ISインフィニット・ストラトス太陽の超新星姫 作:ヤトガミ・レイナ・マリー・エクセリア
「それで、私をリーダーにセンチュリオンを作るのは構いませんが……如何して皆さんまでも参加することになっているのですか?」
「えっと……そ、その……」
私の目の前では少し怯えて正座している束さんがいました。
理由はもちろん、少し前のIS学園全体への説明会で新たな組織、センチュリオンの設立……では無く、そのセンチュリオンに楯無さん達や織斑先生が所属することになっていたことにです
私はこの世界にきてから初めてここまでの怒りを覚えました
「確かに昨日の話では戦闘以外のことはみなさんに任せることになりましたが、それは皆さんにはなるべく安全な所にいて欲しいという願いもあったからこそ承諾しました。ですが、台本通りに読んでしまいましたが、戦闘員も募集するのはどういうことですか?」
「それは、私から説明する」
私の問に答えたのは正座している束さんでは無く、織斑先生でした
「先ずは、お前に相談も無しにこんなことになってすまないと思ってる。戦闘員に関してだが、これは避難誘導とパニックになり暴徒になった奴らへの対応、シェルターの防衛、それから、お前が現場に到着する前に被害を最小限にするために、魔界七将を引きつける役目、そして、実力行使にでた各国への防衛を担うことになる」
「実力行使にでた各国への防衛……」
「そうだ、現在、この学園には束と束がバックについているお前とクロニクルがいる。その上、更識妹と布仏妹は束の作った専用機を持ち、魔界七将に唯一対抗できるお前がいる。各国からIS委員会を通してお前や更識妹達の専用機及び本人達の引き渡し要求が何度も来ている。もちろん、拒否しているが何時、実力行使に出てきてもおかしくない状態だ。園崎なら分かるな?」
確かに、織斑先生が言いたいことはわかりました
魔界七将を引きつけると言ってもその場に釘付けにして他に被害が出ないようにして、私が到着したら交代する……言うだけなら簡単だと思う、魔界七将の一撃は通常のISの絶対防御を容易く引き裂いてくる…死と隣り合わせだ
それに、です。実力行使にでた各国への防衛……そこまで考えが行きついてませんでしたが人と人が争う…少し考えれば分かったことでした
追われる身の束さんと束さんをバックに付けている私と束さんの娘のクロエさん、それに束さんが作った専用機を持つ簪さんと本音さん……各国が狙わないわけが無かった
「……束さん、もう立って構いません」
「え?あ、うん」
束さんは呆気にとられながらも立ち上がりました
「束さん、すみません。織斑先生もありがとうございました。頭が冷えました。私は甘すぎました。少し考えれば分かることでした……なのに、私は私が表舞台に出ることを何も分かっていませんでした」
「貴方が背負い込むことなんて無いわよ。だって園崎君はまだ、子供なのよ。それに、そんな先のことを見据えている人なんていないわ。それこそ、異界王ぐらいじゃないかしら?」
「まゐ様……」
まゐ様の言葉はまゐ様の過去の体験談も含まれていて重く感じました
「私もね。彼の考えが少しだけ分かるようになってきたわ。この世界に来て漸くだけど…」
「まゐさんの言うとおりですよ、園崎君。僕達、コアの光主は何度も間違いを起こしています。それは、人間だからなんです。人間だから、失敗して成長することが出来るんです。園崎君もそれは同じです」
「ありがとうございます、権堂先生…」
「兵堂です!!」
兵堂先生のいつものネタでこの場の空気が変わった
「あはは、すみません。つい、マギサ様達の真似をしてしまいました…クスッ」
「もう、人として名前を間違えるのは本当は失礼ですからね!」
兵堂先生は注意をしてきましたが、少し楽しそうですね
「これからの話なのだけど、剣ちゃん」
「分かっています、まゐさん」
まゐ様に言われると兵堂先生はプロジェクターを用意し出しました
「僕達の仲間があちこちで調査をしてくれていますがまだ、確かな情報は得られていませんが、アメリカ・ドイツの2カ国が不審な動きをしているのを掴みました…ですが、なかなか尻尾が掴めずにいます」
兵堂先生の説明に織斑先生は「ドイツが……」と呟いていました
「2カ国に関してはこれからも情報を集めていきたいと思いますが、魔界七将と冥府三巨頭……これは園崎君に強くなってもらうしかありません」
「IS戦ではまだまだ経験不足ですからね。もっと精進しなくてはいけません。それに……簪さんの夢の人型の影……もっと強くならなくてはいけません」
簪さんの為にも、この世界のためにも……そして、自分のためにも!
「ところで、まゐ様。お二人の仲間って……」
「園崎君の思っている通りの人達よ♪」
私が言い終わる前にまゐ様がウインクしながらそう言いました
「あ、あの~……」
ここまで黙っていた楯無さんが余所余所しく手を上げていた
「そう言えば、園崎君以外に私達の事情を知るのはクロエさんだけだったね。私や剣ちゃんの過去を簡単に説明するわ」
そう言ってまゐ様はここにいる全員に過去を話し出しました
グラン・ロロで旅した日々、異界王との激闘、フィクサーによる隠蔽と周りからの手のひら替えしに苦悩した日々、未来の世界で地球リセットを回避の旅、未来で培った経験を待って過去での生活の日々のこと……私はアニメでの出来事しか見ることも出来なかったけど、改めて聞くと、コアの光主は濃い経験と言う言葉では表しきれない程の経験をしていました
「まあ、こんなものね。私と剣ちゃん……仲間達……そして、弾との旅の数々は今でも忘れられない」
「辛いことも楽しいことも、みなさんと培ってきたんですから忘れるわけありませんよ」
まゐ様と兵堂先生の過去語りにこの話を知らなかった皆さんは唖然としていました
仕方が無いことではありますね、異世界で旅して強敵との戦い、元の世界に帰ってからも世界の矛盾と戦い……そして、敗北から光主はバラバラ、その後は未来での戦いに身を投じて、仲間が……まゐ様にとってはかけがえのない大切な弾さんが地球リセットの阻止のために世界から消えて、過去に戻って再び動き出した……私も知らなければ唖然としてると思います
「園崎は……知っていたのか?」
「はい、細部までとは行きませんが概ねの話は知ってます。まゐ様や兵堂先生、コアの光主……そして、弾さん。私がカードバトラーたらしめるのは皆さんの話を見たからです……コアの光主のみなさんの苦労などは私には全ては理解できませんが、弾さんやまゐ様のバトルは胸が……体が熱くなっていくんです。だからこそ、私は戦えるのです」
少しの恐怖は胸に押し込め、弾さんに憧れて昇り続けた道です。前の世界ではクラスメイトからも教師からも親からも見放されていましたがこの道で進んで良かったと思っています
「まゐ様、兵堂先生、束さん、三人にお願いしたいことがあります」
私がそう言い出すと三人は首を傾げた
「まゐ様と兵堂先生のお仲間に南極の調査とある12のカードを探して欲しいんです、束さんはその足になる「アレ」の整備をお願いしたいのです」
「南極……12のカード!?」
「園崎君、貴方まさか!?」
「アレだね、わかったよ~」
まゐ様と兵堂先生は南極と12のカードというキーワードで私の考えを即座に理解して驚愕し、束さんは私の考えを読み取ってくださいました
「私の持っているのはコピーカードのようなもの、本物を見付けて置いて切り札の1つに出来ればいいと思っています。ISでもバトラーとしても負けるわけには行きませんから……」
私がそう言うとまゐ様は「分かったわ」と言うだけでした
続く