノヴァの待機状態を手に持って少し集中してみろ」
「「う、うん、分かった」」
「集中していると何か剣が思い浮かんでくるはずだ、その剣の名を呼べ」
「カムイ・ハヤテ……」
「エンジェリックフェザー」
二人はそれぞれ剣の名前を口にすると更識さんは薙刀のような緑の剣が、本音さんにはサーベルのようは剣がお二人の手に現れました
「アポロ・ノヴァは預けておくからその剣で避難誘導を頼む」
「わかった……だけど、律華はアポロ・ノヴァ無しでアレとどう戦うの?」
「方法はあるから心配するな。それからクロエはどうしようか……」
事態は一刻を争いますから紫乃宮先生に預けに行くのは……
「それでしたら、わたくしにお任せくださいまし!」
そう考えていると後から声が聞こえ、振り向くと金髪ドリル頭が居ました
「セシリア・オルコットだったか?任せてもいいか?」
「ええ、もちろんでしてよ……その代わり、一夏さんのことお願いしますわ」
「まあ、ついでぐらいでな」
私はそう言うと今までずっとお姫様抱っこしていたクロエさんを受け渡しました
「後は頼んだ、行ってくる!!」
私は皆さんの返事を聞かずに走り出しました
続く