BanG Dream! 澄み渡る空、翔け抜ける星   作:ティア

11 / 58
お久しぶりです……。ようやく投稿できました。

お気に入りもまた増えていて、しかも評価も増えていて……ありがとうございます。期待に応えられるようにがんばります。

これからは間を空けずに投稿したいと思っているので、よろしくお願いします。

では、どうぞ。




phrase10 意図

「起立!礼!ありがとうございました!!」

 

香澄から電話を貰った次の日の事。と言っても、既に授業は終わり、これから放課後。俺は特に何もないから、このまま帰ろうとしていたのだが……。

 

「じゃあね、なーくん!さーやも、りみりんも!」

 

「また明日な」

 

香澄はすぐに教室を飛び出し、全速力で校舎を出る。向かう先は、間違いなくあそこだ。

 

「香澄ちゃん、行っちゃったね……」

 

「帰る準備早かったね。香澄、急いでるみたいだったけど」

 

「あぁ。昨日話した、市ヶ谷って奴の家にな。色々あって、ちょっとまずい状況になっているんだ」

 

「えっ、そうなの?」

 

俺は手短に2人に説明する。香澄の欲しがっているランダムスターが、ネットオークションに出品されていること。その額は、とても学生が手の出せるものじゃない事。

 

だからこそ、何としても市ヶ谷に交渉して、ランダムスターを譲ってもらう必要がある事を。

 

「そうなんだ……。香澄、大変だね」

 

「私たちにできる事って、何かないのかな……?」

 

「わからない。その市ヶ谷を説得するくらいしか、道はないんじゃないか?」

 

みんなで金を集め合って、ギターを買うって言うのも……正直無理な話だからな。言っている間にも、額はさらに膨れ上がっているかもしれないし。

 

「私にも手伝えることがあったら言ってね。香澄が頑張ってるのに、ただ見ている事なんてできないよ」

 

「私も、香澄ちゃんが困ってるなら、力になりたいから……」

 

「ありがとな。沙綾、りみ。俺も、何をどうすればいいかわからないからな。俺の方こそ、協力してくれると嬉しいよ」

 

俺の言葉に、沙綾とりみが力強くうなずく。俺もこれからやるべきことを考えなくてはいけないな。

 

 

その前に、まずは香澄がどう動くかが問題だ。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「こんにちは~有咲っ!」

 

「またかよ!しつこいな!」

 

翔に励まされたことをきっかけに、香澄は気持ちを新たに有咲の家へと向かった。蔵の中は少し綺麗になっており、相変わらず冷めた反応だが、香澄は気にしない。

 

何か反応があるまで、ぶつかり続ける。行動に起こすことが、自分の取り柄だと教えてくれたから。

 

「有咲、今日も早退したって聞いたから、心配したよ?でもやっと会えた!」

 

「こんな奴に心配されなくてもいいっつーの……。てか、ここまで行くとストーカーみてぇ……」

 

本当は今朝も家には行っていた。だが、有咲は学校に行ったという話をおばあさんから聞き、すぐに学校へ。休み時間も探し回っていたのだが、担任に確認したところ、すぐに早退したと言う事だった。

 

「ストーカーじゃないよ!私はただ――」

 

「ギター目当てだろ?」

 

「違う!それだけじゃないよ!」

 

「ふ~ん……。『それだけ』じゃないってことは、ギターは目的には含まれてるってことじゃん」

 

「う……」

 

ほら見ろと言わんばかりに、有咲は素っ気ない眼差しを香澄に向ける。図星だったことに落ち込みそうになるが、何とか気を保つ。この程度で折れていては、ギターは夢のまた夢だ。

 

「つーか、何でまた来るわけ?ギターは貸さないし、蔵にも入れねぇ。欲しいなら買えば?」

 

「それは……」

 

「な?結局そう言う事だろ?前はバンドがどうとか適当な事言っておきながら、ギター目的のために気を引こうってわけだ。私をその気にさせて、ギターを譲ってもらう。魂胆が丸見えだ」

 

「ち、違うよ!バンドの話は、でたらめなんかじゃない!私は本当に有咲と――」

 

「うるさい。そこどいて。片付けの邪魔になる……って、何この段ボール、重っ!?」

 

掃除でもしているのだろうか。乱雑に置かれた段ボールの1つを持ち上げ、有咲は蔵の空いているスペースへと運んでいく。だが、香澄の見た限りでもかなりの量だ。これを1人でするのか。

 

しかも、持ち上げられた段ボールは、すぐにドスンと音を立てて地面に降ろされる。とても有咲だけで終わるとは思えない。

 

 

それを見た香澄のすることは、決まっていた。

 

 

「大丈夫!?私、手伝うよ!」

 

「な、何だよ!?恩でも着せて、ギター貰おうってか!?その手には乗んねぇぞ!」

 

「違うよ!こんな重いの、1人じゃ持てないよ!」

 

それに、香澄は何とかして有咲と話ができる時間を作りたいだけだった。明らかに毛嫌いされている状況を、どうにか改善したい。普通に話ができるようになるくらいの関係を築こうと、香澄は考えている。

 

「そ、それは……余計なお世話だ!1人だって……」

 

「うっ、重いね……。こんなの、やっぱり1人じゃ無理だよ!早く運んじゃおう!」

 

「く……。い、言っとくけど、何もやらねーからな!仕方なく、あんたを利用するだけだ!」

 

「それでもいいよっ!じゃあ有咲、そっち持って!」

 

有咲は香澄とは反対側を持ち、息を合わせて持ち上げる。2人とは言え、女子の力だ。重いことに変わりはなかったが、それでも1人の時よりは負担は軽い。有咲の指示を受け、香澄たちは段ボールを運び終えた。

 

「ふー!段ボール、すっごく重かった―!」

 

「……どーも」

 

「えへへ、どういたしまして!他にも手伝うことあったら言ってね!」

 

「……ふん」

 

有咲は感謝こそしていたが、まだ警戒は解いていない。どうせギター目当てのアピールなだけだ。あんなものに善意も何もない。自分がよかったらそれでいいってだけ。

 

 

バンドなんて、なおさら……知ったことじゃない。

 

 

「でも有咲?ずっと中片付けてるけど、何してるの?昨日も掃除してたよね?」

 

「何って……別にいいだろ?お前には関係ねーよ」

 

「いいじゃん!それくらい教えてよ~?」

 

「うっ、くっつくな!暑苦しい……」

 

抱き着く香澄を押しのけながら、有咲はこれ以上密着されるのを避けるため、渋々事情を話し出す。本当に遠慮がないと、有咲は香澄に嫌気をさしながら。

 

「何って事もねーよ。ただ、片付けたらここを好きに使っていいって、ばあちゃんがな」

 

「そっか。けど、この荷物って有咲が1人で片づけるの……?」

 

「は?そうに決まってるじゃん」

 

「えぇー!?こんなにあったら、いつ終わるかわかんないよー!?」

 

1つ片付けたが、まだ山のように段ボールや使わないゴミが広がっている。しかも、さっきのように重い荷物も出てくるはずだ。これを1人で掃除するのは、骨が折れる。

 

「よーし、だったら私も頑張らなくちゃ!2人でやったら、きっと早く終わるよ!」

 

「は?手伝えなんて、私一言も――」

 

「暗くなる前にパパっとやっちゃおう!まずはこっちの方から……」

 

「ちょ、おい!」

 

あいつ、また勝手に片づけだした……。こっちから頼んでもないのに、本当に必死だな。そこまでしてまで、あのギターが欲しいのかよ。バンドやりたいのかよ。

 

 

それとも、あいつ本当に……?

 

 

「マジで何だよ、あいつ……」

 

 

 

 

***

 

 

 

 

それから数日が過ぎた。香澄は欠かさずに市ヶ谷とか言う奴の家に出入りするようになっていた。朝早くから家に向かい、放課後も何やら蔵の掃除をやっているらしい。事情がよく見えないが。

 

その甲斐あってか、香澄曰く、市ヶ谷は少しずつ心を開いてくれているらしい。気がない返答なのは相変わらずみたいだが、話す機会は増えて行っているそうだ。一方的に話しているのを、適当に相槌打ってるだけじゃないかと心配になるんだが。

 

でも、毎日家に行っているんだ。しつこいと思われてもおかしくはないが、まだ何事もないところを見ると、案外うまくいっているみたいだな。

 

とは言え、オークションの期限も刻一刻と迫っている。どうにかして決め手が欲しいところだ。俺や沙綾たちも、今のところは香澄を応援することしかしてないからな。何かできるなら手伝いたいところだが……。

 

 

「それで?珍しく店に来たと思ったら、どうして朝からご機嫌斜めなのかな?翔は」

 

「……あのバカな幼馴染のせいだ」

 

 

俺は今、沙綾の家のパン屋、やまぶきベーカリーに来ていた。いつもなら、朝早くに起きてわざわざ寄っていくなんてことはしない。と言うか、こっちから出向くのは今日が初めてだったりする。だが、俺がここにいるのは、頭キラキラしてるアホ(誰とは言わない)のせいだ。

 

昨日は夜遅くまで起きていたから、睡眠時間がかなり少ない。その上、毎朝のように早く家を出る香澄の声に起こされてしまった。いつもならこんなことはないのに、今日に限ってこれだよ、畜生。

 

 

で……こうなった。

 

 

「二度寝するにも、寝たらまず起きられないなって悟ったからな。でも学校まで全然時間あるし、どうしようかな~って思って」

 

「それで、うちに来たって事だね」

 

「あぁ。今普通にしゃべってるけど、気を抜いたらマジで寝る。延々と話題振ってくれ」

 

「うん、相当深刻そうだね……」

 

1限目の授業は、遠慮なく睡眠時間に使わせてもらう。幸いなことに、厳しい先生じゃないからな。

 

「あ、この前はありがとな。SPACEの人も喜んでくれたし、俺も嬉しかったよ。すっごくおいしいな」

 

「ありがと。あ、もしよかったら、焼き立てのパンもいかがですか?この前は冷めちゃってたでしょ?」

 

「そうなんだが、さらっと商売に持ち込んだな……」

 

「アハハ。一応パン屋の娘ですから。どう?買ってく?」

 

「あぁ。そのつもりで寄ったんだしな」

 

トレイとトングを持ち、俺はパンの並ぶコーナーへ。こうして見ると、やはり種類が多い。前は沙綾が選んでくれたパンを食べただけだからな。

 

「どれにしようかな……何か、どれも旨そうだな」

 

「だったら全部買ってく?なんちゃって」

 

「それはさすがに……あっ、確か前に食べたメロンパンが旨かったな。それにするか」

 

サクサクのパン生地に、ふんわりとして香ばしいパンのコンビネーションが抜群にヒットする。俺は迷わずメロンパンをトレイに置いて、他のパンを物色。りみじゃないが、何個でも食べられるメロンパンなんだよな。

 

「ふ、ふ~ん。翔、前のメロンパンが一番おいしかったんだ」

 

「そうだな。他のパンも確かにおいしかったけど、あれが一番だったな。冷めても旨かったし、最高のメロンパンだ」

 

「そ、そっか~。そうなんだ~……フフッ」

 

やっぱり自分の店のパンを褒められるのは嬉しいのか。髪をクルクルといじりだし、わかりやすく喜んでいる。そんな姿は、年相応の少女らしい。

 

「……よかった。気に入ってもらえて♪」

 

「沙綾?何か言ったか?」

 

「(えっ、声出てた……!?)う、ううん。ゆっくり選んでって、それだけだよ」

 

何か小声で話すのが聞こえた気がしたんだが……気のせいか。けど、何か慌てているし、少し落ち着きもないように見える。何か企んでるのか?

 

だが、その答えはすぐにわかった。話が途切れ、他にも何種類かのパンを選び終えた後の事。レジで会計を済ませようとしている時だった。

 

「……あ、やっぱりもう一個言う事あった」

 

「ん、今度は何だ?おすすめのパンでも教えてくれるか?」

 

「ううん。さっきのメロンパンの話なんだけど……あれ、私が作ったんだ」

 

「えっ、そうなのか!?」

 

あのメロンパンを、まさか沙綾が作っていたなんて……。沙綾はただの手伝いだと思っていたが、まさか作る方もやっていたなんてな。沙綾の方を見ると、視線を下げて照れ臭そうにはにかんでいた。

 

「だから、褒められて何だか嬉しくって……ありがとね」

 

「お、おう。お礼なんて言われると、こっちが照れるんだけどな」

 

「アハハ。でも、私のパンが気に入ってくれてよかったよ。すっごく嬉しい!」

 

ただでさえ気恥ずかしいのに、追い打ちをかけるように笑顔を振りまいてきた。屈託ない表情に、俺は顔が熱くなるのを感じていた。今ので上機嫌になった沙綾を見ているとなおさらだ。普通に可愛いんだが。

 

何だろう、この空間。2人の男女が向かい合って、頬を染めてるって時点でマズくないか?これじゃあ誰かに見られたら絶対に誤解を招く。このまま何事もなく終わってくれたら――。

 

 

 

「……あ」

 

 

 

み、見られたー!?

 

 

 

入り口付近から聞こえてくる、乾いた声。何も悪いことはしていないはずなんだが、余計な事を考えてしまったせいで思考が停止してしまう、時が止まってしまうとは、こういうことを言うんだな……。

 

それは沙綾も同じだったんだろう。ギクリと効果音が聞こえてきそうなほどに表情を強張らせ、変に意識してしまったらしい。こんなことを考えてる俺たちの方が変なんだと思うけどな。

 

そもそも誰が見たかだ。俺たちは恐る恐る目を向けると……口をパクパクさせているハネっ毛の小柄な少女が。そうか、りみだったか……。

 

「あ、う、え~っと……お、お邪魔しまし――」

 

「「いや、大丈夫だから!!」」

 

完全にフラグ立ててしまったってことだよな、今のは。

 

 

 

 

***

 

 

 

 

「そう言う事だったんだね。私、何だかいい雰囲気だったから、その……」

 

「違うって。私がちょっと舞い上がっちゃっただけだよ」

 

「そう言うわけで、今回は沙綾に原因があるってことだ」

 

「もうっ、そんな人聞き悪い言い方しないでよ……」

 

さっきの騒動(?)が起こってから数分後。何故か泣きそうになっていたりみに、俺たちは事情を説明する。誤解も解けたみたいで、今はりみもパン選びの途中だ。

 

「で、りみはチョココロネか?」

 

「うん。翔君は……メロンパン?」

 

「前に食べたことあってな。こいつはオススメだぞ」

 

「私も食べたことあるよ。あの食感がたまらないよね」

 

何だ、食べたことあったのか。今もトレイにはチョココロネしか乗っていないが、他のパンも食べることはあるんだな……。

 

「フフッ、今翔が考えてること、教えてあげよっか」

 

「いや、いいです」

 

「牛込さん、中学の時からうちの常連さんでね。最初はチョココロネだけじゃなくて、色んなパンを買って行ってくれたんだよ」

 

「待って。何で無視して言っちゃってんだよ」

 

「え?何の事?私はただ、牛込さんの事話しただけだよ。もしかして翔、牛込さんがチョココロネにしか目がないなんて考えてた?」

 

「もう全部言ってるだろそれ!沙綾こそ、やり方が汚いぞ!?」

 

「あ~、翔って牛込さんの事そんな風に見てたんだ?」

 

「くっ……ここぞとばかりにからかってきやがって……」

 

「さっきのお返しですよ~♪」

 

いや、違うからな?俺は決して、りみがチョココロネ大好きマンだとか、りみ=チョココロネだなんて考えてるわけじゃないからな?りみはほら、音楽も好きだし、読書やホラーだって目がないって聞いたし。

 

 

……決して、チョココロネだけの奴じゃない。

 

 

けどな……りみ、昼はいっつもチョココロネだから、もうそのイメージで定着してしまったと言うか……うん、ごめんな、りみ。ちゃんとりみの良さはわかってるから、許してくれ。

 

「あ~面白かった!やっぱり、翔と一緒にいるのって楽しいね」

 

「さらっとゲスな事言った気がするが……まぁ、俺も沙綾といるのは楽しいよ」

 

「それはどうも。あ、牛込さんもう選び終わった?お会計するよ?」

 

トレイには5個のチョココロネ。と、何故か1個のメロンパン。さっきの会話を意識してしまったんだろうな……悪い。沙綾も複雑な顔をしながら、紙袋にチョココロネ(とメロンパン)を詰めていく。

 

「……あの、翔君と山吹さんって、仲いいんですか?」

 

「ん?いきなりどうした?」

 

「あ、えっと……その、今の二人、仲がいいような気がしたから……」

 

と、りみが口を開く。俺と沙綾の中について聞いてきたが、いきなりどうしたのか。しかも不安そうで、また泣きそうに見えたのは気のせいか。

 

「まぁな。花女で初めてできた友達だし」

 

「そうだったんだ。私、初耳かも」

 

「あのバカ以外だったら、誰かと話したのって沙綾が最初だからな」

 

へぇ、と相槌を打ちながら、沙綾は手慣れた動きでパンを詰めていく。だが、りみはまだどこか優れない表情のままだ。

 

「俺から言えるのはこれくらいなんだけど……りみの納得できる答えだったかな?」

 

「う、うん。ごめんね。何か、変な質問だったと思うけど……」

 

「別に謝るような事じゃないって。それに、仲がいいかどうかで言ったら、りみだって俺の中では仲がいい人に入るからな?」

 

「私も……?」

 

「あのレストランでの話、楽しかった。きっかけは偶然だったけど、出会っていろんな話して、仲良くなれた。明るくて、活き活きしてて……あの時出会えてよかったよ」

 

音楽の話題で盛り上がれる、数少ない友達だ。気も合うし、本当にいい人に出会えたと自分でも思う。香澄や沙綾とは、あんまり踏み込んだ話はできないからな。

 

他にできるとしたら……それこそ、美羽くらいか。後は、もう1人。

 

 

黒髪ロングの、黙っていれば美人な奴が。

 

 

「……何か、翔ってある意味すごいよね」

 

「え?何がだよ」

 

「よくそんな告白みたいな、聞いていて恥ずかしいセリフを淡々と言っちゃうのかな~って」

 

見ると、りみはあからさまに俺と目を合わせようとしない。髪の間からちらりと見える耳は、真っ赤に染まっていた。沙綾もニヤニヤとはしていたが、どこか恥ずかしそうだ。

 

「翔って案外、女ったらしだったりして」

 

「は!?ち、違うからな!?俺はただ、りみは大切な友達なんだって言いたかっただけで!だから、これからもずっと仲良くしてほしいなって思っただけなんだが!?」

 

「そのセリフも、ギリギリアウトだと思うけど?もしかして無自覚?」

 

「~~~~っ!だ・か・ら!」

 

くっそ~……。沙綾ってこんな奴だったか?出会った頃と全然キャラが違ってるんだよな……。

 

「ウフフ、ごめんね。少しからかいすぎちゃった。はい、牛込さん」

 

「あ、ありがとう……」

 

紙袋を牛込さんに渡し、エプロンを外す沙綾。何だかんだで、もう学校に行く時間か。早いな。

 

「さて……着替えてくるから、2人ともちょっと待っててよ」

 

「あぁ、わかった」

 

「う、うん」

 

ここまで来て、沙綾を放って先に学校に行くつもりはないからな。りみは少し緊張しているみたいだけど、俺の横でこくりと頷いていた。

 

「あ……そうそう、翔」

 

「うん?」

 

 

「翔にとっては無自覚でも、周りは自覚しちゃうからね」

 

 

「……え?」

 

謎の言葉を残し、沙綾は裏手へと消えていく。俺は呆気にとられながら、その言葉を頭の中で繰り返していた。りみにも聞いたが、どこか気まずそうな笑顔がこぼれただけ。

 

結局、沙綾の言葉の意図を掴めないまま、俺は学校に向かうことになったとさ。

 




あ、投稿日がバレンタインなのは、特に意味無いです(え) でも、そう言うイベントの短編みたいなのも書きたいな。

もし需要があるなら、ちょっと考えてみます。ないなら、そのまま進めます……。

という訳で、意見よろしくです。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。